エレミヤ書

第一章

1ベニヤミンの()アナトテの祭司(さいし)のひとりである、ヒルキヤの()エレミヤの言葉(ことば)2アモンの()、ユダの(おう)ヨシヤの(とき)、すなわちその治世(ちせい)の十三(ねん)に、(しゅ)言葉(ことば)がエレミヤに(のぞ)んだ。 3その言葉(ことば)はまたヨシヤの()、ユダの(おう)エホヤキムの(とき)にも(のぞ)んで、ヨシヤの()、ユダの(おう)ゼデキヤの十一(ねん)(おわ)り、すなわちその(ねん)の五(がつ)にエルサレムの(たみ)(とら)(うつ)された(とき)にまで(およ)んだ。
4(しゅ)言葉(ことば)がわたしに(のぞ)んで()う、
5「わたしはあなたをまだ(はは)(たい)につくらないさきに、
あなたを()り、
あなたがまだ(うま)れないさきに、
あなたを聖別(せいべつ)し、
あなたを()てて万国(ばんこく)預言者(よげんしゃ)とした」。
6その(とき)わたしは()った、「ああ、(しゅ)なる(かみ)よ、わたしはただ若者(わかもの)にすぎず、どのように(かた)ってよいか()りません」。 7しかし(しゅ)はわたしに()われた、
「あなたはただ若者(わかもの)にすぎないと()ってはならない。
だれにでも、すべてわたしがつかわす(ひと)()き、
あなたに(めい)じることをみな(かた)らなければならない。
8(かれ)らを(おそ)れてはならない、
わたしがあなたと(とも)にいて、
あなたを(すく)うからである」と(しゅ)(おお)せられる。
9そして(しゅ)はみ()()べて、わたしの(くち)につけ、(しゅ)はわたしに()われた、
()よ、わたしの言葉(ことば)をあなたの(くち)()れた。
10()よ、わたしはきょう、
あなたを万民(ばんみん)(うえ)と、万国(ばんこく)(うえ)()て、
あなたに、あるいは()き、あるいはこわし、
あるいは(ほろ)ぼし、あるいは(たお)し、
あるいは()て、あるいは()えさせる」。
11(しゅ)言葉(ことば)がまたわたしに(のぞ)んで()う、「エレミヤよ、あなたは(なに)()るか」。わたしは(こた)えた、「あめんどうの(えだ)()ます」。 12(しゅ)はわたしに()われた、「あなたの()たとおりだ。わたしは自分(じぶん)言葉(ことば)(おこな)おうとして見張(みは)っているのだ」。
13(しゅ)言葉(ことば)がふたたびわたしに(のぞ)んで()う、「あなたは(なに)()るか」。わたしは(こた)えた、「()()っているなべを()ます。(きた)からこちらに()かっています」。 14(しゅ)はわたしに()われた、「(わざわい)(きた)から()って、この()()むすべての(もの)(うえ)(のぞ)む」。 15(しゅ)()われる、「()よ、わたしは(きた)国々(くにぐに)のすべての(たみ)()ぶ。(かれ)らは()て、エルサレムの(もん)入口(いりぐち)と、周囲(しゅうい)のすべての城壁(じょうへき)、およびユダのすべての町々(まちまち)()かって、おのおのその()(もう)ける。 16わたしは、(かれ)らがわたしを()てて、すべての悪事(あくじ)(おこな)ったゆえに、わたしのさばきを(かれ)らに()げる。(かれ)らは()神々(かみがみ)(こう)をたき、自分(じぶん)()(つく)った(もの)(はい)したのである。 17しかしあなたは(こし)(おび)して()ち、わたしが(めい)じるすべての(こと)(かれ)らに()げよ。(かれ)らを(おそ)れてはならない。さもないと、わたしは(かれ)らの(まえ)であなたをあわてさせる。 18()よ、わたしはきょう、この全国(ぜんこく)と、ユダの(おう)と、そのつかさと、その祭司(さいし)と、その()(たみ)(まえ)に、あなたを(かた)(しろ)(てつ)(はしら)青銅(せいどう)城壁(じょうへき)とする。 19(かれ)らはあなたと(たたか)うが、あなたに()つことはできない。わたしがあなたと(とも)にいて、あなたを(すく)うからである」と(しゅ)()われる。

第二章

1(しゅ)言葉(ことば)がわたしに(のぞ)んで()う、 2()って、エルサレムに()(もの)(みみ)()げよ、(しゅ)はこう()われる、
わたしはあなたの(わか)(とき)純情(じゅんじょう)
花嫁(はなよめ)(とき)(あい)
荒野(あらの)なる、(たね)まかぬ()
わたしに(したが)ったことを(おぼ)えている。
3イスラエルは(しゅ)のために聖別(せいべつ)されたもの、
その刈入(かりい)れの初穂(はつほ)である。
すべてこれを()べる(もの)(つみ)せられ、
(わざわい)にあう」と(しゅ)()われる。
4ヤコブの(いえ)とイスラエルの(いえ)のすべてのやからよ、(しゅ)言葉(ことば)()け。 5(しゅ)はこう()われる、
「あなたがたの先祖(せんぞ)は、
わたしになんの(わる)(こと)があるのを()て、
わたしから(とお)ざかり、
むなしいものに(したが)って、むなしくなったのか。
6(かれ)らは()わなかった、
『われわれをエジプトの()より(みちび)()し、
荒野(あらの)なる、(あな)(おお)()れた()
かわいた()暗黒(あんこく)()
(ひと)(とお)らない、(ひと)()まない()
(とお)らせた(しゅ)はどこにおられるか』と。
7わたしはあなたがたを(みちび)いて(ゆた)かな()()れ、
その()()(もの)()べさせた。
しかしあなたがたはここにはいって、
わたしの()(けが)し、
わたしの()(ぎょう)(にく)むべきものとした。
8祭司(さいし)たちは、
(しゅ)はどこにおられるか』と()わなかった。
律法(りっぽう)(あつか)(もの)たちはわたしを()らず、
つかさたちはわたしにそむき、
預言者(よげんしゃ)たちはバアルによって預言(よげん)し、
(えき)なき(もの)(したが)って()った。
9それゆえ、わたしはなお、あなたがたと(あらそ)う、
またあなたがたの子孫(しそん)(あらそ)う」と(しゅ)()われる。
10「あなたがたはクプロの島々(しまじま)(わた)ってみよ、
また(ひと)をケダルにつかわして、
このようなことがかつてあったかを
つまびらかに、しらべてみよ。
11その(かみ)(かみ)ではない(もの)()()えた(くに)があろうか。
ところが、わたしの(たみ)はその栄光(えいこう)
(えき)なきものと()()えた。
12(てん)よ、この(こと)()って(おどろ)け、
おののけ、いたく(おそ)れよ」と(しゅ)()われる。
13「それは、わたしの(たみ)
二つの()しき(こと)(おこな)ったからである。
すなわち()ける(みず)(みなもと)であるわたしを()てて、
自分(じぶん)(みず)ためを()った。
それは、こわれた(みず)ためで、
(みず)()れておくことのできないものだ。
14イスラエルは奴隷(どれい)であるか、
(いえ)(うま)れたしもべであるか。
それならなぜ(とら)われの()となったのか。
15ししは(かれ)()かってほえ、
その(こえ)(たか)くあげて、(かれ)()(あら)した。
その町々(まちまち)(ほろ)びて()(ひと)もない。
16メンピスとタパネスの人々(ひとびと)もまた、
あなたのかしらの(かんむり)(くだ)いた。
17あなたの(かみ)(しゅ)があなたを(みち)(みちび)かれた(とき)
あなたは(しゅ)()てたので、
この(こと)があなたに(およ)んだのではないか。
18あなたがナイルの(みず)()もうとして、
エジプトへ()くのは(なに)のためか。
またユフラテの(みず)()もうとして、
アッスリヤへ()くのは(なに)のためか。
19あなたの悪事(あくじ)はあなたを(こら)しめ、
あなたの背信(はいしん)はあなたを()める。
あなたが、あなたの(かみ)(しゅ)()てることの
()しくかつ(にが)いことであるのを()()るがよい。
わたしを(おそ)れることがあなたのうちにないのだ」と
万軍(ばんぐん)(かみ)(しゅ)()われる。
20「あなたは(ひさ)しい以前(いぜん)自分(じぶん)のくびきを()り、
自分(じぶん)のなわめを()()って、
『わたしは(つか)えることをしない』と()った。
そして、すべての(たか)(おか)(うえ)と、
すべての(あお)()(した)で、
遊女(ゆうじょ)のように()をかがめた。
21わたしはあなたを、まったく()(たね)
すぐれたぶどうの()として()えたのに、
どうしてあなたは(かわ)って、
(わる)()ぶどうの()となったのか。
22たといソーダをもって(みずか)(あら)い、
また(おお)くの灰汁(あく)(もち)いても、
あなたの(あく)(けが)れは、なおわたしの(まえ)にある」と
(しゅ)なる(かみ)()われる。
23「どうしてあなたは、『わたしは(けが)れていない、
バアルに(したが)わなかった』と()うことができようか。
(たに)(なか)でのあなたの(おこな)いを()るがよい。
あなたのしたことを()るがよい。
あなたは(ぎょ)しがたい(わか)いらくだであって、
その(みち)()きつもどりつする。
24あなたは荒野(あらの)()れた()()ろばである、
その欲情(よくじょう)のために(かぜ)にあえぐ。
その欲情(よくじょう)をだれがとどめることができようか。
すべてこれを(たず)ねる(もの)()(ろう)するにおよばない、
その(つき)であればこれに()うことができる。
25あなたの(あし)が、はだしにならないように、
のどが、かわかないようにせよ。
ところが、あなたは()った、『それはだめだ、
わたしは(こと)なる(くに)(もの)(あい)して、
それに(したが)って()こう』と。
26(ぬす)びとが(とら)えられて、はずかしめを()けるように、
イスラエルの(いえ)は、はずかしめを()ける。
(かれ)らはその(おう)も、そのつかさも、
その祭司(さいし)も、その預言者(よげんしゃ)もみなそのとおりである。
27(かれ)らは()()かって、
『あなたはわたしの(ちち)です』と()い、
また(いし)()かって、
『あなたはわたしを()んでくださった』と()う。
(かれ)らは()をわたしに()けて、
その(かお)をわたしに()けない。
しかし(かれ)らが(わざわい)にあう(とき)は、
()って、われわれを(すく)いたまえ』と()う。
28あなたが自分(じぶん)のために(つく)った神々(かみがみ)
どこにいるのか。
あなたが(わざわい)にあう(とき)
もし(かれ)らがあなたを(すく)えるなら、
()ってもらうがよい。
ユダよ、あなたの神々(かみがみ)は、
あなたの(まち)(かず)ほど(おお)いからである。
29あなたがたは、なぜわたしと(あらそ)うのか。
あなたがたは(みな)わたしにそむいている」と
(しゅ)()われる。
30「わたしがあなたがたの()どもたちを
()ったのはむだであった。
(かれ)らは(いまし)めを()けず、
あなたがたのつるぎは、
たけりたつししのように、預言者(よげんしゃ)たちを(ほろ)ぼした。
31あなたがたこの世代(せだい)(ひと)よ、
(しゅ)言葉(ことば)()け。
わたしはイスラエルにとって、
荒野(あらの)であったであろうか。
暗黒(あんこく)()であったであろうか。
それならなぜ、わたしの(たみ)は『われわれは自由(じゆう)だ、
もはやあなたのところへは()かない』と()うのか。
32おとめはその(かざ)(もの)(わす)れることができようか。
花嫁(はなよめ)はその(おび)(わす)れることができようか。
ところが、わたしの(たみ)の、
わたしを(わす)れた()(かぞ)えがたい。
33あなたは恋人(こいびと)(たず)ねて、
いかにも(たく)みにその(ほう)(あし)()ける。
それゆえ(わる)(おんな)さえ、あなたの(みち)(まな)んだ。
34また、あなたの着物(きもの)のすそには
(つみ)のない(まず)しい(ひと)(いのち)()がついている。
あなたは(かれ)らが()()るのを()たのではない。
しかも、すべてこれらの(こと)にもかかわらず、
35あなたは()う、『わたしは(つみ)がない。(かれ)(いか)りは、
(けっ)してわたしに(のぞ)むことがない』と。
あなたが『わたしは(つみ)(おか)さなかった』と
()うことによって、わたしはあなたをさばく。
36あなたはなぜ軽々(かるがる)しくさまよって、
その(みち)()えようとするのか。
あなたはアッスリヤに、はずかしめを()けたように、
エジプトにもまた、はずかしめを()ける。
37あなたはまた両手(りょうて)(あたま)()いて、そこから()()る。
(しゅ)があなたの(たの)みとする(もの)どもを()てられたので、
あなたは(かれ)らによって(さか)えることがないからだ。

第三章

1もし(ひと)がその(つま)離婚(りこん)し、
(おんな)(かれ)のもとを()って、他人(たにん)(つま)となるなら、
その(ひと)はふたたび彼女(かのじょ)(かえ)るであろうか。
その()(おお)いに(けが)れないであろうか。
あなたは(おお)くの恋人(こいびと)姦淫(かんいん)(おこな)った。
しかもわたしに(かえ)ろうというのか」と(しゅ)()われる。
2()をあげてもろもろの(はだか)(やま)()よ、
姦淫(かんいん)(おこな)わなかった(ところ)がどこにあるか。
荒野(あらの)にいるアラビヤびとがするように、
あなたは(みち)のかたわらに()して恋人(こいびと)()った。
あなたは姦淫(かんいん)悪事(あくじ)をもって、この()(けが)した。
3それゆえ(あめ)はとどめられ、(はる)(あめ)()らなかった。
しかもあなたには遊女(ゆうじょ)(ひたい)があり、
(すこ)しも()じようとはしない。
4(いま)あなたは、わたしを()んで()ったではないか、
『わが(ちち)よ、あなたはわたしの(わか)(とき)(とも)です。
5永久(えいきゅう)(いか)られるのですか、
(おわ)りまで(いきどお)られるのですか』と。
()よ、あなたはこう()ったけれども、
なしうるかぎりのもろもろの(あく)(おこな)った」。
6ヨシヤ(おう)(とき)(しゅ)はまたわたしに()われた、「あなたは、かの背信(はいしん)のイスラエルがしたことを()たか。彼女(かのじょ)はすべての(たか)(おか)にのぼり、すべての(あお)()(した)()って、そこで姦淫(かんいん)(おこな)った。 7わたしは、彼女(かのじょ)がこのすべてを(おこな)った(のち)、わたしの(ところ)(かえ)るであろうと(おも)ったが、(かえ)ってこなかった。その不信(ふしん)姉妹(しまい)ユダはこれを()た。 8わたしが背信(はいしん)のイスラエルを、そのすべての姦淫(かんいん)のゆえに、離縁(りえん)(じょう)(あた)えて()したのをユダは()た。しかもその不信(ふしん)姉妹(しまい)ユダは(おそ)れず、自分(じぶん)()って姦淫(かんいん)(おこな)った。 9彼女(かのじょ)にとって姦淫(かんいん)(かる)いことであったので、(いし)()とに姦淫(かんいん)()って、この()(けが)した。 10このすべての(こと)があっても、なおその不信(ふしん)姉妹(しまい)ユダは真心(まごころ)をもってわたしに(かえ)らない、ただ(いつわ)っているだけだ」と(しゅ)()われる。
11(しゅ)はまたわたしに()われた、「背信(はいしん)のイスラエルは不信(ふしん)のユダよりも自分(じぶん)(つみ)(すく)ないことを(しめ)した。 12あなたは()って(きた)にむかい、この言葉(ことば)をのべて()うがよい、
(しゅ)()われる、背信(はいしん)のイスラエルよ、(かえ)れ。
わたしは(いか)りの(かお)をあなたがたに()けない、
わたしはいつくしみ(ふか)(もの)である。
いつまでも(いか)ることはしないと、(しゅ)()われる。
13ただあなたは自分(じぶん)(つみ)(みと)め、
あなたの(かみ)(しゅ)にそむいて
すべての(あお)()(した)(こと)なる神々(かみがみ)
あなたの(あい)()しまず(あた)えたこと、
わたしの(こえ)()(したが)わなかったことを
()いあらわせと、(しゅ)()われる。
14(しゅ)()われる、背信(はいしん)()らよ、(かえ)れ。
わたしはあなたがたの(おっと)だからである。
(まち)からひとり、氏族(しぞく)からふたりを()って、
あなたがたをシオンへ()れて()こう。
15わたしは自分(じぶん)(こころ)にかなう牧者(ぼくしゃ)たちをあなたがたに(あた)える。(かれ)らは知識(ちしき)(さと)りとをもってあなたがたを(やしな)う。 16(しゅ)()われる、あなたがたが()()して(おお)くなるとき、その()には、人々(ひとびと)はかさねて「(しゅ)契約(けいやく)(はこ)」と()わず、これを(おも)()さず、これを(おぼ)えず、これを(たず)ねず、これを(つく)らない。 17そのときエルサレムは(しゅ)のみ(くらい)ととなえられ、万国(ばんこく)(たみ)はここに(あつ)まる。すなわち(しゅ)()のもとにエルサレムに(あつ)まり、かさねて、かたくなに自分(じぶん)(わる)(こころ)(したが)うことはしない。 18その()には、ユダの(いえ)はイスラエルの(いえ)一緒(いっしょ)になり、(きた)()から()て、わたしがあなたがたの先祖(せんぞ)たちに()(ぎょう)として(あた)えた()(とも)()る。
19どのようにして、
あなたをわたしの()どもたちのうちに()き、
万国(ばんこく)のうちで(もっと)(うつく)しい()(ぎょう)である()()
あなたに(あた)えようかと、わたしは(おも)っていた。
わたしはまた、あなたがわたしを「わが(ちち)」と()び、
わたしに(したが)って(はな)れることはないと(おも)っていた。
20イスラエルの(いえ)よ、
背信(はいしん)(つま)(おっと)のもとを()るように、
たしかに、あなたがたはわたしにそむいた』と
(しゅ)()われる」。
21(はだか)(やま)(うえ)(こえ)(きこ)える、
イスラエルの(たみ)(かな)しみ(いの)るのである。
(かれ)らが(まが)った(みち)(あゆ)み、その(かみ)(しゅ)(わす)れたからだ。
22背信(はいしん)()どもたちよ、(かえ)れ。
わたしはあなたがたの背信(はいしん)をいやす」。
()よ、われわれはあなたのもとに(かえ)ります。
あなたはわれわれの(かみ)(しゅ)であらせられます。
23まことに、もろもろの(おか)(まよ)いであり、
(やま)(うえ)(さわ)ぎも(おな)じです。
まことに、イスラエルの(すくい)
われわれの(かみ)(しゅ)にあるのです。
24しかし、われわれの幼少(ようしょう)(とき)から、()ずべきことが、われわれの先祖(せんぞ)のほねおって()たもの、すなわちその(ひつじ)、その(うし)、およびそのむすこ、(むすめ)たちをことごとくのみ(つく)しました。 25われわれは(はじ)(なか)()し、はずかしめにおおわれています。それはわれわれと先祖(せんぞ)とが、われわれの幼少(ようしょう)(とき)から今日(こんにち)まで、われわれの(かみ)(しゅ)(つみ)(おか)し、われわれの(かみ)(しゅ)(こえ)(したが)わなかったからです」。

第四章

1(しゅ)()われる、「イスラエルよ、
もし、あなたが(かえ)るならば、
わたしのもとに(かえ)らなければならない。
もし、あなたが(にく)むべき(もの)
わたしの(まえ)から()(のぞ)いて、ためらうことなく、
2また真実(しんじつ)正義(せいぎ)正直(しょうじき)とをもって、
(しゅ)()きておられる』と(ちか)うならば、
万国(ばんこく)(たみ)(かれ)によって祝福(しゅくふく)()け、
(かれ)によって(ほこ)る」。
3(しゅ)はユダの人々(ひとびと)とエルサレムに()人々(ひとびと)
こう()われる、
「あなたがたの新田(しんでん)(たがや)せ、
いばらの(なか)(たね)をまくな。
4ユダの人々(ひとびと)とエルサレムに()人々(ひとびと)よ、
あなたがたは(みずか)割礼(かつれい)(おこな)って、
(しゅ)(ぞく)するものとなり、
自分(じぶん)(こころ)(まえ)(かわ)()()れ。
さもないと、あなたがたの()しき(おこな)いのために
わたしの(いか)りが()のように(はっ)して()え、
これを()(もの)はない」。
5ユダに()げ、エルサレムに(しめ)して()え、
国中(くにぢゅう)にラッパを()き、大声(おおごえ)()ばわって()え、
(あつ)まれ、われわれは堅固(けんご)町々(まちまち)()こう』と。
6シオンの(ほう)(しめ)(はた)()てよ。
避難(ひなん)せよ、とどまってはならない、
わたしが(きた)から(わざわい)
(おお)いなる破滅(はめつ)をこさせるからだ。
7ししはその(もり)から()てのぼり、
国々(くにぐに)(ほろ)ぼす(もの)(すす)んできた。
(かれ)はあなたの(くに)(あら)そうとして、
すでにその(ところ)から()てきた。
あなたの町々(まちまち)(ほろ)ぼされて、
()(もの)もなくなる。
8このために、あなたがたは荒布(あらぬの)()にまとって、
(かな)しみ(なげ)け。
(しゅ)(はげ)しい(いか)りが、
まだわれわれを(はな)れないからだ」。
9(しゅ)()われる、「その()(おう)(きみ)たちとはその(こころ)(うしな)い、祭司(さいし)(おどろ)き、預言者(よげんしゃ)(あや)しむ」。 10そこでわたしは()った、「ああ(しゅ)なる(かみ)よ、まことにあなたはこの(たみ)とエルサレムとをまったく(あざむ)かれました。『あなたがたは(やす)らかになる』と()われましたが、つるぎが(いのち)にまでも(およ)びました」。
11その(とき)この(たみ)とエルサレムとはこう()げられる、「(あつ)(かぜ)荒野(あらの)(はだか)(やま)からわたしの(たみ)(むすめ)のほうに()いてくる。これはあおぎ()けるためではなく、(きよ)めるためでもない。 12これよりもなお(はげ)しい(かぜ)がわたしのために()く。いまわたしは(かれ)らにさばきを()げる」。
13()よ、(かれ)(くも)のように(のぼ)ってくる。
その戦車(せんしゃ)はつむじ(かぜ)のよう、
その(うま)はわしの()ぶよりも(はや)い。
ああ、われわれはわざわいだ、
われわれは(ほろ)ぼされる。
14エルサレムよ、あなたの(こころ)(あく)(あら)(きよ)めよ、
そうするならば(すく)われる。
()しき(おも)いはいつまで
あなたのうちにとどまるのか。
15ダンから()げる(こえ)がある、
エフライムの(やま)から(わざわい)()らせている。
16国々(くにぐに)(たみ)(かれ)()ることを()げ、
またエルサレムに()らせよ。
()めかこむ(もの)(とお)くの(くに)から()て、
ユダの町々(まちまち)にむかってその(こえ)をあげる。
17(かれ)らは(はたけ)(まも)(もの)のようにこれを()めかこむ。
それはわたしにそむいたからだと、(しゅ)()われる。
18あなたの(みち)とその(おこな)いとが、
あなたの()にこれを(まね)いたのだ。
これはあなたの(あく)結果(けっか)で、まことに(にが)く、
あなたの(こころ)をつらぬく」。
19ああ、わがはらわたよ、わがはらわたよ、
わたしは(くる)しみにもだえる。
ああ、わが心臓(しんぞう)(かべ)よ、
わたしの心臓(しんぞう)は、はげしく鼓動(こどう)する。
わたしは沈黙(ちんもく)(まも)ることができない、
ラッパの(こえ)と、(たたか)いの(さけ)びを()くからである。
20破壊(はかい)()ぐに破壊(はかい)があり、
(ぜん)()(あら)され、
わたしの天幕(てんまく)はにわかに(やぶ)られ、
わたしの(まく)はたちまち(やぶ)られた。
21いつまでわたしは(はた)()
またラッパの(こえ)()かなければならないのか。
22「わたしの(たみ)(おろ)かであって、わたしを()らない。
(かれ)らは愚鈍(ぐどん)()どもらで、(さと)ることがない。
(かれ)らは(あく)(おこな)うのにさといけれども、
(ぜん)(おこな)うことを()らない」。
23わたしは()()たが、
それは(かたち)がなく、またむなしかった。
(てん)をあおいだが、そこには(ひかり)がなかった。
24わたしは(やま)()たが、みな(ふる)え、
もろもろの(おか)(うご)いていた。
25わたしは()たが、(ひと)はひとりもおらず、
(そら)(とり)はみな()()っていた。
26わたしは()たが、(ゆた)かな()()()となり、
そのすべての(まち)は、(しゅ)(まえ)に、
その(はげ)しい(いか)りの(まえ)に、破壊(はかい)されていた。
27それは(しゅ)がこう()われたからだ、「(ぜん)()()()となる。しかしわたしはことごとくはこれを(ほろ)ぼさない。
28このために()(かな)しみ、(うえ)なる(てん)(くら)くなる。
わたしがすでにこれを()い、これを(さだ)めたからだ。
わたしは()いない、またそれをする(こと)をやめない」。
29どの(まち)(ひと)も、騎兵(きへい)射手(いて)(さけ)びのために
()げて(もり)(はい)り、(いわ)(のぼ)る。
(まち)はみな()てられ、そこに()(ひと)はない。
30ああ、(あら)された(おんな)よ、あなたが(べに)着物(きもの)をき、
(きん)(かざ)りで()をよそおい、
()()って(おお)きくするのは、なんのためか。
あなたが(うつく)しくしても、むだである。
あなたの恋人(こいびと)らはあなたを(いや)しめ、
あなたの(いのち)(もと)めている。
31わたしは()()(おんな)のような(こえ)
ういごを()(おんな)(くる)しむような(こえ)()いた。
シオンの(むすめ)のあえぐ(さけ)びである。
両手(りょうて)()べて彼女(かのじょ)()う、「わたしはわざわいだ、
わたしを(ころ)(もの)らの(まえ)にわたしは()(とお)くなる」と。

第五章

1エルサレムのちまたを()きめぐり、
()て、()るがよい。
その広場(ひろば)(たず)ねて、公平(こうへい)(おこな)い、
真実(しんじつ)(もと)める(もの)が、ひとりでもあるか(さが)してみよ。
あれば、わたしはエルサレムをゆるす。
2(かれ)らは、「(しゅ)()きておられる」と()うけれども、
(じつ)は、(いつわ)って(ちか)うのだ。
3(しゅ)よ、あなたの()は、
真実(しんじつ)(かえり)みられるではありませんか。
あなたが(かれ)らを()たれても、(いた)みを(おぼ)えず、
(かれ)らを(ほろ)ぼされても、(こら)しめを()けることを(こば)み、
その(かお)(いわ)よりも(かた)くして、
()(あらた)めることを(こば)みました。
4それで、わたしは()った、
「これらはただ(まず)しい(おろ)かな人々(ひとびと)で、
(しゅ)(みち)と、(かみ)のおきてを()りません。
5わたしは(えら)(ひと)たちの(ところ)()って、(かれ)らに(かた)ります。
(かれ)らは(しゅ)(みち)()り、(かみ)のおきてを()っています」。
ところが、(かれ)らも(みな)おなじように、くびきを()り、
なわめを()っていた。
6それゆえ(はやし)から、ししが()てきて(かれ)らを(ころ)し、
荒野(あらの)から、おおかみが()てきて(かれ)らを(ほろ)ぼす。
ひょうは(かれ)らの町々(まちまち)をねらっている。
そこから()(もの)はみな()かれる。
(かれ)らの(つみ)(おお)く、
その背信(はいしん)がはなはだしいからである。
7「わたしはどうしてあなたを、
ゆるすことができようか。
あなたの()どもらは、わたしを()てさり、
(かみ)でもないものをさして(ちか)った。
わたしが(かれ)らを()()らせた(とき)
(かれ)らは姦淫(かんいん)(おこな)い、遊女(ゆうじょ)(いえ)()(あつ)まった。
8(かれ)らは()(ふと)った丈夫(じょうぶ)()(うま)のように、
おのおの、いなないて(となり)(つま)(した)う。
9わたしはこれらの(こと)のために
(かれ)らを(ばっ)しないでいられようか。
このような国民(こくみん)にあだを(かえ)さないであろうか」と
(しゅ)()われる。
10「あなたがたはユダのぶどうの()()(あいだ)を、
のぼって()って、(ほろ)ぼせ、
ただ、ことごとく(ほろ)ぼしてはならない。
その(えだ)()(のぞ)け、
(しゅ)のものではないからである。
11イスラエルの(いえ)とユダの(いえ)とは
わたしにまったく不信(ふしん)であった」と(しゅ)()われる。
12(かれ)らは(しゅ)について(いつわ)(かた)って()った、
(しゅ)何事(なにごと)もなされない、
(わざわい)はわれわれに()ない、
またつるぎや、ききんを()ることはない。
13預言者(よげんしゃ)らは(かぜ)となり、(かれ)らのうちに言葉(ことば)はない。
(かれ)らはこのようになる』と」。
14それゆえ万軍(ばんぐん)(かみ)(しゅ)はこう()われる、
(かれ)らがこの言葉(ことば)(かた)ったので、
()よ、わたしはあなたの(くち)にある
わたしの言葉(ことば)()とし、この(たみ)をたきぎとする。
()(かれ)らを()(つく)す」。
15(しゅ)()われる、「イスラエルの(いえ)よ、
()よ、わたしは(とお)(くに)(たみ)
あなたがたのところに()めこさせる。
その(くに)(なが)(つづ)(くに)(ふる)(くに)で、
あなたがたはその(くに)言葉(ことば)()らず、
人々(ひとびと)(かた)るのを(さと)ることもできない。
16その(えびら)(ひら)いた(はか)のようであり、
(かれ)らはみな勇士(ゆうし)である。
17(かれ)らはあなたが()()れた(もの)と、
あなたの糧食(りょうしょく)とを()(つく)し、
あなたのむすこ(むすめ)()(つく)し、
あなたの(ひつじ)(うし)()(つく)し、
あなたのぶどうの()といちじくの()()(つく)し、
またつるぎをもって、あなたが(たの)みとする
堅固(けんご)町々(まちまち)(ほろ)ぼす」。
18(しゅ)()われる、「しかしその(とき)でも、わたしはことごとくはあなたを(ほろ)ぼさない。 19あなたの(たみ)が、『どうしてわれわれの(かみ)(しゅ)はこれらのすべての(こと)をわれわれになされたのか』と()うならば、あなたは(かれ)らに(こた)えなければならない、『あなたがたがわたしを()てて、自分(じぶん)()(こと)なる神々(かみがみ)(つか)えたように、あなたがたは自分(じぶん)のものでない()異邦(いほう)(ひと)(つか)えるようになる』と」。
20これをヤコブの(いえ)にのべ、
またユダに(しめ)して()え、
21(おろ)かで、(さと)りもなく、
()があっても()えず、
(みみ)があっても(きこ)えない(たみ)よ、これを()け。
22(しゅ)()われる、あなたがたはわたしを(おそ)れないのか、
わたしの(まえ)におののかないのか。
わたしは(すな)()いて(うみ)(さかい)とし、
これを永遠(えいえん)限界(げんかい)として、
()えることができないようにした。
(なみ)はさかまいても、()つことはできない、
()りわたっても、これを()えることはできない。
23ところが、この(たみ)には強情(ごうじょう)な、そむく(こころ)があり、
(かれ)らはわき(みち)にそれて、()ってしまった。
24(かれ)らは『われわれに(あめ)(あた)え、
(あき)(あめ)(はる)(あめ)(とき)にしたがって()らせ、
われわれのために刈入(かりい)れの(とき)(さだ)められた
われわれの(かみ)(しゅ)(おそ)れよう』と
その(こころ)のうちに()わないのだ。
25あなたがたのとがは、これらの(こと)をしりぞけ、
あなたがたの(つみ)は、
()(もの)があなたがたに()るのをさまたげた。
26わが(たみ)のうちには(わる)(もの)があって、
(とり)をとる(ひと)のように()をかがめてうかがい、
わなを()いて(ひと)(とら)える。
27かごに(とり)()ちているように、
(かれ)らの(いえ)不義(ふぎ)(たから)()ちている。
それゆえ、(かれ)らは(おお)いなる(もの)裕福(ゆうふく)(もの)となり、
28()えて、つやがあり、
その()しき(おこな)いには際限(さいげん)がない。
(かれ)らは公正(こうせい)に、みなしごの(うった)えをさばいて、
それを(たす)けようとはせず、
また(まず)しい(ひと)(うった)えをさばかない。
29(しゅ)()われる、わたしはこのような(こと)のために、
(かれ)らを(ばっ)しないであろうか。
わたしはこのような(たみ)に、
あだを(かえ)さないであろうか」。
30(おどろ)くべきこと、(おそ)るべきことがこの()(おこ)っている。
31預言者(よげんしゃ)(いつわ)って預言(よげん)し、
祭司(さいし)自分(じぶん)()によって(おさ)め、
わが(たみ)はこのようにすることを(あい)している。
しかしあなたがたは
その(おわ)りにはどうするつもりか。

第六章

1ベニヤミンの人々(ひとびと)よ、
エルサレムの(なか)から避難(ひなん)せよ。
テコアでラッパを()き、
ベテハケレムに合図(あいず)()をあげよ。
(きた)から(わざわい)(のぞ)み、(おお)いなる(ほろ)びが()るからである。
2わたしは(うつく)しい、たおやかなシオンの(むすめ)(ほろ)ぼす。
3牧者(ぼくしゃ)たちは、その()れをひきいて()て、
彼女(かのじょ)()め、彼女(かのじょ)周囲(しゅうい)天幕(てんまく)()る。
()れはおのおのその(ところ)(くさ)()う。
4(たたか)いを(はじ)め、彼女(かのじょ)()めよ。
()て、われわれは真昼(まひる)攻撃(こうげき)しよう」。
「わざわいなるかな、()ははや(かたむ)き、
夕日(ゆうひ)(かげ)(なが)くなった」。
5()て、われわれは(よる)(あいだ)攻撃(こうげき)しよう、
そして彼女(かのじょ)のもろもろの宮殿(きゅうでん)破壊(はかい)しよう」。
6万軍(ばんぐん)(しゅ)はこう()われる、
「あなたがたは彼女(かのじょ)()()(たお)し、
エルサレムにむかって(るい)(きず)け。
これは(ばつ)すべき(まち)である、そのうちにはただ圧制(あっせい)だけがある。
7井戸(いど)(あたら)しい(みず)がわくように
彼女(かのじょ)はその(あく)(つね)にあらたに(なが)す。
そのうちには暴虐(ぼうぎゃく)破滅(はめつ)とが(きこ)える。
わたしの(まえ)(やまい)(きず)とが()えない。
8エルサレムよ、(いまし)めを()けいれよ。
さもないと、わたしはあなたから(はな)れ、
あなたを()()とし、()(ひと)のない()とする」。
9万軍(ばんぐん)(しゅ)はこう()われる、
「ぶどうの(のこ)りを()みとるように、
イスラエルの(のこ)りの(たみ)をのこらず()()れ。
ぶどうを()みとる(ひと)のように、
あなたの()をふたたびその(えだ)()ばせ」。
10わたしはだれに(かた)り、だれを(いまし)めて、()かせようか。
()よ、(かれ)らの(みみ)()ざされて、()くことができない。
()よ、(かれ)らは(しゅ)言葉(ことば)をあざけり、それを(よろこ)ばない。
11それゆえ、わたしの()には(しゅ)(いか)りが()ち、
それを(しの)ぶのに、うみつかれている。
「それをちまたにいる子供(こども)らと、
(あつ)まっている(わか)人々(ひとびと)とに()らせ。
(おっと)(つま)も、()いた(ひと)も、
(とし)のひじょうに(すす)んだ(ひと)(とら)えられ、
12(かれ)らの(いえ)(はたけ)(つま)とは(とも)他人(たにん)(わた)る。
わたしが()()ばして、
この()()(もの)()つからである」と(しゅ)()われる。
13「それは(かれ)らが、(ちい)さい(もの)から(おお)きい(もの)まで、
みな不正(ふせい)()をむさぼり、
また預言者(よげんしゃ)から祭司(さいし)にいたるまで、
みな(いつわ)りを(おこな)っているからだ。
14(かれ)らは、手軽(てがる)にわたしの(たみ)(きず)をいやし、
平安(へいあん)がないのに『平安(へいあん)平安(へいあん)』と()っている。
15(かれ)らは(にく)むべきことをして、()じたであろうか。
すこしも()ずかしいとは(おも)わず、
また()じることを()らなかった。
それゆえ(かれ)らは(たお)れる(もの)(とも)(たお)れる。
わたしが(かれ)らを(ばっ)するとき、
(かれ)らは(たお)れる」と(しゅ)()われる。
16(しゅ)はこう()われる、
「あなたがたはわかれ(みち)()って、よく()
いにしえの(みち)につき、
()(みち)がどれかを(たず)ねて、その(みち)(あゆ)み、
そしてあなたがたの(たましい)のために、安息(あんそく)()よ。
しかし(かれ)らは(こた)えて、
『われわれはその(みち)(あゆ)まない』と()った。
17わたしはあなたがたの(うえ)見張(みはり)びとを()て、
『ラッパの(おと)()をつけよ』と()った。
しかし(かれ)らは(こた)えて、
『われわれは()をつけることはしない』と()った。
18それゆえ国々(くにぐに)(たみ)よ、()け。
会衆(かいしゅう)よ、(かれ)らにどのようなことが(おこ)るかを()れ。
19()よ、()け。()よ、わたしはこの(たみ)(わざわい)をくだす。
それは(かれ)らのたくらみの()である。
(かれ)らがわたしの言葉(ことば)()をつけず、
わたしのおきてを()てたからである。
20シバから、わたしの(ところ)乳香(にゅうこう)()
(とお)(くに)から、菖蒲(しょうぶ)()るのはなんのためか。
あなたがたの燔祭(はんさい)はわたしには(よろこ)ばしくなく、
あなたがたの犠牲(ぎせい)もうれしくはない。
21それゆえ(しゅ)はこう()われる、
()よ、わたしはこの(たみ)(まえ)につまずく(いし)()く、
人々(ひとびと)(ちち)()(とも)にそれにつまずき、
(とな)(びと)もその(とも)(ほろ)びる』」。
22(しゅ)はこう()われる、
()よ、(たみ)(きた)(くに)から()る、
(おお)いなる国民(こくみん)()(はて)から(おこ)る。
23(かれ)らは(ゆみ)とやりをとる。
(かれ)らは残忍(ざんにん)で、あわれみがなく、
(うみ)のような(ひび)きを()てる。
シオンの(むすめ)よ、(かれ)らは(うま)()り、
いくさ(ひと)のように()をよろって、
あなたを()める」。
24われわれはそのうわさを()いて、
()(よわ)り、()()(おんな)(のぞ)むような
(なや)みと(くる)しみとに(とら)えられた。
25(はたけ)()てはならない、
また(みち)(ある)いてはならない。
(てき)はつるぎを()ち、(おそ)れが四方(しほう)にあるからだ。
26わが(たみ)(むすめ)よ、荒布(あらぬの)()にまとい、
(はい)(なか)にまろび、
ひとり()(うしな)った(とき)のように、(かな)しみ、いたく(なげ)け。
(ほろ)ぼす(もの)が、にわかにわれわれを(おそ)うからだ。
27「わたしはあなたを(たみ)のうちに()てて、
ためす(もの)(こころ)みる(もの)とした。
あなたが(かれ)らの(みち)()り、
それをためすことができるようにするためである。
28(かれ)らはみな、強情(ごうじょう)反逆者(はんぎゃくしゃ)であって、
(ある)きまわって(ひと)をそしる。
(かれ)らは青銅(せいどう)(てつ)であって、みな(いや)しいことを(おこな)う。
29ふいごは(はげ)しく()き、
(なまり)()にとけて()き、
精錬(せいれん)はいたずらに(すす)む。
()しき(もの)がまだ(のぞ)かれないからである。
30(しゅ)(かれ)らを()てられたので、
(かれ)らは()てられた(ぎん)()ばれる」。

第七章

1(しゅ)からエレミヤに(のぞ)んだ言葉(ことば)はこうである。 2(しゅ)(いえ)(もん)()ち、その(ところ)で、この言葉(ことば)をのべて()え、(しゅ)(おが)むために、この(もん)をはいるユダのすべての(ひと)よ、(しゅ)言葉(ことば)()け。 3万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)はこう()われる、あなたがたの(みち)とあなたがたの(おこな)いを(あらた)めるならば、わたしはあなたがたをこの(ところ)()まわせる。 4あなたがたは、『これは(しゅ)神殿(しんでん)だ、(しゅ)神殿(しんでん)だ、(しゅ)神殿(しんでん)だ』という(いつわ)りの言葉(ことば)(たの)みとしてはならない。
5もしあなたがたが、まことに、その(みち)(おこな)いを(あらた)めて、(たがい)公正(こうせい)(おこな)い、 6寄留(きりゅう)他国(たこく)(じん)と、みなしごと、やもめをしえたげることなく、(つみ)のない(ひと)()をこの(ところ)(なが)すことなく、また、ほかの神々(かみがみ)(したが)って(みずか)(がい)をまねくことをしないならば、 7わたしはあなたがたを、わたしが(むかし)あなたがたの先祖(せんぞ)(あた)えたこの()永遠(えいえん)()まわせる。
8()よ、あなたがたは(いつわ)りの言葉(ことば)(たの)みとしているが、それはむだである。 9あなたがたは(ぬす)み、(ころ)し、姦淫(かんいん)し、(いつわ)って(ちか)い、バアルに(こう)をたき、あなたがたが以前(いぜん)には()らなかった()神々(かみがみ)(したが)いながら、 10わたしの()をもって、となえられるこの(いえ)()てわたしの(まえ)()ち、『われわれは(すく)われた』と()い、しかもすべてこれら(にく)むべきことを(おこな)うのは、どうしたことか。 11わたしの()をもって、となえられるこの(いえ)が、あなたがたの()には盗賊(とうぞく)()()えるのか。わたし自身(じしん)、そう()たと(しゅ)()われる。 12わたしが(はじ)めにわたしの()()いた場所(ばしょ)シロへ()き、わが(たみ)イスラエルの(あく)のために、わたしがその場所(ばしょ)(たい)して(おこな)ったことを()よ。 13(しゅ)()われる、(いま)あなたがたはこれらのすべてのことを(おこな)っている。またわたしはあなたがたに、しきりに(かた)ったけれども、あなたがたは()かず、あなたがたを()んだけれども(こた)えなかった。 14それゆえわたしはシロに(たい)して(おこな)ったように、わたしの()をもって、となえられるこの(いえ)にも(おこな)う。すなわちあなたがたが(たの)みとする(ところ)、わたしがあなたがたと、あなたがたの先祖(せんぞ)(あた)えたこの(ところ)(おこな)う。 15そしてわたしは、あなたがたのすべての兄弟(きょうだい)、すなわちエフライムのすべての子孫(しそん)()てたように、わたしの(まえ)からあなたがたをも()てる。
16あなたはこの(たみ)のために(いの)ってはならない。(かれ)らのために(なげ)き、(いの)ってはならない。またわたしに、とりなしをしてはならない。わたしはあなたの(もと)めを()かない。 17あなたは(かれ)らがユダの町々(まちまち)と、エルサレムのちまたでしていることを()ないのか。 18()どもらは、たきぎを(あつ)め、(ちち)たちは()をたき、(おんな)(こな)をこね、パンを(つく)ってこれを天后(てんこう)(そな)える。また(かれ)らは()神々(かみがみ)(まえ)(さけ)(そそ)いで、わたしを(いか)らせる。 19(しゅ)()われる、(かれ)らが(いか)らせるのはわたしなのか。自分(じぶん)たち自身(じしん)ではないのか。そして(みずか)らうろたえている。 20それゆえ(しゅ)なる(かみ)はこう()われる、()よ、わたしの(いか)りと(いきどお)りを、この(ところ)と、(ひと)(けもの)と、(はたけ)()と、()産物(さんぶつ)とに(そそ)ぐ。(いか)りは()えて()えることがない」。
21万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)はこう()われる、「あなたがたの犠牲(ぎせい)燔祭(はんさい)(もの)()わせて(にく)()べるがよい。 22それはあなたがたの先祖(せんぞ)をエジプトの()から(みちび)()した()に、わたしは燔祭(はんさい)犠牲(ぎせい)とについて(かれ)らに(かた)ったこともなく、また(めい)じたこともないからである。 23ただわたしはこの(いまし)めを(かれ)らに(あた)えて()った、『わたしの(こえ)()きしたがいなさい。そうすれば、わたしはあなたがたの(かみ)となり、あなたがたはわたしの(たみ)となる。わたしがあなたがたに(めい)じるすべての(みち)(あゆ)んで(さいわい)()なさい』と。 24しかし(かれ)らは()(したが)わず、(みみ)(かたむ)けず、自分(じぶん)(わる)(こころ)(はか)りごとと強情(ごうじょう)にしたがって(あゆ)み、(わる)くなるばかりで、よくはならなかった。 25あなたがたの先祖(せんぞ)がエジプトの()()()から今日(こんにち)まで、わたしはわたしのしもべである預言者(よげんしゃ)たちを日々(ひび)(かれ)らにつかわした。 26しかし(かれ)らはわたしに()かず、(みみ)(かたむ)けないで強情(ごうじょう)になり、先祖(せんぞ)たちにもまさって(あく)(おこな)った。
27たといあなたが(かれ)らにこのすべての言葉(ことば)(かた)っても(かれ)らは()かない。また(かれ)らを()んでもあなたに(こた)えない。 28それゆえ、あなたはこう(かれ)らに()わなければならない、『これはその(かみ)(しゅ)(こえ)()(したが)わず、その(いまし)めを()けいれなかった国民(こくみん)である。真実(しんじつ)はうせ、(かれ)らの(くち)から()えた。
29あなたの(かみ)()()って()てよ、
(はだか)(やま)(うえ)(なげ)きの(こえ)をあげよ。
(しゅ)が、お(いか)りになっている()(ひと)
退(しりぞ)()てられたからだ』。
30(しゅ)()われる、ユダの(たみ)はわたしの(まえ)(あく)(おこな)い、わたしの()をもってとなえられる(いえ)に、(にく)むべき(もの)()いてそこを(けが)した。 31またベンヒンノムの(たに)にあるトペテの(たか)(ところ)(きず)いて、むすこ(むすめ)()()いた。わたしはそれを(めい)じたことはなく、またそのようなことを(かんが)えたこともなかった。 32(しゅ)()われる、それゆえに()よ、その(ところ)をトペテ、またはベンヒンノムの(たに)()ばないで、ほふりの(たに)()()()る。それはほかに場所(ばしょ)がないので、トペテに(ほうむ)るからである。 33この(たみ)死体(したい)(そら)(とり)()(けもの)食物(しょくもつ)となり、これを()(はら)(もの)もない。 34そのときわたしはユダの町々(まちまち)とエルサレムのちまたに、(よろこ)びの(こえ)(たの)しみの(こえ)花婿(はなむこ)(こえ)花嫁(はなよめ)(こえ)()やす。この()()()てるからである。

第八章

1(しゅ)()われる、その(とき)ユダの(おう)たちの(ほね)と、そのつかさたちの(ほね)と、祭司(さいし)たちの(ほね)と、預言者(よげんしゃ)たちの(ほね)と、エルサレムに()人々(ひとびと)(ほね)(はか)より()()されて、 2(かれ)らの(あい)し、(つか)え、(したが)い、(もと)め、また(おが)んだ、()(つき)(てん)(しゅう)(ぐん)(まえ)にさらされる。その(ほね)(あつ)める(もの)(ほうむ)(もの)もなく、()のおもてに糞土(ふんど)のようになる。 3この()しき(たみ)のうちの(のこ)っている(のこ)りの(もの)はみな、わたしが()いやった場所(ばしょ)で、()きることよりも()ぬことを(ねが)うようになると、万軍(ばんぐん)(しゅ)()われる。
4あなたは(かれ)らに()わなければならない。
(しゅ)はこう(おお)せられる、
(ひと)(たお)れたならば、また()きあがらないであろうか。
(はな)れていったならば、(かえ)ってこないであろうか。
5それにどうしてこの(たみ)は、
(つね)にそむいて(はな)れていくのか。
(かれ)らは(いつわ)りを(かた)くとらえて、
(かえ)ってくることを(こば)んでいる。
6わたしは()をつけて()いたが、
(かれ)らは(ただ)しくは(かた)らなかった。
その(あく)()いて、
『わたしのした(こと)(なに)か』という(もの)はひとりもない。
(かれ)らはみな戦場(せんじょう)に、はせ()(うま)のように、
自分(じぶん)のすきな(みち)()かう。
7(そら)のこうのとりでもその(とき)()り、
(やま)ばとと、つばめと、つるはその()(とき)(まも)る。
しかしわが(たみ)(しゅ)のおきてを()らない。
8どうしてあなたがたは、『われわれには知恵(ちえ)がある、
(しゅ)のおきてがある』と()うことができようか。
()よ、まことに書記(しょき)(いつわ)りの(ふで)
これを(いつわ)りにしたのだ。
9知恵(ちえ)ある(もの)は、はずかしめられ、
あわてふためき、(とら)えられる。
()よ、(かれ)らは(しゅ)言葉(ことば)()てた、
(かれ)らになんの知恵(ちえ)があろうか。
10それゆえ、わたしは(かれ)らの(つま)他人(たにん)(あた)え、
その(はたけ)征服(せいふく)(しゃ)(あた)える。
それは(かれ)らが(ちい)さい(もの)から(おお)きい(もの)にいたるまで、
みな不正(ふせい)()をむさぼり、
預言者(よげんしゃ)から祭司(さいし)にいたるまで、
みな(いつわ)りを()っているからである。
11(かれ)らは手軽(てがる)に、わたしの(たみ)(きず)をいやし、
平安(へいあん)がないのに、『平安(へいあん)平安(へいあん)』と()っている。
12(かれ)らは(にく)むべきことをして、()じたであろうか。
すこしも()ずかしいとは(おも)わず、
また()じることを()らなかった。
それゆえ(かれ)らは(たお)れる(もの)(とも)(たお)れる。
わたしが(かれ)らを(ばっ)するとき、
(かれ)らは(たお)れると、(しゅ)()われる。
13(しゅ)()われる、わたしが(あつ)めようと(おも)うとき、
ぶどうの()にぶどうはなく、
いちじくの()に、いちじくはなく、
()さえ、しぼんでいる。
わたしが(かれ)らに(あた)えたものも、
(かれ)らを(はな)れて、うせ()った」。
14どうしてわれわれはなす(こと)もなく()しているのか。
(あつ)まって、堅固(けんご)(まち)にはいり、
そこでわれわれは(ほろ)びよう。
われわれが(しゅ)(つみ)(おか)したので、
われわれの(かみ)(しゅ)がわれわれを(ほろ)ぼそうとして、
(どく)(みず)()ませられるのだ。
15われわれは平安(へいあん)(のぞ)んだが、()(こと)はこなかった。
いやされる(とき)(のぞ)んだが、かえって恐怖(きょうふ)()た。
16(かれ)らの(うま)のいななきはダンから(きこ)えてくる。
(かれ)らの(つよ)(うま)(こえ)によって(ぜん)()(ふる)う。
(かれ)らは()て、この()と、ここにあるすべてのもの、
(まち)と、そのうちに()(もの)とを()(ほろ)ぼす。
17()よ、魔法(まほう)をもってならすことのできない、
へびや、まむしをあなたがたのうちにつかわす。
それはあなたがたをかむ」と(しゅ)()われる。
18わが(なげ)きはいやしがたく、
わが(こころ)はうちに(なや)む。
19()け、()全面(ぜんめん)から、
わが(たみ)(むすめ)(こえ)があがるのを。
(しゅ)はシオンにおられないのか、
シオンの(おう)はそのうちにおられないのか」。
「なぜ(かれ)らはその彫像(ちょうぞう)と、
異邦(いほう)偶像(ぐうぞう)とをもって、わたしを(いか)らせたのか」。
20刈入(かりい)れの(とき)()ぎ、(なつ)もはや(おわ)った、
しかしわれわれはまだ(すく)われない」。
21わが(たみ)(むすめ)(きず)によって、わが(こころ)(いた)む。
わたしは(なげ)き、うろたえる。
22ギレアデに乳香(にゅうこう)があるではないか。
その(ところ)医者(いしゃ)がいるではないか。
それにどうしてわが(たみ)(むすめ)
いやされることがないのか。

第九章

1ああ、わたしの(あたま)(みず)となり、
わたしの()(なみだ)(いずみ)となればよいのに。
そうすれば、わたしは(たみ)(むすめ)(ころ)された(もの)のために
(ひる)(よる)(なげ)くことができる。
2ああ、わたしが荒野(あらの)に、
隊商(たいしょう)宿(やど)()ることができればよいのに。
そうすれば、わたしは(たみ)(はな)れて
()って()くことができる。
(かれ)らはみな姦淫(かんいん)する(もの)
不信(ふしん)のともがらだからである。
3(かれ)らは(ゆみ)をひくように、その(した)()げる。
真実(しんじつ)ではなく、(いつわ)りがこの()(つよ)くなった。
(かれ)らは(あく)より(あく)(すす)み、
またわたしを()らないと、(しゅ)()われる。
4あなたがたはおのおの(とな)(びと)()をつけよ。
どの兄弟(きょうだい)をも(しん)じてはならない。
兄弟(きょうだい)はみな、()しのける(もの)であり、
(とな)(びと)はみな、ののしって(ある)(もの)だからである。
5(ひと)はみな、その(とな)(びと)(あざむ)き、
真実(しんじつ)()(もの)はない。
(かれ)らは自分(じぶん)(した)(いつわ)りを()うことを(おし)え、
(あく)(おこな)い、(つか)れて()(あらた)めるいとまもなく、
6しえたげに、しえたげを()(かさ)ね、
(いつわ)りに(いつわ)りを()(かさ)ね、
わたしを()ることを(こば)んでいると、(しゅ)()われる。
7それゆえ万軍(ばんぐん)(しゅ)はこう()われる、
()よ、わたしは(かれ)らを()かし、(こころ)みる。
このほか、わが(たみ)をどうすることができよう。
8(かれ)らの(した)(ころ)()のようだ、
それは(いつわ)りを()う。
その(くち)ではおのおの(とな)(びと)におだやかに(かた)るが、
その(こころ)では(かれ)()()せる(はか)りごとを()てる。
9(しゅ)()われる、これらのことのために、
わたしが(かれ)らを(ばっ)しないだろうか。
わたしがこのような(たみ)にあだを(かえ)さないだろうか。
10(やま)のために()(さけ)び、()牧場(まきば)のために(かな)しめ。
これらは()れすたれて、(とお)()ぎる(ひと)もない。
ここには(うし)(ひつじ)()(こえ)(きこ)えず、
(そら)(とり)(けもの)(みな)()()った。
11わたしはエルサレムを荒塚(あれづか)とし、山犬(やまいぬ)()とする。
またユダの町々(まちまち)(あら)して、()(ひと)もない(ところ)とする」。
12知恵(ちえ)があって、これを(さと)ることのできる(ひと)はだれか。(しゅ)(くち)言葉(ことば)をうけて、それを(しめ)(ひと)はだれか。この()(ほろ)ぼされて荒野(あらの)のようになり、(とお)()ぎる(ひと)もなくなったのはどういうわけか。 13(しゅ)()われる、「それは(かれ)らの(まえ)にわたしが()てたおきてを(かれ)らが()てて、わたしの(こえ)()(したが)わず、そのとおりに(ある)かなかったからである。 14(かれ)らは強情(ごうじょう)自分(じぶん)(こころ)(したが)い、また先祖(せんぞ)(おし)えたようにバアルに(したが)った。 15それゆえ万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)はこう()われる、()よ、わたしはこの(たみ)に、にがよもぎを()べさせ、(どく)(みず)()ませ、 16(かれ)らも、その先祖(せんぞ)たちも()らなかった(くに)びとのうちに(かれ)らを()らし、また(かれ)らを(ほろ)ぼし(つく)すまで、そのうしろに、つるぎをつかわす」。
17万軍(ばんぐん)(しゅ)はこう()われる、
「よく(かんが)えて、()(おんな)()べ。
また(ひと)をつかわして(たく)みな(おんな)(まね)け。
18(かれ)らに(いそ)いでこさせ、
われわれのために()(かな)しませて、
われわれの()(なみだ)をこぼさせ、
まぶたから(みず)をあふれさせよ。
19シオンから(かな)しみの(こえ)(きこ)える。
それは()う、『ああ、われわれは(ほろ)ぼされ、
いたく、はずかしめられている。
われわれはその()()り、
(かれ)らがわれわれのすみかをこわしたからだ』」。
20(おんな)たちよ、(しゅ)言葉(ことば)()け。
あなたがたの(みみ)に、その(くち)言葉(ことば)をいれよ。
あなたがたの(むすめ)(かな)しみの(うた)(おし)え、
おのおのその(とな)(びと)哀悼(あいとう)(うた)(おし)えよ。
21()がわれわれの(まど)(のぼ)って()
われわれの邸宅(ていたく)(なか)にはいり、
ちまたにいる()どもらを()やし、
広場(ひろば)にいる(わか)(ひと)たちを(ころ)そうとしているからだ。
22あなたはこう()いなさい、
(しゅ)()われる、『(ひと)死体(したい)糞土(ふんど)のように、
()(たお)れているようになり、
また刈入(かりい)れする(ひと)のうしろに(のこ)って、
だれも(あつ)めることをしない(たば)のようになる』」。
23(しゅ)はこう()われる、「知恵(ちえ)ある(ひと)はその知恵(ちえ)(ほこ)ってはならない。(ちから)ある(ひと)はその(ちから)(ほこ)ってはならない。()める(もの)はその(とみ)(ほこ)ってはならない。 24(ほこ)(もの)はこれを(ほこり)とせよ。すなわち、さとくあって、わたしを()っていること、わたしが(しゅ)であって、()に、いつくしみと公平(こうへい)正義(せいぎ)()っている(もの)であることを()ることがそれである。わたしはこれらの(こと)(よろこ)ぶと、(しゅ)()われる」。
25(しゅ)()われる、「()よ、このような()()る。その()には、割礼(かつれい)をうけても、(こころ)割礼(かつれい)をうけていないすべての(ひと)をわたしは(ばっ)する。 26エジプト、ユダ、エドム、アンモンの人々(ひとびと)、モアブ、および()にいて、(かみ)()のすみずみをそる人々(ひとびと)はそれである。これらの(くに)びとはみな割礼(かつれい)をうけていない(もの)であり、イスラエルの全家(ぜんか)もみな(こころ)割礼(かつれい)をうけていない(もの)である」。

第十章

1イスラエルの(いえ)よ、(しゅ)のあなたがたに(かた)られる言葉(ことば)()け。 2(しゅ)はこう()われる、
異邦(いほう)(ひと)(みち)(なら)ってはならない。
また異邦(いほう)(ひと)(てん)(あらわ)れるしるしを(おそ)れても、
あなたがたはそれを(おそ)れてはならない。
3異邦(いほう)(たみ)のならわしはむなしいからだ。
(かれ)らの崇拝(すうはい)するものは、(はやし)から()りだした()で、
木工(もっこう)()で、おのをもって(つく)ったものだ。
4人々(ひとびと)(ぎん)(きん)をもって、それを(かざ)り、
くぎと(つち)をもって(うご)かないようにそれをとめる。
5その偶像(ぐうぞう)は、きゅうり(はたけ)のかかしのようで、
ものを()うことができない。
(ある)くこともできないから、
(ひと)(はこ)んでもらわなければならない。
それを(おそ)れるに(およ)ばない。
それは(わざわい)をくだすことができず、
また(さいわい)をくだす(ちから)もないからだ」。
6(しゅ)よ、あなたに(なら)びうる(もの)はありません。
あなたは(おお)いなる(もの)であり、あなたの()
その(ちから)のために(おお)いなるものであります。
7万国(ばんこく)(おう)であるあなたを、
(おそ)れない(もの)がありましょうか。
あなたを(おそ)れるのは当然(とうぜん)のことであります。
万国(ばんこく)のすべての知恵(ちえ)ある(もの)のうちにも、
その国々(くにぐに)のうちにも、
あなたに(なら)びうる(もの)はありません。
8(かれ)らは(みな)(おろ)かで(にぶ)く、
偶像(ぐうぞう)(おしえ)は、ただ()にすぎない。
9(ぎん)ぱくはタルシシから渡来(とらい)し、
(きん)はウパズから(たずさ)えてくる。
これらは工人(こうじん)(きん)細工人(ざいくにん)工作(こうさく)である。
(かれ)らの着物(きもの)はすみれ(いろ)紫色(むらさきいろ)である。
これらはみな(たく)みな細工人(さいくにん)(つく)った(もの)である。
10しかし(しゅ)はまことの(かみ)である。
()きた(かみ)であり、永遠(えいえん)(おう)である。
その(いか)りによって()(ふる)いうごき、
万国(ばんこく)はその(いきどお)りに(あた)ることができない。
11あなたがたは(かれ)らに、こう()わなければならない、「天地(てんち)(つく)らなかった神々(かみがみ)()(うえ)(てん)(した)から(ほろ)()る」と。
12(しゅ)はその(ちから)をもって()(つく)り、
その知恵(ちえ)をもって世界(せかい)()て、
その(さと)りをもって(てん)をのべられた。
13(かれ)(こえ)()されると、
(てん)(おお)くの(みず)のざわめきがあり、
また()(はて)から(きり)()ちあがらせられる。
(かれ)(あめ)のために、いなびかりをおこし、
その(くら)から(かぜ)()()される。
14すべての(ひと)(おろ)かで知恵(ちえ)がなく、
すべての(きん)細工人(ざいくにん)
その(つく)った偶像(ぐうぞう)のために(はじ)をこうむる。
その偶像(ぐうぞう)(いつわ)(もの)で、
そのうちに(いき)がないからだ。
15これらは、むなしいもので、(まよ)いのわざである。
(ばっ)せられる(とき)(ほろ)びるものである。
16ヤコブの(ぶん)である(かれ)はこのようなものではない。
(かれ)万物(ばんぶつ)(つく)(ぬし)だからである。
イスラエルは(かれ)()(ぎょう)としての部族(ぶぞく)である。
(かれ)()万軍(ばんぐん)(しゅ)という。
17(かこ)みの(なか)におる(もの)よ、
あなたの(つつみ)()から()()げよ。
18(しゅ)がこう()われるからだ、
()よ、わたしはこのたび、
この()()(もの)()()てる。
かつ(かれ)らをせめなやまして、(おも)()らせる」。
19わたしはいたでをうけた、ああ、わざわいなるかな、
わたしの(きず)(おも)い。
しかしわたしは()った、
「まことに、これは(なや)みである。
わたしはこれを(しの)ばなければならない」と。
20わたしの天幕(てんまく)(やぶ)れ、(つな)はことごとく()れ、
()どもたちはわたしを()てて()って、いなくなった。
もはやわたしの天幕(てんまく)()(もの)はなく、
(まく)()ける(もの)もない。
21牧者(ぼくしゃ)(おろ)かであって、
(しゅ)()うことをしないからである。
それゆえ(かれ)らは(さか)えることもなく、
その()れはみな()()っている。
22()けよ、うわさのあるのを。
()よ、(きた)(くに)から(おお)いなる(さわ)ぎが()る。
これはユダの町々(まちまち)(あら)して山犬(やまいぬ)()とする。
23(しゅ)よ、わたしは()っています、
(ひと)(みち)自身(じしん)によるのではなく、
(あゆ)(ひと)が、その(あゆ)みを
自分(じぶん)()めることのできないことを。
24(しゅ)よ、わたしを()らしてください。
(ただ)しい(みち)にしたがって、(いか)らずに()らしてください。
さもないと、わたしは()()してしまうでしょう。
25あなたを()らない国民(くにたみ)と、
あなたの()をとなえない人々(ひとびと)
あなたの(いか)りを(そそ)いでください。
(かれ)らはヤコブを()(つく)
これを()(つく)して(ほろ)ぼし、
そのすみかを(あら)したからです。

第十一章

1(しゅ)からエレミヤに(のぞ)んだ言葉(ことば)()う、 2「この契約(けいやく)言葉(ことば)()き、ユダの人々(ひとびと)とエルサレムに()(もの)()げよ。 3(かれ)らに()え、イスラエルの(かみ)(しゅ)はこう(おお)せられる、この契約(けいやく)言葉(ことば)(したが)わない(ひと)は、のろわれる。 4この契約(けいやく)は、わたしがあなたがたの先祖(せんぞ)をエジプトの()(てつ)のかまどの(なか)から(みちび)()した(とき)に、(かれ)らに(めい)じたところのものである。すなわち、その(とき)わたしは(かれ)らに()った、わたしの(こえ)()き、あなたがたに(めい)じるすべてのことを(おこな)うならば、あなたがたはわたしの(たみ)となり、わたしはあなたがたの(かみ)となる。 5そして、わたしがあなたがたの先祖(せんぞ)に、(ちち)(みつ)との(なが)れる()(あた)えると(ちか)ったことを、なし()げると。すなわち今日(こんにち)のとおりである」。その(とき)わたしは、「(しゅ)よ、(おお)せのとおりです」と(こた)えた。
6(しゅ)はわたしに()われた、「このすべての言葉(ことば)を、ユダの町々(まちまち)と、エルサレムのちまたに()(しめ)し、この契約(けいやく)言葉(ことば)()き、これを(おこな)え、と()いなさい。 7わたしは、あなたがたの先祖(せんぞ)をエジプトの()から(みちび)()した(とき)から今日(こんにち)にいたるまで、おごそかに(かれ)らを(いまし)め、()えず(いまし)めて、わたしの(こえ)()(したが)うようにと()った。 8しかし(かれ)らは(したが)わず、その(みみ)(かたむ)けず、おのおの自分(じぶん)(わる)強情(ごうじょう)(こころ)(したが)って(あゆ)んだ。それゆえ、わたしはこの契約(けいやく)言葉(ことば)をもって(かれ)らを()めた。これはわたしが(かれ)らに(おこな)えと(めい)じたが、(おこな)わなかったものである」。
9(しゅ)はまたわたしに()われた、「ユダの人々(ひとびと)とエルサレムに()(もの)のうちに反逆(はんぎゃく)(こと)がある。 10(かれ)らは、わたしの言葉(ことば)()くことを(こば)んだその先祖(せんぞ)たちの(つみ)()(かえ)り、またほかの神々(かみがみ)(したが)ってそれに(つか)えた。イスラエルの(いえ)とユダの(いえ)とは、わたしがその先祖(せんぞ)たちと(むす)んだ契約(けいやく)(やぶ)った。 11それゆえ(しゅ)はこう()われる、()よ、わたしは(わざわい)(かれ)らの(うえ)(くだ)す。(かれ)らはそれを(まぬか)れることはできない。(かれ)らがわたしを()んでも、わたしは()かない。 12ユダの町々(まちまち)とエルサレムに()(もの)は、()って、自分(じぶん)たちがそれに(こう)をたいている神々(かみがみ)()(もと)めるが、これらは、(かれ)らの(わざわい)(とき)にも(けっ)して(かれ)らを(すく)うことはできない。 13ユダよ、あなたの神々(かみがみ)は、あなたの(まち)(かず)ほど(おお)くなった。またあなたがたはエルサレムのちまたの(かず)ほどの祭壇(さいだん)()ずべき(もの)のために()てた。すなわちバアルに(こう)をたくための祭壇(さいだん)である。
14それゆえ、この(たみ)のために(いの)ってはならない。また(かれ)らのために()き、あるいは(いの)(もと)めてはならない。(かれ)らがその(わざわい)(とき)に、わたしに()ばわっても、わたしは(かれ)らに()くことをしないからだ。 15わが(あい)する(もの)は、わたしの(いえ)(なに)をするのか。すでにこれは悪事(あくじ)(おこな)った。誓願(せいがん)犠牲(ぎせい)(にく)とがあなたに(わざわい)(まぬか)れさせることができるであろうか。それであなたは(よろこ)ぶことができるであろうか。 16(しゅ)はあなたを、かつては『()()のなる(うつく)しい青々(あおあお)としたオリブの()』と()ばれたが、(はげ)しい暴風(ぼうふう)のとどろきと(とも)に、(しゅ)はそれに()をかけ、その(えだ)()(はら)われるのである。 17あなたを()えた万軍(ばんぐん)(しゅ)は、あなたに()かって(わざわい)()(わた)された。これはイスラエルの(いえ)とユダの(いえ)とが(あく)(おこな)い、バアルに(こう)をたいて、わたしを(いか)らせたからである」。
18(しゅ)()らせてくださったので、
わたしはそれを()った。
その(とき)、あなたは(かれ)らの()しきわざを
わたしに(しめ)された。
19しかしわたしは、
ほふられに()く、おとなしい小羊(こひつじ)のようで、
(かれ)らがわたしを(がい)しようと、
(はか)りごとをめぐらしているのを()らなかった。
(かれ)らは()う、「さあ、()とその()(とも)(ほろ)ぼそう。
()ける(もの)()から(かれ)()って、
その()(ひと)(わす)れさせよう」。
20(ただ)しいさばきをし、
(ひと)(こころ)(おも)いを(さぐ)られる万軍(ばんぐん)(しゅ)よ、
わたしは自分(じぶん)(うった)えをあなたにお(まか)せしました。
あなたが(かれ)らにあだをかえされるのを()させてください。
21それゆえ(しゅ)はアナトテの人々(ひとびと)についてこう()われる、(かれ)らはあなたの(いのち)()ろうと(もと)めて()う、「(しゅ)()によって預言(よげん)してはならない。それをするならば、あなたはわれわれの()にかかって()ぬであろう」。 22それで万軍(ばんぐん)(しゅ)はこう()われる、「()よ、わたしは(かれ)らを(ばっ)する。(わか)(ひと)はつるぎで()に、(かれ)らのむすこ(むすめ)は、ききんで()に、 23だれも(のこ)(もの)はない。わたしがアナトテの人々(ひとびと)(わざわい)(くだ)し、(かれ)らを(ばっ)する(とし)をこさせるからである」。

第十二章

1(しゅ)よ、わたしがあなたと(ろん)(あらそ)(とき)
あなたは(つね)(ただ)しい。
しかしなお、わたしはあなたの(まえ)に、
さばきのことを(ろん)じてみたい。
悪人(あくにん)(みち)がさかえ、
不信実(ふしんじつ)(もの)がみな繁栄(はんえい)するのはなにゆえですか。
2あなたが(かれ)らを()えられたので、
(かれ)らは()づき、(そだ)って、()(むす)びます。
(かれ)らは(くち)ではあなたに(ちか)づきますが、
(こころ)はあなたから(とお)ざかっています。
3(しゅ)よ、あなたはわたしを()り、わたしを()
わたしの(こころ)があなたに(たい)して
いかにあるかを(こころ)みられます。
ほふるために(ひつじ)()()すように、(かれ)らを()()し、
(ころ)()にそなえて、(かれ)らを(のこ)しておいてください。
4いつまで、この()(なげ)き、
どの(はたけ)野菜(やさい)()れていてよいでしょうか。
この()()(もの)(あく)によって、
(けもの)(とり)(ほろ)びうせます。
人々(ひとびと)()いました、
(かれ)はわれわれの(おわ)りを()ることはない」と。
5「もしあなたが、徒歩(とほ)(ひと)競争(きょうそう)して(つか)れるなら、
どうして騎馬(きば)(ひと)(きそ)うことができようか。
もし安全(あんぜん)()で、あなたが(たお)れるなら、
ヨルダンの密林(みつりん)では、どうするつもりか。
6あなたの兄弟(きょうだい)たち、あなたの(ちち)(いえ)のものさえ、
あなたを(あざむ)き、大声(おおごえ)をあげて、あなたを()っている。
(かれ)らが(した)しげにあなたに(かた)ることがあっても、
(かれ)らを(しん)じてはならない」。
7「わたしはわが(いえ)(はな)れ、わが()(ぎょう)()て、
わが(たましい)(あい)する(もの)(てき)()(わた)した。
8わたしの()(ぎょう)は、わたしにとって
(はやし)(なか)のししのようになった。
これはわたしに()かってその(こえ)をあげる。
それゆえわたしはこれを(にく)む。
9わたしの()(ぎょう)は、わたしにとって、
斑点(はんてん)のある猛禽(もうきん)のようではないか。
()猛禽(もうきん)がこれを(かこ)んでいるではないか。
()って、()(けもの)をみな(あつ)め、
()れてきてこれを()べさせよ。
10(おお)くの牧者(ぼくしゃ)たちはわたしのぶどう(はたけ)(ほろ)ぼし、
わたしの()()(あら)した。
わたしの(うるわ)しい()()れた()にした。
11(かれ)らはこれを()()としてしまった。
その()()がわたしに()かって(なげ)くのだ。
(ぜん)()()()にされた。
しかし、ひとりもこれを(こころ)()める(もの)はない。
12(ほろ)ぼす(もの)どもが荒野(あらの)のすべての、はげ(やま)(うえ)にきた。
(しゅ)のつるぎが、()の、この(はて)から、かの(はて)までを(ほろ)ぼすのだ。
(いのち)あるものは(やす)らかであることができない。
13(かれ)らは(むぎ)をまいて、いばらを()()る。
苦労(くろう)してもなんの利益(りえき)もない。
(かれ)らはその収穫(しゅうかく)()じるようになる。
(しゅ)(はげ)しい(いか)りによってである」。
14わたしがわが(たみ)イスラエルにつがせた()(ぎょう)()()れるすべての(わる)(とな)(びと)について、(しゅ)はこう()われる、「()よ、わたしは(かれ)らをその()から()()し、ユダの(いえ)(かれ)らのうちから()()す。 15わたしは、(かれ)らを()()したのちに、また(かれ)らをあわれんで、それぞれその()(ぎょう)(みちび)(かえ)し、おのおのを、その()(かえ)らせる。 16もし(かれ)らがわたしの(たみ)(みち)(まな)び、わたしの()によって、『(しゅ)()きておられる』と()って(ちか)うことが、かつて(かれ)らがわたしの(たみ)(おし)えてバアルをさして(ちか)わせたようになるならば、(かれ)らはわたしの(たみ)のうちに()てられる。 17しかし(みみ)をかさない(たみ)があるときは、わたしはその(たみ)()()して(ほろ)ぼすと、(しゅ)()われる」。

第十三章

1(しゅ)はわたしにこう()われた、「()って、亜麻(あま)(ぬの)(おび)()い、(こし)(むす)べ。(みず)につけてはならない」。 2そこで、わたしは(しゅ)言葉(ことば)(したが)い、(おび)()って(こし)(むす)んだ。 3(しゅ)言葉(ことば)は、(ふたた)びわたしに(のぞ)んで()った、 4「あなたが()って(こし)(むす)んでいる(おび)()()り、()ってユフラテの(かわ)()き、その(ところ)(いわ)()()にこれを(かく)せ」。 5わたしは(しゅ)(めい)じられたように、()って、これをユフラテの(かわ)のほとりに(かく)した。 6(おお)くの()()てのち、(しゅ)はわたしに()われた、「()って、ユフラテの(かわ)()き、あなたに(めい)じて、そこに(かく)させた(おび)をその(ところ)から()ってきなさい」。 7そこでわたしはユフラテの(かわ)()き、()()って、(かく)した(ところ)から(おび)()()したが、その(おび)はそこなわれて、(やく)()たなくなっていた。
8その(とき)(しゅ)言葉(ことば)がわたしに(のぞ)んだ、 9(しゅ)はこう(おお)せられる、これと(おな)じように、わたしはユダの(たか)ぶりとエルサレムの(おお)いなる(たか)ぶりを、(やぶ)るのである。 10この()しき(たみ)はわたしの言葉(ことば)()くことを(こば)み、自分(じぶん)(こころ)強情(ごうじょう)にして(あゆ)み、また()神々(かみがみ)(したが)ってこれに(つか)え、これを(おが)んでいる。(かれ)らはこの(おび)のように、なんの(やく)にも()たなくなる」。 11(しゅ)()われる、「(おび)(ひと)(こし)()くように、イスラエルのすべての(いえ)とユダのすべての(いえ)とをわたしに()かせ、これをわたしの(たみ)とし、()とし、(ほまれ)とし、(さか)えとしようとした。しかし(かれ)らは()(したが)おうともしなかった」。
12「あなたはこの言葉(ことば)(かれ)らに(かた)らなければならない、『イスラエルの(かみ)はこう()われる、(さけ)つぼには、みな(さけ)()ちる』と。(かれ)らはあなたに()うであろう、『(さけ)つぼに、みな(さけ)()ちることをわれわれが()らないことがあろうか』と。 13その(とき)、あなたは(かれ)らに()わなければならない、『(しゅ)はこう()われる、()よ、わたしはこの()()むすべての(もの)と、ダビデの(くらい)()(おう)たちと、祭司(さいし)預言者(よげんしゃ)およびエルサレムに()むすべての(もの)()いを()たし、 14(かれ)らを(たがい)()()てて(くだ)く。(ちち)()をもそのようにすると、(しゅ)()われる。わたしは(かれ)らをあわれまず、()しまず、かわいそうとも(おも)わずに(ほろ)ぼす』と」。
15(みみ)(かたむ)けて()け、(たか)ぶってはならない、
(しゅ)がお(かた)りになるからである。
16(しゅ)がまだやみを(おこ)されないうちに、
またあなたがたの(あし)
薄暗(うすくら)がりの(やま)につまずかないうちに、
あなたがたの(かみ)(しゅ)栄光(えいこう)()せよ。
さもないと、あなたがたが(ひかり)(のぞ)んでいる(あいだ)に、
(しゅ)はそれを暗黒(あんこく)()え、
それを(くら)やみとされるからである。
17もしあなたがたが()かないならば、
わたしの(たましい)はひそかな(ところ)で、
あなたがたの(たか)ぶりのために(かな)しむ。
また(しゅ)()れが、かすめられたために、
わたしの()はいたく()いて、(なみだ)(なが)すのである。
18(おう)太后(たいこう)とに()げよ、
「あなたがたは(ひく)()にすわりなさい。
(うるわ)しい(かんむり)はすでに
あなたがたの(あたま)から()ちてしまったからです」。
19ネゲブの町々(まちまち)()ざされて、これを(ひら)(ひと)がない。
ユダはみな(とら)(うつ)される、
ことごとく(とら)(うつ)される。
20()をあげて、(きた)(ほう)からくる(もの)()よ、
あなたに(たま)わった()れ、
あなたの(うるわ)しい()れはどこにいるのか。
21(かれ)らがあなたの(した)しみ()れた(ひと)たちを、
あなたの(うえ)()ててかしらとするとき、
あなたは(なに)()おうとするのか。
あなたの(くる)しみは、
()()(おんな)(くる)しみのようでないであろうか。
22あなたが(こころ)のうちに、
『どうしてこのようなことが
わたしに()ったのか』というならば、
あなたの(つみ)(おも)いゆえに、
あなたの着物(きもの)のすそはあげられ、
はずかしめを()けるのだ。
23エチオピヤびとは
その皮膚(ひふ)()えることができようか。
ひょうはその斑点(はんてん)()えることができようか。
もしそれができるならば、(あく)()れたあなたがたも、
(ぜん)(おこな)うことができる。
24わたしはあなたがたを()らし、
()(かぜ)()()らされるもみがらのようにする。
25(しゅ)()われる、これがあなたに(さづ)けられた(さだ)め、
わたしが(はか)ってあなたに(あた)える(ぶん)である。
あなたがわたしを(わす)れて、
(いつわ)りを(たの)みとしたからだ。
26わたしはまたあなたの着物(きもの)のすそを(かお)まであげて、
あなたの(はじ)をあらわす。
27わたしはあなたの(にく)むべき(おこな)い、
あなたの姦淫(かんいん)と、いななき、
()(おか)(うえ)(おこな)ったあなたのみだらな(おこな)いを()た。
エルサレムよ、あなたはわざわいだ、
あなたの(きよ)められるのはいつのことであろうか」。

第十四章

1ひでりの(こと)についてエレミヤに(のぞ)んだ(しゅ)言葉(ことば)
2「ユダは(かな)しみ、
その町々(まちまち)(もん)(かたむ)き、
(たみ)()()して(なげ)き、
エルサレムの(さけ)びはあがる。
3その(きみ)たちは、しもべをつかわして(みず)をくませる。
(かれ)らが井戸(いど)(ところ)にきても、(みず)()つからず、
むなしい(うつわ)をもって(かえ)り、
()じ、かつ当惑(とうわく)して、その(あたま)をおおう。
4()(あめ)()らず、(つち)が、かわいて()れたため、
農夫(のうふ)()じて、その(あたま)をおおう。
5()にいる()じかでさえも()()んで、これを()てる。
(くさ)がないからである。
6()ろばは、はげ(やま)(うえ)()って、
山犬(やまいぬ)のようにあえぎ、
(くさ)のないために、その()はくらむ。
7(しゅ)よ、われわれの(つみ)がわれわれを(うった)えて
不利(ふり)証言(しょうげん)をしても、
あなたの()のために、(こと)をなしてください。
われわれの背信(はいしん)(かず)(おお)く、
あなたに()かって(つみ)(おか)しました。
8イスラエルの(のぞ)みなる(しゅ)よ、
(なや)みの(とき)救主(すくいぬし)よ、
なぜ、あなたはこの()()異邦(いほう)(ひと)のようにし、
また一夜(いちや)宿(やど)りのために()()(たび)びとのように
なさらねばならないのですか。
9なぜ、あなたは、うろたえている(ひと)のようにし、
また(ひと)(すく)いえない勇士(ゆうし)のように
なさらねばならないのですか。
(しゅ)よ、あなたはわれわれのうちにいらせられます。
われわれは、み()によって()ばれている(もの)です。
われわれを見捨(みす)てないでください」。
10この(たみ)について(しゅ)はこう()われる、
(かれ)らはこのように(この)んで、さまよい、
その(あし)をとどめることをしなかったので、
(しゅ)(かれ)らを(よろこ)ばず、
いまそのとがを(おぼ)え、その(つみ)(ばっ)するのだ」。
11(しゅ)はわたしに()われた、「この(たみ)のために(めぐ)みを(いの)ってはならない。 12(かれ)らが断食(だんじき)しても、わたしは(かれ)らの()ぶのを()かない。燔祭(はんさい)素祭(そさい)をささげても、わたしはそれを()けない。かえって、つるぎと、ききん、および疫病(えきびょう)をもって、(かれ)らを(ほろ)ぼしてしまう」。
13わたしは()った、「ああ、(しゅ)なる(かみ)よ、預言者(よげんしゃ)たちはこの(たみ)()かい、『あなたがたは、つるぎを()ることはない。ききんもこない。わたしはこの(ところ)(たし)かな平安(へいあん)をあなたがたに(あた)える』と()っています」。 14(しゅ)はわたしに()われた、「預言者(よげんしゃ)らはわたしの()によって(いつわ)りの預言(よげん)をしている。わたしは(かれ)らをつかわさなかった。また(かれ)らに(めい)じたこともなく、(はな)したこともない。(かれ)らは(いつわ)りの黙示(もくし)と、(やく)()たない(うらな)い、および自分(じぶん)(こころ)でつくりあげた(あざむ)きをあなたがたに預言(よげん)しているのだ。 15それゆえ、わたしがつかわさないのに、わたしの()によって預言(よげん)して、『つるぎとききんは、この()にこない』と()っているあの預言者(よげんしゃ)について、(しゅ)はこう(おお)せられる、この預言者(よげんしゃ)らは、つるぎとききんに(ほろ)ぼされる。 16また(かれ)らの預言(よげん)()(たみ)は、ききんとつるぎとによって、エルサレムのちまたに()()てられる。だれもこれを(ほうむ)(もの)はない。(かれ)らとその(つま)、およびそのむすこ(むすめ)同様(どうよう)である。わたしが(かれ)らの(あく)をその(うえ)(そそ)ぐからである。
17この言葉(ことば)(かれ)らに(かた)れ、
『わたしの()(よる)(ひる)()えず(なみだ)(なが)す。
わが(たみ)(むすめ)であるおとめが(おお)きな(きず)
(おも)打撃(だげき)によって(ほろ)ぼされるからである。
18わたしが()(はたけ)()くと、
つるぎで(ころ)された(もの)がある。
(まち)にはいると、ききんで()んでいる(もの)がある。
預言者(よげんしゃ)祭司(さいし)(とも)にその()にさまよって、
()るところがない』」。
19あなたはまったくユダを()てられたのですか。
あなたの(こころ)はシオンをきらわれるのですか。
あなたはわれわれを()ったのに、どうしていやしてはくださらないのですか。
われわれは平安(へいあん)(のぞ)んだが、()(こと)はこなかった。
いやされる(とき)(のぞ)んだが、かえって恐怖(きょうふ)()た。
20(しゅ)よ、われわれは自分(じぶん)(あく)と、
先祖(せんぞ)のとがとを(みと)めています。
われわれはあなたに(つみ)(おか)しました。
21()のために、われわれを()てないでください。
あなたの(さか)えあるみ(くらい)
はずかしめないでください。
あなたがわれわれにお()てになった契約(けいやく)(おぼ)えて、
それを(やぶ)らないでください。
22異邦(いほう)(いつわ)りの神々(かみがみ)のうちに、
(あめ)()らせうる(もの)があるであろうか。
(てん)自分(じぶん)夕立(ゆうだ)ちを()らすことができようか。
われわれの(かみ)(しゅ)よ、
あなたこそ、これをなさる(かた)ではありませんか。
われわれの()(のぞ)むのはあなたです。
あなたがこれらすべてのことをなさるからです。

第十五章

1(しゅ)はわたしに()われた、「たといモーセとサムエルとがわたしの(まえ)()っても、わたしの(こころ)はこの(たみ)(かえり)みない。(かれ)らをわたしの(まえ)から()()し、ここを()らせよ。 2もし(かれ)らが、『われわれはどこに()けばよいのか』とあなたに(たず)ねるならば、(かれ)らに()いなさい、
(しゅ)はこう(おお)せられる、
疫病(えきびょう)(さだ)められた(もの)疫病(えきびょう)に、
つるぎに(さだ)められた(もの)はつるぎに、
ききんに(さだ)められた(もの)はききんに、
とりこに(さだ)められた(もの)はとりこに()く』。
3(しゅ)(おお)せられる、わたしは四つの(もの)をもって(かれ)らを(ばっ)する。すなわち、つるぎをもって(ころ)し、(いぬ)をもってかませ、(そら)(とり)()(けもの)をもって()(ほろ)ぼさせる。 4またユダの(おう)ヒゼキヤの()マナセが、エルサレムでした(おこな)いのゆえに、わたしは(かれ)らを()のすべての(くに)()(おそ)れおののくものとする。
5エルサレムよ、だれがあなたをあわれむであろうか。
だれがあなたのために(なげ)くであろうか。
だれがふり(かえ)って、あなたの安否(あんぴ)()うであろうか。
6(しゅ)()われる、あなたはわたしを()てた。
そしてますます退(しりぞ)いて()く。
それゆえ、わたしは()()べてあなたを(ほろ)ぼした。
わたしはあわれむことには()きた。
7わたしはこの()(もん)で、
(みの)(かれ)らをあおぎ()けた。
(かれ)らがその(みち)(はな)れなかったので、
わたしは(かれ)らの()(うば)い、
わが(たみ)(ほろ)ぼした。
8わたしは(かれ)らの寡婦(かふ)(かず)
(はま)べの(すな)よりも(おお)くした。
わたしは真昼(まひる)に、(ほろ)ぼす(もの)()れてきて、
若者(わかもの)らの(はは)たちをせめ、
(おどろ)きと(おそ)れを、にわかに(はは)たちにおこした。
9(にん)()()んだ(おんな)は、(よわ)(おとろ)えて、(いき)()え、
まだ(ひる)であったが、彼女(かのじょ)()(ぼっ)した。
彼女(かのじょ)()じ、うろたえた。
その(のこ)りの(もの)は、これを(てき)のつるぎに(わた)すと
(しゅ)()われる」。
10ああ、わたしはわざわいだ。わが(はは)よ、あなたは、なぜ、わたしを()んだのか。全国(ぜんこく)(ひと)はわたしと(あらそ)い、わたしを()める。わたしは(ひと)()したこともなく、(ひと)()りたこともないのに、(みな)わたしをのろう。 11(しゅ)よ、もしわたしが(かれ)らの幸福(こうふく)をあなたに(いの)(もと)めず、また(てき)のため、その(なや)みのときと、(わざわい)のときに、わたしがあなたにとりなしをしなかったのであれば、(かれ)らののろいも、やむをえないでしょう。 12(ひと)(てつ)を、(きた)からくる(てつ)青銅(せいどう)(くだ)くことができましょうか。
13「わたしはあなたの(とみ)(たから)を、ぶんどり(もの)として(ほか)(あた)える。代価(だいか)()けることはできない。それはあなたのすべての(つみ)によるので、領域(りょういき)(ない)のいたる(ところ)にこのことが(おこ)る。 14わたしはあなたの()らない()で、あなたの(てき)(つか)えさせる。わたしの(いか)りによって()(てん)じられ、いつまでも()(つづ)けるからである」。
15(しゅ)よ、あなたは()っておられます。
わたしを(おぼ)え、わたしを(かえり)みてください。
わたしを迫害(はくがい)する(もの)に、あだを(かえ)し、
あなたの寛容(かんよう)によって、
わたしを()()らないでください。
わたしがあなたのために、
はずかしめを()けるのを()ってください。
16わたしはみ言葉(ことば)(あた)えられて、それを()べました。
言葉(ことば)は、わたしに(よろこ)びとなり、
(こころ)(たの)しみとなりました。
万軍(ばんぐん)(かみ)(しゅ)よ、わたしは、あなたの()をもって
となえられている(もの)です。
17わたしは(わら)いさざめく(ひと)のつどいに
すわることなく、また(よろこ)ぶことをせず、
ただひとりですわっていました。
あなたの()がわたしの(うえ)にあり、
あなたが(いきどお)りをもって
わたしを()たされたからです。
18どうしてわたしの(いた)みは()まらず、
(きず)(おも)くて、なおらないのですか。
あなたはわたしにとって、(みず)がなくて(ひと)(あざむ)
谷川(たにがわ)のようになられるのですか。
19それゆえ(しゅ)はこう(おお)せられる、
「もしあなたが(かえ)ってくるならば、
もとのようにして、わたしの(まえ)()たせよう。
もしあなたが、つまらないことを()うのをやめて、
貴重(きちょう)なことを()うならば、
わたしの(くち)のようになる。
(かれ)らはあなたの(ところ)(かえ)ってくる。
しかしあなたが(かれ)らの(ところ)(かえ)るのではない。
20わたしはあなたをこの(たみ)(まえ)に、
堅固(けんご)青銅(せいどう)城壁(じょうへき)にする。
(かれ)らがあなたを()めても、
あなたに()つことはできない。
わたしがあなたと(とも)にいて、あなたを(たす)け、
あなたを(すく)うからであると、(しゅ)()われる。
21わたしはあなたを悪人(あくにん)()から(すく)い、
無慈悲(むじひ)(ひと)()からあがなう」。

第十六章

1(しゅ)言葉(ことば)はまたわたしに(のぞ)んだ、 2「あなたはこの(ところ)(つま)をめとってはならない。またむすこ(むすめ)()ってはならない。 3この(ところ)(うま)れるむすこ(むすめ)と、この()でこれを()(はは)たちと、これを()(ちち)たちとについて(しゅ)はこう()われる、 4(かれ)らは()(やまい)にかかって()に、哀悼(あいとう)する(もの)もなく、埋葬(まいそう)する(もの)もなく、()のおもてに、糞土(ふんど)のようになる。またつるぎと、ききんに(ほろ)ぼされて、その死体(したい)(そら)(とり)()(けもの)()(もの)となる。
5(しゅ)はこう()われる、()のある(いえ)に、はいってはならない。また()って、それを(かな)しみ(なげ)いてはならない。わたしがこの(たみ)からわたしの平安(へいあん)と、いつくしみと、あわれみとを()()ったからであると、(しゅ)()われる。 6(おお)いなる(もの)(ちい)さき(もの)も、この()()ぬ。(かれ)らは(ほうむ)られず、また(かれ)らのために(かな)しむ(もの)もなく、自分(じぶん)()(きず)つける(もの)もなく、(かみ)をそる(もの)もない。 7(かな)しむ(もの)のためにパンをさいて、死者(ししゃ)のためにこれを(なぐさ)める(もの)はなく、また(ちち)あるいは(はは)のために(なぐさ)めの(さかずき)をこれに(あた)えて()ませる(もの)もない。 8またあなたは宴会(えんかい)をする(いえ)にはいって、人々(ひとびと)(とも)にすわって()()みしてはならない。 9万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)はこう()われる、()よ、あなたの()(まえ)で、あなたのなおこの()にいる(あいだ)に、わたしは(よろこ)びの(こえ)(たの)しみの(こえ)花婿(はなむこ)(こえ)花嫁(はなよめ)(こえ)とをこの(ところ)()やしてしまう。
10あなたがこのすべての言葉(ことば)をこの(たみ)()げるとき、(かれ)らがあなたに(たず)ねて、『(しゅ)がわれわれにこの(おお)きな(わざわい)宣告(せんこく)されるのはどうしてですか。われわれにどんな(わる)(ところ)があるのですか。われわれの(かみ)(しゅ)にそむいて、われわれが(おか)した(つみ)とはなんですか』と()うならば、 11あなたは(かれ)らに(こた)えなければならない、『(しゅ)(おお)せられる、それはあなたがたの先祖(せんぞ)がわたしを()てて()神々(かみがみ)(したが)い、これに(つか)え、これを(はい)し、またわたしを()て、わたしの律法(りっぽう)(まも)らなかったからである。 12あなたがたは、あなたがたの先祖(せんぞ)よりも、いっそう(わる)いことをした。()よ、あなたがたはおのおの自分(じぶん)(わる)強情(ごうじょう)(こころ)(したが)い、わたしに()(したが)うことはしない。 13それゆえ、わたしはあなたがたをこの()より()()し、あなたがたも、あなたがたの先祖(せんぞ)()らない()()かせる。その(ところ)であなたがたは昼夜(ちゅうや)、ほかの神々(かみがみ)(つか)えるようになる。これはわたしがあなたがたにあわれみを(しめ)さないからである』と。
14(しゅ)()われる、それゆえ、()よ、こののち『イスラエルの(たみ)をエジプトの()から(みちび)()した(しゅ)()きておられる』とは()わないで、 15『イスラエルの(たみ)(きた)(くに)と、そのすべて()いやられた国々(くにぐに)から(みちび)()した(しゅ)()きておられる』という()がくる。わたしが(かれ)らを、その先祖(せんぞ)(あた)えた(かれ)らの()(みちび)きかえすからである。
16(しゅ)()われる、()よ、わたしは(おお)くの漁夫(ぎょふ)()んできて、(かれ)らをすなどらせ、また、そののち(おお)くの猟師(りょうし)()んできて、もろもろの(やま)、もろもろの(おか)、および(いわ)()()から(かれ)らをかり()させる。 17わたしの()(かれ)らのすべての(みち)()ているからである。みなわたしに(かく)れてはいない。またその(あく)はわたしの()(かく)れることはない。 18わたしはその(あく)とその(つみ)(むく)いを二(ばい)にする。(かれ)らがその()むべき偶像(ぐうぞう)死体(したい)をもって、わたしの()(けが)し、その(にく)むべきものをもって、わたしの()(ぎょう)()たしたからである」。
19(しゅ)、わが(ちから)、わが(しろ)
(なや)みの(とき)の、のがれ()よ、
万国(ばんこく)(たみ)()(はて)から
あなたのもとにきて(もう)します、
「われわれの先祖(せんぞ)()()いだのは、
ただ(いつわ)りと、(やく)()たないつまらない(こと)ばかりです。
20(ひと)自分(じぶん)神々(かみがみ)(つく)ることができましょうか。
そういうものは(かみ)ではありません」。
21「それゆえ、()よ、わたしは(かれ)らに()らせよう。すなわち、この(さい)わたしの(ちから)と、わたしの(いきお)いとを()らせよう。(かれ)らはわたしの()が、(しゅ)であることを()るようになる」。

第十七章

1「ユダの(つみ)は、(てつ)(ふで)金剛石(こんごうせき)のとがりをもってしるされ、(かれ)らの(こころ)(いしぶみ)と、祭壇(さいだん)(つの)()りつけられている。 2(かれ)らの子供(こども)たちは(あお)()(した)と、(たか)(おか)(うえ)()(やま)(うえ)にある祭壇(さいだん)とアシラのことを(おぼ)えている。 3わたしはあなたの(とみ)とすべての(たから)とを、あなたの(ぜん)領域(りょういき)(うち)(おか)した(つみ)代価(だいか)として、ぶんどり(もの)とならせる。 4わたしがあなたに(あた)えた()(ぎょう)からあなたは()をはなすようになる。またわたしは、あなたの()らない()で、あなたの(てき)(つか)えさせる。わたしの(いか)りによって、()(てん)じられ、いつまでも()(つづ)けるからである」。
5(しゅ)はこう()われる、
「おおよそ(ひと)(たの)みとし(にく)なる(もの)自分(じぶん)(うで)とし、
その(こころ)(しゅ)(はな)れている(ひと)は、のろわれる。
6(かれ)荒野(あらの)(そだ)(ちい)さい()のように、
(なに)()いことの()るのを()ない。
荒野(あらの)の、干上(ひあ)がった(ところ)()み、
(ひと)()まない(しお)()にいる。
7おおよそ(しゅ)にたより、
(しゅ)(たの)みとする(ひと)はさいわいである。
8(かれ)(みず)のほとりに()えた()のようで、
その()(かわ)にのばし、
(あつ)さにあっても(おそ)れることはない。
その()(つね)(あお)く、
ひでりの(ねん)にも(うれ)えることなく、
()えず()(むす)ぶ」。
9(こころ)はよろずの(もの)よりも(いつわ)るもので、
はなはだしく(あく)()まっている。
だれがこれを、よく()ることができようか。
10(しゅ)であるわたしは(こころ)(さぐ)り、(おも)いを(こころ)みる。
おのおのに、その(みち)にしたがい、
その(おこな)いの()によって(むく)いをするためである」。
11しゃこが自分(じぶん)()んだのではない(たまご)()くように、
不正(ふせい)財産(ざいさん)()(もの)がある。
その(ひと)一生(いっしょう)(なか)ばにそれから(はな)れて、
その(おわ)りには(おろ)かな(もの)となる。
12(はじ)めから(たか)くあげられた(さか)えあるみ()は、
われわれの聖所(せいじょ)のある(ところ)である。
13またイスラエルの(のぞ)みである(しゅ)よ、
あなたを()てる(もの)はみな(はじ)をかき、
あなたを(はな)れる(もの)(つち)()をしるされます。
それは()ける(みず)(みなもと)である(しゅ)()てたからです。
14(しゅ)よ、わたしをいやしてください、
そうすれば、わたしはいえます。
わたしをお(すく)いください、
そうすれば、わたしは(すく)われます。
あなたはわたしのほめたたえる(もの)だからです。
15(かれ)らはわたしに()います、
(しゅ)言葉(ことば)はどこにあるのか。
(いま)、それを()して()せよ」と。
16(あく)をつかわされるようにとは、
わたしはたって(もと)めませんでした。
また(わざわい)()(ねが)わなかったのを、
あなたはごぞんじです。
わたしのくちびるから()たことは、み(まえ)にあります。
17どうか、わたしを(おそ)れさせないでください。
(わざわい)のときに、あなたはわたしののがれ()です。
18わたしを()(なや)ます(もの)をはずかしめてください。
しかしわたしをはずかしめないでください。
(かれ)らを(おそ)れさせてください。
しかしわたしを(おそ)れさせないでください。
(わざわい)()(かれ)らにきたらせ、
(ほろ)びを(ばい)にして(かれ)らを(ほろ)ぼしてください。
19(しゅ)はわたしにこう()われた、「()って、ユダの(おう)たちの出入(でい)りするベニヤミンの(もん)、およびエルサレムのすべての(もん)()って、 20()いなさい、『これらの(もん)からはいるユダの(おう)たち、およびユダのすべての(たみ)とエルサレムに()むすべての(もの)よ、(しゅ)言葉(ことば)()きなさい。 21(しゅ)はこう()われる、(いのち)()しいならば()をつけるがよい。安息日(あんそくにち)()をたずさえ、またはそれを()ってエルサレムの(もん)にはいってはならない。 22また安息日(あんそくにち)にあなたがたの(いえ)から()(はこ)()してはならない。なんのわざをもしてはならない。わたしがあなたがたの先祖(せんぞ)(めい)じたように安息日(あんそくにち)聖別(せいべつ)して(まも)りなさい。 23しかし(かれ)らは(したが)わず(みみ)(かたむ)けず、()くことも、(いまし)めをうけることをも強情(ごうじょう)(こば)んだ。
24(しゅ)()われる、もしあなたがたがわたしに()(したが)い、安息日(あんそくにち)()をたずさえてこの(まち)(もん)にはいらず、安息日(あんそくにち)聖別(せいべつ)して、なんのわざをもしないならば、 25ダビデの(くらい)()する(おう)たち、つかさたち、ユダの人々(ひとびと)、エルサレムに()(もの)は、(くるま)(うま)()ってこの(まち)(もん)からはいることができる。そしてこの(まち)には(なが)(ひと)()むようになる。 26また人々(ひとびと)はユダの町々(まちまち)やエルサレムの周囲(しゅうい)、ベニヤミンの()平地(へいち)山地(さんち)およびネゲブから()燔祭(はんさい)犠牲(ぎせい)素祭(そさい)乳香(にゅうこう)感謝祭(かんしゃさい)をたずさえて(しゅ)(いえ)にはいる。 27しかし、もしあなたがたがわたしに()(したが)わないで、安息日(あんそくにち)聖別(せいべつ)して(まも)ることをせず、安息日(あんそくにち)()をたずさえてエルサレムの(もん)にはいるならば、わたしは()をその(もん)(なか)()やして、エルサレムのもろもろの宮殿(きゅうでん)()(ほろ)ぼす。その()()えることがない』」。

第十八章

1(しゅ)からエレミヤに(のぞ)んだ言葉(ことば)2()って、陶器(とうき)()(いえ)(くだ)って()きなさい。その(ところ)でわたしはあなたにわたしの言葉(ことば)()かせよう」。 3わたしは陶器(とうき)()(いえ)(くだ)って()った。()ると(かれ)は、ろくろで仕事(しごと)をしていたが、 4粘土(ねんど)(つく)っていた(うつわ)が、その(ひと)()(なか)仕損(しそん)じたので、(かれ)自分(じぶん)()のままに、それをもってほかの(うつわ)(つく)った。
5その(とき)(しゅ)言葉(ことば)がわたしに(のぞ)んだ、 6(しゅ)(おお)せられる、イスラエルの(いえ)よ、この陶器(とうき)()がしたように、わたしもあなたがたにできないのだろうか。イスラエルの(いえ)よ、陶器(とうき)()()粘土(ねんど)があるように、あなたがたはわたしの()のうちにある。 7ある(とき)には、わたしが(たみ)または(くに)()く、(やぶ)る、(ほろ)ぼすということがあるが、 8もしわたしの()った(くに)がその(あく)(はな)れるならば、わたしはこれに(わざわい)(くだ)そうとしたことを(おも)いかえす。 9またある(とき)には、わたしが(たみ)または(くに)()てる、()えるということがあるが、 10もしその(くに)がわたしの()(あく)()えることを(おこな)い、わたしの(こえ)()(したが)わないなら、わたしはこれに(さいわい)(あた)えようとしたことを(おも)いかえす。 11それゆえ、ユダの人々(ひとびと)とエルサレムに()(もの)()いなさい、『(しゅ)はこう(おお)せられる、()よ、わたしはあなたがたに(わざわい)(くだ)そうと工夫(くふう)し、あなたがたを()める(はか)りごとを()てている。あなたがたはおのおのその()しき(みち)(はな)れ、その(みち)(おこな)いを(あらた)めなさい』と。
12しかし(かれ)らは()う、『それはむだです。われわれは自分(じぶん)(はか)るところに(したが)い、おのおのその(わる)強情(ごうじょう)(こころ)にしたがって行動(こうどう)します』と。
13それゆえ(しゅ)はこう()われる、
異邦(いほう)(たみ)のうちのある(もの)(たず)ねてみよ、
このような(こと)()いた(もの)があろうか。
おとめイスラエルは(おそ)ろしい(こと)をした。
14レバノンの(ゆき)が、
どうしてシリオンの(いわ)(はな)れようか。
(やま)(みず)(つめ)たい(かわ)(なが)れが、
どうしてかわいてしまおうか。
15それなのにわが(たみ)はわたしを(わす)れて、
(いつわ)りの神々(かみがみ)(こう)をたいている。
(かれ)らはその(みち)(ふる)(みち)につまずき、
また小道(こみち)()り、大路(おおじ)からはなれた。
16自分(じぶん)()()れすたれさせて、
いつまでも(ひと)舌打(したう)ちされるものとした。
そこを(とお)(ひと)はみな身震(みぶる)いして、(くび)()る。
17わたしは東風(ひがしかぜ)のように、(かれ)らをその(てき)(まえ)()らす。
その(ほろ)びの()には、
わたしは(かれ)らに()()け、(かお)()けない」。
18(かれ)らは()った、「さあ、計略(けいりゃく)をめぐらして、エレミヤを(たお)そう。祭司(さいし)には律法(りっぽう)があり、知恵(ちえ)ある(もの)には(はか)りごとがあり、預言者(よげんしゃ)には言葉(ことば)があって、これらのものが(ほろ)びてしまうことはない。さあ、われわれは(した)をもって(かれ)()とう。(かれ)のすべての言葉(ことば)に、(こころ)()めないことにしよう」。
19(しゅ)よ、どうぞわたしにみ(こころ)()め、
わたしの(うった)えをお()きください。
20(あく)をもって(ぜん)(むく)いるべきでしょうか。
しかもなお(かれ)らはわたしの(いのち)()ろうとして
(あな)()りました。
わたしがあなたの(まえ)()って、
(かれ)らのことを()()い、
あなたの(いきどお)りを()めようとしたのを
(おぼ)えてください。
21それゆえ、(かれ)らの()どもたちをききんに(わた)し、
(かれ)らをつるぎの()(わた)してください。
(かれ)らの(つま)()(うしな)い、また寡婦(かふ)となり、
(おとこ)疫病(えきびょう)にかかって()に、
(わか)(もの)は、戦争(せんそう)でつるぎに(ころ)されますように。
22あなたが(てき)をにわかに(かれ)らに(のぞ)ませられるとき、
(かれ)らの(いえ)から(さけ)(ごえ)(きこ)えますように。
(かれ)らは(あな)()って、わたしを(とら)えようとし、
わなをつくって、わたしの(あし)
(とら)えようとしたからです。
23(しゅ)よ、あなたは(かれ)らがわたしを(ころ)すために
めぐらしている計略(けいりゃく)(みな)ごぞんじです。
その(あく)をゆるすことなく、
その(つみ)をあなたの(まえ)から()()らないでください。
(かれ)らをあなたの(まえ)(たお)れさせてください。
あなたのお(いか)りになる(とき)(かれ)らを(ばっ)してください。

第十九章

1(しゅ)はこう()われる、「()って、陶器(とうき)()のびんを()い、(たみ)長老(ちょうろう)年長(ねんちょう)祭司(さいし)のうちの数人(すうにん)(ともな)って、 2瀬戸(せと)かけの(もん)入口(いりぐち)にあるベンヒンノムの(たに)()き、その(ところ)で、わたしがあなたに(かた)言葉(ことば)をのべて、 3()いなさい、『ユダの(おう)たち、およびエルサレムに()(もの)よ、(しゅ)言葉(ことば)()きなさい。万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)はこう(おお)せられる、()よ、わたしは(わざわい)をこの(ところ)(くだ)す。おおよそ、その(わざわい)のことを()くものの(みみ)両方(りょうほう)とも()る。 4(かれ)らがわたしを()て、この(ところ)(けが)し、この(ところ)で、自分(じぶん)先祖(せんぞ)たちもユダの(おう)たちも()らなかった()神々(かみがみ)(こう)をたき、かつ(つみ)のない(もの)()を、この(ところ)()たしたからである。 5また(かれ)らはバアルのために(たか)(ところ)(きず)き、()をもって自分(じぶん)()どもたちを()き、燔祭(はんさい)としてバアルにささげた。これはわたしの(めい)じたことではなく、(さだ)めたことでもなく、また(おも)いもしなかったことである。 6(しゅ)()われる、それゆえ、()よ、この(ところ)をトペテまたはベンヒンノムの(たに)()ばないで、虐殺(ぎゃくさつ)(たに)()()がくる。 7またわたしはこの(ところ)でユダとエルサレムの(はか)りごとを()(やぶ)り、つるぎをもって、(かれ)らをその(てき)(まえ)と、そのいのちを(もと)める(もの)()(たお)れさせ、またその死体(したい)(そら)(とり)()(けもの)()(もの)とし、 8かつ、この(まち)()れすたれさせて、(ひと)舌打(したう)ちされるものとする。そこを(とお)(ひと)(みな)そのもろもろの(わざわい)()身震(みぶる)いし、舌打(したう)ちする。 9また(かれ)らがその(てき)とその(いのち)(もと)める(もの)とに(かこ)まれて(くる)しみ(なや)(とき)、わたしは(かれ)らに自分(じぶん)のむすこの(にく)(むすめ)(にく)()べさせる。(かれ)らはまた(たがい)にその(とも)(にく)()べるようになる』。
10そこで、あなたは、一緒(いっしょ)()人々(ひとびと)()(まえ)で、そのびんを(くだ)き、 11そして(かれ)らに()いなさい、『万軍(ばんぐん)(しゅ)はこう(おお)せられる、陶器(とうき)()(うつわ)をひとたび(くだ)くならば、もはやもとのようにすることはできない。このようにわたしはこの(たみ)とこの(まち)とを(くだ)く。人々(ひとびと)はほかに(ほうむ)るべき場所(ばしょ)がないために、トペテに(ほうむ)るであろう。 12(しゅ)(おお)せられる、わたしはこの(ところ)と、ここに()(もの)とにこのようにし、この(まち)をトペテのようにする。 13エルサレムの(いえ)とユダの(おう)たちの(いえ)、すなわち(かれ)らがその屋上(おくじょう)(てん)(しゅう)(ぐん)(こう)をたき、ほかの神々(かみがみ)(さけ)(そそ)いだ(いえ)は、(みな)トペテの(ところ)のように(けが)される』」。
14エレミヤは(しゅ)(かれ)をつかわして預言(よげん)させられたトペテから(かえ)ってきて、(しゅ)(いえ)(にわ)()ち、すべての(たみ)()った、 15万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)はこう(おお)せられる、()よ、わたしは、この(まち)とそのすべての村々(むらむら)に、わたしの()ったもろもろの(わざわい)(くだ)す。(かれ)らが強情(ごうじょう)で、わたしの言葉(ことば)()(したが)おうとしないからである」。

第二十章

1さて祭司(さいし)インメルの()で、(しゅ)(みや)のつかさの(ちょう)であったパシュルは、エレミヤがこれらの(こと)預言(よげん)するのを()いた。 2そしてパシュルは預言者(よげんしゃ)エレミヤを()ち、(しゅ)(みや)にある(うえ)のベニヤミンの(もん)(あし)かせにつないだ。 3その翌日(よくじつ)パシュルがエレミヤを(あし)かせから()(はな)した(とき)、エレミヤは(かれ)()った、「(しゅ)はあなたの()をパシュルとは()ばないで、『(おそ)れが周囲(しゅうい)にある』と()ばれる。 4(しゅ)はこう(おお)せられる、()よ、わたしはあなたを、あなた自身(じしん)とあなたのすべての(とも)だちに(おそ)れを(おこ)させる(もの)とする。(かれ)らはあなたが()ている()(まえ)(てき)のつるぎに(たお)れる。わたしはまたユダのすべての(たみ)をバビロン(おう)()(わた)す。(かれ)(かれ)らを(とら)えてバビロンに(うつ)し、つるぎをもって(ころ)す。 5わたしはまたこの(まち)のすべての(とみ)と、その()たすべての(もの)と、そのすべての貴重(きちょう)(もの)と、ユダの(おう)たちのすべての宝物(ほうもつ)をその(てき)()(わた)す。(かれ)らはこれをかすめ、(たみ)(とら)えてバビロンに(うつ)す。 6パシュルよ、あなたと、あなたの(いえ)()(もの)とはみな(とら)(うつ)される。あなたはバビロンに()って、その(ところ)()に、その(ところ)(ほうむ)られる。あなたも、あなたが(いつわ)って預言(よげん)した言葉(ことば)()(したが)った(とも)もみなそのようになる」。
7(しゅ)よ、あなたがわたしを(あざむ)かれたので、
わたしはその(あざむ)きに(したが)いました。
あなたはわたしよりも(つよ)いので、
わたしを()()せられたのです。
わたしは一日(いちにち)(ぢゅう)物笑(ものわら)いとなり、
(ひと)はみなわたしをあざけります。
8それは、わたしが(かた)り、()ばわるごとに、
暴虐(ぼうぎゃく)滅亡(めつぼう)」と(さけ)ぶからです。
(しゅ)言葉(ことば)一日(いちにち)(ぢゅう)
わが()のはずかしめと、あざけりになるからです。
9もしわたしが、「(しゅ)のことは、(かさ)ねて()わない、
このうえその()によって(かた)(こと)はしない」と()えば、
(しゅ)言葉(ことば)がわたしの(こころ)にあって、()える()
わが(ほね)のうちに()じこめられているようで、
それを(おさ)えるのに(つか)れはてて、
()えることができません。
10(おお)くの(ひと)のささやくのを()くからです。
(おそ)れが四方(しほう)にあります。
告発(こくはつ)せよ。さあ、(かれ)告発(こくはつ)しよう」と()って、
わが(した)しい(とも)(みな)
わたしのつまずくのを、うかがっています。
また、「(かれ)(あざむ)かれるだろう。
そのとき、われわれは(かれ)()って、
あだを(かえ)すことができる」と()います。
11しかし(しゅ)(つよ)勇士(ゆうし)のように
わたしと(とも)におられる。
それゆえ、わたしに(せま)りくる(もの)はつまずき、
わたしに()()つことはできない。
(かれ)らは、なし()げることができなくて、
(おお)いに(はじ)をかく。
その(はじ)は、いつまでも(わす)れられることはない。
12(ただ)しき(もの)(こころ)み、
(ひと)(こころ)(おも)いを()られる万軍(ばんぐん)(しゅ)よ、
あなたが(かれ)らに、
あだを(かえ)されるのを()せてください。
わたしはあなたに、わたしの(うった)えを
(まか)せしたからです。
13(しゅ)()かって(うた)い、(しゅ)をほめたたえよ。
(しゅ)(まず)しい(もの)(いのち)を、
悪人(あくにん)()から(すく)われたからである。
14わたしの(うま)れた()はのろわれよ。
(はは)がわたしを()んだ()祝福(しゅくふく)()けるな。
15わたしの(ちち)に「(おとこ)()が、(うま)れました」と()げて、
(かれ)(おお)いに(よろこ)ばせた(ひと)は、のろわれよ。
16その(ひと)は、(しゅ)のあわれみを()けることなく、
(ほろ)ぼされた(まち)のようになれ。
(あさ)には、(かれ)(さけ)びを()かせ、
(ひる)には(たたか)いの(こえ)()かせよ。
17(かれ)がわたしを胎内(たいない)(ころ)さず、
わが(はは)をわたしの墓場(はかば)となさず、
その(たい)をいつまでも(おお)きくしなかったからである。
18なにゆえにわたしは胎内(たいない)()てきて、
(なや)みと(かな)しみに()い、(はじ)()けて一生(いっしょう)()ごすのか。

第二十一章

1ゼデキヤ(おう)は、マルキヤの()パシュルと祭司(さいし)マアセヤの()ゼパニヤを、エレミヤのもとにつかわし、 2「バビロンの(おう)ネブカデレザルがわれわれを()めようとしているゆえ、われわれのために(しゅ)(たず)ねてほしい。(しゅ)はそのもろもろの不思議(ふしぎ)なわざをもって、われわれを(たす)け、バビロンの(おう)をわれわれから退(しりぞ)かせられるかも()れない」と()わせた。その(とき)(しゅ)言葉(ことば)がエレミヤに(のぞ)んだ。
3エレミヤは(かれ)らに(こた)えて()った、「あなたがたはゼデキヤにこのように()いなさい、 4『イスラエルの(かみ)(しゅ)はこう(おお)せられる、()よ、あなたがたが、この城壁(じょうへき)(そと)にあって、あなたがたを()(かこ)むバビロンの(おう)およびカルデヤびとと(たたか)うとき、わたしはあなたがたの()()っている武器(ぶき)をとりあげ、これを(まち)(なか)(あつ)めさせる。 5わたしは()()べ、(つよ)(うで)をもって、(いか)り、(いきどお)り、(はげ)しく(いか)って、あなたがたを()める。 6わたしはまたこの(まち)()(ひと)(けもの)とを()つ。(かれ)らはみな(おも)疫病(えきびょう)にかかって()ぬ。 7(しゅ)()われる、この(のち)、わたしはユダの(おう)ゼデキヤとその家来(けらい)たち、および疫病(えきびょう)と、つるぎと、ききんを(まぬか)れて、この(まち)(のこ)っている(たみ)を、バビロンの(おう)ネブカデレザルの()と、その(てき)()、およびその(いのち)(もと)める(もの)()(わた)す。バビロンの(おう)はつるぎの()にかけて(かれ)らを()ち、(かれ)らを()しまず、(かえり)みず、またあわれむこともしない』。
8あなたはまたこの(たみ)()いなさい、『(しゅ)はこう(おお)せられる、()よ、わたしは(いのち)(みち)()(みち)とをあなたがたの(まえ)()く。 9この(まち)にとどまる(もの)は、つるぎと、ききんと、疫病(えきびょう)とで()ぬ。しかし、()()って、あなたがたを()(かこ)んでいるカルデヤびとに降伏(こうふく)する(もの)()(まぬか)れ、その(いのち)自分(じぶん)のぶんどり(もの)となる。 10(しゅ)()われる、わたしがこの(まち)(かお)()けたのは(さいわい)(あた)えるためではなく、(わざわい)(あた)えるためである。この(まち)はバビロンの(おう)()(わた)される。(かれ)()をもって、これを()(はら)う』。
11またユダの(おう)(いえ)()いなさい、『(しゅ)言葉(ことば)()きなさい。 12ダビデの(いえ)よ、(しゅ)はこう(おお)せられる、
(あさ)ごとに、(ただ)しいさばきを(おこな)い、
(もの)(うば)われた(ひと)をしえたげる(もの)()から(すく)え。
そうしないと、あなたがたの(わる)(おこな)いのために、
わたしの(いか)りは()のように()えて、
それを()すことはできない』」。
13(しゅ)()われる、(たに)()(もの)よ、平原(へいげん)(いわ)よ、
()よ、わたしはあなたに(てき)する。
あなたがたは()う、
『だれが(くだ)ってきて、われわれを()めるものか、
だれがわれわれのいる(ところ)に、はいるものか』と。
14わたしはあなたがたを、
その(おこな)いの()によって(ばっ)する。
またその(はやし)()をつけて、
その周囲(しゅうい)のものをみな()(つく)すと、(しゅ)()われる」。

第二十二章

1(しゅ)はこう()われる、「ユダの(おう)(いえ)(くだ)り、その(ところ)にこの言葉(ことば)をのべて、 2()いなさい、『ダビデの(くらい)にすわるユダの(おう)よ、あなたと、あなたの家臣(かしん)、および、この(もん)からはいるあなたの(たみ)(しゅ)言葉(ことば)()きなさい。 3(しゅ)はこう()われる、公平(こうへい)正義(せいぎ)(おこな)い、(もの)(うば)われた(ひと)を、しえたげる(もの)()から(すく)い、異邦(いほう)(ひと)孤児(こじ)寡婦(かふ)(なや)まし、しえたげてはならない。またこの(ところ)に、(つみ)なき(もの)()(なが)してはならない。 4もしあなたがたがこの言葉(ことば)真実(しんじつ)(おこな)うならば、ダビデの(くらい)にすわる(おう)とその家臣(かしん)、およびその(たみ)は、(くるま)(うま)()って、この(いえ)(もん)にはいることができる。 5しかしあなたがたがこの言葉(ことば)()かないならば、わたしは自身(じしん)をさして(ちか)うが、この(いえ)()()となると、(しゅ)()われる。 6(しゅ)はユダの(おう)(いえ)についてこう()われる、
あなたはわたしに(たい)してギレアデのようであり、
レバノンの(いただき)のようである。
しかし、わたしは(かなら)ずあなたを()()にし、
(ひと)()まない(まち)にする。
7わたしは(ほろ)ぼす(もの)(もう)けて、あなたを()めさせる、
(かれ)らはおのおのその武器(ぶき)をとり、
あなたの(うるわ)しい香柏(こうはく)()(たお)し、
()()()れる。
8(おお)くの(くに)(ひと)はこの(まち)()ぎ、(たがい)(かた)って、「なぜ(しゅ)はこの(おお)いなる(まち)をこのようにされたのか」と()うとき、 9(ひと)(こた)えて、「これは(かれ)らがその(かみ)(しゅ)契約(けいやく)()てて()神々(かみがみ)(はい)し、これに(つか)えたからである」と()うであろう』」。
10()んだ(もの)のために()くことなく、
またそのために(なげ)いてはならない。
(とら)(うつ)されてゆく(もの)のために、(はげ)しく()け。
(かれ)はふたたび(かえ)ってきて、
その故郷(こきょう)()ることがないからである。
11ユダの(おう)ヨシヤの()シャルムは(ちち)ヨシヤについで(おう)となったが、ついにこの(ところ)から()()った。(しゅ)(かれ)についてこう()われる、「(かれ)(ふたた)びここに(かえ)らない。 12(かれ)はその(とら)()かれた(ところ)()に、(ふたた)びこの()()ない」。
13不義(ふぎ)をもってその(いえ)()て、
不法(ふほう)をもってその高殿(たかどの)(つく)り、
(とな)(びと)(やと)って(なに)をも(あた)えず、
その賃金(ちんぎん)(はら)わない(もの)はわざわいである。
14(かれ)()う、『わたしは自分(じぶん)のために(おお)きな(いえ)()て、
(ひろ)高殿(たかどの)(つく)ろう』と。
そしてこれがために(まど)(つく)り、
香柏(こうはく)鏡板(かがみいた)でおおい、それを(しゅ)()る。
15あなたは(きそ)って香柏(こうはく)(もち)いることによって、
(おう)であると(おも)うのか。
あなたの(ちち)()()みし、
公平(こうへい)正義(せいぎ)(おこな)って、(さいわい)()たのではないか。
16(かれ)(まず)しい(ひと)(とぼ)しい(ひと)(うった)えをただして、
さいわいを()た。
こうすることがわたしを()ることではないかと
(しゅ)()われる。
17しかし、あなたは()(こころ)も、
不正(ふせい)利益(りえき)のためにのみ(もち)い、
(つみ)なき(もの)()(なが)そうとし、
圧制(あっせい)暴虐(ぼうぎゃく)(おこな)おうとする」。
18それゆえ、(しゅ)はユダの(おう)ヨシヤの()エホヤキムについてこう()われる、
人々(ひとびと)は『(かな)しいかな、わが(あに)』、
(かな)しいかな、わが(あね)』と()って、
(かれ)のために(なげ)かない。
また『(かな)しいかな、主君(しゅくん)よ』、
(かな)しいかな、陛下(へいか)よ』と()って(なげ)かない。
19ろばが()められるように、(かれ)(ほうむ)られる。
()かれて()って、
エルサレムの(もん)(そと)()()てられる」。
20「レバノンに(のぼ)って()ばわり、
バシャンにあなたの(こえ)をあげ、
アバリムから()ばわれ。
あなたの(あい)する(もの)がみな(ほろ)ぼされるからだ。
21あなたの(さか)えていた(とき)、わたしはあなたに(かた)ったが
()きたくはない』と()った。
あなたがわたしの(こえ)()(したが)わないことは、
あなたの(おさな)(とき)からの、ならわしであった。
22あなたの牧者(ぼくしゃ)はみな、(かぜ)()()てられ、
あなたの(あい)する(もの)(とら)(うつ)される。
その(とき)、あなたは自分(じぶん)のもろもろの(あく)のために、
()じ、うろたえる。
23レバノンに()み、
香柏(こうはく)(なか)()をつくっている(もの)よ、
()()(おんな)(のぞ)(くる)しみのような苦痛(くつう)
あなたに(のぞ)むとき、
あなたはどんなに(なげ)くことであろうか」。
24(しゅ)()われる、わたしは()きている。ユダの(おう)エホヤキムの()コニヤが、わたしの右手(みぎて)指輪(ゆびわ)であっても、わたしはあなたを()()る。 25あなたの(いのち)(もと)める(もの)()、あなたがその(かお)(おそ)れる(もの)()、すなわちバビロンの(おう)ネブカデレザルの()と、カルデヤびとの()にあなたを(わた)す。 26わたしは、あなたと、あなたを()んだ(はは)を、あなたがたの(うま)れた(くに)でない()(くに)()いやる。あなたがたはそこで()ぬ。 27(かれ)らが(かえ)りたいとせつに(ねが)(くに)に、(かれ)らは(ふたた)(かえ)ることができない」。
28この(ひと)コニヤは
(いや)しむべき、こわれたつぼであろうか、
だれも(こころ)()めない(うつわ)であろうか。
なぜ(かれ)とその子孫(しそん)()いやられて、
()らない()()げやられるのか。
29ああ、()よ、()よ、()よ、
(しゅ)言葉(ことば)()けよ。
30(しゅ)はこう()われる、
「この(ひと)を、()なき(ひと)として、
またその一生(いっしょう)のうち、
(さか)えることのない(ひと)として記録(きろく)せよ。
その子孫(しそん)のうち、ひとりも(さか)えて、
ダビデの(くらい)にすわり、
ユダを(おさ)めるものが(ふたた)(おこ)らないからである」。

第二十三章

1(しゅ)()われる、「わが牧場(まきば)(ひつじ)(ほろ)ぼし()らす牧者(ぼくしゃ)はわざわいである」。 2それゆえイスラエルの(かみ)(しゅ)はわが(たみ)(やしな)牧者(ぼくしゃ)についてこう()われる、「あなたがたはわたしの()れを()らし、これを()いやって(かえり)みなかった。()よ、わたしはあなたがたの()しき(おこな)いによってあなたがたに(むく)いると、(しゅ)()われる。 3わたしの()れの(のこ)った(もの)を、()いやったすべての()から(あつ)め、(ふたた)びこれをそのおりに(かえ)らせよう。(かれ)らは()()んでその(かず)(おお)くなる。 4わたしはこれを(やしな)牧者(ぼくしゃ)をその(うえ)()てる、(かれ)らは(ふたた)(おそ)れることなく、またおののくことなく、いなくなることもないと、(しゅ)()われる。
5(しゅ)(おお)せられる、()よ、わたしがダビデのために一つの(ただ)しい(えだ)(おこ)()がくる。(かれ)(おう)となって()(おさ)め、(さか)えて、公平(こうへい)正義(せいぎ)()(おこな)う。 6その()ユダは(すくい)()、イスラエルは(やす)らかにおる。その()は『(しゅ)はわれわれの正義(せいぎ)』ととなえられる。
7(しゅ)()われる、それゆえ()よ、人々(ひとびと)は『イスラエルの(たみ)をエジプトの()から(みちび)()された(しゅ)()きておられる』とまた()わないで、 8『イスラエルの(いえ)子孫(しそん)(きた)()と、そのすべて()いやられた()から(みちび)()された(かみ)()きておられる』という()がくる。その(とき)(かれ)らは自分(じぶん)()()んでいる」。
9預言者(よげんしゃ)たちについて。
わが(こころ)はわたしのうちに(やぶ)れ、
わが(ほね)はみな(ふる)う。
(しゅ)とその(せい)なる言葉(ことば)のために、
わたしは()っている(ひと)のよう、
(さけ)()()かされた(ひと)のようである。
10この()姦淫(かんいん)(おこな)うものが()ちているからだ。
のろいによって()(なげ)き、荒野(あらの)牧場(まきば)はかわく。
(かれ)らの(みち)(わる)く、その(ちから)(ただ)しくない。
11預言者(よげんしゃ)祭司(さいし)とは(とも)(かみ)(けが)(もの)である。
わたしの(いえ)においてすら
(かれ)らの(あく)()たと、(しゅ)()われる。
12それゆえ、(かれ)らの(みち)は、
おのずから暗黒(あんこく)(なか)にある
なめらかな(みち)のようになり、
(かれ)らは()されてその(みち)(たお)れる。
わたしが(かれ)らの(ばっ)せられる(とし)に、
(わざわい)をその(うえ)(のぞ)ませるからであると、(しゅ)()われる。
13わたしはサマリヤの預言者(よげんしゃ)のうちに
不快(ふかい)(こと)のあるのを()た。
(かれ)らはバアルによって預言(よげん)し、
わが(たみ)イスラエルを(まど)わした。
14しかしエルサレムの預言者(よげんしゃ)のうちには、
(おそ)ろしい(こと)のあるのを()た。
(かれ)らは姦淫(かんいん)(おこな)い、(いつわ)りに(あゆ)み、
悪人(あくにん)()(つよ)くし、
(ひと)をその(あく)から(はな)れさせない。
(かれ)らはみなわたしにはソドムのようであり、
その(たみ)はゴモラのようである」。
15それゆえ万軍(ばんぐん)(しゅ)預言者(よげんしゃ)についてこう()われる、
()よ、わたしは(かれ)らに、にがよもぎを()べさせ、
(どく)(みず)()ませる。
(かみ)(けが)すことがエルサレムの預言者(よげんしゃ)から()て、
(ぜん)()(およ)んでいるからである」。
16万軍(ばんぐん)(しゅ)はこう()われる、「あなたがたに預言(よげん)する預言者(よげんしゃ)言葉(ことば)()いてはならない。(かれ)らはあなたがたに、むなしい(のぞ)みをいだかせ、(しゅ)(くち)から()たのでない、自分(じぶん)(こころ)黙示(もくし)(かた)るのである。 17(かれ)らは(しゅ)言葉(ことば)(かる)んじる(もの)()かって()えず、『あなたがたは平安(へいあん)()る』と()い、また自分(じぶん)強情(ごうじょう)(こころ)にしたがって(あゆ)むすべての(ひと)()かって、『あなたがたに(わざわい)はこない』と()う」。
18(かれ)らのうちだれか(しゅ)議会(ぎかい)()って、
その言葉(ことば)見聞(みき)きした(もの)があろうか。
だれか(みみ)(かたむ)けてその言葉(ことば)()いた(もの)があろうか。
19()よ、(しゅ)暴風(ぼうふう)がくる。
(いきどお)りと、つむじ(かぜ)()て、悪人(あくにん)のこうべをうつ。
20(しゅ)(いか)りは、み(こころ)(おも)(さだ)められたことを
なし()げられるまで退(しりぞ)くことはない。
(すえ)()にあなたがたはそれを(あき)らかに(さと)る。
21預言者(よげんしゃ)たちはわたしがつかわさなかったのに、
(かれ)らは(はし)った。
わたしが、(かれ)らに()げなかったのに、
(かれ)らは預言(よげん)した。
22もし(かれ)らがわたしの議会(ぎかい)()ったのであれば、
わたしの(たみ)にわが言葉(ことば)()(しめ)して、
その(わる)(みち)(わる)(おこな)いから、(はな)れさせたであろうに。
23(しゅ)()われる、わたしはただ(ちか)くの(かみ)であって、(とお)くの(かみ)ではないのであるか。 24(しゅ)()われる、(ひと)は、ひそかな(ところ)()(かく)して、わたしに()られないようにすることができようか。(しゅ)()われる、わたしは(てん)()とに()ちているではないか。 25わが()によって(いつわ)りを預言(よげん)する預言者(よげんしゃ)たちが、『わたしは(ゆめ)()た、わたしは(ゆめ)()た』と()うのを()いた。 26(いつわ)りを預言(よげん)する預言者(よげんしゃ)たちの(こころ)に、いつまで(いつわ)りがあるのであるか。(かれ)らはその(こころ)(あざむ)きを預言(よげん)する。 27(かれ)らはその先祖(せんぞ)がバアルに(したが)ってわが()(わす)れたように、(たがい)(ゆめ)(かた)って、わたしの(たみ)にわが()(わす)れさせようとする。 28(ゆめ)をみた預言者(よげんしゃ)(ゆめ)(かた)るがよい。しかし、わたしの言葉(ことば)()けた(もの)誠実(せいじつ)にわたしの言葉(ことば)(かた)らなければならない。わらと(むぎ)とをくらべることができようかと、(しゅ)()われる。 29(しゅ)(おお)せられる、わたしの言葉(ことば)()のようではないか。また(いわ)()(くだ)(つち)のようではないか。 30それゆえ()よ、わたしはわたしの言葉(ことば)(たがい)(ぬす)預言者(よげんしゃ)(てき)となると、(しゅ)()われる。 31()よ、わたしは、『(しゅ)()いたもう』と(した)をもって(かた)預言者(よげんしゃ)(てき)となると、(しゅ)()われる。 32(しゅ)(おお)せられる、()よ、わたしは(いつわ)りの(ゆめ)預言(よげん)する(もの)(てき)となる。(かれ)らはそれを(かた)り、またその(いつわ)りと大言(たいげん)をもってわたしの(たみ)(まど)わす。わたしが(かれ)らをつかわしたのではなく、また(かれ)らに(めい)じたのでもない。それで(かれ)らはこの(たみ)にすこしも(えき)にならないと、(しゅ)()われる。
33この(たみ)のひとり、または預言者(よげんしゃ)、または祭司(さいし)があなたに、『(しゅ)重荷(おもに)はなんですか』と()うならば、(かれ)らに(こた)えなさい、『あなたがたがその重荷(おもに)です。そして(しゅ)は、あなたがたを()てると()っておられます』と。 34そして、『(しゅ)重荷(おもに)』と()うその預言者(よげんしゃ)祭司(さいし)、または(たみ)のひとりを、その家族(かぞく)(とも)にわたしは(ばっ)する。 35あなたがたは、みな(たがい)に、(とな)(びと)に、また兄弟(きょうだい)に、こう()わなければならない、『(しゅ)はなんと(こた)えられましたか』、『(しゅ)はなんと()われましたか』と。 36しかし(かさ)ねて『(しゅ)重荷(おもに)』と()ってはならない。重荷(おもに)(ひと)おのおのの自分(じぶん)言葉(ことば)だからである。あなたがたは()ける(かみ)万軍(ばんぐん)(しゅ)なるわれわれの(かみ)言葉(ことば)()げる(もの)である。 37あなたは預言者(よげんしゃ)にこう()わなければならない、『(しゅ)はあなたになんと(こた)えられましたか』、『(しゅ)はなんと()われましたか』と。 38もしあなたがたが『(しゅ)重荷(おもに)』と()うならば、(しゅ)はこう(おお)せられる、『わたしが(ひと)をあなたがたにつかわして、あなたがたは「(しゅ)重荷(おもに)」と()ってはならないと()わせたのに、あなたがたは「(しゅ)重荷(おもに)」という言葉(ことば)()ったので、 39わたしは(かなら)ずあなたがたを(とら)(うつ)させ、あなたがたとあなたがたの先祖(せんぞ)とに(あた)えたこの(まち)と、あなたがたとを、わたしの(まえ)から()()る。 40そして、(わす)れられることのない永遠(えいえん)のはずかしめと永遠(えいえん)(はじ)を、あなたがたにこうむらせる』」。

第二十四章

1バビロンの(おう)ネブカデレザルがユダの(おう)エホヤキムの()エコニヤおよびユダの(きみ)たちと工匠(こうしょう)鍛冶(かじ)をエルサレムからバビロンに(うつ)して(のち)(しゅ)はわたしにこの(まぼろし)をお(しめ)しになった。()よ、(しゅ)(みや)(まえ)()かれているいちじくを()った二つのかごがあった。 2その一つのかごには、はじめて(じゅく)したような非常(ひじょう)()いいちじくがあり、ほかのかごには非常(ひじょう)(わる)くて()べられないほどの(わる)いいちじくが()れてあった。 3(しゅ)はわたしに、「エレミヤよ、(なに)()るか」と()われた。わたしは、「いちじくです。その()いいちじくは非常(ひじょう)によく、(わる)いほうのいちじくは非常(ひじょう)(わる)くて、()べられません」と(こた)えた。
4(しゅ)言葉(ことば)がまたわたしに(のぞ)んだ、 5「イスラエルの(かみ)(しゅ)はこう(おお)せられる、この(ところ)からカルデヤびとの()()いやったユダの(とら)われ(びと)を、わたしはこの()いいちじくのように(かえり)みて(めぐ)もう。 6わたしは(かれ)らに()をかけてこれを(めぐ)み、(かれ)らをこの()(かえ)し、(かれ)らを()てて(たお)さず、()えて()かない。 7わたしは(かれ)らにわたしが(しゅ)であることを()(こころ)(あた)えよう。(かれ)らはわたしの(たみ)となり、わたしは(かれ)らの(かみ)となる。(かれ)らは一心(いっしん)にわたしのもとに(かえ)ってくる。
8(しゅ)はこう(おお)せられる、わたしはユダの(おう)ゼデキヤとそのつかさたち、およびエルサレムの(ひと)(のこ)ってこの()にいる(もの)、ならびにエジプトの()()んでいる(もの)を、この(わる)くて()べられない(わる)いいちじくのようにしよう。 9わたしは(かれ)らを()のもろもろの(くに)で、()みきらわれるものとし、またわたしの()いやるすべての(ところ)で、はずかしめに()わせ、ことわざとなり、あざけりと、のろいに()わせる。 10わたしはつるぎと、ききんと、疫病(えきびょう)(かれ)らのうちに(おく)って、ついに(かれ)らをわたしが(かれ)らとその先祖(せんぞ)とに(あた)えた()から()えさせる」。

第二十五章

1ユダの(おう)ヨシヤの()エホヤキムの四(ねん)(バビロンの(おう)ネブカデレザルの元年(がんねん))にユダのすべての(たみ)についての言葉(ことば)がエレミヤに(のぞ)んだ。 2預言者(よげんしゃ)エレミヤはこの言葉(ことば)をユダのすべての(たみ)とエルサレムに()むすべての(ひと)()げて()った、 3「ユダの(おう)アモンの()ヨシヤの十三(ねん)から今日(こんにち)にいたるまで二十三(ねん)(あいだ)(しゅ)言葉(ことば)がわたしに(のぞ)んだ。わたしはたゆまずにそれをあなたがたに(かた)ってきたが、あなたがたは()かなかった。 4(しゅ)はたゆまず、そのしもべである預言者(よげんしゃ)を、あなたがたにつかわされたが、あなたがたは()かずまた(みみ)(かたむ)けて()こうともしなかった。 5(かれ)らは()った、『あなたがたはおのおの(いま)その(あく)(みち)(わる)(おこな)いを()てなさい。そうすれば(しゅ)(むかし)からあなたがたと先祖(せんぞ)たちとに(あた)えられた()永遠(えいえん)()むことができる。 6あなたがたは、ほかの(かみ)(したが)って、それに(つか)え、それを(おが)んではならない。あなたがたの()(つく)ったものをもって、わたしを(いか)らせてはならない。このようなことをしないなら、わたしはあなたがたをそこなうことはない』と。 7しかしあなたがたはわたしに()(したが)わず、あなたがたの()(つく)った(もの)をもって、わたしを(いか)らせて(みずか)(がい)(まね)いたと、(しゅ)()われる。
8それゆえ万軍(ばんぐん)(しゅ)はこう(おお)せられる、あなたがたがわたしの言葉(ことば)()(したが)わないゆえ、 9()よ、わたしは(きた)(ほう)のすべての種族(しゅぞく)と、わたしのしもべであるバビロンの(おう)ネブカデレザルを()()せて、この()とその(たみ)と、そのまわりの国々(くにぐに)()(ほろ)ぼさせ、これを()みきらわれるものとし、(ひと)(わら)いものとし、永遠(えいえん)のはずかしめとすると、(しゅ)()われる。 10またわたしは(よろこ)びの(こえ)(たの)しみの(こえ)花婿(はなむこ)(こえ)花嫁(はなよめ)(こえ)、ひきうすの(おと)、ともしびの(ひかり)(かれ)らの(なか)()えさせる。 11この()はみな(ほろ)ぼされて()()となる。そしてその国々(くにぐに)は七十(ねん)(あいだ)バビロンの(おう)(つか)える。 12(しゅ)()われる、七十(ねん)(おわ)った(のち)に、わたしはバビロンの(おう)と、その(たみ)と、カルデヤびとの()を、その(つみ)のために(ばっ)し、永遠(えいえん)()()とする。 13わたしはあの()について、わたしが(かた)ったすべての言葉(ことば)をその(うえ)(のぞ)ませる。これはエレミヤが、万国(ばんこく)のことについて預言(よげん)したものであって、みなこの(しょ)にしるされている。 14(おお)くの国々(くにぐに)偉大(いだい)(おう)たちとは、(かれ)らをさえ奴隷(どれい)として(つか)えさせる。わたしは(かれ)らの(おこな)いと、その()のわざに(したが)って(むく)いる」。
15イスラエルの(かみ)(しゅ)はわたしにこう(おお)せられた、「わたしの()から、この(いか)りの(さかずき)()けて、わたしがあなたをつかわす国々(くにぐに)(たみ)()ませなさい。 16(かれ)らは()んで、よろめき(くる)う。これはわたしが(かれ)らのうちに、つるぎをつかわそうとしているからである」。
17こうしてわたしは(しゅ)()から(さかずき)()け、(しゅ)がわたしをつかわされた国々(くにぐに)(たみ)()ませた。 18すなわちエルサレムとユダのすべての(まち)と、その(おう)たちおよびそのつかさたちに()ませて、それらを(ほろ)ぼし、()()とし、(ひと)(わら)いものとし、のろわれるものとした。今日(こんにち)のとおりである。 19またエジプトの(おう)パロとその家来(けらい)たち、その(きみ)たち、そのすべての(たみ)と、 20もろもろの寄留(きりゅう)異邦人(いほうじん)、およびウズの()のすべての(おう)たち、およびペリシテびとの()のすべての(おう)たち、(アシケロン、ガザ、エクロン、アシドドの(のこ)りの(もの))、 21エドム、モアブ、アンモンの子孫(しそん)22ツロのすべての(おう)たち、シドンのすべての(おう)たち、(うみ)のかなたの海沿(うみぞ)いの()(おう)たち、 23デダン、テマ、ブズおよびすべて(かみ)()のすみずみをそる(もの)24アラビヤのすべての(おう)たち、荒野(あらの)雑種(ざっしゅ)(たみ)のすべての(おう)たち、 25ジムリのすべての(おう)たち、エラムのすべての(おう)たち、メデアのすべての(おう)たち、 26(きた)のすべての(おう)たちの(とお)(もの)(ちか)(もの)もつぎつぎに、またすべて()のおもてにある()国々(くにぐに)(おう)たちもこの(さかずき)()む。そして(かれ)らの(つぎ)にバビロンの(おう)もこれを()む。
27「それであなたは(かれ)らに()いなさい、『万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)はこう(おお)せられる、()め、()って()け、(たお)れて(ふたた)()つな、わたしがあなたがたのうちに、つるぎをつかわすからである』」。
28「もし(かれ)らがあなたの()から(さかずき)()けて()むことをしないならば、あなたは(かれ)らに()いなさい、『万軍(ばんぐん)(しゅ)はこう(おお)せられる、あなたがたは(かなら)()まなければならない。 29()よ、わたしの()をもって()ばれるこの(まち)にさえ(わざわい)(くだ)すのだ。どうしてあなたがたが(ばつ)(まぬか)れることができようか。あなたがたは(ばつ)(まぬか)れることはできない。わたしがつるぎを()()せて、()()むすべての(もの)()めるからであると、万軍(ばんぐん)(しゅ)(おお)せられる』。
30それゆえ、あなたは(かれ)らにこのすべての言葉(ことば)預言(よげん)して()いなさい、
(しゅ)(たか)(ところ)から()ばわり、
その(せい)なるすまいから(こえ)()し、
自分(じぶん)のすみかに()かって(おお)いに()ばわり、
()()むすべての(もの)()かって
ぶどうを()(もの)のように(さけ)ばれる。
31(さけ)びは()(はて)にまで(ひび)きわたる。
(しゅ)国々(くにぐに)(あらそ)い、
すべての(にく)なる(もの)をさばき、
悪人(あくにん)をつるぎに(わた)すからであると、(しゅ)()われる』。
32万軍(ばんぐん)(しゅ)はこう(おお)せられる、
()よ、(くに)から(くに)(わざわい)()()く。
(おお)きなあらしが()(はて)からおこる。
33その()(しゅ)(ころ)される人々(ひとびと)は、()のこの(はて)から、かの(はて)(およ)ぶ。(かれ)らは(かな)しまれず、(あつ)められず、また(ほうむ)られずに、()のおもてに糞土(ふんど)となる。
34牧者(ぼくしゃ)よ、(なげ)(さけ)べ、
()れのかしらたちよ、(はい)(なか)にまろべ。
あなたがたのほふられる()
()らされる()()たからだ。
あなたがたは(えら)()けられた雄羊(おひつじ)のように(たお)れる。
35牧者(ぼくしゃ)には、のがれ()なく、
()れのかしらたちは()げる(ところ)がない。
36牧者(ぼくしゃ)(さけ)(ごえ)と、
()れのかしらたちの(なげ)きの(こえ)(きこ)える。
(しゅ)(かれ)らの牧場(まきば)(ほろ)ぼしておられるからだ。
37(しゅ)(はげ)しい(いか)りによって、
平和(へいわ)牧場(まきば)()れていく。
38ししのように(かれ)はその()()た。
(しゅ)のつるぎと、その(はげ)しい(いか)りによって、
(かれ)らの()()()となった」。

第二十六章

1ユダの(おう)ヨシヤの()エホヤキムが()(おさ)めた(はじ)めのころ、(しゅ)からこの言葉(ことば)があった、 2(しゅ)はこう(おお)せられる、(しゅ)(みや)(にわ)()ち、わたしがあなたに(めい)じて()わせるすべての言葉(ことば)を、(しゅ)(みや)(れい)(はい)するために()ているユダの町々(まちまち)人々(ひとびと)()げなさい。ひと(こと)をも()(のこ)しておいてはならない。 3(かれ)らが()いて、おのおのその(わる)(みち)(はな)れることがあるかも()れない。そのとき、わたしは(かれ)らの(おこな)いの(わる)いために、(わざわい)(かれ)らに(くだ)そうとしたのを(おも)いなおす。 4あなたは(かれ)らに()いなさい、『(しゅ)はこう(おお)せられる、もしあなたがたがわたしに()(したが)わず、わたしがあなたがたの(まえ)(さだ)めおいた律法(りっぽう)(おこな)わず、 5わたしがあなたがたに、しきりにつかわすわたしのしもべである預言者(よげんしゃ)言葉(ことば)()(したが)わないならば、(あなたがたは()(したが)わなかったが、) 6わたしはこの(みや)をシロのようにし、またこの(まち)()万国(ばんこく)にのろわれるものとする』」。
7祭司(さいし)預言者(よげんしゃ)およびすべての(たみ)は、エレミヤが(しゅ)(みや)でこれらの言葉(ことば)(かた)るのを()いた。 8エレミヤが(しゅ)(めい)じられたすべての言葉(ことば)(たみ)()(おわ)った(とき)祭司(さいし)預言者(よげんしゃ)および(たみ)はみな(かれ)(とら)えて()った、「あなたは()ななければならない。 9なぜあなたは(しゅ)()によって預言(よげん)し、この(みや)はシロのようになり、この(まち)(あら)されて()(ひと)もなくなるであろうと()ったのか」と。(たみ)はみな(しゅ)(みや)(あつ)まってエレミヤを()(かこ)んだ。
10ユダのつかさたちはこの(こと)()いて(おう)宮殿(きゅうでん)()(しゅ)(みや)(のぼ)り、(しゅ)(みや)の「(あたら)しい(もん)」の入口(いりぐち)()した。 11祭司(さいし)預言者(よげんしゃ)らは、つかさたちとすべての(たみ)(うった)えて()った、「この(ひと)死刑(しけい)(しょ)すべき(もの)です。あなたがたが自分(じぶん)(みみ)()かれたように、この(まち)(さか)らう預言(よげん)をしたのです」。
12その(とき)エレミヤは、つかさたちとすべての(たみ)()った、「(しゅ)はわたしをつかわし、この(みや)とこの(まち)にむかって、預言(よげん)をさせられたので、そのすべての言葉(ことば)をあなたがたは()いた。 13それで、あなたがたは(いま)、あなたがたの(みち)(おこな)いを(あらた)め、あなたがたの(かみ)(しゅ)(こえ)()(したが)いなさい。そうするならば(しゅ)はあなたがたに(わざわい)(くだ)そうとしたことを(おも)いなおされる。 14()よ、わたしはあなたがたの()(なか)にある。あなたがたの()に、()いと()え、(ただ)しいと(おも)うことをわたしに(おこな)うがよい。 15ただ(あき)らかにこのことを()っておきなさい。もしあなたがたがわたしを(ころ)すならば、(つみ)なき(もの)()はあなたがたの()と、この(まち)と、その住民(じゅうみん)とに()する。まことに(しゅ)がわたしをつかわして、このすべての言葉(ことば)をあなたがたの(みみ)に、()げさせられたからである」。
16つかさたちと、すべての(たみ)とは、祭司(さいし)預言者(よげんしゃ)()った、「この(ひと)死刑(しけい)(しょ)すべき(もの)ではない。われわれの(かみ)(しゅ)()によってわれわれに(かた)ったのである」。 17その(とき)この()長老(ちょうろう)たち数人(すうにん)()って、そこに(あつ)まっているすべての(もの)()げて()った、 18「ユダの(おう)ヒゼキヤの()に、モレシテびとミカはユダのすべての(たみ)預言(よげん)して()った、『万軍(ばんぐん)(しゅ)はこう(おお)せられる、
シオンは(はたけ)のように(たがや)され、
エルサレムは石塚(いしづか)となり、
(みや)(やま)()のおい(しげ)(たか)(ところ)となる』。
19ユダの(おう)ヒゼキヤと、すべてのユダの(ひと)(かれ)(ころ)そうとしたことがあろうか。ヒゼキヤは(しゅ)(おそ)れ、(しゅ)(めぐ)みを(もと)めたので、(しゅ)(かれ)らに(わざわい)(くだ)すとお()げになったのを(おも)いなおされたではないか。しかし、われわれは、自分(じぶん)()(おお)きな(わざわい)(まね)こうとしている」。
20(しゅ)()によって預言(よげん)した(ひと)がほかにもあった。すなわちキリアテ・ヤリムのシマヤの()ウリヤである。(かれ)はエレミヤとおなじような言葉(ことば)をもって、この(まち)とこの()にむかって預言(よげん)した。 21エホヤキム(おう)と、そのすべての勇士(ゆうし)と、すべてのつかさたちはその言葉(ことば)()いた。そして(おう)(かれ)(ころ)そうと(おも)ったが、ウリヤはこれを()いて(おそ)れ、エジプトに()げて()ったので、 22エホヤキム(おう)(ひと)をエジプトにつかわした。すなわちアクボルの()エルナタンと()(すう)(めい)(ひと)を、エジプトにつかわした。 23(かれ)らはウリヤをエジプトから()()し、エホヤキム(おう)のもとに()れてきたので、(おう)はつるぎをもって(かれ)(ころ)し、その死体(したい)共同(きょうどう)墓地(ぼち)()てさせた。
24しかしシャパンの()アヒカムはエレミヤを(たす)け、(たみ)()(わた)されて(ころ)されることのないようにした。

第二十七章

1ユダの(おう)ヨシヤの()ゼデキヤが()(おさ)(はじ)めたころ、この言葉(ことば)(しゅ)からエレミヤに(のぞ)んだ。 2すなわち(しゅ)はこうわたしに(おお)せられた、「(つな)と、くびきとを(つく)って、それをあなたの(くび)につけ、 3エルサレムにいるユダの(おう)ゼデキヤの(ところ)()使者(ししゃ)たちによって、エドムの(おう)、モアブの(おう)、アンモンびとの(おう)、ツロの(おう)、シドンの(おう)()いおくりなさい。 4(かれ)らの主君(しゅくん)にこの(いのち)(つた)えさせなさい、『万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)はこう(おお)せられる、あなたがたは主君(しゅくん)にこのように()げなければならない。 5わたしは(おお)いなる(ちから)()べた(うで)とをもって、()()(うえ)にいる(ひと)(けもの)とをつくった(もの)である。そして(こころ)のままに()(ひと)(あた)える。 6いまわたしはこのすべての(くに)を、わたしのしもべであるバビロンの(おう)ネブカデネザルの()(あた)え、また()(けもの)をも(かれ)(あた)えて(かれ)(つか)えさせた。 7(かれ)()(とき)がくるまで、万国民(ばんこくみん)(かれ)とその()とその(まご)(つか)える。その(とき)がくるならば、(おお)くの(くに)(おお)いなる(おう)たちとが(かれ)自分(じぶん)奴隷(どれい)にする。
8バビロンの(おう)ネブカデネザルに(つか)えず、バビロンの(おう)のくびきを自分(じぶん)(くび)()わない(たみ)(くに)とは、わたしがつるぎと、ききんと、疫病(えきびょう)をもって(ばっ)し、ついには(かれ)()によってことごとく(ほろ)ぼすと(しゅ)()われる。 9それで、あなたがたの預言者(よげんしゃ)(うらな)()(ゆめ)みる(もの)(ほう)(じゅつ)()魔法使(まほうつかい)が、「あなたがたはバビロンの(おう)(つか)えることはない」と()っても、()いてはならない。 10(かれ)らはあなたがたに(いつわ)りを預言(よげん)して、あなたがたを自分(じぶん)(くに)から(とお)(はな)れさせ、わたしに、あなたがたを()()してあなたがたを(ほろ)ぼさせるのである。 11しかしバビロンの(おう)のくびきを(くび)()って、(かれ)(つか)える国民(こくみん)を、わたしはその故国(ここく)(のこ)らせ、それを(たがや)して、そこに()まわせると(しゅ)()われる』」。
12わたしはユダの(おう)ゼデキヤにも(おな)じように()った、「あなたがたは、バビロンの(おう)のくびきを自分(じぶん)(くび)()って、(かれ)とその(たみ)とに(つか)え、そして()きなさい。 13どうしてあなたと、あなたの(たみ)とが、(しゅ)がバビロンの(おう)(つか)えない国民(こくみん)について()われたように、つるぎと、ききんと、疫病(えきびょう)()んでよかろうか。 14あなたがたはバビロンの(おう)(つか)えることはないとあなたがたに()げる預言者(よげんしゃ)言葉(ことば)()いてはならない。(かれ)らがあなたがたに預言(よげん)していることは(いつわ)りであるからだ。 15(しゅ)()われる、わたしが(かれ)らをつかわしたのではないのに、(かれ)らはわたしの()によって(いつわ)って預言(よげん)している。そのために、わたしはあなたがたを()(はら)い、あなたがたと、あなたがたに預言(よげん)する預言者(よげんしゃ)たちを(ほろ)ぼすようになるのだ」。
16わたしはまた祭司(さいし)とこのすべての(たみ)とに(かた)って()った、「(しゅ)はこう(おお)せられる、『()よ、(しゅ)(みや)(うつわ)(いま)、すみやかに、バビロンから(かえ)されてくる』とあなたがたに預言(よげん)する預言者(よげんしゃ)言葉(ことば)()いてはならない。それは、(かれ)らがあなたがたに預言(よげん)していることは(いつわ)りであるからだ。 17(かれ)らのいうことを()いてはならない。バビロンの(おう)(つか)え、そして()きなさい。どうしてこの(まち)()()となってよかろうか。 18もし(かれ)らが預言者(よげんしゃ)であって、(しゅ)言葉(ことば)(かれ)らのうちにあるのであれば、(しゅ)(みや)とユダの(おう)宮殿(きゅうでん)とエルサレムとに(のこ)されている(うつわ)が、バビロンに(うつ)されないように、万軍(ばんぐん)(しゅ)に、とりなしを(ねが)うべきだ。 19万軍(ばんぐん)(しゅ)(はしら)(うみ)(だい)、その()この(まち)(のこ)っている(うつわ)について、こう(おお)せられる。 20これはバビロンの(おう)ネブカデネザルが、ユダの(おう)エホヤキムの()エコニヤ、およびユダとエルサレムのすべての身分(みぶん)(たっと)人々(ひとびと)(とら)えてエルサレムからバビロンに(うつ)したときに、()()らなかった(うつわ)である。—— 21すなわち万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)は、(しゅ)(みや)とユダの(おう)宮殿(きゅうでん)とエルサレムとに(のこ)されている(うつわ)について、こう(おお)せられる。 22これらはバビロンに(たずさ)()かれ、わたしが(かえり)みる()までそこにおかれている。その(のち)、わたしはこれらのものを、この(ところ)(たずさ)(かえ)らせると(しゅ)()われる」。

第二十八章

1その(ねん)、すなわちユダの(おう)ゼデキヤの治世(ちせい)(はじ)め、その(だい)(ねん)の五(がつ)、ギベオン出身(しゅっしん)預言者(よげんしゃ)であって、アズルの()であるハナニヤは、(しゅ)(みや)祭司(さいし)とすべての(たみ)(まえ)でわたしに(かた)って()った、 2万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)はこう(おお)せられる、わたしはバビロンの(おう)のくびきを(くだ)いた。 3(ねん)(うち)に、バビロンの(おう)ネブカデネザルが、この(ところ)から()ってバビロンに(たずさ)えて()った(しゅ)(みや)(うつわ)を、(みな)この(ところ)(かえ)らせる。 4わたしはまたユダの(おう)エホヤキムの()エコニヤと、バビロンに()ったユダのすべての(とら)われ(びと)をこの(ところ)(かえ)らせる。それは、わたしがバビロンの(おう)のくびきを、(くだ)くからであると(しゅ)()われる」。
5そこで預言者(よげんしゃ)エレミヤは(しゅ)(みや)のうちに()っている祭司(さいし)とすべての(たみ)(まえ)で、預言者(よげんしゃ)ハナニヤに()った。 6すなわち預言者(よげんしゃ)エレミヤは()った、「アァメン。どうか(しゅ)がこのようにしてくださるように。どうかあなたの預言(よげん)した言葉(ことば)成就(じょうじゅ)して、バビロンに(たずさ)えて()った(しゅ)(みや)(うつわ)とすべての(とら)われ(びと)を、(しゅ)がバビロンから(ふたた)びこの(ところ)(かえ)らせてくださるように。 7ただし、(いま)わたしがあなたとすべての(たみ)()いている(ところ)(かた)るこの言葉(ことば)()きなさい。 8わたしと、あなたの(さき)()預言者(よげんしゃ)は、むかしから、(おお)くの()(おお)きな(くに)について、(たたか)いと、ききんと、疫病(えきびょう)(こと)預言(よげん)した。 9平和(へいわ)預言(よげん)する預言者(よげんしゃ)は、その預言者(よげんしゃ)言葉(ことば)成就(じょうじゅ)するとき、真実(しんじつ)(しゅ)がその預言者(よげんしゃ)をつかわされたのであることが()られるのだ」。
10そこで預言者(よげんしゃ)ハナニヤは預言者(よげんしゃ)エレミヤの(くび)から、くびきを()って、それを(くだ)いた。 11そしてハナニヤは、すべての(たみ)(まえ)(かた)り、「(しゅ)はこう(おお)せられる、『わたしは二(ねん)のうちに、このように、万国民(ばんこくみん)(くび)からバビロンの(おう)ネブカデネザルのくびきを(はな)して(くだ)く』」と()った。預言者(よげんしゃ)エレミヤは()って()った。
12預言者(よげんしゃ)ハナニヤが預言者(よげんしゃ)エレミヤの(くび)から、くびきを(はな)して(くだ)いた(のち)、しばらくして(しゅ)言葉(ことば)がエレミヤに(のぞ)んだ、 13()って、ハナニヤに()げなさい、『(しゅ)はこう(おお)せられる、あなたは()のくびきを(くだ)いたが、わたしはそれに()えて(てつ)のくびきを(つく)ろう。 14万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)はこう(おお)せられる、わたしは(てつ)のくびきをこの万国民(ばんこくみん)(くび)()いて、バビロンの(おう)ネブカデネザルに(つか)えさせる。(かれ)らはこれに(つか)える。わたしは()(けもの)をも(かれ)(あた)えた』」。 15預言者(よげんしゃ)エレミヤはまた預言者(よげんしゃ)ハナニヤに()った、「ハナニヤよ、()きなさい。(しゅ)があなたをつかわされたのではない。あなたはこの(たみ)(いつわ)りを(しん)じさせた。 16それゆえ(しゅ)(おお)せられる、『わたしはあなたを()のおもてから(のぞ)く。あなたは(しゅ)(たい)する反逆(はんぎゃく)(かた)ったので、(いま)(とし)のうちに()ぬのだ』と」。
17預言者(よげんしゃ)ハナニヤはその(ねん)の七(がつ)()んだ。

第二十九章

1これは預言者(よげんしゃ)エレミヤがエルサレムから、かの(とら)(うつ)された長老(ちょうろう)たち、およびネブカデネザルによってエルサレムからバビロンに(とら)(うつ)された祭司(さいし)預言者(よげんしゃ)ならびにすべての(たみ)(おく)った手紙(てがみ)()きしるした言葉(ことば)である。 2それはエコニヤ(おう)太后(たいこう)宦官(かんがん)およびユダとエルサレムのつかさたち、および工匠(こうしょう)鍛冶(かじ)とがエルサレムを()ってのちに()かれたものであって、 3エレミヤはその手紙(てがみ)をシャパンの()エラサおよびヒルキヤの()ゲマリヤの()によって(おく)った。この人々(ひとびと)はユダの(おう)ゼデキヤがバビロンに()かせ、バビロンの(おう)ネブカデネザルのもとにつかわしたものであった。その手紙(てがみ)には(つぎ)のように()いてあった。 4万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)は、すべて(とら)(うつ)された(もの)、すなわち、わたしがエルサレムから、バビロンに(とら)(うつ)させた(もの)に、こう()う、 5あなたがたは(いえ)()てて、それに()み、(はたけ)(つく)ってその産物(さんぶつ)()べよ。 6(つま)をめとって、むすこ(むすめ)()み、また、そのむすこに(よめ)をめとり、(むすめ)をとつがせて、むすこ(むすめ)()むようにせよ。その(ところ)であなたがたの(かず)()し、()ってはならない。 7わたしがあなたがたを(とら)(うつ)させたところの(まち)平安(へいあん)(もと)め、そのために(しゅ)(いの)るがよい。その(まち)平安(へいあん)であれば、あなたがたも平安(へいあん)()るからである。 8万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)はこう()われる、あなたがたのうちにいる預言者(よげんしゃ)(うらな)()(まど)わされてはならない。また(かれ)らの()(ゆめ)()(したが)ってはならない。 9それは、(かれ)らがわたしの()によってあなたがたに(いつわ)りを預言(よげん)しているからである。わたしが(かれ)らをつかわしたのではないと(しゅ)()われる。
10(しゅ)はこう()われる、バビロンで七十(ねん)()ちるならば、わたしはあなたがたを(かえり)み、わたしの約束(やくそく)(はた)し、あなたがたをこの(ところ)(みちび)(かえ)る。 11(しゅ)()われる、わたしがあなたがたに(たい)していだいている計画(けいかく)はわたしが()っている。それは(わざわい)(あた)えようというのではなく、平安(へいあん)(あた)えようとするものであり、あなたがたに将来(しょうらい)(あた)え、希望(きぼう)(あた)えようとするものである。 12その(とき)、あなたがたはわたしに()ばわり、()て、わたしに(いの)る。わたしはあなたがたの(いのり)()く。 13あなたがたはわたしを(たず)(もと)めて、わたしに()う。もしあなたがたが一心(いっしん)にわたしを(たず)(もと)めるならば、 14わたしはあなたがたに()うと(しゅ)()われる。わたしはあなたがたの繁栄(はんえい)回復(かいふく)し、あなたがたを万国(ばんこく)から、すべてわたしがあなたがたを()いやった(ところ)から(あつ)め、かつ、わたしがあなたがたを(とら)われ(はな)れさせたそのもとの(ところ)に、あなたがたを(みちび)(かえ)ろうと(しゅ)()われる。
15あなたがたは、『(しゅ)はバビロンでわれわれのために預言者(よげんしゃ)たちを(おこ)された』と()ったが、—— 16(しゅ)はダビデの(くらい)()している(おう)と、この(まち)()むすべての(たみ)で、あなたがたと(とも)(とら)(うつ)されなかった兄弟(きょうだい)たちについて、こう()われる、 17万軍(ばんぐん)(しゅ)はこう()われる、()よ、わたしは、つるぎと、ききんと、疫病(えきびょう)(かれ)らに(おく)り、(かれ)らを(わる)くて()べられない(くさ)ったいちじくのようにしてしまう。 18わたしはつるぎと、ききんと、疫病(えきびょう)をもって(かれ)らのあとを()い、また(かれ)らを()万国(ばんこく)()みきらわれるものとなし、わたしが(かれ)らを()いやる国々(くにぐに)で、のろいとなり、(おそ)れとなり、物笑(ものわら)いとなり、はずかしめとならせる。 19それは(かれ)らがわたしの言葉(ことば)()(したが)わなかったからであると(しゅ)()われる。わたしはこの言葉(ことば)を、わたしのしもべである預言者(よげんしゃ)たちによって、しきりに(おく)ったが、あなたがたは()こうともしなかったと(しゅ)()われる』。—— 20わたしがエルサレムからバビロンに(おく)ったあなたがたすべての(とら)われ(びと)よ、(しゅ)言葉(ことば)()きなさい、 21『わたしの()によって、あなたがたに(いつわ)りを預言(よげん)しているコラヤの()アハブと、マアセヤの()ゼデキヤについて万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)はこう(おお)せられる、()よ、わたしは(かれ)らをバビロンの(おう)ネブカデレザルの()(わた)す。(おう)はあなたがたの()(まえ)(かれ)らを(ころ)す。 22バビロンにいるユダの(とら)われ(びと)(みな)(かれ)らの()を、のろいの言葉(ことば)(もち)いて、「(しゅ)があなたをバビロンの(おう)()()いたゼデキヤとアハブのようにされるように」という。 23それは、(かれ)らがイスラエルのうちで(おろ)かな(こと)をし、(となり)(つま)不義(ふぎ)(おこな)い、わたしが(めい)じたのでない(いつわ)りの言葉(ことば)を、わたしの()によって(かた)ったことによるのである。わたしはそれを()っており、またその証人(しょうにん)であると(しゅ)()われる』」。
24ネヘラムびとシマヤにあなたは()いなさい、 25万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)はこう(おお)せられる、あなたは自分(じぶん)()でエルサレムにいるすべての(たみ)と、マアセヤの()祭司(さいし)ゼパニヤおよびすべての祭司(さいし)手紙(てがみ)(おく)って()う、 26(しゅ)祭司(さいし)エホヤダに(かわ)ってあなたを祭司(さいし)とし、(しゅ)(みや)をつかさどらせ、すべて(くる)い、かつ預言(よげん)する(もの)(あし)かせと(くび)かせにつながせられる。 27そうであるのに、どうしてあなたは、あなたがたに預言(よげん)しているアナトテのエレミヤを(いまし)めないのか。 28(かれ)はバビロンにいるわれわれの(ところ)手紙(てがみ)(おく)って、(とら)われの(とき)はなお(なが)いゆえ、あなたがたは(いえ)()ててそこに()み、(はたけ)(つく)ってその産物(さんぶつ)()べよと()ってきた』」。
29祭司(さいし)ゼパニヤはこの手紙(てがみ)預言者(よげんしゃ)エレミヤに()()かせた。 30その(とき)(しゅ)言葉(ことば)がエレミヤに(のぞ)んだ、 31「すべての(とら)われ(びと)()(おく)って()いなさい、ネヘラムびとシマヤの(こと)について(しゅ)はこう(おお)せられる、わたしはシマヤをつかわさなかったのに、(かれ)があなたがたに預言(よげん)して(いつわ)りを(しん)じさせたので、 32(しゅ)はこう(おお)せられる、()よ、わたしはネヘラムびとシマヤとその子孫(しそん)(ばっ)する。(かれ)(しゅ)(たい)する反逆(はんぎゃく)(かた)ったゆえ、(かれ)(ぞく)する(もの)で、この(たみ)のうちに()み、わたしが自分(じぶん)(たみ)(おこな)おうとしている()(こと)()るものはひとりもいない」。

第三十章

1(しゅ)からエレミヤに(のぞ)んだ言葉(ことば)2「イスラエルの(かみ)(しゅ)はこう(おお)せられる、わたしがあなたに(かた)った言葉(ことば)を、ことごとく書物(しょもつ)にしるしなさい。 3(しゅ)()われる、()よ、わたしがわが(たみ)イスラエルとユダの繁栄(はんえい)回復(かいふく)する()()る。(しゅ)がこれを()われる。わたしは(かれ)らを、その先祖(せんぞ)(あた)えた()(かえ)らせ、(かれ)らにこれを(たも)たせる」。
4これは(しゅ)がイスラエルとユダについて()われた言葉(ことば)である。
5(しゅ)はこう(おお)せられる、
われわれはおののきの(こえ)()いた。
(おそ)れがあり、平安(へいあん)はない。
6()()(おとこ)があるか、(たず)ねてみよ。
どうして(おとこ)がみな()()(おんな)のように
()(こし)におくのをわたしは()るのか。
なぜ、どの(ひと)顔色(かおいろ)(あお)(かわ)っているのか。
7(かな)しいかな、その()(おお)いなる()であって、
それに(くら)べるべき()はない。
それはヤコブの(なや)みの(とき)である。
しかし(かれ)はそれから(すく)()される。
8万軍(ばんぐん)(しゅ)(おお)せられる、その()わたしは(かれ)らの(くび)からそのくびきを(くだ)(はな)し、(かれ)らの束縛(そくばく)()く。異邦(いほう)(ひと)はもはや、(かれ)らを使役(しえき)することをしない。 9(かれ)らはその(かみ)(しゅ)と、わたしが(かれ)らのために()てるその(おう)ダビデに(つか)える。
10(しゅ)(おお)せられる、
わがしもべヤコブよ、(おそ)れることはない、
イスラエルよ、(おどろ)くことはない。
()よ、わたしがあなたを(すく)って、(とお)くからかえし、
あなたの子孫(しそん)(すく)って、
その(とら)(うつ)された()からかえすからだ。
ヤコブは(かえ)ってきて、(おだ)やかに(やす)らかにおり、
(かれ)(おそ)れさせる(もの)はない。
11(しゅ)()われる、
わたしはあなたと(とも)にいて、あなたを(すく)う。
わたしはあなたを()らした国々(くにぐに)
ことごとく(ほろ)ぼし(つく)す。
しかし、あなたを(ほろ)ぼし(つく)すことはしない。
わたしは(ただ)しい(みち)(したが)ってあなたを()らしめる。
(けっ)して(ばっ)しないではおかない。
12(しゅ)はこう(おお)せられる、
あなたの(いた)みはいえず、あなたの(きず)(おも)い。
13あなたの(うった)えを支持(しじ)する(もの)はなく、
あなたの(きず)をつつむ(くすり)はなく、
あなたをいやすものもない。
14あなたの(あい)する(もの)(みな)あなたを(わす)れて
あなたの(こと)(こころ)()めない。
それは、あなたのとがが(おお)く、
あなたの(つみ)がはなはだしいので、
わたしがあだを()つようにあなたを()ち、
残忍(ざんにん)(てき)のように()らしたからだ。
15なぜ、あなたの(きず)のために(さけ)ぶのか、
あなたの(なや)みはいえることはない。
あなたのとがが(おお)く、
あなたの(つみ)がはなはだしいので、
これらの(こと)をわたしはあなたにしたのである。
16しかし、すべてあなたを()(ほろ)ぼす(もの)
()(ほろ)ぼされ、
あなたをしえたげる(もの)は、
ひとり(のこ)らず、(とら)(うつ)され、
あなたをかすめる(もの)は、かすめられ、
すべてあなたの(もの)(うば)(もの)(うば)われる(もの)となる。
17(しゅ)()われる、
わたしはあなたの健康(けんこう)回復(かいふく)させ、
あなたの(きず)をいやす。
それは、(ひと)があなたを()てられた(もの)とよび、
『だれも(こころ)()めないシオン』というからである。
18(しゅ)はこう(おお)せられる、
()よ、わたしはヤコブの天幕(てんまく)(ふたた)(さか)えさせ、
そのすまいにあわれみを(ほどこ)す。
(まち)は、その(おか)()てなおされ、
宮殿(きゅうでん)はもと()っていた(ところ)()つ。
19感謝(かんしゃ)(うた)(よろこ)(もの)(こえ)とが、その(なか)から()る。
わたしが(かれ)らを()すゆえ、(かれ)らは(すく)なくはなく、
また(かれ)らを(たっと)ばれしめるゆえ、
(いや)しめられることはない。
20その()らは、いにしえのようになり、
その会衆(かいしゅう)はわたしの(まえ)(かた)()つ。
すべて(かれ)らをしえたげる(もの)をわたしは(ばっ)する。
21その(きみ)(かれ)自身(じしん)のうちのひとりであり、
そのつかさは、そのうちから()る。
わたしは(かれ)をわたしに(ちか)づけ、(かれ)はわたしに(ちか)づく。
だれか自分(じぶん)(いのち)をかけて
わたしに(ちか)づく(もの)があろうかと
(しゅ)()われる。
22あなたがたは、わたしの(たみ)となり、
わたしはあなたがたの(かみ)となる」。
23()よ、(しゅ)暴風(ぼうふう)がくる。
(いきどお)りと、つむじ(かぜ)()て、悪人(あくにん)のこうべをうつ。
24(しゅ)(はげ)しい(いか)りは、
(こころ)(おも)(さだ)められたことを(おこな)って、
これを()げるまで、退(しりぞ)くことはない。
(すえ)()にあなたがたはこれを(さと)るのである。

第三十一章

1(しゅ)()われる、その(とき)わたしはイスラエルの全部(ぜんぶ)(ぞく)(かみ)となり、(かれ)らはわたしの(たみ)となる」。
2(しゅ)はこう()われる、
「つるぎをのがれて()(のこ)った(たみ)は、
荒野(あらの)(めぐ)みを()た。
イスラエルが安息(あんそく)(もと)めた(とき)
3(しゅ)(とお)くから(かれ)(あらわ)れた。
わたしは(かぎ)りなき(あい)をもってあなたを(あい)している。
それゆえ、わたしは()えずあなたに
真実(しんじつ)をつくしてきた。
4イスラエルのおとめよ、
(ふたた)びわたしはあなたを()てる、あなたは()てられる。
あなたは(ふたた)(つづみ)をもって()(かざ)り、
()()って、(よろこ)(たの)しむ(もの)(とも)(おど)る。
5またあなたはぶどうの()をサマリヤの(やま)()える。
()える(もの)は、()えてその()()べることができる。
6見守(みまも)(もの)がエフライムの(やま)(うえ)()って
()ばわる()()る。
()って、シオンに(のぼ)り、
われわれの(かみ)(しゅ)に、もうでよう』と」。
7(しゅ)はこう(おお)せられる、
「ヤコブのために(よろこ)んで(こえ)(たか)(うた)い、
万国(ばんこく)のかしらのために(さけ)(ごえ)をあげよ。
()(しめ)し、ほめたたえて()え、
(しゅ)はその(たみ)イスラエルの(のこ)りの(もの)(すく)われた』と。
8()よ、わたしは(かれ)らを(きた)(くに)から()(かえ)り、
(かれ)らを()(はて)から(あつ)める。
(かれ)らのうちには、盲人(もうじん)やあしなえ、
妊婦(にんぷ)産婦(さんぷ)(とも)にいる。
(かれ)らは(おお)きな()れとなって、ここに(かえ)ってくる。
9(かれ)らは()(かな)しんで(かえ)ってくる。
わたしは(なぐさ)めながら(かれ)らを(みちび)(かえ)る。
(かれ)らがつまずかないように、まっすぐな(みち)により、
(みず)(なが)れのそばを(とお)らせる。
それは、わたしがイスラエルの(ちち)であり、
エフライムはわたしの長子(ちょうし)だからである。
10万国(ばんこく)(たみ)よ、あなたがたは(しゅ)言葉(ことば)()き、
これを(とお)い、海沿(うみぞ)いの()(しめ)して()いなさい、
『イスラエルを()らした(もの)がこれを(あつ)められる。
牧者(ぼくしゃ)がその()れを(まも)るようにこれを(まも)られる』と。
11すなわち(しゅ)はヤコブをあがない、
(かれ)らよりも(つよ)(もの)()から(かれ)(すく)いだされた。
12(かれ)らは()てシオンの(やま)(こえ)(たか)(うた)い、
(しゅ)から(たま)わった()(もの)のために、
穀物(こくもつ)(さけ)(あぶら)および(わか)(ひつじ)(うし)のために、
(よろこ)びに(かがや)く。
その(たましい)(うるお)(その)のようになり、
(かれ)らは(かさ)ねて(うれ)えることがない。
13その(とき)おとめたちは()って(たの)しみ、
(わか)(もの)()いた(もの)(とも)(たの)しむ。
わたしは(かれ)らの(かな)しみを(よろこ)びにかえ、
(かれ)らを(なぐさ)め、(うれ)いの(かわ)りに(よろこ)びを(あた)える。
14わたしは(おお)くのささげ(もの)で、祭司(さいし)(こころ)()かせ、
わたしの()(もの)で、わたしの(たみ)()()らせると
(しゅ)()われる」。
15(しゅ)はこう(おお)せられる、
(なげ)(かな)しみ、いたく()(こえ)がラマで(きこ)える。
ラケルがその()らのために(なげ)くのである。
()らがもはやいないので、
彼女(かのじょ)はその()らのことで(なぐさ)められるのを(ねが)わない」。
16(しゅ)はこう(おお)せられる、
「あなたは()(こえ)をとどめ、
()から(なみだ)をながすことをやめよ。
あなたのわざに(むく)いがある。
(かれ)らは(てき)()から(かえ)ってくると(しゅ)()われる。
17あなたの将来(しょうらい)には希望(きぼう)があり、
あなたの子供(こども)たちは自分(じぶん)(くに)(かえ)ってくると
(しゅ)()われる。
18わたしは(たし)かに、エフライムが
こう()って(なげ)くの()いた、
『あなたはわたしを(こら)しめられた、
わたしはくびきに()れない()(うし)のように
(こら)しめをうけた。
(しゅ)よ、あなたはわたしの(かみ)(しゅ)でいらせられる、
わたしを()(かえ)って、もとにかえしてください。
19わたしはそむき()った(のち)()い、
(おしえ)をうけた(のち)、ももを()った。
(わか)(とき)のはずかしめが()にあるので、
わたしは()じ、うろたえた』。
20(しゅ)()われる、
エフライムはわたしの(あい)する()
わたしの(よろこ)()であろうか。
わたしは(かれ)について(かた)るごとに、
なお(かれ)(わす)れることができない。
それゆえ、わたしの(こころ)(かれ)をしたっている。
わたしは(かなら)(かれ)をあわれむ。
21みずからのために(みち)しるべを()き、
みずからのために標柱(ひょうちゅう)()てよ。
大路(おおじ)に、あなたの(とお)って()った(みち)(こころ)()めよ。
イスラエルのおとめよ、(かえ)れ、
これらの、あなたの町々(まちまち)(かえ)れ。
22不信(ふしん)(むすめ)よ、いつまでさまようのか。
(しゅ)()(うえ)(あたら)しい(こと)創造(そうぞう)されたのだ、
(おんな)(おとこ)保護(ほご)する(こと)である」。
23万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)はこう()われる、「わたしが(かれ)らを(ふたた)(さか)えさせる(とき)人々(ひとびと)はまたユダの()とその町々(まちまち)でこの言葉(ことば)()う、
正義(せいぎ)のすみかよ、(せい)なる(やま)よ、
どうか(しゅ)がおまえを祝福(しゅくふく)してくださるように』。
24ユダとそのすべての(まち)(ひと)、および農夫(のうふ)()れを()って(ある)(まわ)(もの)(とも)にそこに()む。 25わたしが(つか)れた(たましい)()()らせ、すべて(なや)んでいる(たましい)(なぐさ)めるからである」。
26ここでわたしは()をさましたが、わたしの(ねむ)りは、ここちよかった。
27(しゅ)()われる、()よ、わたしが(ひと)(たね)(けもの)(たね)とをイスラエルの(いえ)とユダの(いえ)とにまく()()る。 28わたしは(かれ)らを()き、(くだ)き、(たお)し、(ほろ)ぼし、(なや)まそうと()ちかまえていたように、また(かれ)らを()て、()えようと()ちかまえていると(しゅ)()われる。 29その(とき)(かれ)らはもはや、
(ちち)がすっぱいぶどうを()べたので、
()どもの()がうく』
とは()わない。 30(ひと)はめいめい自分(じぶん)(つみ)によって()ぬ。すっぱいぶどうを()べる(ひと)はみな、その()がうく。
31(しゅ)()われる、()よ、わたしがイスラエルの(いえ)とユダの(いえ)とに(あたら)しい契約(けいやく)()てる()()る。 32この契約(けいやく)はわたしが(かれ)らの先祖(せんぞ)をその()をとってエジプトの()から(みちび)()した()()てたようなものではない。わたしは(かれ)らの(おっと)であったのだが、(かれ)らはそのわたしの契約(けいやく)(やぶ)ったと(しゅ)()われる。 33しかし、それらの()(のち)にわたしがイスラエルの(いえ)()てる契約(けいやく)はこれである。すなわちわたしは、わたしの律法(りっぽう)(かれ)らのうちに()き、その(こころ)にしるす。わたしは(かれ)らの(かみ)となり、(かれ)らはわたしの(たみ)となると(しゅ)()われる。 34(ひと)はもはや、おのおのその(となり)とその兄弟(きょうだい)(おし)えて、『あなたは(しゅ)()りなさい』とは()わない。それは、(かれ)らが(しょう)より(だい)(いた)るまで(みな)、わたしを()るようになるからであると(しゅ)()われる。わたしは(かれ)らの不義(ふぎ)をゆるし、もはやその(つみ)(おも)わない」。
35(しゅ)はこう()われる、すなわち
太陽(たいよう)(あた)えて(ひる)(ひかり)とし、
(つき)(ほし)とを(さだ)めて(よる)(ひかり)とし、
(うみ)をかき()てて、その(なみ)()りとどろかせる(もの)——
その()万軍(ばんぐん)(しゅ)という。
36(しゅ)()われる、
「もしこの(さだ)めがわたしの(まえ)ですたれてしまうなら、
イスラエルの子孫(しそん)もすたって、
永久(えいきゅう)にわたしの(まえ)(たみ)であることはできない」。
37(しゅ)はこう()われる、
「もし(うえ)(てん)(はか)ることができ、
(した)()(もとい)(さぐ)ることができるなら、
そのとき、わたしはイスラエルのすべての子孫(しそん)
そのもろもろの(おこな)いのために()()ると
(しゅ)()われる」。
38(しゅ)()われる、「()よ、この(まち)が、ハナネルの(とう)から(すみ)(もん)まで、(しゅ)のために再建(さいけん)される(とき)()る。 39(はか)りなわはそれよりも(とお)くまっすぐに()びて、ガレブの(おか)(たっ)し、ゴアのほうに()かう。 40死体(したい)(はい)との(たに)全部(ぜんぶ)、またキデロンの(たに)()くまでと、(ひがし)のほうの(うま)(もん)のすみに()くまでとのすべての(はたけ)はみな(しゅ)(せい)なる(ところ)となり、永遠(えいえん)にわたって、ふたたび()かれ、また(たお)されることはない」。

第三十二章

1ユダの(おう)ゼデキヤの十(ねん)、すなわちネブカデレザルの十八(ねん)に、(しゅ)言葉(ことば)がエレミヤに(のぞ)んだ。 2その(とき)、バビロンの(おう)軍勢(ぐんぜい)がエルサレムを()(かこ)んでいて、預言者(よげんしゃ)エレミヤはユダの(おう)宮殿(きゅうでん)にある監視(かんし)(にわ)のうちに監禁(かんきん)されていた。 3ユダの(おう)ゼデキヤが(かれ)()()めたのであるが、(おう)()った、「なぜあなたは預言(よげん)して()うのか、『(しゅ)はこう(おお)せられる、()よ、わたしはこの(まち)をバビロンの(おう)()(わた)し、(かれ)はこれを()る。 4またユダの(おう)ゼデキヤはカルデヤびとの()をのがれることなく、かならずバビロンの(おう)()(わた)され、(かお)(かお)()わせて(かれ)(かた)り、()()(あい)まみえる。 5そして(かれ)はゼデキヤをバビロンに()いていき、ゼデキヤは、わたしが(かれ)(かえり)みる(とき)まで、そこにいると(しゅ)()われる。あなたがたは、カルデヤびとと(たたか)っても()つことはできない』と」。
6エレミヤは()った、「(しゅ)言葉(ことば)がわたしに(のぞ)んで()われる、 7()よ、あなたのおじシャルムの()ハナメルがあなたの(ところ)()()う、「アナトテにあるわたしの(はたけ)()いなさい。それは、これを()()り、あがなう権利(けんり)があなたにあるから」と』。 8はたして(しゅ)言葉(ことば)のように、わたしのいとこであるハナメルが監視(かんし)(にわ)のうちにいるわたしの(ところ)()()った、『ベニヤミンの()のアナトテにあるわたしの(はたけ)()ってください。所有(しょゆう)するのも、あがなうのも、あなたの権利(けんり)なのです。()()ってあなたの(もの)にしてください。これが(しゅ)言葉(ことば)であるのをわたしは()っていました』。
9そこでわたしは、いとこのハナメルからアナトテにある(はたけ)()()り、(ぎん)十七シケルを(はか)って(かれ)支払(しはら)った。 10すなわち、わたしはその証書(しょうしょ)をつくって、これに記名(きめい)し、それを封印(ふういん)し、証人(しょうにん)()て、はかりをもって(ぎん)(はか)って(あた)えた。 11そしてわたしはその約定(やくじょう)をしるして封印(ふういん)した買収(ばいしゅう)証書(しょうしょ)と、封印(ふういん)のない(うつ)しとを()り、 12いとこのハナメルと、買収(ばいしゅう)証書(しょうしょ)記名(きめい)した証人(しょうにん)たち、および監視(かんし)(にわ)にすわっているすべてのユダヤ(ひと)(まえ)で、その証書(しょうしょ)をマアセヤの()であるネリヤの()バルクに(あた)え、 13(かれ)らの(まえ)で、わたしはバルクに(めい)じて()った、 14万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)はこう(おお)せられる、これらの証書(しょうしょ)すなわち、この買収(ばいしゅう)証書(しょうしょ)封印(ふういん)したものと、封印(ふういん)のない(うつ)しとを()り、これらを(つち)(うつわ)()れて、(なが)保存(ほぞん)せよ。 15万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)がこう()われるからである、「この()人々(ひとびと)はまた(いえ)(はたけ)とぶどう(はたけ)()うようになる」と』。
16わたしは買収(ばいしゅう)証書(しょうしょ)をネリヤの()バルクに(わた)したあとで(しゅ)(いの)って()った、 17『ああ(しゅ)なる(かみ)よ、あなたは(おお)いなる(ちから)と、()べた(うで)をもって(てん)()をお(つく)りになったのです。あなたのできないことは、ひとつもありません。 18あなたはいつくしみを千万(にん)(ほどこ)し、また(ちち)(つみ)をそののちの子孫(しそん)(むく)いられるのです。あなたは(おお)いなる全能(ぜんのう)(かみ)でいらせられ、その()万軍(ばんぐん)(しゅ)(もう)されます。 19あなたの(はか)りごとは(おお)きく、また、(こと)(おこな)うのに(ちから)があり、あなたの()人々(ひとびと)(あゆ)むすべての(みち)()て、おのおのの(みち)にしたがい、その(おこな)いの()によってこれに(むく)いられます。 20あなたは、しるしと、不思議(ふしぎ)なわざとをエジプトの()(おこな)い、また今日(こんにち)(いた)るまでイスラエルと(ぜん)人類(じんるい)のうちに(おこな)い、そして今日(こんにち)のように()をあげられました。 21あなたは、しるしと、不思議(ふしぎ)なわざと、(つよ)()と、()べた(うで)と、(おお)いなる(おそ)るべき(こと)をもって、あなたの(たみ)イスラエルをエジプトの()から(みちび)()し、 22この()(かれ)らに(たま)わりました。これはあなたが(かれ)らの先祖(せんぞ)たちに(あた)えようと(ちか)われた(ちち)(みつ)(なが)れる()です。 23こうして(かれ)らは、はいってこれを()たのですが、あなたの(こえ)()(したが)わず、あなたの律法(りっぽう)(おこな)わず、すべてあなたがせよと(めい)じられたことをしなかったので、あなたはこの(わざわい)(かれ)らの(うえ)にお(くだ)しになりました。 24()よ、(るい)(きず)きあげられたのは、この(まち)()るためです。つるぎと、ききんと、疫病(えきびょう)のために、(まち)はこれを()めているカルデヤびとの()(わた)されます。あなたの()われたようになりましたのは、ごらんのとおりであります。 25(しゅ)なる(かみ)よ、あなたはわたしに()われました、「(ぎん)をもって(はたけ)()い、証人(しょうにん)()てよ」と。そうであるのに、(まち)はカルデヤびとの()(わた)されています』」。
26(しゅ)言葉(ことば)がエレミヤに(のぞ)んだ、 27()よ、わたしは(しゅ)である、すべて(いのち)ある(もの)(かみ)である。わたしにできない(こと)があろうか。 28それゆえ、(しゅ)はこう()われる、()よ、わたしはこの(まち)をカルデヤびとと、バビロンの(おう)ネブカデレザルの()(わた)す。(かれ)はこれを()る。 29この(まち)()めているカルデヤびとがきて、この(まち)()をつけて()(はら)う。屋根(やね)(うえ)人々(ひとびと)が、バアルに(こう)をたき、ほかの神々(かみがみ)(さけ)をそそいで、わたしを(いか)らせたその(いえ)をも(かれ)らは()く。 30それは、イスラエルの人々(ひとびと)とユダの人々(ひとびと)とは、その(わか)(とき)から、わたしの(まえ)(わる)いことのみを(おこな)い、またイスラエルの(たみ)はその()のわざをもって、わたしを(いか)らせることばかりをしたからであると(しゅ)()われる。 31この(まち)はそれが()った()からきょうまで、わたしの(いか)りと(いきどお)りとをひき(おこ)してきたので、わたしの(まえ)からこれを(のぞ)()るのである。 32それは、イスラエルの(たみ)とユダの(たみ)とが、もろもろの(あく)()って、わたしを(いか)らせたことによるのである。——(かれ)らの(おう)たちと、そのつかさたち、祭司(さいし)たち、預言者(よげんしゃ)たち、またユダの人々(ひとびと)とエルサレムの住民(じゅうみん)たちが(みな)そうである。 33(かれ)らはその背中(せなか)をわたしに()けて(かお)をわたしに()けず、わたしがたゆまず(おし)えたにもかかわらず、(かれ)らは(おしえ)()かず、またうけないのである。 34(かれ)らは(にく)むべき(もの)を、わが()をもって()ばれている(いえ)にすえつけて、そこを(けが)し、 35またベンヒンノムの(たに)にバアルの(たか)(ところ)(きず)いて、むすこ(むすめ)をモレクにささげた。わたしは(かれ)らにこのようなことを(めい)じたことはなく、また(かれ)らがこの(にく)むべきことを()って、ユダに(つみ)(おか)させようとは(かんが)えもしなかった。
36それゆえ(いま)イスラエルの(かみ)(しゅ)は、この(まち)、すなわちあなたがたが、『つるぎと、ききんと、疫病(えきびょう)のためにバビロンの(おう)()(わた)される』といっている(まち)についてこう(おお)せられる、 37()よ、わたしは、わたしの(いか)りと(いきどお)りと(おお)いなる(いか)りをもって、(かれ)らを()いやったもろもろの(くに)から(かれ)らを(あつ)め、この(ところ)(みちび)きかえって、(やす)らかに()まわせる。 38そして(かれ)らはわたしの(たみ)となり、わたしは(かれ)らの(かみ)となる。 39わたしは(かれ)らに一つの(こころ)と一つの(みち)(あた)えて(つね)にわたしを(おそ)れさせる。これは(かれ)らが(かれ)自身(じしん)とその(のち)子孫(しそん)(さいわい)()るためである。 40わたしは(かれ)らと永遠(えいえん)契約(けいやく)()てて、(かれ)らを見捨(みす)てずに(めぐ)みを(ほどこ)すことを(ちか)い、またわたしを(おそ)れる(おそ)れを(かれ)らの(こころ)()いて、わたしを(はな)れることのないようにしよう。 41わたしは(かれ)らに(めぐ)みを(ほどこ)すことを(よろこ)びとし、(こころ)をつくし、精神(せいしん)をつくし、真実(しんじつ)をもって(かれ)らをこの()()える。 42(しゅ)はこう(おお)せられる、わたしがこのもろもろの(おお)きな(わざわい)をこの(たみ)(くだ)したように、わたしが(かれ)らに約束(やくそく)するもろもろの(さいわい)(かれ)らの(うえ)(くだ)す。 43人々(ひとびと)はこの()(はたけ)()うようになる。あなたがたが、『それは()れて(ひと)(けもの)もいなくなり、カルデヤびとの()(わた)されてしまう』といっている()である。 44人々(ひとびと)はベニヤミンの()と、エルサレムの周囲(しゅうい)と、ユダの町々(まちまち)と、山地(さんち)町々(まちまち)と、平地(へいち)町々(まちまち)と、ネゲブの町々(まちまち)で、(ぎん)をもって(はたけ)()い、証書(しょうしょ)をつくって、これに記名(きめい)封印(ふういん)し、また証人(しょうにん)()てる。それは、わたしが(かれ)らを(ふたた)(さか)えさせるからであると(しゅ)()われる」。

第三十三章

1エレミヤがなお監視(かんし)(にわ)()()められている(とき)(しゅ)言葉(ことば)はふたたび(かれ)(のぞ)んだ、 2()(つく)られた(しゅ)、それを(かたち)(つく)って(かた)()たせられた(しゅ)、その()(しゅ)()のっておられる(もの)がこう(おお)せられる、 3わたしに()(もと)めよ、そうすれば、わたしはあなたに(こた)える。そしてあなたの()らない(おお)きな(かく)されている(こと)を、あなたに(しめ)す。 4イスラエルの(かみ)(しゅ)(るい)と、つるぎとを(ふせ)ぐために破壊(はかい)されたこの(まち)(いえ)と、ユダの(おう)(いえ)についてこう()われる、 5カルデヤびとは()(たたか)い、わたしが(いか)りと(いきどお)りをもって(ころ)人々(ひとびと)死体(したい)を、それに()たす。わたしは人々(ひとびと)のもろもろの(あく)のために、この(まち)にわたしの(かお)をおおい(かく)した。 6()よ、わたしは健康(けんこう)と、いやしとを、ここにもたらして人々(ひとびと)をいやし、(ゆた)かな繁栄(はんえい)安全(あんぜん)とを(かれ)らに(しめ)す。 7わたしはユダとイスラエルを(ふたた)(さか)えさせ、(かれ)らを()てて、もとのようにする。 8わたしは(かれ)らがわたしに()かって(おか)した(つみ)のすべてのとがを(きよ)め、(かれ)らがわたしに()かって(おか)した(つみ)反逆(はんぎゃく)のすべてのとがをゆるす。 9この(まち)()のもろもろの(たみ)(まえ)に、わたしのために(よろこ)びの()となり、(ほまれ)となり、(さか)えとなる。(かれ)らはわたしがわたしの(たみ)(ほどこ)すもろもろの(めぐ)みのことを()く。そして、わたしがこの(まち)(ほどこ)すもろもろの(めぐ)みと、もろもろの繁栄(はんえい)のために(おそ)れて()をふるわす。
10(しゅ)はこう()われる、あなたがたが、『それは()れて、(ひと)もおらず(けもの)もいない』というこの(ところ)、すなわち、()れて、(ひと)もおらず()(もの)もなく、(けもの)もいないユダの(まち)とエルサレムのちまたに、 11(ふたた)(よろこ)びの(こえ)(たの)しみの(こえ)花婿(はなむこ)(こえ)花嫁(はなよめ)(こえ)、および
万軍(ばんぐん)(しゅ)感謝(かんしゃ)せよ、
(しゅ)(めぐ)みふかく、
そのいつくしみは、いつまでも()えることがない』
といって、感謝(かんしゃ)(そな)(もの)(しゅ)(みや)(たずさ)えてくる(もの)(こえ)(きこ)える。それは、わたしがこの()(ふたた)(さか)えさせて(はじ)めのようにするからであると(しゅ)()われる。
12万軍(ばんぐん)(しゅ)はこう()われる、()れて、(ひと)もおらず(けもの)もいないこの(ところ)と、そのすべての町々(まちまち)(ふたた)びその()れを()させる牧者(ぼくしゃ)のすまいがあるようになる。 13山地(さんち)町々(まちまち)と、平地(へいち)町々(まちまち)と、ネゲブの町々(まちまち)と、ベニヤミンの()、エルサレムの周囲(しゅうい)と、ユダの町々(まちまち)で、()れは(ふたた)びそれを(かぞ)える(もの)()(した)(とお)りすぎると(しゅ)()われる。
14(しゅ)()われる、()よ、わたしがイスラエルの(いえ)とユダの(いえ)約束(やくそく)したことをなし()げる()()る。 15その()、その(とき)になるならば、わたしはダビデのために一つの(ただ)しい(えだ)(しょう)じさせよう。(かれ)公平(こうへい)正義(せいぎ)()(おこな)う。 16その()、ユダは(すくい)()、エルサレムは(やす)らかにおる。その()は『(しゅ)はわれわれの正義(せいぎ)』ととなえられる。
17(しゅ)はこう(おお)せられる、イスラエルの(いえ)(くらい)()する(ひと)がダビデの子孫(しそん)のうちに()けることはない。 18またわたしの(まえ)燔祭(はんさい)をささげ、素祭(そさい)()き、つねに犠牲(ぎせい)をささげる(ひと)が、レビびとである祭司(さいし)のうちに()えることはない」。
19(しゅ)言葉(ことば)はエレミヤに(のぞ)んだ、 20(しゅ)はこう(おお)せられる、もしあなたがたが、(ひる)(むす)んだわたしの契約(けいやく)(やぶ)り、また(よる)(むす)んだわたしの契約(けいやく)(やぶ)り、(ひる)(よる)(さだ)められた(とき)()ないようにすることができるならば、 21しもべダビデとわたしが(むす)んだ契約(けいやく)もまた(やぶ)れ、(かれ)はその(くらい)()して(おう)となる()(あた)えられない。またわたしがわたしに(つか)えるレビびとである祭司(さいし)()てた契約(けいやく)(やぶ)れる。 22(てん)(ほし)(かぞ)えることができず、(はま)(すな)(はか)ることができない。そのようにわたしは、しもべダビデの子孫(しそん)と、わたしに(つか)えるレビびとである祭司(さいし)(かず)()そう」。
23(しゅ)言葉(ことば)はエレミヤに(のぞ)んだ、 24「あなたはこの(たみ)が、『(しゅ)(みずか)(えら)んだ二つのやからを()てた』といっているのを()かないか。(かれ)らはこのようにわたしの(たみ)(あなど)って、これを(くに)とみなさないのである。 25(しゅ)はこう()われる、もしわたしが(ひる)(よる)とに契約(けいやく)()てず、また天地(てんち)のおきてを(さだ)めなかったのであれば、 26わたしは、ヤコブとわたしのしもべダビデとの子孫(しそん)()てて、(ふたた)(かれ)子孫(しそん)のうちからアブラハム、イサク、ヤコブの子孫(しそん)(おさ)める(もの)(えら)ばない。わたしは(かれ)らを(ふたた)(さか)えさせ、(かれ)らにあわれみをたれよう」。

第三十四章

1バビロンの(おう)ネブカデレザルがその(ぜん)(ぐん)と、(かれ)(したが)っている()のすべての(くに)人々(ひとびと)、およびもろもろの(たみ)(ひき)いて、エルサレムとその町々(まちまち)()めて(たたか)っていた(とき)に、(しゅ)からエレミヤに(のぞ)んだ言葉(ことば)2「イスラエルの(かみ)(しゅ)はこう()われる、()ってユダの(おう)ゼデキヤに()げて()いなさい、『(しゅ)はこう()われる、()よ、わたしはこの(まち)をバビロンの(おう)()(わた)す。(かれ)()でこれを()く。 3あなたはその()をのがれることはできない、(かなら)(とら)えられてその()(わた)される。あなたはまのあたりバビロンの(おう)()(かお)(かお)()わせて(かれ)(かた)る。それからバビロンへ()く』。 4しかしユダの(おう)ゼデキヤよ、(しゅ)言葉(ことば)()きなさい。(しゅ)はあなたの(こと)についてこう()われる、『あなたはつるぎで()ぬことはない。 5あなたは(やす)らかに()ぬ。(たみ)はあなたの先祖(せんぞ)であるあなたの(さき)(おう)たちのために(こう)をたいたように、あなたのためにも(こう)をたき、またあなたのために(なげ)いて「ああ、主君(しゅくん)よ」と()う』。わたしがこの言葉(ことば)をいうのであると(しゅ)()われる」。
6そこで預言者(よげんしゃ)エレミヤはこの言葉(ことば)をことごとくエルサレムでユダの(おう)ゼデキヤに()げた。 7その(とき)バビロンの(おう)軍勢(ぐんぜい)はエルサレム、および(のこ)っているユダのすべての(まち)、すなわちラキシとアゼカを()めて(たたか)っていた。それはユダの町々(まちまち)のうちに、これらの堅固(けんご)(まち)がなお(のこ)っていたからである。
8ゼデキヤ(おう)がエルサレムにいるすべての(たみ)契約(けいやく)()てて、(かれ)らに釈放(しゃくほう)のことを()(しめ)した(のち)に、(しゅ)からエレミヤに(のぞ)んだ言葉(ことば)9その契約(けいやく)はすなわち(ひと)がおのおのそのヘブルびとである男女(だんじょ)奴隷(どれい)解放(かいほう)し、その兄弟(きょうだい)であるユダヤ(ひと)奴隷(どれい)としないことを(さだ)めたものであった。 10この契約(けいやく)をしたつかさたちと、すべての(たみ)(ひと)がおのおのその男女(だんじょ)奴隷(どれい)解放(かいほう)し、(ふたた)びこれを奴隷(どれい)としないということに()(したが)って、これを解放(かいほう)したが、 11(のち)(こころ)(ひるがえ)し、解放(かいほう)した男女(だんじょ)奴隷(どれい)をひきかえさせ、(ふたた)びこれを(したが)わせて奴隷(どれい)とした。 12そこで(しゅ)言葉(ことば)(しゅ)からエレミヤに(のぞ)んだ、 13「イスラエルの(かみ)(しゅ)はこう()われる、わたしはあなたがたの先祖(せんぞ)をエジプトの()、その奴隷(どれい)であった(いえ)から(みちび)()した(とき)(かれ)らと契約(けいやく)()てて()った、 14『あなたがたの兄弟(きょうだい)であるヘブルびとで、あなたがたに()()り、六(ねん)(あいだ)あなたがたに(つか)えた(もの)は、六(ねん)(おわ)りに、あなたがたおのおのがこれを解放(かいほう)しなければならない。あなたがたは(かれ)解放(かいほう)して、あなたがたに(つか)えることをやめさせなければならない』。ところがあなたがたの先祖(せんぞ)たちはわたしに()(したが)わず、またその(みみ)(かたむ)けなかった。 15しかしあなたがたは今日(こんにち)(こころ)(あらた)め、おのおのその(とな)(びと)釈放(しゃくほう)のことを()(しめ)して、わたしの()(ただ)しいとすることを(おこな)い、かつわたしの()をもってとなえられる(いえ)で、わたしの(まえ)契約(けいやく)()てた。 16ところがあなたがたは(ふたた)(こころ)(ひるがえ)して、わたしの()(けが)し、おのおの男女(だんじょ)奴隷(どれい)をその(ねが)いのままに解放(かいほう)したのをひきかえさせ、(ふたた)びこれを(したが)わせて、あなたがたの奴隷(どれい)とした。 17それゆえに、(しゅ)はこう(おお)せられる、あなたがたがわたしに()(したが)わず、おのおのその兄弟(きょうだい)とその(となり)釈放(しゃくほう)のことを()(しめ)さなかったので、()よ、わたしはあなたがたのために釈放(しゃくほう)()(しめ)して、あなたがたをつるぎと、疫病(えきびょう)と、ききんとに(わた)すと(しゅ)()われる。わたしはあなたがたを()のもろもろの(くに)()みきらわれるものとする。 18わたしの契約(けいやく)(やぶ)り、わたしの(まえ)()てた契約(けいやく)(さだ)めに(したが)わない人々(ひとびと)を、わたしは(かれ)らが二つに()いて、その二つの(あいだ)(とお)った()(うし)のようにする。—— 19すなわち二つに()けた()(うし)(あいだ)(とお)ったユダのつかさたち、エルサレムのつかさたちと宦官(かんがん)祭司(さいし)と、この()のすべての(たみ)を、 20わたしはその(てき)()と、その(いのち)(もと)める(もの)()(わた)す。その死体(したい)(そら)(とり)()(けもの)食物(しょくもつ)となる。 21わたしはまたユダの(おう)ゼデキヤと、そのつかさたちをその(てき)()、その(いのち)(もと)める(もの)()、あなたがたを(はな)れて()ったバビロンの(おう)軍勢(ぐんぜい)()(わた)す。 22(しゅ)()われる、()よ、わたしは(かれ)らに(めい)じて、この(まち)()きかえしてこさせる。(かれ)らはこの(まち)()めて(たたか)い、これを()り、()(はな)って()(はら)う。わたしはユダの町々(まちまち)()(ひと)のない()()とする」。

第三十五章

1ユダの(おう)ヨシヤの()エホヤキムの(とき)(しゅ)からエレミヤに(のぞ)んだ言葉(ことば)2「レカブびとの(いえ)()って、(かれ)らと(かた)り、(かれ)らを(しゅ)(みや)一室(いっしつ)()れてきて、(さけ)()ませなさい」。 3そこでわたしはハバジニヤの()エレミヤの()であるヤザニヤと、その兄弟(きょうだい)と、そのむすこたち、およびレカブびとの全家(ぜんか)()れ、 4これを(しゅ)(みや)にあるハナンの()たちの(しつ)()れてきた。ハナンはイグダリヤの()であって(かみ)(ひと)であった。その(しつ)は、つかさたちの(しつ)(つぎ)にあって、(もん)(まも)るシャルムの()マアセヤの(しつ)(うえ)にあった。 5わたしはレカブびとの(まえ)(さけ)()たしたつぼと(さかずき)()き、(かれ)らに、「(さけ)()みなさい」と()ったが、 6(かれ)らは(こた)えた、「われわれは(さけ)()みません。それは、レカブの()であるわれわれの先祖(せんぞ)ヨナダブがわれわれに(めい)じて、『あなたがたとあなたがたの子孫(しそん)はいつまでも(さけ)()んではならない。 7また(いえ)()てず、(たね)をまかず、またぶどう(はたけ)()えてはならない。またこれを所有(しょゆう)してはならない。あなたがたは()きながらえる(あいだ)幕屋(まくや)()んでいなさい。そうするならば、あなたがたはその宿(やど)っている()(なが)()きることができると()ったからです』。 8こうしてわれわれは、レカブの()であるわれわれの先祖(せんぞ)ヨナダブがすべて(めい)じた言葉(ことば)(したが)って、われわれも、(つま)も、むすこ(むすめ)()きながらえる(あいだ)(さけ)()まず、 9()(いえ)()てず、ぶどう(はたけ)(はたけ)(たね)()たないで、 10幕屋(まくや)()み、すべてわれわれの先祖(せんぞ)ヨナダブがわれわれに(めい)じたところに(したが)い、そのように(おこな)いました。 11しかしバビロンの(おう)ネブカデレザルがこの()(のぼ)ってきた(とき)、われわれは()いました、『さあ、われわれはエルサレムへ()こう。カルデヤびとの軍勢(ぐんぜい)とスリヤびとの軍勢(ぐんぜい)(おそ)ろしい』と。こうしてわれわれはエルサレムに()んでいるのです」。
12その(とき)(しゅ)言葉(ことば)がエレミヤに(のぞ)んだ、 13万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)はこう()われる、()って、ユダの人々(ひとびと)とエルサレムに()(もの)とに()げよ。(しゅ)(おお)せられる、あなたがたはわたしの言葉(ことば)()いて(おしえ)()けないのか。 14レカブの()ヨナダブがその子孫(しそん)(さけ)()むなと(めい)じた言葉(ことば)(まも)られてきた。(かれ)らは今日(こんにち)(いた)るまで(さけ)()まず、その先祖(せんぞ)(いのち)(したが)ってきた。ところがあなたがたはわたしがしきりに(かた)ったけれども、わたしに()(したが)わなかった。 15わたしはまた、わたしのしもべである預言者(よげんしゃ)たちを、しきりにあなたがたにつかわして()わせた、『あなたがたは(いま)おのおのその(わる)(みち)(はな)れ、その(おこな)いを(あらた)めなさい。ほかの神々(かみがみ)(したが)(つか)えてはならない。そうすれば、あなたがたはわたしがあなたがたと、あなたがたの先祖(せんぞ)(あた)えたこの()()むことができる』と。しかしあなたがたは(みみ)(かたむ)けず、わたしに()かなかった。 16レカブの()ヨナダブの子孫(しそん)は、その先祖(せんぞ)(かれ)らに(めい)じた命令(めいれい)(まも)っているのである。しかしこの(たみ)はわたしに(したが)わなかった。 17それゆえ万軍(ばんぐん)(かみ)(しゅ)、イスラエルの(かみ)はこう(おお)せられる、()よ、わたしはユダとエルサレムに()(もの)とに、わたしが(かれ)らの(うえ)宣告(せんこく)した(わざわい)(くだ)す。わたしが(かれ)らに(かた)っても()かず、(かれ)らを()んでも(こた)えなかったからである」。
18ところでエレミヤはレカブびとの(いえ)人々(ひとびと)()った、「万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)はこう(おお)せられる、あなたがたは先祖(せんぞ)ヨナダブの(いのち)(したが)い、そのすべての(いまし)めを(まも)り、(かれ)があなたがたに(めい)じた(こと)(おこな)った。 19それゆえ、万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)はこう()われる、レカブの()ヨナダブには、わたしの(まえ)()(ひと)がいつまでも()けることはない」。

第三十六章

1ユダの(おう)ヨシヤの()エホヤキムの四(ねん)(しゅ)からこの言葉(ことば)がエレミヤに(のぞ)んだ、 2「あなたは巻物(まきもの)()り、わたしがあなたに(かた)った()、すなわちヨシヤの()から今日(こんにち)(いた)るまで、イスラエルとユダと万国(ばんこく)とに(かん)してあなたに(かた)ったすべての言葉(ことば)を、それにしるしなさい。 3ユダの(いえ)がわたしの(くだ)そうとしているすべての(わざわい)()いて、おのおのその(わる)(みち)(はな)れて(かえ)ることもあろう。そうすれば、わたしはそのとがとその(つみ)をゆるすかも()れない」。
4そこでエレミヤはネリヤの()バルクを()んだ。バルクはエレミヤの口述(こうじゅつ)にしたがって、(しゅ)(かれ)にお()げになった言葉(ことば)をことごとく巻物(まきもの)()きしるした。 5そしてエレミヤはバルクに(めい)じて()った、「わたしは(しゅ)(みや)()くことを(さまた)げられている。 6それで、あなたが()って、断食(だんじき)()(しゅ)(みや)で、すべての(たみ)()いているところで、あなたがわたしの口述(こうじゅつ)にしたがって、巻物(まきもの)筆記(ひっき)した(しゅ)言葉(ことば)()みなさい。またユダの人々(ひとびと)がその町々(まちまち)から()()いているところで、それを()みなさい。 7(かれ)らは(しゅ)(まえ)祈願(きがん)をささげ、おのおのその(わる)(みち)(はな)れて(かえ)ることもあろう。(しゅ)がこの(たみ)(たい)して宣告(せんこく)された(いか)りと(いきどお)りは(おお)きいからである」。 8こうしてネリヤの()バルクはすべて預言者(よげんしゃ)エレミヤが自分(じぶん)(めい)じたように、(しゅ)(みや)で、その巻物(まきもの)()かれた(しゅ)言葉(ことば)()んだ。
9ユダの(おう)ヨシヤの()エホヤキムの五(ねん)(がつ)、エルサレムのすべての(たみ)と、ユダの町々(まちまち)からエルサレムに()たすべての(たみ)とは、(しゅ)(まえ)断食(だんじき)(おこな)うべきことを()(しめ)された。 10バルクは(しゅ)(みや)(うえ)(にわ)で、(しゅ)(みや)(あたら)しい(もん)入口(いりぐち)のかたわらにある書記(しょき)シャパンの()であるゲマリヤのへやで、巻物(まきもの)()かれたエレミヤの言葉(ことば)をすべての(たみ)()()かせた。
11シャパンの()であるゲマリヤの()ミカヤはその巻物(まきもの)にある(しゅ)言葉(ことば)をことごとく()いて、 12(おう)(いえ)にある書記(しょき)のへやに(くだ)って()くと、もろもろのつかさたち、すなわち書記(しょき)エリシャマ、シマヤの()デラヤ、アカボルの()エルナタン、シャパンの()ゲマリヤ、ハナニヤの()ゼデキヤおよびすべてのつかさたちがそこに()していた。 13ミカヤはバルクが(たみ)巻物(まきもの)()んで()かせたとき、自分(じぶん)()いたすべての言葉(ことば)(かれ)らに()げたので、 14つかさたちはクシの()セレミヤの()であるネタニヤの()エホデをバルクのもとにつかわして()わせた、「あなたが(たみ)()()かせたその巻物(まきもの)()()って、()てください」。そこでネリヤの()バルクは巻物(まきもの)()()って、(かれ)らのもとに()たので、 15(かれ)らはバルクに()った、「()してそれを()んでください」。バルクはそれを(かれ)らに()みきかせた。 16(かれ)らはそのすべての言葉(ことば)()き、(おそ)れて(たがい)()かわし、バルクに()った、「われわれはこのすべての言葉(ことば)を、(おう)報告(ほうこく)しなければならない」。 17そしてバルクに(たず)ねて()った、「このすべての言葉(ことば)を、あなたがどのようにして()いたのか(はな)してください。(かれ)口述(こうじゅつ)によるのですか」。 18バルクは(かれ)らに(こた)えた、「(かれ)がわたしにこのすべての言葉(ことば)口述(こうじゅつ)したので、わたしはそれを墨汁(ぼくじゅう)巻物(まきもの)()いたのです」。 19つかさたちはバルクに()った、「()って、エレミヤと一緒(いっしょ)()(かく)しなさい。(ひと)所在(しょざい)()られてはなりません」。
20そこで(かれ)らは巻物(まきもの)書記(しょき)エリシャマのへやに()いて(にわ)にはいり、(おう)のもとへ()って、このすべての言葉(ことば)(おう)()げたので、 21(おう)はその巻物(まきもの)()ってこさせるためにエホデをつかわした。エホデは書記(しょき)エリシャマのへやから巻物(まきもの)()ってきて、それを(おう)(おう)のかたわらに()っているすべてのつかさたちに()みきかせた。 22(とき)は九(がつ)であって、(おう)(ふゆ)(いえ)()していた。その(まえ)()があって()()えていた。 23エホデが三(だん)か四(だん)()むと、(おう)小刀(こがたな)をもってそれを()()り、()()()げいれ、ついに巻物(まきもの)全部(ぜんぶ)()()()きつくした。 24(おう)とその家来(けらい)たちはこのすべての言葉(ことば)()いても(おそ)れず、またその着物(きもの)()くこともしなかった。 25エルナタン、デラヤおよびゲマリヤが(おう)にその巻物(まきもの)()かないようにと(ねが)ったときにも(かれ)()きいれなかった。 26そして(おう)王子(おうじ)エラメルとアヅリエルの()セラヤとアブデルの()セレミヤに、書記(しょき)バルクと預言者(よげんしゃ)エレミヤを(とら)えるようにと(めい)じたが、(しゅ)(かれ)らを(かく)された。
27バルクがエレミヤの口述(こうじゅつ)にしたがって筆記(ひっき)した言葉(ことば)()せた巻物(まきもの)(おう)()いた(のち)(しゅ)言葉(ことば)がエレミヤに(のぞ)んだ、 28()巻物(まきもの)()り、ユダの(おう)エホヤキムが()いた、(まえ)巻物(まきもの)のうちにある言葉(ことば)(みな)それに()きしるしなさい。 29またユダの(おう)エホヤキムについて()いなさい、『(しゅ)はこう(おお)せられる、あなたはこの巻物(まきもの)()いて()った、「どうしてあなたはこの巻物(まきもの)に、バビロンの(おう)(かなら)()てこの()(ほろ)ぼし、ここから(ひと)(けもの)とを()やす、と()いたのか」と。 30それゆえ(しゅ)はユダの(おう)エホヤキムについてこう()われる、(かれ)子孫(しそん)にはダビデの(くらい)にすわる(もの)がなくなる。また(かれ)死体(したい)()てられて(ひる)(あつ)さにあい、(よる)(しも)にあう。 31わたしはまた(かれ)とその子孫(しそん)とその家来(けらい)たちをその(つみ)のために(ばっ)する。また(かれ)らとエルサレムの(たみ)とユダの人々(ひとびと)には(わざわい)(くだ)す。この(わざわい)のことについては、すでに(かた)ったけれども、(かれ)らは()くことをしなかった』」。
32そこでエレミヤは()巻物(まきもの)()り、ネリヤの()書記(しょき)バルクに(あた)えたので、バルクはユダの(おう)エホヤキムが()にくべて()いた巻物(まきもの)のすべての言葉(ことば)を、エレミヤの口述(こうじゅつ)にしたがってそれに()きしるし、また(おな)じような言葉(ことば)(おお)くそれに(くわ)えた。

第三十七章

1ヨシヤの()ゼデキヤはエホヤキムの()コニヤに(かわ)って(おう)となった。バビロンの(おう)ネブカデレザルが(かれ)をユダの()(おう)としたのである。 2(かれ)もその家来(けらい)たちも、その()人々(ひとびと)も、(しゅ)預言者(よげんしゃ)エレミヤによって(かた)られた言葉(ことば)()(したが)わなかった。
3ゼデキヤ(おう)はセレミヤの()ユカルと、マアセヤの()祭司(さいし)ゼパニヤを預言者(よげんしゃ)エレミヤにつかわして、「われわれのために、われわれの(かみ)(しゅ)(いの)ってください」と()わせた。 4エレミヤは(たみ)(なか)出入(でい)りしていた。まだ獄屋(ごくや)()れられなかったからである。 5パロの軍勢(ぐんぜい)がエジプトから()()たので、エルサレムを()(かこ)んでいたカルデヤびとはその情報(じょうほう)()いてエルサレムを退(しりぞ)いた。 6その(とき)(しゅ)言葉(ことば)預言者(よげんしゃ)エレミヤに(のぞ)んだ、 7「イスラエルの(かみ)(しゅ)はこう()われる、あなたがたをつかわしてわたしに(もと)めたユダの(おう)にこう()いなさい、『あなたがたを(すく)うために()てきたパロの軍勢(ぐんぜい)はその(くに)エジプトに(かえ)ろうとしている。 8カルデヤびとが(ふたた)()てこの(まち)()めて(たたか)い、これを()って()()(ほろ)ぼす。 9(しゅ)はこう()われる、あなたがたは、「カルデヤびとはきっとわれわれを(はな)()る」といって自分(じぶん)(あざむ)いてはならない。(かれ)らは()ることはない。 10たといあなたがたが自分(じぶん)()めて(たたか)うカルデヤびとの(ぜん)(ぐん)()(やぶ)って、その天幕(てんまく)のうちに負傷(ふしょう)(もの)のみを(のこ)しても、(かれ)らは()()がって()でこの(まち)()(ほろ)ぼす』」。
11さてカルデヤびとの軍勢(ぐんぜい)がパロの軍勢(ぐんぜい)()るのを()いてエルサレムを退(しりぞ)いたとき、 12エレミヤは、ベニヤミンの()(たみ)のうちに自分(じぶん)()(まえ)()()るため、エルサレムを()ってその()()こうと、 13ベニヤミンの(もん)()いたとき、そこにハナニヤの()セレミヤの()でイリヤという()番兵(ばんぺい)がいて、預言者(よげんしゃ)エレミヤを(とら)え、「あなたはカルデヤびとの(がわ)脱走(だっそう)しようとしている」と()った。 14エレミヤは()った、「それはまちがいだ。わたしはカルデヤびとの(がわ)脱走(だっそう)しようとしていない」。しかしイリヤは()かず、エレミヤを(とら)えて、つかさたちのもとへ()いて()った。 15つかさたちは(いか)って、エレミヤを()ちたたき、書記(しょき)ヨナタンの(いえ)獄屋(ごくや)にいれた。この(いえ)獄屋(ごくや)になっていたからである。
16エレミヤが地下(ちか)獄屋(ごくや)にはいって、そこに(おお)くの()(おく)ってのち、 17ゼデキヤ(おう)(ひと)をつかわし、(かれ)()れてこさせた。(おう)自分(じぶん)(いえ)でひそかに(かれ)(たず)ねて()った、「(しゅ)から(なに)かお言葉(ことば)があったか」。エレミヤはあったと(こた)えた。そして()った、「あなたはバビロンの(おう)()()(わた)されます」。 18エレミヤはまたゼデキヤ(おう)()った、「わたしが獄屋(ごくや)にいれられたのは、あなたに、またはあなたの家来(けらい)に、あるいはこの(たみ)に、どのような(つみ)(おか)したからなのですか。 19あなたがたに預言(よげん)して、『バビロンの(おう)はあなたがたをも、この()をも()めにこない』と()っていたあなたがたの預言者(よげんしゃ)(いま)どこにいるのですか。 20(おう)なるわが(きみ)よ、どうぞ(いま)()きください。わたしの(ねが)いをお()きとどけください。わたしを書記(しょき)ヨナタンの(いえ)(かえ)らせないでください。そうでないと、わたしはそこで(ころ)されるでしょう」。 21そこでゼデキヤ(おう)(めい)(くだ)し、エレミヤを監視(かんし)(にわ)()れさせ、かつ、パンを(つく)(もの)(まち)から毎日(まいにち)パン一()(かれ)(あた)えさせた。これは(まち)にパンがなくなるまで(つづ)いた。こうしてエレミヤは監視(かんし)(にわ)にいた。

第三十八章

1マッタンの()シパテヤ、パシュルの()ゲダリヤ、セレミヤの()ユカル、マルキヤの()パシュルはエレミヤがすべての(たみ)()げていたその言葉(ことば)()いた。 2(かれ)()った、「(しゅ)はこう()われる、この(まち)にとどまる(もの)は、つるぎや、ききんや、疫病(えきびょう)()ぬ。しかし()てカルデヤびとにくだる(もの)()(まぬか)れる。すなわちその(いのち)自分(じぶん)のぶんどり(もの)として()きることができる。 3(しゅ)はこう()われる、この(まち)(かなら)ずバビロンの(おう)軍勢(ぐんぜい)()(わた)される。(かれ)はこれを()る」。 4すると、つかさたちは(おう)()った、「この(ひと)(ころ)してください。このような言葉(ことば)をのべて、この(まち)(のこ)っている兵士(へいし)()と、すべての(たみ)()(よわ)くしているからです。この(ひと)(たみ)安泰(あんたい)(もと)めないで、その(わざわい)(もと)めているのです」。 5ゼデキヤ(おう)()った、「()よ、(かれ)はあなたがたの()にある。(おう)はあなたがたに(さか)らって何事(なにごと)をもなし()ない」。 6そこで(かれ)らはエレミヤを(とら)え、監視(かんし)(にわ)にある王子(おうじ)マルキヤの(あな)()()れた。すなわち、(つな)をもってエレミヤをつり()ろしたが、その(あな)には(みず)がなく、(どろ)だけであったので、エレミヤは(どろ)(なか)(しず)んだ。
7(おう)(いえ)宦官(かんがん)エチオピヤびとエベデメレクは、(かれ)らがエレミヤを(あな)()()れたことを()いた。その(とき)(おう)はベニヤミンの(もん)()していたので、 8エベデメレクは(おう)(いえ)から()()って(おう)()った、 9(おう)なるわが(きみ)よ、この人々(ひとびと)預言者(よげんしゃ)エレミヤにしたことはみな()いことではありません。(かれ)(あな)()()れました。(まち)食物(しょくもつ)がなくなりましたから、(かれ)はそこで餓死(がし)するでしょう」。 10(おう)はエチオピヤびとエベデメレクに(めい)じて()った、「ここから三(にん)のひとを()れて()って、預言者(よげんしゃ)エレミヤを、()なないうちに(あな)から()()げなさい」。 11そこでエベデメレクはその人々(ひとびと)()れて(おう)(いえ)(くら)衣服(いふく)(しつ)()き、そこから(ふる)(ぬの)()れや、()ふるした着物(きもの)()り、これを(あな)(なか)にいるエレミヤのところへ、(つな)をもってつり()ろした。 12そしてエチオピヤびとエベデメレクは、「この(ぬの)()れや着物(きもの)を、あなたのわきの(した)にはさんで、(つな)()てなさい」とエレミヤに()った。エレミヤはそのようにした。 13すると(かれ)らは(つな)をもってエレミヤを(あな)から()()げた。そしてエレミヤは監視(かんし)(にわ)にとどまった。
14ゼデキヤ(おう)(ひと)をつかわして預言者(よげんしゃ)エレミヤを(しゅ)(みや)(だい)三の(もん)()れてこさせ、(おう)はエレミヤに()った、「あなたに(たず)ねたいことがある。何事(なにごと)もわたしに(かく)してはならない」。 15エレミヤはゼデキヤに()った、「もしわたしがお(はな)するなら、あなたは(かなら)ずわたしを(ころ)されるではありませんか。たといわたしが忠告(ちゅうこく)をしても、あなたはお()きにならないでしょう」。 16その(とき)ゼデキヤ(おう)は、ひそかにエレミヤに(ちか)って()った、「われわれの(たましい)(つく)られた(しゅ)()きておられる。わたしはあなたを(ころ)さない、またあなたの(いのち)(もと)める(もの)()に、あなたを(わた)すこともしない」。
17そこでエレミヤはゼデキヤに()った、「万軍(ばんぐん)(かみ)、イスラエルの(かみ)(しゅ)はこう(おお)せられる、もしあなたがバビロンの(おう)のつかさたちに降伏(こうふく)するならば、あなたの(いのち)(たす)かり、またこの(まち)()()かれることなく、あなたも、あなたの(いえ)(もの)()きながらえることができる。 18しかし、もしあなたが()てバビロンの(おう)のつかさたちに降伏(こうふく)しないならば、この(まち)はカルデヤびとの()(わた)される。(かれ)らは()でこれを()く。あなたはその()をのがれることができない」。 19ゼデキヤ(おう)はエレミヤに()った、「わたしはカルデヤびとに脱走(だっそう)したユダヤ(ひと)(おそ)れている。カルデヤびとはわたしを(かれ)らの()(わた)し、(かれ)らはわたしをはずかしめる」。 20エレミヤは()った、「(かれ)らはあなたを(わた)さないでしょう。どうか、わたしがあなたに()げた(しゅ)(こえ)()(したが)ってください。そうすれば(さいわい)()、また(いのち)(たす)かります。 21しかし降伏(こうふく)することを(こば)むならば、(しゅ)がわたしに(しめ)された(まぼろし)(もう)しましょう。 22すなわち、ユダの(おう)(いえ)(のこ)っている(おんな)たちは、みなバビロンの(おう)のつかさたちの(ところ)()いて()かれます。その(おんな)たちは()うのです、
『あなたの(した)しい(とも)だちがあなたを(あざむ)いた、
そしてあなたに()った。
(いま)あなたの(あし)(どろ)(しず)んでいるので、
(かれ)らはあなたを()てて()る』。
23あなたの(つま)たちと子供(こども)たちは(みな)カルデヤびとの(ところ)へひき()される。あなた自身(じしん)もその()をのがれることができず、バビロンの(おう)(とら)えられる。そしてこの(まち)()()かれるでしょう」。
24ゼデキヤはエレミヤに()った、「これらの言葉(ことば)(ひと)()らせてはならない。そうすればあなたは(ころ)されることはない。 25わたしがあなたと(はなし)をしたことを、つかさたちが()いて、(かれ)らがあなたの(ところ)()て、『あなたが(おう)(はな)したこと、(おう)があなたに(はな)したことをわれわれに()げなさい。何事(なにごと)(かく)してはならない。われわれはあなたを(ころ)しはしない』と()うならば、 26あなたは(かれ)らに、『わたしは(おう)(ねが)って、わたしをヨナタンの(いえ)(おく)(かえ)さず、そこで()ぬことのないようにしてくださいと()った』と(こた)えなさい」。 27さて、つかさたちは(みな)エレミヤのところへ()(たず)ねたが、(おう)(かれ)(おし)えたように(かれ)らに(こた)えたので、(かれ)らは(かれ)(はな)すことをやめた。その会話(かいわ)()いた(もの)がなかったからである。 28エレミヤはエルサレムの()られる()まで監視(かんし)(にわ)にとどまっていた。

第三十九章

1ユダの(おう)ゼデキヤの九(ねん)(がつ)、バビロンの(おう)ネブカデレザルはその(ぜん)(ぐん)(ひき)い、エルサレムに()てこれを()(かこ)んだが、 2ゼデキヤの十一(ねん)(がつ)()になって(まち)一角(いっかく)(やぶ)れた。 3エルサレムが()られたので、バビロンの(おう)のつかさたち、すなわちネルガル・シャレゼル、サムガル・ネボ、ラブサリスのサルセキム、ラブマグのネルガル・シャレゼルおよびバビロンの(おう)のその()のつかさたちは(みな)ともに()(なか)(もん)()した。 4ユダの(おう)ゼデキヤとすべての兵士(へいし)たちはこれを()()げ、(よる)のうちに、(おう)庭園(ていえん)(みち)(とお)って、二つの城壁(じょうへき)(あいだ)(もん)から(まち)()て、アラバの(ほう)()ったが、 5カルデヤびとの軍勢(ぐんぜい)はこれを()って、エリコの平地(へいち)でゼデキヤに()いつき、これを(とら)えて、ハマテの()リブラにいるバビロンの(おう)ネブカデレザルのもとに()いて()ったので、(おう)はそこで(かれ)(つみ)をさだめた。 6バビロンの(おう)はリブラで、ゼデキヤの()たちを(かれ)()(まえ)(ころ)した。バビロンの(おう)はまたユダのすべての貴族(きぞく)たちを(ころ)した。 7(おう)はまたゼデキヤの()をつぶさせ、(かれ)をバビロンに()いて()くために、(くさり)につないだ。 8またカルデヤびとは王宮(おうきゅう)民家(みんか)()()き、エルサレムの城壁(じょうへき)破壊(はかい)した。 9そして侍衛(じえい)(ちょう)ネブザラダンは(まち)のうちに(のこ)っている(たみ)と、自分(じぶん)降伏(こうふく)した(もの)、およびその()(のこ)っている(たみ)をバビロンに(とら)(うつ)した。 10しかし侍衛(じえい)(ちょう)ネブザラダンは、(たみ)(まず)しい無産(むさん)(もの)をユダの()(のこ)し、同時(どうじ)にぶどう(はたけ)田地(でんち)をこれに(あた)えた。
11さてバビロンの(おう)ネブカデレザルはエレミヤの(こと)について侍衛(じえい)(ちょう)ネブザラダンに(めい)じて()った、 12(かれ)をとり、よく世話(せわ)をせよ。(がい)(くわ)えることなく、(かれ)があなたに()うようにしてやりなさい」。 13そこで侍衛(じえい)(ちょう)ネブザラダン、ラブサリスのネブシャズバン、ラブマグのネルガル・シャレゼル、およびバビロンの(おう)のつかさたちは、 14(ひと)をつかわして、エレミヤを監視(かんし)(にわ)から()れてこさせ、シャパンの()アヒカムの()であるゲダリヤに(たく)して、(いえ)につれて()かせた。こうして(かれ)(たみ)のうちにいた。
15エレミヤが監視(かんし)(にわ)()じこめられていた(とき)(しゅ)言葉(ことば)(かれ)(のぞ)んだ、 16()って、エチオピヤびとエベデメレクに()げなさい、『万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)はこう()われる、わたしの()った(わざわい)をわたしはこの(まち)(くだ)す、(さいわい)をこれに(くだ)すのではない。その()、この(こと)があなたの()(まえ)成就(じょうじゅ)する。 17(しゅ)()われる、その()わたしはあなたを(すく)う。あなたは自分(じぶん)(おそ)れている人々(ひとびと)()(わた)されることはない。 18わたしが(かなら)ずあなたを(すく)い、つるぎに(たお)れることのないようにするからである。あなたの(いのち)はあなたのぶんどり(もの)となる。あなたがわたしに()(たよ)んだからであると(しゅ)()われる』」。

第四十章

1侍衛(じえい)(ちょう)ネブザラダンは、バビロンに(うつ)されるエルサレムとユダの人々(ひとびと)のうちにエレミヤを(くさり)につないでおいて、これを(とら)えて()ったが、ついにラマで(かれ)釈放(しゃくほう)した。その(のち)(しゅ)言葉(ことば)がエレミヤに(のぞ)んだ。 2侍衛(じえい)(ちょう)はエレミヤを()して(かれ)()った、「あなたの(かみ)(しゅ)はこの(ところ)にこの(わざわい)(くだ)すと()(しめ)された。 3(しゅ)はこれを(くだ)し、(みずか)()われたとおりに(おこな)われた。あなたがたが(しゅ)(たい)して(つみ)(おか)し、み(こえ)(したが)わなかったから、この(こと)があなたがたの(うえ)(のぞ)んだのだ。 4()よ、わたしはきょう、あなたの()(くさり)()いてあなたを釈放(しゃくほう)する。もしあなたがわたしと一緒(いっしょ)にバビロンへ()くのが()いと(おも)われるなら、おいでなさい。わたしは、じゅうぶんあなたの世話(せわ)をします。もしあなたがわたしと一緒(いっしょ)にバビロンには()きたくないなら、()かなくてもよろしい。()よ、この()はみなあなたの(まえ)にあります、あなたが()いと(おも)い、(ただ)しいと(おも)(ところ)()きなさい。 5あなたがとどまるならば、バビロンの(おう)がユダの町々(まちまち)総督(そうとく)として()てたシャパンの()アヒカムの()であるゲダリヤの(ところ)(かえ)り、(かれ)(とも)(たみ)のうちに()みなさい。あるいはまたあなたが(ただ)しいと(おも)(ところ)()きなさい」。こうして侍衛(じえい)(ちょう)(かれ)糧食(りょうしょく)(おく)(もの)(あた)えて()らせた。 6そこでエレミヤはミヅパへ()き、アヒカムの()ゲダリヤの(ところ)()って、(かれ)(とも)にその()(のこ)っている(たみ)のうちに()んだ。
7さて野外(やがい)にいた軍勢(ぐんぜい)(ちょう)たちと、その配下(はいか)人々(ひとびと)は、バビロンの(おう)がアヒカムの()ゲダリヤを()てて、その()総督(そうとく)とし、(おとこ)(おんな)子供(こども)、および(くに)のうちのバビロンに(うつ)されない(まず)しい(もの)(かれ)委託(いたく)した(こと)()いたので、 8ネタニヤの()イシマエルと、カレヤの()ヨハナンおよびタンホメテの()セラヤと、ネトパびとであるエパイの()たちと、マアカびとの()ヤザニヤおよびその配下(はいか)人々(ひとびと)は、ミヅパにいるゲダリヤのもとへ()った。 9シャパンの()であるアヒカムの()ゲダリヤは、(かれ)らとその配下(はいか)人々(ひとびと)(ちか)って()った、「カルデヤびとに(つか)えることを(おそ)れるに(およ)ばない。この()()んでバビロンの(おう)(つか)えるならば、あなたがたは幸福(こうふく)になる。 10わたしはミヅパにいて、われわれの(ところ)()るカルデヤびとの(まえ)に、あなたがたのために()ちましょう。あなたがたは、ぶどう(しゅ)(なつ)のくだもの、(あぶら)(あつ)めて、それを(うつわ)にたくわえ、あなたがたの()町々(まちまち)()みなさい」。 11(おな)じように、モアブとアンモンびとのうち、またエドムおよび()国々(くにぐに)にいるユダヤ(ひと)は、バビロンの(おう)がユダに(ひと)(のこ)したことと、シャパンの()であるアヒカムの()ゲダリヤを()ててその総督(そうとく)としたこととを()いた。 12そこでそのユダヤ(ひと)らはみなその()いやられたもろもろの(ところ)から(かえ)ってきて、ユダの()のミヅパにいるゲダリヤのもとにきた。そして(おお)くのぶどう(しゅ)(なつ)のくだものを(あつ)めた。
13またカレヤの()ヨハナンと、野外(やがい)にいた軍勢(ぐんぜい)(ちょう)たちはみなミヅパにいるゲダリヤのもとにきて、 14(かれ)()った、「アンモンびとの(おう)バアリスがあなたを(ころ)すためにネタニヤの()イシマエルをつかわしたことを()っていますか」。しかしアヒカムの()ゲダリヤは(かれ)らの()うことを(しん)じなかったので、 15カレヤの()ヨハナンはミヅパでひそかにゲダリヤに()った、「わたしが()って、(ひと)()れないように、ネタニヤの()イシマエルを(ころ)しましょう。どうして(かれ)があなたを(ころ)して、あなたの周囲(しゅうい)(あつ)まっているユダヤ(ひと)()らし、ユダの(のこ)った(もの)(ほろ)ぼしてよいでしょう」。 16しかしアヒカムの()ゲダリヤはカレヤの()ヨハナンに()った、「この(こと)をしてはならない。あなたはイシマエルについて(いつわ)りを()っているのです」。

第四十一章

1(がつ)のころ、(おう)(いえ)のもので、エリシャマの()ネタニヤの()であり、また(おう)高官(こうかん)のひとりであるイシマエルは、(おう)の十(にん)のつかさたちと(とも)にミヅパにいたアヒカムの()ゲダリヤのもとにきて、ミヅパで(しょく)(とも)にしたが、 2ネタニヤの()イシマエルおよび(とも)にいた十(にん)(もの)()()がって、バビロンの(おう)がこの()総督(そうとく)としたシャパンの()アヒカムの()であるゲダリヤを(かたな)(ころ)し、 3イシマエルはまたミヅパでゲダリヤと(とも)にいたすべてのユダヤ(ひと)と、たまたまそこにいたカルデヤびとの兵士(へいし)たちを(ころ)した。
4ゲダリヤが(ころ)された(つぎ)()、まだだれもその(こと)()らないうちに、 5八十(にん)人々(ひとびと)がそのひげをそり、衣服(いふく)をさき、()(きず)をつけ、()には素祭(そさい)のささげ(もの)(こう)(たずさ)え、シケム、シロ、サマリヤからきて、(しゅ)(みや)にささげようとした。 6ネタニヤの()イシマエルはミヅパから()きながら()てきて(かれ)らを(むか)え、(かれ)らに()って、「アヒカムの()ゲダリヤのもとにおいでなさい」と()った。 7そして(かれ)らが(まち)(なか)にはいったとき、ネタニヤの()イシマエルは自分(じぶん)一緒(いっしょ)にいた人々(ひとびと)(とも)(かれ)らを(ころ)して、その死体(したい)(あな)()()れた。 8しかしそのうちの十(にん)はイシマエルに()かい、「わたしたちは(はたけ)小麦(こむぎ)大麦(おおむぎ)(あぶら)、および(みつ)(かく)しています、わたしたちを(ころ)さないでください」と()ったので、(かれ)らをその仲間(なかま)(とも)(ころ)さないでしまった。
9イシマエルが自分(じぶん)(ころ)した人々(ひとびと)死体(したい)()()れた(あな)は、アサ(おう)がイスラエルの(おう)バアシャを(おそ)れて()った(あな)であった。ネタニヤの()イシマエルは(ころ)した人々(ひとびと)をこれに()たした。 10()いでイシマエルはミヅパに(のこ)っているすべての(たみ)、すなわち(おう)(むすめ)たちと侍衛(じえい)(ちょう)ネブザラダンがアヒカムの()ゲダリヤに(たく)したミヅパに(のこ)っているすべての(たみ)とを捕虜(ほりょ)とした。ネタニヤの()イシマエルは(かれ)らを捕虜(ほりょ)とし、アンモンびとのもとに(わた)()こうとして()()った。
11カレヤの()ヨハナンおよび(かれ)(とも)にいる軍勢(ぐんぜい)(ちょう)たちはネタニヤの()イシマエルの()った悪事(あくじ)をみな()き、 12その兵士(へいし)たちを(ひき)いて、ネタニヤの()イシマエルと(たたか)うために()()き、ギベオンの大池(おおいけ)のほとりで(かれ)()った。 13イシマエルと(とも)にいる人々(ひとびと)は、カレヤの()ヨハナンおよび(かれ)(とも)にいる軍勢(ぐんぜい)(ちょう)たちを()(よろこ)んだ。 14そしてイシマエルがミヅパから捕虜(ほりょ)にしてきた人々(ひとびと)()をめぐらしてカレヤの()ヨハナンのもとへ()った。 15ネタニヤの()イシマエルは八(にん)(もの)(とも)にヨハナンを()けて()げ、アンモンびとの(ところ)()った。 16そこでカレヤの()ヨハナンおよび(かれ)(とも)にいる軍勢(ぐんぜい)(ちょう)たちはネタニヤの()イシマエルがアヒカムの()ゲダリヤを(ころ)して、ミヅパから捕虜(ほりょ)として()れてきた、あの(のこ)っていた(たみ)、すなわち兵士(へいし)(おんな)子供(こども)宦官(かんがん)をギベオンから()(かえ)ったが、 17(かれ)らはエジプトへ()こうとしてベツレヘムの(ちか)くにあるゲルテ・キムハムへ()って、そこにとどまった。 18これは、ネタニヤの()イシマエルが、バビロンの(おう)によってこの()総督(そうとく)(にん)じられたアヒカムの()ゲダリヤを(ころ)したことにより、カルデヤびとを(おそ)れたからである。

第四十二章

1そのとき軍勢(ぐんぜい)(ちょう)たち、およびカレヤの()ヨハナンと、ホシャヤの()アザリヤ、ならびに(たみ)(もっと)(ちい)さい(もの)から(もっと)(おお)いなる(もの)にいたるまで、 2みな預言者(よげんしゃ)エレミヤの(ところ)()()った、「どうかあなたの(まえ)にわれわれの(もと)めが()けいれられますように。われわれのため、この(のこ)っている(もの)すべてのために、あなたの(かみ)(しゅ)(いの)ってください、((いま)ごらんのとおり、われわれは(おお)くのうち、わずかに(のこ)っている(もの)です) 3そうすれば、あなたの(かみ)(しゅ)は、われわれの()くべき(みち)と、なすべき(こと)をお(しめ)しになるでしょう」。 4預言者(よげんしゃ)エレミヤは(かれ)らに()った、「よくわかりました。あなたがたの(もと)めにしたがって、あなたがたの(かみ)(しゅ)(いの)りましょう。(しゅ)があなたがたに(こた)えられることを、何事(なにごと)(かく)さないであなたがたに()いましょう」。 5(かれ)らはエレミヤに()った、「もし、あなたの(かみ)(しゅ)があなたをつかわしてお()げになるすべての言葉(ことば)を、われわれが(おこな)わないときは、どうか(しゅ)がわれわれに(たい)してまことの真実(しんじつ)証人(しょうにん)となられるように。 6われわれは()くても(わる)くても、われわれがあなたをつかわそうとするわれわれの(かみ)(しゅ)(こえ)(したが)います。われわれの(かみ)(しゅ)(こえ)(したが)うとき、われわれは(さいわい)()るでしょう」。
7()(のち)(しゅ)言葉(ことば)がエレミヤに(のぞ)んだ。 8エレミヤはカレヤの()ヨハナンおよび(かれ)(とも)にいる軍勢(ぐんぜい)(ちょう)たち、ならびに(たみ)(もっと)(ちい)さい(もの)から(もっと)(おお)いなる(もの)までことごとく(まね)いて、 9(かれ)らに()った、「あなたがたがわたしをつかわして、あなたの祈願(きがん)をその(まえ)にのべさせたイスラエルの(かみ)(しゅ)はこう()われます、 10もしあなたがたがこの()にとどまるならば、わたしはあなたがたを()てて(たお)すことなく、あなたがたを()えて()くことはしない。わたしはあなたがたに(わざわい)(くだ)したことを()いているからである。 11(しゅ)()われる、あなたが(おそ)れているバビロンの(おう)(おそ)れてはならない。(かれ)(おそ)れてはならない、わたしが(とも)にいて、あなたがたを(すく)い、(かれ)()から(たす)()すからである。 12わたしはあなたがたをあわれみ、また(かれ)にあなたがたをあわれませ、あなたがたを自分(じぶん)()にとどまらせる。 13しかし、もしあなたがたが、『われわれはこの()にとどまらない』といって、あなたがたの(かみ)(しゅ)(こえ)にしたがわず、 14また、『いいえ、われわれはあの戦争(せんそう)()ず、ラッパの(こえ)()かず、食物(しょくもつ)(とぼ)しくないエジプトの()()って、あそこに()まおう』と()うならば、 15あなたがた、ユダの(のこ)っている(もの)たちよ、(しゅ)言葉(ことば)()きなさい。万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)はこう()われる、もしあなたがたがむりにエジプトへ()ってそこに()むならば、 16あなたがたの(おそ)れているつるぎはエジプトの()であなたがたに()いつき、あなたがたの(おそ)れているききんは、すぐあとを()ってエジプトまで()き、その(ところ)であなたがたは()ぬ。 17すべてむりにエジプトへ()ってそこに()(もの)は、つるぎと、ききんと、疫病(えきびょう)()ぬ。わたしが(かれ)らに(くだ)そうとしている(わざわい)をのがれて(のこ)(もの)はそのうちにない。
18万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)はこう()われる、わたしの(いか)りと(いきどお)りとをエルサレムの住民(じゅうみん)(うえ)(そそ)いだように、わたしの(いきどお)りは、あなたがたがエジプトへ()くとき、あなたがたの(うえ)(そそ)ぐ。あなたがたは、のろいとなり、恐怖(きょうふ)となり、ののしりとなり、はずかしめとなる。あなたがたは(ふたた)びこの(ところ)()ることができない。 19ユダの(のこ)っている(もの)たちよ、『エジプトへ()ってはならない』と(しゅ)はあなたがたに()われた。わたしがきょう警告(けいこく)したことを、あなたがたは(たし)かに()らなければならない。 20あなたがたはみずからそむき()って、(いのち)(うしな)った。なぜなら、あなたがたがわたしをあなたがたの(かみ)(しゅ)につかわし、『われわれの(かみ)(しゅ)(いの)り、われわれの(かみ)(しゅ)()われることをことごとく(しめ)してください。われわれはそれを(おこな)います』と()ったので、 21わたしはきょうそれを(しめ)したが、あなたがたはあなたがたの(かみ)(しゅ)(こえ)()かず、(しゅ)がわたしをつかわして(めい)じさせられた(こと)には、すこしも(したが)わなかったからである。 22それゆえ、あなたがたが()って()まうことを(ねが)っているその(ところ)で、あなたがたはつるぎと、ききんと、疫病(えきびょう)()ぬことを(たし)かに()らなければならない」。

第四十三章

1エレミヤがすべての(たみ)にむかって、(かれ)らの(かみ)(しゅ)言葉(ことば)をことごとく(かた)り、(かれ)らの(かみ)(しゅ)自分(じぶん)をつかわして()わせられるその言葉(ことば)をみな()(おわ)った(とき)2ホシャヤの()アザリヤと、カレヤの()ヨハナンおよび高慢(こうまん)人々(ひとびと)はみなエレミヤに()った、「あなたは(いつわ)りを()っている。われわれの(かみ)(しゅ)が、『エジプトへ()ってそこに()むな』と()わせるためにあなたをつかわされたのではない。 3ネリヤの()バルクがあなたをそそのかして、われわれに(さか)らわせ、われわれをカルデヤびとの()(わた)して(ころ)すか、あるいはバビロンに(とら)(うつ)させるのだ」。 4こうしてカレヤの()ヨハナンと軍勢(ぐんぜい)(ちょう)たちおよび(たみ)らは(みな)(しゅ)(こえ)にしたがわず、ユダの()にとどまろうとしなかった。 5そしてカレヤの()ヨハナンと軍勢(ぐんぜい)(ちょう)たちは、ユダに(のこ)っている(もの)すなわち()いやられた国々(くにぐに)からユダの()()むために(かえ)ってきた(もの)、—— 6(おとこ)(おんな)子供(こども)(おう)(むすめ)たち、およびすべて侍衛(じえい)(ちょう)ネブザラダンがシャパンの()であるアヒカムの()ゲダリヤに(わた)しておいた(もの)、ならびに預言者(よげんしゃ)エレミヤとネリヤの()バルクをつれて、 7エジプトの()()った。(かれ)らは(しゅ)(こえ)にしたがわなかったのである。そして(かれ)らはついにタパネスに()った。
8(しゅ)言葉(ことば)はタパネスでエレミヤに(のぞ)んだ、 9(おお)きな(いし)()()り、ユダの人々(ひとびと)()(まえ)で、これをタパネスにあるパロの宮殿(きゅうでん)入口(いりぐち)敷石(しきいし)のしっくいの(なか)(かく)して、 10(かれ)らに()いなさい、『万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)はこう()われる、()よ、わたしは使者(ししゃ)をつかわして、わたしのしもべであるバビロンの(おう)ネブカデレザルを(まね)く。(かれ)はその(くらい)をこの(かく)した(いし)(うえ)にすえ、その(うえ)(おう)天蓋(てんがい)()る。 11(かれ)()てエジプトの()()ち、疫病(えきびょう)(さだ)まっている(もの)疫病(えきびょう)(わた)し、とりこに(さだ)まっている(もの)をとりこにし、つるぎに(さだ)まっている(もの)をつるぎにかける。 12(かれ)はエジプトの神々(かみがみ)(みや)()をつけてこれを()き、(かれ)らをとりこにする。そして(ひつじ)()(もの)着物(きもの)(むし)をはらいきよめるように、エジプトの()をきよめる。(かれ)(やす)らかにそこを()る。 13(かれ)はエジプトの()にあるヘリオポリスのオベリスクをこわし、エジプトの神々(かみがみ)(みや)()()く』」。

第四十四章

1エジプトの()()んでいるユダヤ(ひと)すなわちミグドル、タパネス、メンピス、パテロスの()()(もの)(こと)についてエレミヤに(のぞ)んだ言葉(ことば)2万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)はこう()われる、あなたがたはわたしがエルサレムとユダの町々(まちまち)(くだ)した(わざわい)()た。()よ、これらは今日(こんにち)、すでに()()となって()(ひと)もない。 3これは(かれ)らが(あく)()って、わたしを(いか)らせたことによるのである。すなわち(かれ)らは自分(じぶん)も、あなたがたも、あなたがたの先祖(せんぞ)たちも()らなかった、ほかの神々(かみがみ)()って、(こう)をたき、これに(つか)えた。 4わたしは自分(じぶん)のしもべであるすべての預言者(よげんしゃ)たちを、しきりにあなたがたにつかわして、『どうか、わたしの()みきらうこの(にく)むべき(こと)をしないように』と()わせたけれども、 5(かれ)らは()かず、(みみ)(かたむ)けず、ほかの神々(かみがみ)(こう)をたいて、その(あく)(はな)れなかった。 6それゆえ、わたしは(いか)りと(いきどお)りをユダの町々(まちまち)とエルサレムのちまたに(そそ)ぎ、それを()いたので、それらは今日(こんにち)のように()れ、(ほろ)びてしまった。 7万軍(ばんぐん)(かみ)、イスラエルの(かみ)(しゅ)(いま)こう()われる、あなたがたはなぜ(おお)いなる(あく)()って自分(じぶん)自身(じしん)(がい)し、ユダのうちから、あなたがたの(おとこ)(おんな)と、子供(こども)()のみ()()って、ひとりも(のこ)らないようにしようとするのか。 8なぜあなたがたはその()のわざをもってわたしを(いか)らせ、あなたがたが()って()まうエジプトの()で、ほかの神々(かみがみ)(こう)をたいて自分(じぶん)()(ほろ)ぼし、()万国(ばんこく)のうちに、のろいとなり、はずかしめとなろうとするのか。 9ユダの()とエルサレムのちまたで()ったあなたがたの先祖(せんぞ)たちの(あく)、ユダの(おう)たちの(あく)、その(つま)たちの(あく)、およびあなたがた自身(じしん)(あく)、あなたがたの(つま)たちの(あく)をあなたがたは(わす)れたのか。 10(かれ)らは今日(こんにち)(いた)るまで()いず、また(おそ)れず、あなたがたとあなたがたの先祖(せんぞ)たちの(まえ)()てた、わたしの律法(りっぽう)とわたしの(さだ)めとに(したが)って(あゆ)まないのである。
11それゆえ万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)はこう()われる、()よ、わたしは(かお)をあなたがたに()けて(わざわい)(くだ)し、ユダの人々(ひとびと)をことごとく()つ。 12またわたしは、エジプトの()()むために、むりに()ったあのユダの(のこ)りの(もの)()(のぞ)く。(かれ)らはみな(ほろ)ぼされてエジプトの()(たお)れる。(かれ)らは、つるぎとききんに(ほろ)ぼされ、(もっと)(ちい)さい(もの)から(もっと)(おお)いなる(もの)まで、つるぎとききんによって()ぬ。そして、のろいとなり、恐怖(きょうふ)となり、ののしりとなり、はずかしめとなる。 13わたしはエルサレムを(ばっ)したように、つるぎと、ききんと、疫病(えきびょう)をもってエジプトに()んでいる(もの)(ばっ)する。 14それゆえ、エジプトの()()ってそこに()んでいるユダの(のこ)りの(もの)のうち、のがれ、または(のこ)って、(かえ)()まおうと(ねが)うユダの()(かえ)(もの)はひとりもない。少数(しょうすう)ののがれる(もの)のほかには、(かえ)ってくる(もの)はない」。
15その(とき)自分(じぶん)(つま)がほかの神々(かみがみ)(こう)をたいたことを()っている人々(ひとびと)、およびその(ところ)()っている(おんな)たちの(おお)いなる群衆(ぐんしゅう)、ならびにエジプトの()のパテロスに()んでいる(たみ)はエレミヤに(こた)えて()った、 16「あなたが(しゅ)()によってわたしたちに()べられた言葉(ことば)は、わたしたちは()くことができません。 17わたしたちは(ちか)ったことをみな(おこな)い、わたしたちが、もと()っていたように(こう)天后(てんこう)にたき、また(さけ)をその(まえ)(そそ)ぎます。すなわち、ユダの町々(まちまち)とエルサレムのちまたで、わたしたちとわたしたちの先祖(せんぞ)たちおよびわたしたちの(おう)たちと、わたしたちのつかさたちが()ったようにいたします。その(とき)には、わたしたちは糧食(りょうしょく)には()き、しあわせで、(わざわい)()いませんでした。 18ところが、わたしたちが、天后(てんこう)(こう)をたくことをやめ、(さけ)をその(まえ)(そそ)がなくなった(とき)から、すべての(もの)(とぼ)しくなり、つるぎとききんに(ほろ)ぼされました」。 19また(おんな)たちは()った、「わたしたちが天后(てんこう)(こう)をたき、(さけ)をその(まえ)(そそ)ぐに(あた)って、これにかたどってパンを(つく)り、(さけ)(そそ)いだのは、わたしたちの(おっと)(ゆる)したことではありませんか」。
20そこでエレミヤは男女(だんじょ)のすべての(ひと)、およびこの(こたえ)をしたすべての(たみ)()った、 21「ユダの町々(まちまち)とエルサレムのちまたで、あなたがたとあなたがたの先祖(せんぞ)たち、およびあなたがたの(おう)たちとあなたがたのつかさたち、およびその()(たみ)(こう)をたいたことは、(しゅ)がこれを(わす)れず、また、(こころ)にとどめておられることではないか。 22(しゅ)はあなたがたの()しきわざのため、あなたがたの(にく)むべき(おこな)いのために、もはや(しの)ぶことができなくなられた。それゆえ、あなたがたの()今日(こんにち)のごとく()()となり、(おどろ)きとなり、のろいとなり、()(ひと)のない()となった。 23あなたがたが(こう)をたき、(しゅ)(つみ)(おか)し、(しゅ)(こえ)()(したが)わず、その律法(りっぽう)と、(さだ)めと、あかしに(したが)って(あゆ)まなかったので、今日(こんにち)のようにこの(わざわい)があなたがたに(のぞ)んだのである」。
24エレミヤはまたすべての(たみ)(おんな)たちに()った、「あなたがたすべてエジプトの()にいるユダの人々(ひとびと)よ、(しゅ)言葉(ことば)()きなさい。 25万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)はこう()われる、あなたがたとあなたがたの(つま)たちは(くち)()い、()(おこな)い、『わたしたちは天后(てんこう)(こう)をたき、(さけ)(そそ)いで()てた(ちか)いを(かなら)ずなし()げる』と()う。それならば、あなたがたの(ちか)いをかため、あなたがたの(ちか)いをなし()げなさい。 26それゆえ、あなたがたすべてエジプトの()にいるユダの人々(ひとびと)よ、(しゅ)言葉(ことば)()きなさい。(しゅ)()われる、わたしは自分(じぶん)(おお)いなる()をさして(ちか)う、すなわちエジプトの(ぜん)()に、ユダの人々(ひとびと)で、その(くち)に、『(しゅ)なる(かみ)()きておられる』と()って、わたしの()をとなえるものは、もはやひとりもないようになる。 27()よ、わたしは(かれ)らを見守(みまも)っている、それは(さいわい)(あた)えるためではなく、(わざわい)(くだ)すためである。エジプトの()にいるユダの人々(ひとびと)は、つるぎとききんによって(ほろ)()える。 28しかし、つるぎをのがれるわずかの(もの)はエジプトの()()てユダの()(かえ)る。そしてユダの(のこ)っている(たみ)でエジプトに()()んだ(もの)は、わたしの言葉(ことば)()つか、(かれ)らの言葉(ことば)()つか、いずれであるかを()るようになる。 29(しゅ)()われる、わたしがこの(ところ)であなたがたを(ばっ)するしるしはこれである。わたしはこのようにしてわたしがあなたがたに(わざわい)(くだ)そうと()った(こと)(かなら)()つことを()らせよう。 30すなわち(しゅ)はこう()われる、()よ、わたしはユダの(おう)ゼデキヤを、その(いのち)(もと)める(てき)であるバビロンの(おう)ネブカデレザルの()(わた)したように、エジプトの(おう)パロ・ホフラをその(てき)()、その(いのち)(もと)める(もの)()(わた)す」。

第四十五章

1ユダの(おう)ヨシヤの()エホヤキムの四(ねん)に、ネリヤの()バルクがこれらの言葉(ことば)をエレミヤの口述(こうじゅつ)にしたがって(しょ)にしるした(とき)預言者(よげんしゃ)エレミヤが(かれ)(かた)った言葉(ことば)2「バルクよ、イスラエルの(かみ)(しゅ)はあなたについてこう()われる、 3あなたはかつて、『ああ、わたしはわざわいだ、(しゅ)がわたしの(くる)しみに(かな)しみをお(くわ)えになった。わたしは(なげ)(つか)れて、安息(あんそく)()られない』と()った。 4あなたはこう(かれ)()いなさい、(しゅ)はこう()われる、()よ、わたしは自分(じぶん)()てたものをこわし、自分(じぶん)()えたものを()いている——それは、この(ぜん)()である。 5あなたは自分(じぶん)のために(おお)いなる(こと)(もと)めるのか、これを(もと)めてはならない。()よ、わたしはすべての(ひと)(わざわい)(くだ)そうとしている。しかしあなたの(いのち)はあなたの()くすべての(ところ)で、ぶんどり(もの)としてあなたに(あた)えると(しゅ)()われる」。

第四十六章

1もろもろの(くに)(こと)について預言者(よげんしゃ)エレミヤに(のぞ)んだ(しゅ)言葉(ことば)
2エジプトの(こと)、すなわちユフラテ(かわ)のほとりにあるカルケミシの(ちか)くにいるエジプトの(おう)パロ・ネコの軍勢(ぐんぜい)(こと)について。これはユダの(おう)ヨシヤの()エホヤキムの四(ねん)に、バビロンの(おう)ネブカデレザルが()(やぶ)ったものである。その言葉(ことば)(つぎ)のとおりである、
3大盾(おおだて)小盾(こだて)とを(そな)え、(すす)んで(たたか)え。
4騎兵(きへい)よ、(うま)戦車(せんしゃ)につなぎ、(うま)()れ。
かぶとをかぶって()て。
ほこをみがき、よろいを()よ。
5わたしは()たが、(なに)ゆえか(かれ)らは(おそ)れて退(しりぞ)き、
その勇士(ゆうし)たちは()(やぶ)られ、あわてて()げて、
うしろをふり()くこともしない、——
(おそ)れが(かれ)らの周囲(しゅうい)にあると(しゅ)()われる。
6足早(あしばや)(もの)()げることができず、
勇士(ゆうし)ものがれることができない。
(きた)(ほう)、ユフラテ(かわ)のほとりで
(かれ)らはつまずき(たお)れた。
7あのナイル(かわ)のようにわきあがり、
川々(かわがわ)のように、その(みず)のさかまく(もの)はだれか。
8エジプトはナイル(かわ)のようにわきあがり、
その(みず)川々(かわがわ)のようにさかまく。
そしてこれは()う、わたしは(のぼ)って、()をおおい、
町々(まちまち)とそのうちに()(もの)(ほろ)ぼそう。
9(うま)よ、(すす)め、(くるま)よ、(はげ)しく(はし)れ。
勇士(ゆうし)よ、(たて)()るエチオピヤびとと、プテびとよ、
(ゆみ)(たく)みに()くルデびとよ、(すす)()よ。
10その()万軍(ばんぐん)(かみ)(しゅ)()であって、
(しゅ)があだを(むく)いられる()
その(てき)にあだをかえされる()だ。
つるぎは()べて()き、
(かれ)らの()()う。
万軍(ばんぐん)(かみ)(しゅ)が、(きた)()で、ユフラテ(かわ)のほとりで、
ほふることをなされるからだ。
11おとめなるエジプトの(むすめ)よ、
ギレアデに(のぼ)って乳香(にゅうこう)()れ。
あなたは(おお)くの(くすり)(もち)いても、むだだ。
あなたは、いやされることはない。
12あなたの(はじ)国々(くにぐに)(きこ)えている、
あなたの(さけ)びは()()ちている。
勇士(ゆうし)勇士(ゆうし)につまずいて、(とも)(たお)れたからである」。
13バビロンの(おう)ネブカデレザルが()て、エジプトの()()とうとする(こと)について、(しゅ)預言者(よげんしゃ)エレミヤにお()げになった言葉(ことば)
14「エジプトで()べ、ミグドルで()(しめ)し、
またメンピスとタパネスに()(しめ)して()え、
(かた)()って、(そな)えせよ、
つるぎがあなたの周囲(しゅうい)を、(ほろ)ぼし(つく)すからだ』。
15なぜ、アピスはのがれたのか。
あなたの雄牛(おうし)は、なぜ()たなかったのか。
それは(しゅ)がこれを(たお)されたからだ。
16あなたに(ぞく)する(おお)くの(へい)は、つまずいて(たお)れた。
そして(たがい)()った、『()てよ、
われわれは、しえたげる(もの)のつるぎを()けて、
われわれの(たみ)(かえ)り、故郷(こきょう)()()こう』と。
17エジプトの(おう)パロの()を、
好機(こうき)(いっ)する(さわ)がしい(もの)』と()べ。
18万軍(ばんぐん)(しゅ)という()(おう)()われる、
わたしは()きている、
(かれ)山々(やまやま)のうちのタボルのように、
(うみ)のほとりのカルメルのように(きた)(のぞ)む。
19エジプトに()(たみ)よ、
(とら)われのために荷物(にもつ)(そな)えよ。
メンピスは()()となり、
廃虚(はいきょ)となって()(ひと)もなくなる。
20エジプトは(うつく)しい(めす)()(うし)だ、
しかし(きた)から、(うし)ばえが()て、それにとまった。
21そのうちにいる(やとい)(へい)でさえ、()えた()(うし)のようだ。
(かれ)らはふり(かえ)って(とも)()げ、()つことをしなかった。
(かれ)らの災難(さいなん)()、その(ばっ)せられる(とき)()たからだ。
22(かれ)()()るへびのような(おと)をたてる。
その(てき)軍勢(ぐんぜい)(ひき)いて(かれ)(のぞ)み、
きこりのように、おのをもって()るからだ。
23(かれ)らは(かれ)(はやし)がいかに()()みがたくとも、
それを()(たお)す。
(かれ)らはいなごよりも(おお)く、
(かぞ)えがたいからであると、(しゅ)()われる。
24エジプトの(むすめ)ははずかしめを()け、
(きた)からくる(たみ)()(わた)される」。
25万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)()われた、「()よ、わたしはテーベのアモンと、パロと、エジプトとその神々(かみがみ)とその(おう)たち、すなわちパロと(かれ)(たの)(もの)とを(ばっ)する。 26わたしは(かれ)らを、その(いのち)(もと)める(もの)()と、バビロンの(おう)ネブカデレザルの()と、その家来(けらい)たちの()(わた)す。その(のち)、エジプトは(むかし)のように(ひと)()(ところ)となると、(しゅ)()われる。
27わたしのしもべヤコブよ、(おそ)れることはない、
イスラエルよ、(おどろ)くことはない。
()よ、わたしがあなたを(とお)くから(すく)い、
あなたの子孫(しそん)をその(とら)(うつ)された()から
(すく)うからだ。
ヤコブは(かえ)ってきて、おだやかに、(やす)らかになり、
(かれ)(おそ)れさせる(もの)はない。
28(しゅ)()われる、わたしのしもべヤコブよ、
(おそ)れることはない、わたしが(とも)にいるからだ。
わたしはあなたを()いやった国々(くにぐに)
ことごとく(ほろ)ぼし(つく)す。
しかしあなたを(ほろ)ぼし(つく)すことはしない。
わたしは(ただ)しい(みち)(したが)って、あなたを()らしめる、
(けっ)して(ばっ)しないではおかない」。

第四十七章

1パロがまだガザを()たなかったころ、ペリシテびとの(こと)について預言者(よげんしゃ)エレミヤに(のぞ)んだ(しゅ)言葉(ことば)
2(しゅ)はこう()われる、
()よ、(みず)(きた)から(おこ)り、あふれ(なが)れて、
この()と、そこにあるすべての(もの)
その(まち)と、その(なか)()(もの)とにあふれかかる。
その(とき)人々(ひとびと)(さけ)び、この()()(もの)はみな(なげ)く。
3そのたくましい(うま)のひずめの()()らす(おと)のため、
その戦車(せんしゃ)(ひび)きのため、
その車輪(しゃりん)のとどろきのために、
(ちち)はその()(よわ)くなって、
自分(じぶん)()をも(かえり)みない。
4これは、ペリシテびとを(ほろ)ぼし(つく)し、
ツロとシドンに(のこ)って(たす)けをなす(もの)
ことごとく()やす()()るからである。
(しゅ)はカフトルの海岸(かいがん)(のこ)っている
ペリシテびとを(ほろ)ぼされる。
5ガザには(かみ)をそることが(はじ)まっている。
アシケロンは(ほろ)びた。
アナクびとの(のこ)りの(たみ)よ、
いつまで自分(じぶん)()(きず)つけるのか。
6(しゅ)のつるぎよ、
おまえはいつになれば(しず)かになるのか。
おまえのさやに(かえ)り、(やす)んで(しず)かにしておれ。
7(しゅ)がこれに(いのち)(くだ)されたのだ、
どうして(しず)かにしておれようか。
アシケロンと海岸(かいがん)()()めることを
(さだ)められたのだ」。

第四十八章

1モアブの(こと)について、万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)はこう()われる、
「ああ、ネボはわざわいだ、これは(ほろ)ぼされた。
キリヤタイムははずかしめられて()られ、
とりでは、はずかしめられてこわされた。
2モアブの(ほまれ)は、()()った。
ヘシボンで人々(ひとびと)はモアブの(がい)(はか)り、
『さあ、この(くに)()(ほろ)ぼそう』という。
マデメンよ、おまえもまた(ほろ)ぼされる、
つるぎがおまえを()う。
3ホロナイムから(さけ)(ごえ)(きこ)える、
荒廃(こうはい)(おお)いなる滅亡(めつぼう)だ』という。
4モアブは(ほろ)ぼされ、
(さけ)びはゾアルにまで(きこ)える。
5(かれ)らは()きながらルヒテの(さか)(のぼ)る。
(かれ)らはホロナイムの(くだ)(ざか)で、
滅亡(めつぼう)』の(さけ)びを()いたからだ。
6()げて、自分(じぶん)()(すく)え、
荒野(あらの)()ろばのようになれ。
7おまえが、とりでと財宝(ざいほう)とを(たの)みにしたので、
おまえも(とら)えられるからだ。
またケモシは、その祭司(さいし)とつかさたちと(とも)に、
(とら)えられて()く。
8(ほろ)ぼす(もの)はすべての(まち)()る、
一つの(まち)ものがれることができない。
(たに)(ほろ)び、平地(へいち)(あら)される、
(しゅ)()われたとおりである。
9モアブに(つばさ)(あた)えて、()()らせよ。
その町々(まちまち)()れて、()(もの)はなくなる。
10(しゅ)のわざを(おこな)うことを(おこた)(もの)はのろわれる。またそのつるぎを(おさ)えて()(なが)さない(もの)はのろわれる。
11モアブはその(おさな)(とき)から(やす)らかで、
(さけ)が、(しず)んだおりの(うえ)にとどまって、
(うつわ)から(うつわ)に、くみ(うつ)されなかったように、
(とら)(うつ)されなかったので、
その(あじ)はなお(そん)し、その香気(こうき)(かわ)ることがない。
12(しゅ)()われる、それゆえ()よ、わたしがこれを(かたむ)ける(もの)どもをつかわす()()る。(かれ)らはこれを(かたむ)け、その(うつわ)をあけ、そのかめを(くだ)く。 13その(とき)モアブはケモシのために(はじ)をかく。ちょうどイスラエルの(いえ)がその(たの)みとしたベテルのために(はじ)をかいたようになる。
14あなたがたはどうして
『われわれは勇士(ゆうし)だ。(つよ)戦士(せんし)だ』というのか。
15モアブとその町々(まちまち)(ほろ)ぼす(もの)(のぼ)って()
モアブのえり()きの若者(わかもの)たちは(くだ)って(ころ)されたと
万軍(ばんぐん)(しゅ)()のる(おう)()われる。
16モアブの災難(さいなん)(ちか)づいている、
その苦難(くなん)はすみやかに()る。
17すべてその周囲(しゅうい)にある(もの)よ、
またその()()(もの)よ、
(かれ)のために(なげ)いて、
『ああ、(つよ)(しゃく)(うるわ)しきつえは、
ついに()れた』と()え。
18デボンに()(もの)よ、ああなたの(さか)えを(はな)れて(くだ)り、かわいた()()せよ。
モアブを(ほろ)ぼす(もの)があなたに()めのぼって()て、
あなたの(しろ)(ほろ)ぼしたからだ。
19アロエルに()(もの)よ、
(みち)のかたわらに()って見張(みは)りし、
()げてくる(おとこ)、のがれてくる(おんな)(たず)ねて、
(なに)(おこ)ったのか』と()え。
20モアブは(やぶ)れて、(はじ)をこうむっている。
(なげ)()ばわれ。
アルノン(かわ)のほとりで、
モアブは(ほろ)ぼされたと()げよ。
21さばきは高原(こうげん)()(のぞ)み、ホロン、ヤハズ、メパアテ、 22デボン、ネボ、ベテ・デブラタイム、 23キリヤタイム、ベテ・ガムル、ベテ・メオン、 24ケリオテ、ボズラなどモアブの()のすべての(まち)の、(とお)いものにも(ちか)いものにも、(のぞ)んだ。 25モアブの(つの)(くだ)け、その(うで)()れたと(しゅ)()われる。
26モアブを()わせよ、(かれ)(しゅ)(てき)して(みずか)(たか)ぶったからである。モアブは自分(じぶん)()いた(もの)(なか)にころがって、(わら)(ぐさ)となる。 27イスラエルはあなたの(わら)(ぐさ)ではなかったか。あなたが、(かれ)のことを(かた)るごとに(くび)()ったのは、(かれ)盗賊(とうぞく)(なか)にいたとでもいうのか。
28モアブに()(もの)よ、(まち)()って(いわ)(あいだ)()め。
(たに)入口(いりぐち)のかたわらに()(つく)
(やま)ばとのようにせよ。
29われわれはモアブの高慢(こうまん)(こと)()いた、
その高慢(こうまん)は、はなはだしい。
すなわち、その尊大(そんだい)高慢(こうまん)横柄(おうへい)
およびその(こころ)(たか)ぶりのことを()いた。
30(しゅ)()われる、わたしは(かれ)横着(おうちゃく)なのを()る、
(かれ)自慢(じまん)(いつわ)りで、その(おこな)いも(いつわ)りである。
31それゆえ、わたしはモアブのために(なげ)き、
モアブの(ぜん)()のために()ばわる。
キルヘレスの人々(ひとびと)のためにわたしは(かな)しむ。
32シブマのぶどうの()よ、
わたしはヤゼルのために()くのにまさって
おまえのために()く。
おまえのつるは()びて(うみ)()え、ヤゼルに(およ)んだ。
おまえの(なつ)()と、その収穫(しゅうかく)(ほろ)ぼす(もの)
(おそ)ってきた。
33(よろこ)びと(たの)しみは、(みの)(おお)いモアブの()()った。
わたしは、ぶどうをしぼる(ところ)にも(さけ)をなくした。
(たの)しく()ばわって、ぶどうを()(もの)もなくなった。
()ばわっても、(よろこ)んで()ばわる(こえ)ではない。
34ヘシボンとエレアレは(さけ)ぶ。ヤハヅに(いた)るまで、ゾアルからホロナイムとエグラテ・シリシヤに(いた)るまで、(かれ)らはその(こえ)をあげる。ニムリムの(みず)()えたからである。 35(しゅ)()われる、わたしは犠牲(ぎせい)(たか)(ところ)にささげ、(こう)をその(かみ)にたく(もの)をモアブのうちに(ほろ)ぼす。 36それゆえ、わたしの(こころ)はモアブのために(ふえ)のように(なげ)き、わたしの(こころ)はキルヘレスの人々(ひとびと)のために(ふえ)のように(なげ)く。(かれ)らの()(とみ)()えうせたからである。
37(ひと)はみな(かみ)をそり、(みな)ひげをそり、みな()(きず)をつけ、(こし)荒布(あらぬの)()ける。 38モアブではどこの屋根(やね)(うえ)も、広場(ひろば)も、ただ(かな)しみに(つつ)まれている。これは、わたしが、だれもほしがらない(うつわ)のようにモアブを(くだ)いたからであると(しゅ)()われる。 39ああ、モアブはついに(ほろ)びた。人々(ひとびと)(なげ)く。ああ、モアブは()じて(かお)をそむけた。モアブはその周囲(しゅうい)のすべての(もの)(わら)(ぐさ)となり(おそ)れとなった」。
40(しゅ)はこう()われる、
()よ、(てき)はわしのように(はや)()んできて、
モアブに()かって(つばさ)をのべる。
41町々(まちまち)()られ、(しろ)(うば)われる。
その()モアブの勇士(ゆうし)(こころ)
()()(おんな)(こころ)のようになる。
42モアブは(ほろ)ぼされて、(くに)()さないようになる。
(しゅ)(てき)して(みずか)(ほこ)ったからである。
43(しゅ)()われる、
モアブに()(もの)よ、
(おそ)れと、(あな)と、わなとがあなたに(のぞ)んでいる。
44(おそ)れをさけて()げる(もの)(あな)におちいり、
(あな)をよじ(のぼ)って()(もの)は、わなに(とら)えられる。
わたしがモアブに、その(ばっ)せられる(とし)に、
これらのものを(のぞ)ませるからであると
(しゅ)()われる。
45()げた(もの)はヘシボンの(かげ)に、(ちから)なく()ちどまる。
ヘシボンから()()、シホンの(いえ)から(ほのお)()て、
モアブの(ひたい)(さわ)人々(ひとびと)(あたま)(いただき)()いたからだ。
46モアブよ、おまえはわざわいだ。
ケモシの(たみ)(ほろ)びた。
おまえのむすこらは(とら)(うつ)され、
おまえの(むすめ)らも(とら)()かれたからである。
47しかし(すえ)()にわたしは(ふたた)びモアブを(さか)えさせると
(しゅ)()われる」。
ここまではモアブのさばきの(こと)をいったのである。

第四十九章

1アンモンびとについて、
(しゅ)はこう()われる、
「イスラエルには()がないのか、世継(よつ)ぎがないのか。
どうしてミルコムがガドを()()して、
その(たみ)がその町々(まちまち)()んでいるのか。
2(しゅ)()われる、
それゆえ、()よ、アンモンびとのラバを()める
(たたか)いの(さけ)びを、わたしが(きこ)えさせる()()る。
ラバは荒塚(あれづか)となり、その村々(むらむら)()()かれる。
そのときイスラエルは自分(じぶん)()()した(もの)どもを
()()すと(しゅ)()われる。
3ヘシボンよ(なげ)け、アイは(ほろ)ぼされた。
ラバの(むすめ)たちよ()ばわれ。
荒布(あらぬの)()にまとい、(かな)しんで、
まがきのうちを(はし)りまわれ。
ミルコムとその祭司(さいし)およびつかさが
(とも)(とら)(うつ)されるからだ。
4不信(ふしん)(むすめ)よ、
あなたはなぜ自分(じぶん)(たに)(こと)(ほこ)るのか。
あなたは自分(じぶん)(とみ)()(たよ)んで、
『だれがわたしに()めてくるものか』と()う。
5(しゅ)なる万軍(ばんぐん)(かみ)()われる、
()よ、わたしはあなたの(うえ)(おそ)れを(のぞ)ませる、
それはあなたの周囲(しゅうい)(もの)から()る。
あなたは()われて、おのおの(ただ)ちに他人(たにん)(つづ)き、
()げる(もの)(あつ)める(ひと)もない。
6しかし、のちになって、わたしはアンモンびとを(ふたた)(さか)えさせると、(しゅ)()われる」。
7エドムの(こと)について、万軍(ばんぐん)(しゅ)はこう()われる、
「テマンには、もはや知恵(ちえ)がないのか。
さとい(もの)には(はか)りごとがなくなったのか。
その知恵(ちえ)()えうせたのか。
8デダンに()(もの)よ、
()げよ、のがれよ、(ふか)(ところ)(かく)れよ。
わたしがエサウの災難(さいなん)(かれ)(うえ)(のぞ)ませ、
(かれ)(ばっ)する(とき)をこさせるからだ。
9ぶどうを(あつ)める(もの)があなたの(ところ)()たならば、
すこしの()をも(のこ)さないであろうか。
(よる)(ぬす)びとが()たならば、
自分(じぶん)たちの満足(まんぞく)するだけ(ほろ)ぼさないであろうか。
10しかしわたしはエサウを(はだか)にし、
その(かく)れる(ところ)(あらわ)したので、
(かれ)はその()(かく)すことができない。
その()どもたちも、兄弟(きょうだい)も、(とな)(びと)(ほろ)ぼされる。
そして(かれ)は、いなくなる。
11あなたのみなしごを(のこ)せ、
わたしがそれを()きながらえさせる。
あなたのやもめには、わたしに()(たの)ませよ」。
12(しゅ)はこう()われる、「もし、(さかずき)()むべきでない(もの)もそれを()まなければならなかったとすれば、あなたは(ばつ)(まぬか)れることができようか。あなたは(ばつ)(まぬか)れない。それを()まなければならない。 13(しゅ)()われる、わたしは自分(じぶん)をさして(ちか)った、ボズラは(おどろ)きとなり、ののしりとなり、()()となり、のろいとなる。その町々(まちまち)(なが)()()となる」。
14わたしは(しゅ)からのおとずれを()いた。
ひとりの使者(ししゃ)がつかわされて万国(ばんこく)()き、
そして()った、
「あなたがたは(あつ)まり、()って(かれ)()め、()って(たたか)え。
15()よ、わたしはあなたを万国(ばんこく)のうちに(ちい)さい(もの)とし、
人々(ひとびと)のうちに(いや)しめられる(もの)とする。
16(いわ)()()()み、(やま)(たか)みを()める(もの)よ、
あなたの(おそ)ろしい(こと)と、あなたの(こころ)(たか)ぶりが、
あなたを(あざむ)いた。
あなたは、わたしのように()(たか)(ところ)(つく)っているが、
わたしはその(ところ)からあなたを()りおろすと
(しゅ)()われる。
17エドムは(おそ)れとなる。そのかたわらを(とお)()ぎる(もの)はみな(おそ)れ、その(わざわい)のために、舌打(したう)ちする。 18(しゅ)()われる、ソドムとゴモラとその(となり)町々(まちまち)がくつがえされた(とき)のように、そこに()(ひと)はなく、そこに宿(やど)(ひと)もなくなる。 19()よ、ししがヨルダンの密林(みつりん)から(のぼ)ってきて、じょうぶな(ひつじ)のおりを(おそ)うように、わたしは、たちまち(かれ)らをそこから()(はし)らせ、わたしの(えら)(もの)をその(うえ)()てる。だれかわたしのような(もの)があるであろうか。だれがわたしを()びつけることができようか。どの牧者(ぼくしゃ)がわたしの(まえ)()つことができようか。 20それゆえ、エドムに(たい)して(しゅ)()てた(はか)りごとと、テマンに()(もの)(たい)してしようとする(こと)()くがよい。(かれ)らの()れのうちの(ちい)さいものまでも(みな)()かれて()く。(かれ)らのおりのものもその(おわ)りを()(おそ)れる。 21その(たお)れる(おと)()いて、()(ふる)い、(かれ)らの(さけ)(ごえ)紅海(こうかい)にも(きこ)える。 22()よ、(てき)はわしのように(のぼ)り、すみやかに()びかけり、その(つばさ)をボズラの(うえ)()(ひろ)げる。その()エドムの勇士(ゆうし)(こころ)()()(おんな)(こころ)のようになる」。
23ダマスコの(こと)について、
「ハマテとアルパデは、うろたえている、
(かれ)らは(わる)いおとずれを()いたからだ。
(かれ)らは勇気(ゆうき)(うしな)い、
(おだ)やかになることのできない(うみ)のように(なや)む。
24ダマスコは(よわ)り、()をめぐらして()げた、
恐怖(きょうふ)(おそ)われている。
()()(おんな)(のぞ)むように(いた)みと(かな)しみと(かれ)(のぞ)む。
25ああ、()ある(まち)(たの)しい(まち)()てられる。
26それゆえ、その()に、(わか)(もの)は、広場(ひろば)(たお)れ、
兵士(へいし)はことごとく(ほろ)ぼされると
万軍(ばんぐん)(しゅ)()われる。
27わたしはダマスコの城壁(じょうへき)(うえ)()()やし、
ベネハダデの宮殿(きゅうでん)()(つく)す」。
28バビロンの(おう)ネブカデレザルが()()ったケダルとハゾルの諸国(しょこく)(こと)について、
(しゅ)はこう()われる、「()って、ケダルに()かって(すす)み、
(ひがし)人々(ひとびと)(ほろ)ぼせ。
29(かれ)らの天幕(てんまく)と、その(ひつじ)()れとは()られ、
その垂幕(たれまく)とそのもろもろの(うつわ)と、
らくだとは(かれ)らの(ところ)から(はこ)()られ、
人々(ひとびと)(かれ)らに()かって(さけ)ぶ、
(おそ)ろしいことが四方(しほう)にある』と。
30(しゅ)()われる、ハゾルに()(もの)よ、
()げよ、(とお)くさまよい()き、(ふか)(ところ)(かく)れよ。
バビロンの(おう)ネブカデレザルが
あなたがたを()める(はか)りごとをめぐらし、
あなたがたを()める、てだてを(もう)けたからだ。
31(しゅ)()われる、
()って(すす)み、安全(あんぜん)(ところ)()むきらくな(たみ)()めよ、
(かれ)らは(もん)もなく、(かん)()もなく、ひとり(はな)れて()む。
32(かれ)らのらくだは、ぶんどり(もの)となり、
家畜(かちく)()れは(うば)われる。
わたしは、かの(かみ)()のすみずみを()(もの)
四方(しほう)()らし、
その災難(さいなん)八方(はっぽう)からこさせると(しゅ)()われる。
33ハゾルは山犬(やまいぬ)のすまいとなり、
いつまでも()()となっている。
だれもそこに()(ひと)はなく、
そこに宿(やど)(ひと)もない」。
34ユダの(おう)ゼデキヤの治世(ちせい)(はじ)めのころに、エラムの(こと)について預言者(よげんしゃ)エレミヤに(のぞ)んだ(しゅ)言葉(ことば)
35万軍(ばんぐん)(しゅ)はこう()われる、「()よ、わたしはエラムが(ちから)として(たよ)んでいる(ゆみ)()る。 36わたしは(てん)四方(しほう)から、四方(しほう)(かぜ)をエラムにこさせ、(かれ)らを四方(しほう)(かぜ)()らす。エラムから()()される(もの)()かない(くに)はない。 37(しゅ)()われる、わたしはエラムをしてその(てき)(まえ)、またその(いのち)(もと)める(もの)(まえ)(おそ)れさせる。わたしは(わざわい)をくだし、(はげ)しい(いか)りをその(うえ)にくだす。(かれ)らのうしろに、つるぎを(おく)って(ほろ)ぼし(つく)す。 38そしてわたしの(くらい)をエラムにすえ、(おう)とつかさたちとを(ほろ)ぼすと(しゅ)()われる。
39しかし(すえ)()に、わたしはエラムを(ふたた)(さか)えさせると、(しゅ)()われる」。

第五十章

1(しゅ)預言者(よげんしゃ)エレミヤによって(かた)られたバビロンとカルデヤびとの()(こと)についての言葉(ことば)
2国々(くにぐに)のうちに()げ、また()(しめ)せよ、
(はた)()てて、(かく)すことなく()(しめ)して()え、
『バビロンは()られ、ベルははずかしめられ、
メロダクは(くだ)かれ、その(ぞう)ははずかしめられ、
その偶像(ぐうぞう)(くだ)かれる』と。
3それは、(きた)(ほう)から一つの国民(こくみん)がきて、これを()め、その()(あら)して、()(ひと)もないようにするからである。(ひと)(けもの)もみな()()ってしまう。
4(しゅ)()われる、その()その(とき)、イスラエルの(たみ)とユダの(たみ)(とも)(かえ)ってくる。(かれ)らは(なげ)きながら(かえ)ってくる。そしてその(かみ)(しゅ)(もと)める。 5(かれ)らは(かお)をシオンに()けて、その(みち)()い、『さあ、われわれは、永遠(えいえん)(わす)れられることのない契約(けいやく)(むす)んで(しゅ)(つら)なろう』と()う。
6わたしの(たみ)(まよ)える(ひつじ)()れである、その牧者(ぼくしゃ)がこれをいざなって、(やま)()(まよ)わせたので、(やま)から(おか)へと()きめぐり、その(やす)(ところ)(わす)れた。 7これに()(もの)はみなこれを()べた。その(てき)()った、『われわれに(つみ)はない。(かれ)らがそのまことのすみかである(しゅ)先祖(せんぞ)たちの希望(きぼう)であった(しゅ)(たい)して(つみ)(おか)したのだ』と。
8バビロンのうちから()げよ。カルデヤびとの()から()よ。()れの(まえ)()()やぎのようにせよ。 9()よ、わたしは(おお)きい国々(くにぐに)(おこ)(あつ)めて、(きた)()からバビロンに()めこさせる。(かれ)らはこれに()かって(せい)ぞろいをし、これをその(ところ)から()る。(かれ)らの()はむなしく(かえ)らない老練(ろうれん)勇士(ゆうし)のようである。 10カルデヤは(ひと)にかすめられる。これをかすめる(もの)はみな()くことができると、(しゅ)()われる。
11わたしの()(ぎょう)をかすめる(もの)どもよ、
あなたがたは(よろこ)(たの)しみ、
(めす)()(うし)のように(くさ)(たわむ)れ、
()(うま)のように、いなないているが、
12あなたがたの(はは)はいたくはずかしめられ、
あなたがたを()んだ(もの)(はじ)をこうむる。
()よ、彼女(かのじょ)国々(くにぐに)のうちの(もっと)もあとなるものとなり、
かわいた砂原(すなはら)荒野(あらの)となる。
13(しゅ)(いか)りによって、ここに()(もの)はなく、
完全(かんぜん)()()となる。
バビロンのかたわらを(とお)(もの)は、
みなその(きず)()(おどろ)き、かつあざ(わら)う。
14あなたがたすべて(ゆみ)()(もの)よ、
バビロンの周囲(しゅうい)(せい)ぞろいして、これを()め、
()()しまずに、これを()よ、
彼女(かのじょ)(しゅ)(つみ)(おか)したからだ。
15その周囲(しゅうい)(さけ)(ごえ)をあげよ、彼女(かのじょ)降伏(こうふく)した。
そのとりでは(たお)れ、その城壁(じょうへき)はくずれた、
(しゅ)があだをかえされたからだ。
彼女(かのじょ)報復(ほうふく)せよ、彼女(かのじょ)がおこなったように、
これに(おこな)え。
16(たね)まく(もの)と、刈入(かりい)れどきに、かまを()(もの)
バビロンに()やせ。
(ほろ)ぼす(もの)のつるぎを(おそ)れて、
(ひと)はおのおの自分(じぶん)(たみ)(ところ)(かえ)り、
そのふるさとに()げて()く。
17イスラエルは、ししに()われて()った(ひつじ)である。(はじ)めにアッスリヤの(おう)がこれを()い、そして(いま)はついにバビロンの(おう)ネブカデレザルがその(ほね)をかじった。 18それゆえ万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)は、こう()われる、()よ、わたしはアッスリヤの(おう)(ばっ)したように、バビロンの(おう)とその(くに)(ばつ)(くだ)す。 19わたしはイスラエルを(ふたた)びその牧場(まきば)(かえ)らせる。(かれ)はカルメルとバシャンで(くさ)()べる。またエフライムの(やま)とギレアデでその(のぞ)みが()たされる。 20(しゅ)()われる、その()その(とき)には、イスラエルのとがを(さが)しても見当(みあた)らず、ユダの(つみ)(さが)してもない。それはわたしが(のこ)しておく人々(ひとびと)を、ゆるすからである。
21(しゅ)()われる、
(のぼ)って()って、メラタイムの()()め、
ペコデの(たみ)()め、
(かれ)らを(ころ)して(まった)(ほろ)ぼし、
わたしがあなたがたに(めい)じたことを(みな)(おこな)いなさい。
22その()に、いくさの(さけ)びと、(おお)いなる(ほろ)びがある。
23ああ、(ぜん)()(くだ)いた(つち)はついに()(くだ)ける。
ああ、バビロンはついに国々(くにぐに)のうちの
(おそ)るべき()ものとなる。
24バビロンよ、
わたしは、おまえを(とら)えるためにわなをかけたが、
おまえはそれにかかった。
そしておまえはそれを()らなかった。
おまえは(しゅ)(てき)したので、(たず)()され、(とら)えられた。
25(しゅ)武器(ぶき)(くら)(ひら)いて
その(いか)りの武器(ぶき)()()された。
(しゅ)なる万軍(ばんぐん)(かみ)が、
カルデヤびとの()(こと)(おこな)われるからである。
26あらゆる方面(ほうめん)からきて、これを()め、
その穀倉(こくぐら)(ひら)き、
これを穀物(こくもつ)(やま)のように()()げ、
完全(かんぜん)(ほろ)ぼし(つく)し、そこに(のこ)(もの)のないようにせよ。
27その雄牛(おうし)をことごとく(ころ)せ、
それを、ほふり()(くだ)らせよ。
それらのものはわざわいだ、
その()、その(ばつ)()ける(とき)がきたからだ。
28()けよ、バビロンの()から()げ、のがれてきた(もの)(こえ)がする。われわれの(かみ)(しゅ)報復(ほうふく)、その(みや)報復(ほうふく)(こと)をシオンに()(しめ)す。
29(ゆみ)()射手(いて)をことごとく()(あつ)めて、バビロンを()めよ。その周囲(しゅうい)(じん)()け。ひとりも逃が(にが)すな。そのしわざにしたがってバビロンに(むく)い、これがおこなった(ところ)にしたがってこれに(おこな)え。(かれ)がイスラエルの聖者(せいじゃ)である(しゅ)()かって高慢(こうまん)にふるまったからだ。 30それゆえ、その()(わか)(もの)は、広場(ひろば)(たお)れ、兵士(へいし)はみな()やされると(しゅ)()われる。
31(しゅ)なる万軍(ばんぐん)(かみ)()われる、
(たか)ぶる(もの)よ、()よ、わたしはおまえの(てき)となる、
あなたの()、わたしがおまえを(ばっ)する(とき)()た。
32(たか)ぶる(もの)はつまずき(たお)れる、
これを(たす)(おこ)すものはない。
わたしはその町々(まちまち)()()やして、
その周囲(しゅうい)(もの)をことごとく()(つく)す。
33万軍(ばんぐん)(しゅ)はこう()われる、イスラエルの(たみ)とユダの(たみ)(とも)にしえたげられている。(かれ)らをとりこにした(もの)はみな(かれ)らを(かた)(まも)って釈放(しゃくほう)することを(こば)む。 34(かれ)らをあがなう(もの)(つよ)く、その()万軍(ばんぐん)(しゅ)といわれる。(かれ)(かなら)(かれ)らの(うった)えをただし、この()(やす)きを(あた)えるが、バビロンに()(もの)には不安(ふあん)(あた)えられる。
35(しゅ)()われる、
カルデヤびとの(うえ)とバビロンに()(もの)(うえ)
そのつかさたち、その知者(ちしゃ)たちの(うえ)につるぎが(のぞ)む。
36(うらな)()(うえ)につるぎが(のぞ)み、(かれ)らは(おろ)(もの)となる。
その勇士(ゆうし)(うえ)につるぎが(のぞ)み、(かれ)らは(ほろ)ぼされる。
37その(うま)(うえ)と、その(くるま)(うえ)につるぎが(のぞ)み、
またそのうちにあるすべての(やとい)(へい)(うえ)(のぞ)み、
(かれ)らは(おんな)のようになる。
その財宝(ざいほう)(うえ)につるぎが(のぞ)み、それはかすめられる。
38その(みず)(うえ)に、ひでりが()て、それはかわく。
それは、この()偶像(ぐうぞう)()であって、
人々(ひとびと)偶像(ぐうぞう)(こころ)(くる)っているからだ。
39それゆえ、()(けもの)山犬(やまいぬ)とは(とも)にバビロンにおり、だちょうもそこに()む。しかし、いつまでもその()()(ひと)はなく、世々(よよ)ここに()(ひと)はない。 40(しゅ)()われる、(かみ)がソドムとゴモラと、その(となり)町々(まちまち)(ほろ)ぼされたように、そこに()(ひと)はなく、そこに宿(やど)(ひと)()はない。
41()よ、一つの(たみ)(きた)(ほう)から()る。
(おお)いなる(くに)(おお)くの(おう)
()(はて)から()()がっている。
42(かれ)らは(ゆみ)と、やりを()る。
残忍(ざんにん)で、あわれみがなく、
その(ひび)きは(うみ)()りとどろくようである。
バビロンの(むすめ)よ、(かれ)らは(うま)()り、
いくさびとのように()をよろって、
あなたを()める。
43バビロンの(おう)はそのうわさを()いて、
その()(よわ)り、()()(おんな)(のぞ)むような
(いた)みと(くる)しみに(せま)られた。
44()よ、ししがヨルダンの密林(みつりん)から(のぼ)ってきて、じょうぶな(ひつじ)のおりを(おそ)うように、わたしは、たちまち(かれ)らをそこから()()らせる。そしてわたしの(えら)(もの)をその(うえ)()てる。だれかわたしのような(もの)があるであろうか。だれがわたしを()びつけることができようか。どの牧者(ぼくしゃ)がわたしの(まえ)()つことができようか。 45それゆえ、バビロンに(たい)して(しゅ)()てた(はか)りごとと、カルデヤびとの()(たい)してしようとする(こと)()くがよい。(かれ)らの()れのうちの(ちい)さい(もの)は、かならず()かれて()く。(かれ)らのおりのものも(かなら)ずその(おわ)りを()(おそ)れる。 46バビロンが()られたとの(こえ)によって()(ふる)い、その(さけ)びは国々(くにぐに)のうちに(きこ)える」。

第五十一章

1(しゅ)はこう()われる、
()よ、わたしは、(ほろ)ぼす(もの)(こころ)(ふる)(おこ)して、
バビロンを()め、カルデヤに()(もの)()めさせる。
2わたしはバビロンに、あおぎ()ける(もの)をつかわす。
(かれ)らは、その(わざわい)()に、四方(しほう)からこれを()め、
それをあおぎ()けて、その()をむなしくする。
3射手(いて)にはその(ゆみ)()らせることなく、
よろいを()()()がらせるな。
その(わか)(もの)をあわれむことなく、その軍勢(ぐんぜい)をことごとく(ほろ)ぼせ。
4(かれ)らはカルデヤびとの()(ころ)されて(たお)れ、
そのちまたに(きず)ついて(たお)れる。
5イスラエルとユダは
その(かみ)万軍(ばんぐん)(しゅ)()てられてはいないが、
しかしカルデヤびとの()には
イスラエルの聖者(せいじゃ)()かって(おか)した(つみ)
()ちている。
6バビロンのうちからのがれ()て、
おのおのその(いのち)(すく)え。
その(ばつ)にまきこまれて()(ほろ)ぼされてはならない。
(いま)(しゅ)があだを(かえ)される(とき)だから、
それに報復(ほうふく)をされるのである。
7バビロンは(しゅ)()のうちにある(きん)(さかずき)であって、
すべての()()わせた。
国々(くにぐに)はその(さけ)()んだので、国々(くにぐに)(くる)った。
8バビロンはたちまち(たお)れて(やぶ)れた。
これがために(なげ)け。
その(きず)のために乳香(にゅうこう)()れ。
あるいは、いえるかも()れない。
9われわれはバビロンをいやそうとしたが、
これはいえなかった。
われわれはこれを()てて、
おのおの自分(じぶん)(くに)(かえ)ろう。
その(ばつ)(てん)(たっ)し、
(くも)にまで(およ)んでいるからだ。
10(しゅ)はわれわれの(ただ)しいことを(あき)らかにされた。
さあ、われわれはシオンで、
われわれの(かみ)(しゅ)のみわざを()(しめ)そう。
11()をとぎ、
(たて)()れ。(しゅ)はメデアびとの(おう)たちの(こころ)()()てられる。(しゅ)のバビロンに(おも)(はか)ることは、これを(ほろ)ぼすことであり、(しゅ)があだを(かえ)し、その(みや)のあだを(かえ)されるのである。
12バビロンの城壁(じょうへき)()かって(はた)()て、
見張(みは)りを強固(きょうこ)にし、番兵(ばんぺい)()き、伏兵(ふくへい)(そな)えよ。
(しゅ)がバビロンに()(もの)()めようと(はか)り、
その()われたことを、いま(おこな)われるからだ。
13(おお)くの(みず)のほとりに()み、
(おお)くの財宝(ざいほう)()(もの)よ、
あなたの(おわ)りが()て、その(いのち)(いと)()たれる。
14万軍(ばんぐん)(しゅ)はみずからをさして(ちか)い、()われる、
わたしは(かなら)ずあなたのうちに、
(ひと)をいなごのように()たす。
(かれ)らはあなたに()かって、かちどきの(こえ)をあげる。
15(しゅ)はその(ちから)をもって()(つく)り、
その知恵(ちえ)をもって世界(せかい)()て、
その(さと)りをもって(てん)をのべられた。
16(かれ)(こえ)()されると、
(てん)(おお)くの(みず)のざわめきがあり、
また()(はて)から(きり)()ちあがらせられる。
(かれ)(あめ)のためにいなびかりをおこし、
その(くら)から(かぜ)()()される。
17すべての(ひと)(おろ)かで知恵(ちえ)がなく、
すべての(きん)細工人(ざいくにん)
その(つく)った偶像(ぐうぞう)のために(はじ)をこうむる。
その偶像(ぐうぞう)(いつわ)(もの)で、
そのうちに(いき)がないからだ。
18それらは、むなしいもの、(まよ)いのわざである。
(ばっ)せられる(とき)になれば(ほろ)びるものである。
19ヤコブの(ぶん)である(かれ)はこのようなものではない、
(かれ)万物(ばんぶつ)(つく)(ぬし)だからである。
イスラエルは(かれ)()(ぎょう)としての部族(ぶぞく)である。
(かれ)()万軍(ばんぐん)(しゅ)という。
20おまえはわたしの(つち)であり、(たたか)いの武器(ぶき)である。
わたしはおまえをもってすべての(くに)(くだ)き、
おまえをもって万国(ばんこく)(ほろ)ぼす。
21おまえをもってわたしは(うま)と、その騎手(きしゅ)とを(くだ)き、
おまえをもって戦車(せんしゃ)とそれに()(もの)とを(くだ)く。
22わたしはおまえをもって(おとこ)(おんな)とを(くだ)き、
おまえをもって()いた(もの)(おさな)(もの)とを(くだ)き、
おまえをもって(わか)(もの)と、おとめとを(くだ)く。
23わたしはおまえをもって、
羊飼(ひつじかい)と、その()れとを(くだ)き、
おまえをもって農夫(のうふ)と、くびきを()家畜(かちく)とを(くだ)き、
おまえをもっておさたちと、つかさたちとを(くだ)く。
24わたしはバビロンとカルデヤに()むすべての(もの)とに、(かれ)らがシオンで()ったもろもろの()しき(こと)のために、あなたがたの()(まえ)(むく)いをすると、(しゅ)()われる。
25(しゅ)()われる、
(ぜん)()(ほろ)ぼし(つく)(ほろ)ぼしの(やま)よ、
()よ、わたしはおまえの(てき)となる、
わたしは()をおまえの(うえ)()べて、
おまえを(いわ)からころばし、
おまえを()(やま)にする。
26(しゅ)()われる、
(ひと)がおまえから(いし)()って、(すみ)(いし)とすることなく、
また(いしずえ)とすることもない。
おまえはいつまでも()()となっている。
27()(はた)()て、国々(くにぐに)のうちにラッパを()き、
国々(くにぐに)(たみ)(あつ)めてそれを()め、
アララテ、ミンニ、アシケナズの国々(くにぐに)をまねいて
それを()め、
(ぐん)(ちょう)()ててそれを()め、
(むら)がるいなごのように(うま)(のぼ)()かせよ。
28国々(くにぐに)(たみ)(あつ)めてそれを()め、
メデアびとの(おう)たちと、
そのおさたち、つかさたち、
およびすべての領地(りょうち)人々(ひとびと)(あつ)めてこれを()めよ。
29その()(ふる)い、かつもだえ(くる)しむ、
(しゅ)がその(おも)(はか)ることをバビロンにおこない、
バビロンの()を、()(ひと)なき()()とされるからだ。
30バビロンの勇士(ゆうし)たちは(たたか)いをやめて、
その(しろ)にこもり、(ちから)はうせて、(おんな)のようになる。
その(いえ)()け、その(かん)()(くだ)かれる。
31飛脚(ひきゃく)(はし)って飛脚(ひきゃく)()い、使者(ししゃ)(はし)って使者(ししゃ)()い、
バビロンの(おう)()げて、(まち)はことごとく()られ、
32(わた)()(うば)われ、とりでは()()かれ、
兵士(へいし)はおびえていると()う。
33万軍(ばんぐん)(しゅ)、イスラエルの(かみ)はこう()われる、
バビロンの(むすめ)は、()()のようだ、
その()まれる(とき)()たのだ。
しばらくしてその()()られる(とき)()る」。
34「バビロンの(おう)ネブカデレザルはわたしを()(つく)し、
わたしを(ほろ)ぼし、わたしを、からの(うつわ)のようにし、
(りゅう)のようにわたしを()み、
わたしのうまい(もの)でその(はら)()たし、
わたしを(あら)いざらいにした。
35わたしとわたしの肉親(にくしん)におこなった暴虐(ぼうぎゃく)は、
バビロンにふりかかる」と
シオンに()(もの)()わなければならない。
「わたしの()はカルデヤに()(もの)にふりかかる」と
エルサレムは()わなければならない。
36それゆえ(しゅ)はこう()われる、
()よ、わたしはあなたの(うった)えをただし、
あなたのためにあだを(かえ)す。
わたしはバビロンの(うみ)をかわかし、
その(いずみ)をかわかす。
37バビロンは荒塚(あれづか)となり、山犬(やまいぬ)のすまいとなり、
(おどろ)きとなり、(わら)いとなり、
()(ひと)のない(ところ)となる。
38(かれ)らはししのように(とも)にほえ、
(わか)いししのようにほえる。
39(かれ)らの(よく)()えている(とき)
わたしは(うたげ)(もう)けて(かれ)らを()わせ、
(かれ)らがついに()(うしな)って、ながい(ねむ)りにいり、
もはや()をさますことのないようにしようと
(しゅ)()われる。
40わたしは(かれ)らを小羊(こひつじ)のように、
また雄羊(おひつじ)()やぎのように、ほふり()(くだ)らせよう。
41ああ、バビロンはついに()られた、
(ぜん)()(ひと)の、ほめたたえた(もの)(とら)えられた。
ああ、バビロンはついに国々(くにぐに)のうちに(おどろ)きとなった。
42(うみ)はバビロンにあふれかかり、
どよめく(なみ)におおわれた。
43その町々(まちまち)()れて、
かわいた()となり、砂原(すなはら)となり、
()(ひと)のない()となる。
(ひと)()はひとりとしてそこを()ぎることはない。
44わたしはバビロンでベルを(ばっ)し、
そののみこんだものを(くち)から()()す。
国々(くにぐに)(かわ)のように(かれ)(なが)()ることはなくなる。
バビロンの城壁(じょうへき)(たお)れた。
45わが(たみ)よ、あなたがたはその(なか)から()て、
おのおの(しゅ)(はげ)しい(いか)りを(まぬか)れ、その(いのち)(すく)え。
46(こころ)(よわ)くしてはならない、
この()()くうわさを(おそ)れてはならない。
うわさはこの(とし)にもくれば、また(つぎ)(とし)にもくる。
この()暴虐(ぼうぎゃく)があり、
つかさとつかさとが()めあうことがある。
47それゆえ()よ、
わたしがバビロンの偶像(ぐうぞう)(ばっ)する()()る。
その(ぜん)()ははずかしめられ、
その(ころ)される(もの)はみなその(なか)(たお)れる。
48(てん)()とそのうちにあるすべてのものは
バビロンの(こと)(よろこ)(うた)う。
(ほろ)ぼす(もの)(きた)(ほう)からここに()るからであると
(しゅ)()われる。
49イスラエルの(ころ)された(もの)たちのために、
バビロンは(たお)れなければならない、
バビロンのために(ぜん)()(ころ)された(もの)(たお)れたのだ。
50つるぎをのがれてきたあなたがたは、
()け、()ちとどまってはならない。
(とお)くから(しゅ)(おぼ)え、
エルサレムを(こころ)にとめよ。
51『われわれはののしりを()いたので、()じている。
異邦人(いほうじん)(しゅ)(みや)聖所(せいじょ)にはいったので、
(はじ)がわれわれの(かお)をおおった』。
52(しゅ)()われる、
それゆえ()よ、わたしがその偶像(ぐうぞう)(ばっ)する()()る、
(きず)つけられた(もの)が、その全国(ぜんこく)にうめくようになる。
53たといバビロンが(てん)(のぼ)っても、
その(しろ)(たか)くして(かた)めても、
(ほろ)ぼす(もの)はわたしから()て、
これに(のぞ)むと(しゅ)()われる。
54()け、バビロンの(さけ)びを、
カルデヤびとの()(おこ)(おお)いなる(ほろ)びの(さわ)(こえ)を。
55(しゅ)がバビロンを(ほろ)ぼし、
その(おお)いなる(こえ)()やされるのだ。
その(なみ)大水(おおみず)のように()りとどろき、
その(こえ)はひびき(わた)る。
56(ほろ)ぼす(もの)がこれに(のぞ)み、バビロンに()た。
その勇士(ゆうし)たちは(とら)えられ、その(ゆみ)()られる。
(しゅ)(むく)いをする(かみ)であるから(かなら)(むく)いられるのだ。
57わたしはその(きみ)たちと知者(ちしゃ)たち、
おさたち、つかさたち、および勇士(ゆうし)たちを()わせる。
(かれ)らは、ながい(ねむ)りにいり、()をさますことはない。
万軍(ばんぐん)(しゅ)()ばれる(おう)がこれを()わせる。
58万軍(ばんぐん)(しゅ)はこう()われる、
バビロンの(ひろ)城壁(じょうへき)()にくずされ、
その(たか)(もん)()()かれる。
こうして(たみ)労苦(ろうく)はむなしくなり、
国民(こくみん)はただ()のために(つか)れる」。
59マアセヤの()であるネリヤの()セラヤが、ユダの(おう)ゼデキヤと(とも)に、その治世(ちせい)の四(ねん)にバビロンへ()くとき、預言者(よげんしゃ)エレミヤがセラヤに(めい)じた言葉(ことば)。セラヤは宿営(しゅくえい)(ちょう)であった。 60エレミヤはバビロンに(のぞ)もうとするすべての(わざわい)巻物(まきもの)にしるした。これはすなわちバビロンの(こと)についてしるしたすべての言葉(ことば)である。 61エレミヤはセラヤに()った、「あなたはバビロンへ()ったならば、(わす)れることなくこのすべての言葉(ことば)()み、 62そして()いなさい、『(しゅ)よ、あなたはこの(ところ)(ほろ)ぼし、(ひと)(けもの)とを()わず、すべてここに()(もの)のないようにし、永久(えいきゅう)にここを()()としようと、この(ところ)について(かた)られました』と。 63あなたがこの巻物(まきもの)()(おわ)ったならば、これに(いし)をむすびつけてユフラテ(かわ)(なか)()げこみ、 64そして()いなさい、『バビロンはこのように(しず)んで、二()()がってこない。わたしがこれに(わざわい)(くだ)すからである』と」。ここまではエレミヤの言葉(ことば)である。

第五十二章

1ゼデキヤは(おう)となったとき二十一(さい)であったが、エルサレムで十一(ねん)()(おさ)めた。(はは)()はハムタルといい、リブナのエレミヤの(むすめ)である。 2ゼデキヤはエホヤキムがすべて()ったように、(しゅ)()(まえ)悪事(あくじ)(おこな)った。 3たしかに、(しゅ)(いか)りによって、エルサレムとユダとは、そのみ(まえ)から()()られるようなことになった。
そしてゼデキヤはバビロンの(おう)にそむいた。 4そこで(かれ)治世(ちせい)の九(ねん)(がつ)()に、バビロンの(おう)ネブカデレザルはその軍勢(ぐんぜい)(ひき)い、エルサレムにきて、これを包囲(ほうい)し、周囲(しゅうい)(るい)(きず)いてこれを()めた。 5こうしてこの(まち)()(かこ)まれて、ゼデキヤ(おう)の十一(ねん)にまで(およ)んだが、 6その四(がつ)()になって、(まち)(なか)食糧(しょくりょう)は、はなはだしく欠乏(けつぼう)し、その()(たみ)食物(しょくもつ)()ることができなくなった。 7そして(まち)城壁(じょうへき)はついに()(やぶ)られたので、兵士(へいし)たちはみな()げ、(よる)のうちに、(おう)(その)(ちか)くの、二つの城壁(じょうへき)(あいだ)(もん)から(まち)をのがれ()て、カルデヤびとが、(まち)()(かこ)んでいるうちに、アラバの(ほう)()ちて()った。 8しかしカルデヤびとの軍勢(ぐんぜい)(おう)()って()って、エリコの平地(へいち)でゼデキヤに()いついたが、(かれ)軍勢(ぐんぜい)がみな()って(かれ)のそばを(はな)れたので、 9カルデヤびとは(おう)(とら)え、ハマテの()のリブラにいるバビロンの(おう)のもとに()いていったので、(おう)(かれ)(つみ)(さだ)めた。 10すなわちバビロンの(おう)はゼデキヤの()たちをその()(まえ)(ころ)させ、ユダのつかさたちをことごとくリブラで(ころ)させ、 11またゼデキヤの()をつぶさせた。そしてバビロンの(おう)(かれ)(くさり)につないでバビロンへ()れて()き、その()()まで獄屋(ごくや)()れて()いた。
12(がつ)()に、——それはバビロンの(おう)ネブカデレザルの()の十九(ねん)であった——バビロンの(おう)(つか)える侍衛(じえい)(ちょう)ネブザラダンはエルサレムに、はいって、 13(しゅ)(みや)(おう)宮殿(きゅうでん)()き、エルサレムのすべての(いえ)()いた。(かれ)(おお)きな(いえ)をみな()きはらった。 14また侍衛(じえい)(ちょう)(とも)にいたカルデヤびとの軍勢(ぐんぜい)は、エルサレムの周囲(しゅうい)城壁(じょうへき)をみな()りこわした。 15そして侍衛(じえい)(ちょう)ネブザラダンは(たみ)のうちの(もっと)(まず)しい(もの)若干(じゃっかん)、そのほか(まち)のうちに(のこ)った(もの)、およびバビロンの(おう)にくだった(ひと)、その()工匠(こうしょう)たちを(とら)(うつ)した。 16しかし侍衛(じえい)(ちょう)ネブザラダンはその()(もっと)(まず)しい(もの)若干(じゃっかん)(のこ)して、ぶどうを(つく)(もの)とし、農夫(のうふ)とした。
17カルデヤびとはまた(しゅ)(みや)青銅(せいどう)(はしら)と、洗盤(せんばん)(だい)と、青銅(せいどう)(うみ)(くだ)いて、その青銅(せいどう)をことごとくバビロンへ(はこ)び、 18また、つぼと、十能(じゅうのう)と、心切(しんき)りばさみと、(はち)と、(こう)()(さら)および(みや)(つと)めに(もち)いる青銅(せいどう)(うつわ)をことごとく()って()った。 19また(かれ)らは小鉢(こばち)と、心取(しんと)(ざら)と、(はち)と、つぼと、燭台(しょくだい)と、(こう)()(さら)と、灌祭(かんさい)(はち)()った。(きん)(つく)った(もの)(きん)として、(ぎん)(つく)った(もの)(ぎん)として、侍衛(じえい)(ちょう)(はこ)()った。 20ソロモン(おう)(しゅ)(みや)(つく)った二(ほん)(はしら)と、一つの(うみ)と、(うみ)(した)の十二の青銅(せいどう)(うし)と、(だい)など、このすべての(もの)青銅(せいどう)(おも)さは(はか)ることもできなかった。 21この一(ぽん)(はしら)(たか)さは十八キュビト、周囲(しゅうい)は十二キュビトで、(ゆび)(ほん)(あつ)さがあり、(なか)は、うつろであった。 22その(うえ)青銅(せいどう)柱頭(ちゅうとう)があり、柱頭(ちゅうとう)(たか)さは五キュビト、柱頭(ちゅうとう)周囲(しゅうい)(あみ)細工(ざいく)と、ざくろとで(かざ)り、これらもみな青銅(せいどう)であった。()(はしら)もそのざくろも、これと(おな)じであった。 23その四方(しほう)に九十六()のざくろがあり、周囲(しゅうい)(あみ)細工(ざいく)(うえ)にあるざくろの(かず)は百()であった。
24侍衛(じえい)(ちょう)祭司(さいし)(ちょう)セラヤと次席(じせき)祭司(さいし)ゼパニヤと三(にん)(もん)(まも)(もの)(とら)え、 25また兵士(へいし)をつかさどるひとりの役人(やくにん)と、(まち)にいた(おう)側近(そっきん)(もの)(にん)と、その()(たみ)(つの)軍勢(ぐんぜい)(ちょう)書記官(しょきかん)と、(まち)(なか)にいた六十(にん)(もの)(まち)から(とら)()った。 26侍衛(じえい)(ちょう)ネブザラダンは、これらの(ひと)(とら)えて、リブラにいるバビロンの(おう)のもとに()れて()った。 27バビロンの(おう)は、ハマテの()のリブラで(かれ)らを()(ころ)した。こうして、ユダは自分(じぶん)()から(とら)(うつ)された。
28ネブカデレザルが(とら)(うつ)した(たみ)(かず)(つぎ)のとおりである。(だい)(ねん)にはユダヤ(ひと)三千二十三(にん)29またネブカデレザルはその(だい)十八(ねん)にエルサレムから八百三十二(にん)(とら)(うつ)した。 30ネブカデレザルの二十三(ねん)侍衛(じえい)(ちょう)ネブザラダンは、ユダヤ(ひと)七百四十五(にん)(とら)(うつ)した。この総数(そうすう)は四千六百(にん)であった。
31ユダの(おう)エホヤキンが(とら)(うつ)されて(のち)三十七(ねん)の十二(がつ)二十五(にち)に、バビロンの(おう)エビルメロダクはその即位(そくい)(ねん)に、ユダの(おう)エホヤキンを獄屋(ごくや)から()し、そのこうべを()げさせ、 32親切(しんせつ)(かれ)(なぐさ)め、その(くらい)を、バビロンで(とも)にいる(おう)たちの(くらい)よりも(たか)くした。 33こうしてエホヤキンは獄屋(ごくや)(ふく)()いだ。そして()きている(あいだ)毎日(まいにち)(おう)食卓(しょくたく)食事(しょくじ)し、 34(かれ)給与(きゅうよ)としては、その()()まで一生(いっしょう)(あいだ)、たえず日々(ひび)必要(ひつよう)にしたがって、バビロンの(おう)から給与(きゅうよ)(たま)わった。