ヱレミヤ記

第一章

1こはベニヤミンの()アナトテの祭司(さいし)一人(ひとり)なるヒルキヤの()ヱレミヤの(ことば)なり 2アモンの()ユダの(わう)ヨシヤの(とき)すなはちその治世()の十三(ねん)にヱホバの(ことば)ヱレミヤに(のぞ)めり 3その(ことば)またヨシヤの()ユダの(わう)ヱホヤキムの(とき)にものぞみてヨシヤの()ユダの(わう)ゼデキヤの十一(ねん)のをはり(すなは)ちその(とし)五月(ごぐわつ)ヱルサレムの(たみ)(うつ)されたる(とき)までにいたれり 4ヱホバの(ことば)(われ)にのぞみて()5われ(なんぢ)(はら)につくらざりし(さき)(なんぢ)をしり(なんぢ)(たい)をいでざりし(さき)(なんぢ)(きよ)(なんぢ)をたてて萬國(ばんこく)預言者(よげんしや)となせりと 6(われ)こたへけるは(ああ)(しゆ)ヱホバよ()よわれは幼少(をさなき)により(かた)ることを()らず 7ヱホバわれにいひたまひけるは(なんぢ)われは幼少(をさなし)といふ(なか)れすべて(わが)(なんぢ)(つかは)すところにゆき(わが)(なんぢ)(めい)ずるすべてのことを(かた)るべし 8なんぢ彼等(かれら)(かほ)(おそ)るる(なか)(そは)われ(なんぢ)(とも)にありて(なんぢ)をすくふべければなりとヱホバいひたまへり 9ヱホバ(つひ)にその()をのべて(わが)(くち)につけヱホバ(われ)にいひたまひけるは()よわれ(わが)(ことば)(なんぢ)(くち)にいれたり 10みよ(われ)けふ(なんぢ)萬民(ばんみん)のうへと萬國(ばんこく)のうへにたて(なんぢ)をして(あるひ)()(あるひ)(こぼ)(あるひ)(ほろぼ)(あるひ)(たふ)(あるひ)()(あるひ)(うゑ)しめん 11ヱホバの(ことば)また(われ)(のぞ)みていふヱレミヤよ(なんぢ)(なに)をみるや(われ)こたへけるは巴旦杏(はたんきやう)(えだ)をみる 12ヱホバ(われ)にいひたまひけるは(なんぢ)()()たりそはわれ(すみやか)(わが)(ことば)をなさんとすればなり 13ヱホバの(ことば)ふたたび(われ)(のぞ)みていふ(なんぢ)(なに)をみるや(われ)こたへけるは沸騰(にえたち)たる(なべ)をみるその(おもて)(きた)より此方(こなた)(むか)14ヱホバ(われ)にいひたまひけるは(わざはひ)(きた)よりおこりてこの()(すめ)るすべての(もの)にきたらん 15ヱホバいひたまひけるはわれ(きた)國々(くにぐに)のすべての(やから)をよばん彼等(かれら)きたりてヱルサレムの(もん)入口(いりくち)とその周圍(まはり)のすべての石垣(いしがき)およびユダのすべての邑々(まちまち)(むか)ひておのおのその()(まう)けん 16われかれらの(すべ)惡事(あしきこと)のために(わが)(さばき)をかれにつげん()はかれら(われ)をすてて(ほか)(かみ)(かう)()きおのれの()にて(つく)りし(もの)(はい)するによる 17(なんぢ)(こし)(おび)して()ちわが(なんぢ)(めい)ずるすべての(こと)彼等(かれら)につげよその(かほ)(おそ)るる(なか)(しか)らざれば(われ)かれらの(まへ)(なんぢ)(はづ)かしめん 18()よわれ今日(けふ)この全國(ぜんこく)とユダの(わう)とその牧伯(つかさ)とその祭司(さいし)とその()(たみ)(まへ)(なんぢ)(かた)(しろ) (くろがね)(はしら) (あかがね)(かき)となせり 19彼等(かれら)なんぢと(たたか)はんとするも(なんぢ)(かた)ざるべしそはわれ(なんぢ)とともにありて(なんぢ)をすくふべければなりとヱホバいひたまへり

第二章

1ヱホバの(ことば)(われ)にのぞみていふ 2ゆきてヱルサレムに(すめ)(もの)(みみ)につげよヱホバ()くいふ(われ)(なんぢ)につきて(なんぢ)(わか)(とき)懇切(まこと)なんぢが(ちぎり)をなせしときの(あい)曠野(あらの)なる(たね)(まか)()にて(われ)(したが)ひしことを(おぼ)ゆと 3イスラエルはヱホバの聖物(きよきもの)にしてその(はじめ)(むす)べる()なりすべて(これ)(くら)ふものは(つみ)せられ(わざはひ)にあふべしとヱホバ()ひたまへり 4ヤコブの(いへ)とイスラエルの(いへ)(すべて)(やから)よヱホバの(ことば)をきけ 5ヱホバかくいひたまふ汝等(なんぢら)先祖(せんぞ)(われ)(なに)惡事(あしきこと)ありしを()(われ)(とほざ)かり (むな)しき(もの)にしたがひて(むな)しくなりしや 6かれらは我儕(われら)をエジプトの()より(みちび)きいだし曠野(あらの)なる岩穴(あな)ある(あれ)たる() (かは)きたる()(かげ)() (ひと)()ぎざる() (ひと)(すま)はざる()(とほ)らしめしヱホバはいづこにあるといはざりき 7われ汝等(なんぢら)(みちび)きて(その)のごとき()にいれ(その)()佳物(よきもの)をくらはしめたり(され)汝等(なんぢら)此處(ここ)にいり(わが)()(けが)(わが)產業(さんげふ)(にく)むべきものとなせり 8祭司(さいし)はヱホバは何處(いづこ)にいますといはず律法(おきて)をあつかふ(もの)(われ)()らず牧者(ぼくしや)(われ)(そむ)預言者(よげんしや)はバアルによりて預言(よげん)(えき)なきものに(したが)へり 9(ゆゑ)にわれ(なほ)汝等(なんぢら)とあらそはん(また)(なんぢ)子孫(しそん)とあらそふべしとヱホバいひたまふ 10汝等(なんぢら)キッテムの諸島(しま)にわたりて()よまた使者(つかひ)をケダルにつかはし(かく)のごとき(こと)あるや(いな)やを詳細(つまびらか)(さつ)せしめよ 11その(かみ)(かみ)にあらざる(もの)(かへ)たる(くに)ありや(しか)るに我民(わがたみ)はその(さかえ)(えき)なき(もの)にかへたり 12(てん)よこの(こと)(おどろ)(をのの)けいたく(おそ)れよとヱホバいひたまふ 13(そは)わが(たみ)はふたつの惡事(あしきこと)をなせり(すなは)(いけ)(みづ)(みなもと)なる(われ)をすて自己(みづから)水溜(みづため)()れりすなはち(やぶ)れたる水溜(みづため)にして(みづ)(たも)たざる(もの)なり 14イスラエルはしもべなるか(いへ)にうまれし(しもべ)なるかいかにして擄掠(とらはれもの)となれるや 15わかき獅子(しし)かれにむかひて()えその(こゑ)をあげてその()(あら)せりその諸邑(まちまち)(やか)れて()(ひと)なし 16ノフとタパネスの諸子(こどもら)(なんぢ)頭首(かしら)()をくらはん 17(なんぢ)(かみ)ヱホバの(なんぢ)(みち)にみちびきたまへる(とき)(なんぢ)これを(すて)たるによりて此事(このこと)(なんぢ)におよぶにあらずや 18(なんぢ)ナイルの(みづ)(のま)んとてエジプトの(みち)にあるは(なに)ゆゑぞまた(かは)(みづ)(のま)んとてアツスリヤの(みち)にあるは何故(なにゆゑ)19(なんぢ)(あしき)(なんぢ)をこらしめ(なんぢ)(そむき)(なんぢ)をせめん()(なんぢ)(なんぢ)(かみ)ヱホバをすてたると(われ)(おそ)るることの(なんぢ)(うち)にあらざるとは(あし)()(にが)きことなるを(なんぢ)()てしるべしと(しゆ)なる萬軍(ばんぐん)のヱホバいひ(たま)20(なんぢ)(むかし)より(なんぢ)(くびき)ををり(なんぢ)(なはめ)()ちていひけるは(われ)つかふることをせじと(すなは)(なんぢ)すべての高山(たかやま)のうへと(すべて)靑木(あをき)(した)妓女(あそびめ)のごとく()をかがめたり 21われ(なんぢ)(うゑ)()葡萄(ぶだう)()となし(まつた)(まこと)(たね)となせしにいかなれば(なんぢ)われに(むか)ひて(こと)なる葡萄(ぶだう)()(あし)(えだ)にかはりしや 22たとひ嚥哘(そうだ)をもて(みづか)(あら)ひまたおほくの灰汁(あく)(くは)ふるも(なんぢ)(あく)はわが(まへ)(けが)れたりと(しゆ)ヱホバいひ(たま)23(なんぢ)いかで(われ)(けが)れずバアルに(したが)はざりしといふことを()んや(なんぢ)(たに)(うち)のおこなひを()(なんぢ)のなせしことを()(なんぢ)(とく)(はし)るわかき()駱駝(らくだ)にしてその(みち)にさまよへり 24(なんぢ)曠野(あらの)になれたる()牝驢馬(めろば)なり(その)(よく)のために(かぜ)にあへぐその(よく)のうごくときは(たれ)かこれをとどめえん(すべ)てこれを(たづぬ)(もの)(みづか)(らう)するにおよばすその(つき)(うち)(これ)にあふべし 25(なんぢ)(あし)をつつしみて跣足(はだし)にならざるやうにし(のど)をつつしみて(かわ)かぬやうにせよしかるに(なんぢ)いふ()徒然(いたづら)なり(しか)りわれ(こと)なる(くに)(もの)(あい)してこれに(したが)ふなりと 26盜人(ぬすびと)(とら)へられて恥辱(はづかしめ)をうくるがごとくイスラエルの(いへ)恥辱(はづかしめ)をうく彼等(かれら)その(わう)その牧伯(つかさ)その祭司(さいし)その預言者(よげんしや)みな(しか)27彼等(かれら)()にむかひて(なんぢ)(わが)(ちち)なりといひまた(いし)にむかひて(なんぢ)(われ)(うみ)みたりといふ彼等(かれら)()(われ)にむけて(その)(かほ)をわれに()けずされど彼等(かれら)(わざはひ)にあふときは(たち)てわれらを(すく)(たま)へといふ 28(なんぢ)がおのれの(ため)(つく)りし(かみ)はいづこにあるやもし(なんぢ)(わざはひ)にあふときかれら(なんぢ)(すく)ふを()()つべきなりそはユダよ(なんぢ)(かみ)(なんぢ)(まち)(かず)(おな)じければなり 29汝等(なんぢら)なんぞ(われ)とあらそふや(なんぢ)らは(みな)(われ)(そむ)けりとヱホバいひ(たま)30(われ)(なんぢ)らの衆子(こどもら)(うち)しは(えき)なかりき彼等(かれら)懲治(いましめ)をうけず汝等(なんぢら)(つるぎ)(たけ)獅子(しし)のごとく汝等(なんぢら)預言者(よげんしや)(ほろぼ)せり 31なんぢらこの()(ひと)よヱホバの(ことば)をきけ(われ)はイスラエルのために曠野(あらの)となりしや(くら)()となりしや何故(なにゆゑ)にわが(たみ)はわれら徘徊(ゆきめぐ)りて(また)(なんぢ)(きた)らじといふや 32それ處女(をとめ)はその飾物(かざりもの)(わす)れんや新婦(はなよめ)はその(おび)をわすれんや(され)我民(わがたみ)(われ)(わす)れたる()(かぞ)へがたし 33(なんぢ)(あい)()んとて如何(いか)(なんぢ)(みち)()くするぞよされば(なんぢ)(おこなひ)はあしき(こと)()すに(なれ)たり 34また(なんぢ)(すそ)(つみ)なき貧者(まづしきもの)生命(いのち)()ありわれ盜人(ぬすびと)穿(うがち)たる(ところ)にて(これ)()ずしてすべて此等(これら)(うへ)にこれを()35されど(なんぢ)いふわれは(つみ)なし(ゆゑ)にその(いかり)はかならず(われ)(のぞ)まじとみよ(なんぢ)われ(つみ)(をか)さざりしといふにより(われ)(なんぢ)とあらそふべし 36なんぢ何故(なにゆゑ)にその(みち)(かへ)んとて()くはしるや(なんぢ)アツスリヤに恥辱(はづかしめ)をうけしごとくエジプトにも(また)恥辱(はづかしめ)をうけん 37(なんぢ)兩手(もろて)(かうべ)(おき)てかしこよりも出去(いでさ)らんそはヱホバ(なんぢ)のたのむところの(もの)(すつ)れば(なんぢ)彼等(かれら)によりて(のぞみ)(とぐ)ること(なか)るべければなり

第三章

1()にいへるあり(ひと)もしその(つま)をいださんに()りゆきてほかの(ひと)(つま)とならば(その)(をつと)ふたたび(かれ)(かへ)るべけんやさすれば(その)()はおほいに(けが)れざらんや(なんぢ)はおほくの(もの)姦淫(かんいん)(おこな)へりされど(なんぢ)われに(かへ)れよとヱホバいひ(たま)2(なんぢ)()をあげてもろもろの童山(はげやま)をみよ姦淫(かんいん)(おこな)はざる(ところ)はいづこにあるや(なんぢ)曠野(あらの)にをるアラビヤ(びと)()すがごとく(みち)()して(ひと)をまてり(なんぢ)姦淫(かんいん)(あく)をもて(この)()(けが)せり 3この(ゆゑ)(あめ)はとどめられ(はる)(あめ)はふらざりし()れど(なんぢ)娼妓(あそびめ)(ひたひ)あれば(あへ)(はぢ)4(なんぢ)いまより(われ)(よび)ていはざらんや(わが)(ちち)(なんぢ)はわが少時(わかきとき)交友(とも)なり 5(かぎり)なくその(いかり)(ふく)まんや(つね)(これ)(たも)たんやと()(なんぢ)はかくいへど(ちから)をきはめて(あく)()すなり 6ヨシヤ(わう)のときヱホバまた(われ)にいひ(たま)ひけるは(なんぢ)そむけるイスラエルのなせしことを()しや(かれ)はすべての高山(たかやま)にのぼりすべての靑木(あをき)(した)にゆきて其處(そこ)姦淫(かんいん)(おこな)へり 7(かれ)このすべての(こと)()せしのち(われ)かれに(なんぢ)われに(かへ)れと(いひ)しかどもわれに(かへ)らざりき(その)(もと)れる姊妹(しまい)なるユダ(これ)()たり 8(われ)(そむ)けるイスラエル姦淫(かんいん)をなせしにより(われ)かれを(いだ)して離緣状(りえんじやう)をあたへたれどその(もと)れる姊妹(しまい)なるユダは(おそ)れずして(ゆき)姦淫(かんいん)(おこな)(われ)これを()9また(その)姦淫(かんいん)(さわぎ)をもてこの()(けが)(かつ)(いし)()とに姦淫(かんいん)(おこな)へり 10(この)(もろもろ)(こと)あるも(なほ)(その)(もと)れる姊妹(しまい)なるユダは眞心(まごころ)をもて(われ)にかへらず(いつは)れるのみとヱホバいひたまふ 11ヱホバまた(われ)にいひたまひけるは(そむ)けるイスラエルは(もと)れるユダよりも自己(おのれ)(ただし)とす 12(なんぢ)ゆきて(きた)にむかひ此言(このことば)(のべ)ていふべしヱホバいひたまふ(そむ)けるイスラエルよ(かへ)れわれ(いかり)(おもて)(なんぢ)らにむけじわれは矜恤(あはれみ)ある(もの)なり(いかり)(かぎり)なく(ふく)みをることあらじとヱホバいひたまふ 13(なんぢ)ただ(なんぢ)(つみ)(いひあら)はせそは(なんぢ)(かみ)ヱホバにそむき()めぐりてすべての靑木(あをき)(した)にて異邦人(ことくにびと)にゆき汝等(なんぢら)わが(こゑ)をきかざればなりとヱホバいひ(たま)14ヱホバいひたまふ(そむ)ける衆子(こどもら)(われ)にかへれそはわれ汝等(なんぢら)(めと)ればなりわれ(まち)より一人(ひとり)支派(わかれ)より二人(ふたり)()りて汝等(なんぢら)をシオンにつれゆかん 15われ(わが)(こころ)(かな)牧者(ぼくしや)汝等(なんぢら)にあたへん彼等(かれら)知識(ちしき)明哲(さとり)をもて汝等(なんぢら)(やしな)ふべし 16ヱホバいひたまふ汝等(なんぢら)()()して(おほ)くならんときは人々(ひとびと)(また)ヱホバの契約(けいやく)(はこ)といはず(これ)(おも)ひいでず(これ)(おぼ)えずこれを(たづ)ねずこれを(つく)らざるべし 17その(とき)ヱルサレムはヱホバの座位(みくらゐ)(とな)へられ萬國(ばんこく)(たみ)ここに(あつま)るべし(すなは)ちヱホバの()によりてヱルサレムに(あつま)(かさね)(その)(あし)(こころ)剛愎(かたくな)なるにしたがひて(あゆ)まざるべし 18その(とき)ユダの(いへ)はイスラエルの(いへ)とともに(あゆ)みて(きた)()よりいで(わが)(なんぢ)らの先祖(せんぞ)たちに(あた)へて(つが)しめし()(とも)にきたるべし 19(われ)いへり嗚呼(ああ)われいかにして(なんぢ)諸子(こどもら)(うち)()萬國(ばんこく)(うち)にて(もつと)(うるは)しき產業(さんげふ)なる(この)美地(よきち)(なんぢ)にあたへんと(われ)またいへり(なんぢ)われを(わが)(ちち)とよび(また)(われ)(はな)れざるべしと 20(しかる)にイスラエルの(いへ)(つま)(ちかひ)(そむ)きてその(をつと)(すつ)るがごとく汝等(なんぢら)われに(そむ)けりとヱホバいひたまふ 21(こゑ)(やま)のうへに(きこ)()はイスラエルの(たみ)(かなし)(いの)るなり(そは)彼等(かれら)まがれる(みち)にあゆみ(その)(かみ)ヱホバを(わす)るればなり 22(そむ)ける諸子(こどもら)(われ)(かへ)れわれ(なんぢ)退違(そむき)をいやさん/()我儕(われら)なんぢに(いた)(なんぢ)はわれらの(かみ)ヱホバなればなり 23()(もろもろ)(をか)とおほくの(やま)(すくひ)(のぞ)むはいたづらなり(まこと)にイスラエルの(すくひ)はわれらの(かみ)ヱホバにあり 24羞恥(はぢ)はわれらの幼時(わかきとき)より我儕(われら)先祖(せんぞ)產業(さんげふ)すなはち(その)(おほく)(ひつじ)とそのおほくの(うし)および(その)()その(むすめ)呑盡(のみつく)せり 25われらは羞恥(はぢ)()(われ)らは恥辱(はづかしめ)(おほ)はるべしそは我儕(われら)とわれらの列祖(せんぞ)(われ)らの幼時(わかきとき)より今日(こんにち)にいたるまで(つみ)をわれらの(かみ)ヱホバに(をか)我儕(われら)(かみ)ヱホバの(こゑ)(したが)はざればなり

第四章

1ヱホバいひたまふイスラエルよ(なんぢ)もし(かへ)らば(われ)(かへ)(なんぢ)もし(にく)むべき(もの)(わが)(まへ)より(のぞ)かば流蕩(さまよ)はじ 2かつ(なんぢ)眞實(まこと)正直(なほき)公義(ただしき)とをもてヱホバは()くと(ちか)はんさらば萬國(ばんこく)(たみ)(かれ)によりて福祉(さいはひ)をうけ(かれ)によりて(ほこ)るべし 3ヱホバ、ユダとヱルサレムの人々(ひとびと)にかくいひ(たま)汝等(なんぢら)新田(しんでん)(たがや)荊棘(いばら)(なか)()くなかれ。 4ユダの人々(ひとびと)とヱルサレムに()める(もの)汝等(なんぢら)みづから割禮(かつれい)をおこなひてヱホバに()きおのれの(こころ)(まへ)(かは)()(しか)らざれば汝等(なんぢら)惡行(あしきおこなひ)のためわが(いかり)()(ごと)くに(はつ)して()えんこれを()すものなかるべし 5汝等(なんぢら)ユダに()げヱルサレムに(しめ)していへ(らつぱ)(くに)(うち)()けとまた大聲(おほごゑ)(よば)はりていへ汝等(なんぢら)あつまれ我儕(われら)(かた)(まち)にゆくべしと 6シオンに指示(しめ)合圖(あひづ)(はた)をたてよ(にげ)(とどま)まる(なか)れそは(われ)(きた)より(わざはひ)とおほいなる敗壞(ほろび)をきたらすればなり 7獅子(しし)(その)(もり)よりいでて(のぼ)國々(くにぐに)(ほろぼ)すものは(すす)みきたる(かれ)(なんぢ)(くに)(あら)さんとて(すで)にその(ところ)よりいでたり(なんぢ)諸邑(まちまち)(ほろぼ)されて()(もの)なきに(いた)らん 8この(ゆゑ)汝等(なんぢら)(あさ)(ころも)()にまとひて(かなし)(なげ)けそはヱホバの(はげ)しき(いかり)いまだ我儕(われら)(はな)れざればなり 9ヱホバいひたまひけるはその()(わう)牧伯等(きみたち)はその(こころ)をうしなひ祭司(さいし)(おどろ)預言者(よげんしや)(あやし)むべし 10(われ)いひけるは嗚呼(ああ)(しゆ)ヱホバよ(なんぢ)はまことに此民(このたみ)とヱルサレムを(おほい)にあざむきたまふすなはち(なんぢ)はなんぢら(やす)かるべしと(いひ)(たま)ひしに(つるぎ)(いのち)にまでおよべり 11その(とき)この(たみ)とヱルサレムにいふものあらん(あつ)(かぜ) 曠野(あらの)童山(はげやま)よりわが(たみ)(むすめ)にふききたると()()るためにあらず(きよ)むる(ため)にもあらざるなり 12これよりも(なほ)はげしき(かぜ)われより(きた)らん(いま)(われ)かれらに(さばき)(しめ)さん 13みよ(かれ)(くも)のごとく(のぼ)りきたらん(その)(くるま)颶風(はやて)のごとくにしてその(むま)(わし)よりも(はや)嗚呼(ああ)われらは(わざはひ)なるかな我儕(われら)(ほろぼ)さるべし 14ヱルサレムよ(なんぢ)(こころ)(あく)をあらひ(きよ)めよ(さら)ばすくはれん(なんぢ)(あし)(おもひ)いつまで(なんぢ)のうちにあるや 15ダンより()ぐる(こゑ)ありエフライムの(やま)より(わざはひ)(しら)するなり 16(なんぢ)國々(くにぐに)(たみ)()げまたヱルサレムに()らせよ()めかこむ(もの)(とほ)(くに)より(きた)りユダの諸邑(まちまち)にむかひて(その)(こゑ)()ぐと 17(かれ)らは田圃(たはた)をまもる(もの)のごとくにこれを(かこ)むこは(われ)(したが)はざりしに()るとヱホバいひ(たま)18(なんぢ)(みち)(なんぢ)(おこなひ)これを(なんぢ)(まね)けりこれは(なんぢ)(あく)なり(まこと)(にが)くして(なんぢ)(こころ)におよぶ 19嗚呼(ああ)わが(はらわた)(わが)(はらわた)痛苦(いたみ)(こころ)(そこ)におよびわが心胸(むね)とどろくわれ(もく)しがたし(わが)靈魂(たましひ)(なんぢ)(らつぱ)(こゑ)(いくさ)(さわぎ)をきくなり 20敗滅(ほろび)敗滅(ほろび)のしらせありこの()(みな)(あら)されわが幕屋(まくや)頃刻(にはか)にやぶられ(わが)(まく)(たちま)(やぶ)られたり 21(われ)(はた)をみ(らつぱ)(こゑ)をきくは何時(いつ)までぞや 22それ我民(わがたみ)(おろか)にして(われ)()らず(つたな)子等(こども)にして(さと)ることなし(かれ)らは(あく)(おこな)ふに(さと)けれども(ぜん)(おこな)ふことを(しら)23われ()()るに(かたち)なくして(むなし)くあり(てん)(あふ)ぐに其處(そこ)(ひかり)なし 24(われ)(やま)()るに(みな)(ふる)へまた(すべて)(をか)(うご)けり 25(われ)(みる)(ひと)あることなし天空(そら)(とり)(みな)(とび)されり 26(われ)みるに肥美(ゆたか)なる()沙漠(あれち)となり(かつ)その(すべて)(まち)はヱホバの(まへ)にその(はげ)しき(いかり)(まへ)(こぼ)たれたり 27そはヱホバかくいひたまへりすべて此地(このち)荒地(あれち)とならんされど(われ)ことごとくは(これ)(ほろぼ)さじ 28(ゆゑ)()(みな)(かな)しみ(うへ)なる(てん)(くら)くならん(われ)すでに(これ)をいひ(かつ)これを(さだ)めて()いずまた(これ)をなす(こと)(やめ)ざればなり 29(まち)(ひと)みな騎兵(きへい)射者(いて)咄喊(さけび)のために(にげ)叢林(もり)にいり(また)(いは)(うへ)(のぼ)れり(まち)はみな(すて)られて其處(そこ)()(ひと)なし 30(ほろぼ)されたる(もの)(なんぢ)(なに)をなさんとするや設令(たとひ)(なんぢ)くれなゐの(ころも)をき(こがね)飾物(かざり)をもて()(よそほ)()をぬりて(おほき)くするとも(なんぢ)()(よそほ)ふはいたづらなり(なんぢ)戀人(こひびと)らは(なんぢ)をいやしめ(なんぢ)のいのちを(もとむ)るなり 31われ()をうむ(をんな)のごとき(こゑ)首子(うひご)をうむ(もの)(くるし)むがごとき(こゑ)()()れシオンの(むすめ)(こゑ)なりかれ(みづか)(なげ)()をのべていふ嗚呼(ああ)われは(わざはひ)なるかな(わが)靈魂(たましひ)(ころ)(もの)のために(つか)れはてぬ

第五章

1汝等(なんぢら)ヱルサレムの(まち)をめぐりて()(かつ)(さと)りその(ちまた)(たづ)ねよ汝等(なんぢら)もし一人(ひとり)公義(ただしき)(おこな)眞理(まこと)(もとむ)(もの)()はばわれ(これ)(ヱルサレム)を(ゆる)すべし 2(かれ)らヱホバは()くといふとも(まこと)(いつは)りて(ちか)ふなり 3ヱホバよ(なんぢ)()誠實(まこと)(かへり)みるにあらずや(なんぢ)(かれ)らを(うて)どもかれら痛苦(いたみ)をおぼえず彼等(かれら)(ほろぼ)せどもかれら懲治(いましめ)をうけず(その)(かほ)(いは)よりも(かた)くして(かへ)ることを(いな)めり 4(ゆゑ)(われ)いひけるは此輩(これら)(ただ)いやしき(おろか)なる(もの)なればヱホバの(みち)(その)(かみ)(さばき)(しら)ざるなり 5われ貴人(たふときひと)にゆきて(これ)(かた)らんかれらはヱホバの(みち)とその(かみ)(さばき)()るなり(しかる)(かれ)らも(みな)(くびき)()(なはめ)(たて)6(ゆゑ)(はやし)よりいづる獅子(しし)(かれ)らを(ころ)しアラバの(おほかみ)はかれらを(ほろぼ)(へう)はその(まち)をねらふ此處(ここ)よりいづる(もの)(みな)(さか)るべしそは(その)(つみ)おほくその背違(そむき)はなはだしければなり 7(われ)なに(ゆゑ)(なんぢ)をゆるすべきや(なんぢ)諸子(こどもら)われを()(かみ)にあらざる(かみ)()して(ちか)(われ)すでに(かれ)らを(ちか)はせたれど(かれ)姦淫(かんいん)して娼妓(あそびめ)(いへ)群集(むれあつま)8(かれ)らは(こえ)たる牡馬(をむま)のごとくに(ゆき)めぐりおのおの(いなな)きて(となり)(つま)(した)9ヱホバいひたまふ(われ)これらの(こと)のために(かれ)らを(ばつ)せざらんや(わが)(こころ)はかくの(ごと)(たみ)(あた)(かへ)さざらんや 10汝等(なんぢら)その石垣(いしがき)にのぼりて(ほろぼ)せされど(ことごと)くはこれを(ほろぼ)(なか)れその(えだ)截除(きりのぞ)けヱホバのものに(あら)ざればなり 11イスラエルの(いへ)とユダの(いへ)(おほい)(われ)(もと)るなりとヱホバいひたまふ 12彼等(かれら)はヱホバを(みとめ)ずしていふヱホバはある(もの)にあらず(わざはひ)われらに(きた)らじ我儕(われら)(つるぎ)饑饉(ききん)をも()ざるべし 13預言者(よげんしや)(かぜ)となり(ことば)はかれらの(うち)にあらず(かく)(かれ)らになるべしと 14(ゆゑ)萬軍(ばんぐん)(かみ)ヱホバかくいひたまふ汝等(なんぢら)この(こと)(いふ)により()よわれ(なんぢ)(くち)にある(わが)(ことば)()となし此民(このたみ)(たきぎ)となさんその()(かれ)らを焚盡(やきつく)すべし 15ヱホバいひ(たま)ふイスラエルの(いへ)よみよ(われ)(とほ)國人(くにびと)をなんぢらに(きた)らしめん(その)(くに)(つよ)くまた(ふる)(くに)なり汝等(なんぢら)その(ことば)をしらず(その)(かた)ることをも(さと)らざるなり 16その(えびら)(ひら)きたる(はか)のごとし(かれ)らはみな勇士(ゆうし)なり 17(かれ)らは(なんぢ)(かりい)れたる(もの)(なんぢ)糧食(くひもの)(くら)(なんぢ)子女(むすこむすめ)(くら)(なんぢ)(ひつじ)(うし)(くら)(なんぢ)葡萄(ぶだう)()無花果(いちぢく)()(くら)ひまた(つるぎ)をもて(なんぢ)(たの)むところの(かた)(まち)(ほろぼ)さん 18されど其時(そのとき)われことごとくは(なんぢ)(ほろぼ)さじとヱホバいひたまふ 19汝等(なんぢら)(なに)ゆゑにわれらの(かみ)ヱホバ此等(これら)(すべて)のことを我儕(われら)になしたまふやといはば(なんぢ)かれらに(こた)ふべし(なんぢ)(われ)をすて(なんぢ)らの()(おい)(こと)なる(かみ)(つか)へしごとく(なんぢ)らのものにあらざる()(おい)異邦人(ことくにびと)につかふべしと 20(なんぢ)これをヤコブの(いへ)にのべまたこれをユダに(しめ)していへ 21(おろか)にして了知(さとり)なく()あれども()えず(みみ)あれども(きこ)えざる(たみ)よこれをきけ 22ヱホバいひ(たま)汝等(なんぢら)われを(おそ)れざるか(わが)(まへ)戰慄(をのの)かざるか(われ)(すな)(おき)(うみ)(さかひ)となしこれを永遠(とこしなへ)限界(かぎり)となし(こゆ)ることをえざらしむ其浪(そのなみ)さかまきいたるも(かつ)ことあたはず澎湃(なりわたる)もこれを(こゆ)るあたはざるなり 23(しか)るにこの(たみ)(そむ)(かつ)(もと)れる(こころ)あり(すで)(そむ)きて()れり 24(かれ)らはまた我儕(われら)(あめ)をあたへて(あき)(あめ)(はる)(あめ)(とき)にしたがひて(くだ)我儕(われら)のために收穫(かりいれ)時節(とき)(さだ)(たま)へる(わが)(かみ)ヱホバを(おそ)るべしと其心(そのこころ)にいはざるなり 25汝等(なんぢら)(とが)はこれらの(こと)退(しりぞ)汝等(なんぢら)(つみ)嘉物(よきもの)(なんぢ)らに(きた)らしめざりき 26我民(わがたみ)のうちに惡者(あしきもの)あり(あみ)()(もの)のごとくに()をかがめてうかがひ(わな)(おき)(ひと)をとらふ 27樊籠(かご)(とり)(みつ)るがごとく不義(ふぎ)(たから)(かれ)らの(いへ)()つこの(ゆゑ)(かれ)らは(おほい)なる(もの)となり(とめ)(もの)となる 28(かれ)らは(こえ)光澤(つや)あり(その)(あし)(おこなひ)(はなはだ)(かれ)らは(うつたへ)をたださず(みなしご)(うつたへ)(ただ)さずして利達(さかえ)をえ(また)貧者(まづしきもの)(うつたへ)(さば)かず 29ヱホバいひ(たま)ふわれかくのごときことを(ばつ)せざらんや(わが)(こころ)(かく)のごとき(たみ)(あだ)(かへ)さざらんや 30この()(おどろ)くべき(こと)(にく)むべきこと(おこな)はる 31預言者(よげんしや)(いつは)りて預言(よげん)をなし祭司(さいし)(かれ)らの()によりて(をさ)我民(わがたみ)(かか)(こと)(あい)すされど汝等(なんぢら)その(をはり)(なに)をなさんとするや

第六章

1ベニヤミンの子等(こどもら)よヱルサレムの(うち)より(のが)れテコアに(らつぱ)をふきベテハケレムに合圖(あひづ)()をあげよそは(きた)より(わざはひ)(おほい)なる敗壞(ほろび)のぞめばなり 2われ(うるは)しき窈窕(たをやか)なるシオンの(むすめ)(ほろぼ)さん 3牧者(ぼくしや)(その)(むれ)(ひき)此處(ここ)にきたりその周圍(まはり)天幕(てんまく)をはらん(むれ)はおのおのその(ところ)にて(くさ)(くら)はん 4(なんぢ)戰端(たたかひ)(ひら)きて(これ)(せむ)べし(たて)よわれら日午(ひる)にのぼらん嗚呼(ああ)(をしい)かな()ははや(かたむ)夕日(ゆふひ)(かげ)(なが)くなれり 5(たて)よわれら()(うち)にのぼりてその(もろもろ)殿舍(やかた)(こぼ)たん 6萬軍(ばんぐん)のヱホバかくいひたまへり(なんぢ)()をきりヱルサレムに(むか)ひて(るい)(きづ)けこれは(ばつ)すべき(まち)なりその(うち)には(ただ)暴逆(ばうぎやく)のみあり 7(みなもと)(みづ)をいだすがごとく(かれ)その(あく)(いだ)すその(うち)暴逆(ばうぎやく)威虐(しひたげ)きこゆ(わが)(まへ)(うれへ)(きず)たえず 8ヱルサレムよ(なんぢ)訓戒(いましめ)をうけよ(しか)らざれば(わが)(こころ)(なんぢ)をはなれ(なんぢ)荒蕪(あれち)となし()(ひと)なき()となさん 9萬軍(ばんぐん)のヱホバかくいひたまふ(かれ)らは葡萄(ぶだう)遺餘(のこり)()みとるごとくイスラエルの(のこ)れる(もの)(つみ)とらん(なんぢ)葡萄(ぶだう)摘取者(つみとるもの)のごとく(しばしば)()(かご)()るべし 10(われ)たれに(かた)(たれ)(いまし)めてきかしめんや()よその(みみ)割禮(かつれい)をうけざるによりて(きこ)えず(かれ)らはヱホバの(ことば)(あざけ)りこれを(よろこ)ばず 11ヱホバの(いかり)わが()()つわれ(しの)ぶに()むこれを衢街(ちまた)にある童子(こどもら)(あつま)れる年少者(わかきもの)とに(もら)すべし(をつと)(つま)(おい)たる(もの)(とし)(すすみ)(もの)(とら)へらるるにいたらん 12その(いへ)田地(はたけ)(つま)はともに佗人(たにん)にわたらん()はわれ()(あげ)てこの()(すめ)(もの)(うて)ばなりとヱホバいひたまふ 13(それ)(かれ)らは(ちひ)さき(もの)より(おほい)なる(もの)にいたるまで(みな)貪婪者(むさぼるもの)なり(また)預言者(よげんしや)より祭司(さいし)にいたるまで(みな)詭詐(いつはり)をなす(もの)なればなり 14かれら(あさ)我民(わがたみ)(むすめ)(きず)(いや)平康(やす)からざる(とき)平康(やすし)平康(やすし)といへり 15(かれ)らは(にく)むべき(こと)(なし)恥辱(はづかしめ)をうくれども(すこし)(はぢ)ずまた(はぢ)()らずこの(ゆゑ)(かれ)らは傾仆(たふ)るる(もの)(とも)にたふれん(わが)(きた)るとき(かれ)(つまづ)かんとヱホバいひたまふ 16ヱホバかくいひたまふ(なんぢ)(みち)(たち)()(ふる)(みち)(つき)(いづれ)(よき)(みち)なるを(たづ)ねて(その)(みち)(あゆ)めさらば(なんぢ)らの靈魂(たましひ)(やすき)()(され)(かれ)らこたへて我儕(われら)はそれに(あゆ)まじといふ 17(われ)また(なんぢ)らの(うへ)守望者(まもるもの)をたて(らつぱ)(こゑ)をきけといへり(され)彼等(かれら)こたへて我儕(われら)(きか)じといふ 18(ゆゑ)萬國(ばんこく)(たみ)よきけ會衆(くわいしう)よかれらの(あふ)ところを()19()よきけわれ(わざはひ)をこの(たみ)にくださんこは(かれ)らの(おもひ)(むす)()なりかれら(わが)(ことば)とわが律法(おきて)をきかずして(これ)(すつ)るによる 20シバより(わが)(もと)乳香(にうかう)きたり(とほ)(くに)より菖蒲(あやめ)きたるは(なん)のためぞやわれは(なんぢ)らの燔祭(はんさい)をよろこばず(なんぢ)らの犠牲(いけにへ)(うま)しとせず 21(ゆゑ)にヱホバかくいひたまふみよ(われ)この(たみ)(まへ)躓礙(つまづくもの)をおく(ちち)()とそれに(つまづ)隣人(となりびと)とその(とも)(とも)(ほろ)ぶべし 22ヱホバかくいひたまふみよ(たみ)(きた)(くに)よりきたる(おほい)なる(たみ)()(はて)より(おこ)23(かれ)らは(ゆみ)(やり)をとる殘忍(ざんにん)にして(あはれみ)なしその(こゑ)(うみ)(ごと)()るシオンの(むすめ)よかれらは(うま)()軍人(いくさびと)のごとく()をよろひて(なんぢ)()めん 24我儕(われら)その風聲(うはさ)をききたれば我儕(われら)()(よわ)()をうむ(をんな)のごとき苦痛(くるしみ)劬勞(いたみ)われらに(せま)25(なんぢ)田地(はたけ)(いづ)(なか)れまた(みち)(あゆ)むなかれ(てき)(つるぎ)畏怖(おそれ)四方(よも)にあればなり 26我民(わがたみ)(むすめ)麻衣(あさのころも)()にまとひ(はひ)のうちにまろび獨子(ひとりご)(うしな)ひしごとくに(かなし)みていたく(なげ)けそは毀滅者(ほろぼすもの)突然(にはか)(われ)らに(きた)るべければなり 27われ(なんぢ)(たみ)のうちに(たて)(かね)(こころむ)(もの)のごとくなし(また)(しろ)のごとくなすこは(なんぢ)をしてその(みち)(しら)しめまた(こころ)みしめんためなり 28(かれ)らは(みな)いたく(もと)れる(もの)なり歩行(あるき)(ひと)(そし)(もの)なり(かれ)らは(あかがね)のごとく(くろがね)のごとし(みな)(よこしま)なる(もの)なり 29(ふいご)()()(なまり)はつき鎔匠(とかすもの)はいたづらに(とか)惡者(あしきもの)いまだ(のぞ)かれざればなり 30ヱホバ(かれ)らを(すて)たまふによりて彼等(かれら)(すて)られたる(ぎん)()ばれん

第七章

1ヱホバよりヱレミヤにのぞめる(ことば)()2(なんぢ)ヱホバの(いへ)(もん)にたち其處(そこ)にてこの(ことば)(のべ)()へヱホバを(をが)まんとてこの(もん)にいりしユダのすべての(ひと)よヱホバの(ことば)をきけ 3萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)かくいひ(たま)(なんぢ)らの(みち)(なんぢ)らの(おこなひ)(あらた)めよさらばわれ汝等(なんぢら)をこの()(すま)しめん 4(なんぢ)(これ)はヱホバの殿(みや)なりヱホバの殿(みや)なりヱホバの殿(みや)なりと()(いつはり)(ことば)をたのむ(なか)5(なんぢ)らもし(まつた)くその(みち)(おこなひ)(あらた)(ひと)(ひと)との(あひだ)(ただ)しく(さば)6異邦人(ことくにびと)孤兒(みなしご)(やもめ)(しへた)げず無辜者(つみなきもの)()をこの(ところ)(なが)さず(ほか)(かみ)(したが)ひて(がい)をまねかずば 7(われ)なんぢらを(わが)汝等(なんぢら)先祖(せんぞ)にあたへしこの()永遠(えいゑん)より永遠(えいゑん)にいたるまで(すま)しむべし 8みよ(なんぢ)らは(えき)なき(いつはり)(ことば)(たの)9汝等(なんぢら)(ぬす)(ころ)姦淫(かんいん)(いつは)りて(ちか)ひバアルに(かう)()(なんぢ)らがしらざる(ほか)(かみ)にしたがふなれど 10(わが)()をもて(とな)へらるるこの(いへ)にきたりて(わが)(まへ)にたち(われ)らはこれらの(にく)むべきことを(おこな)ふとも(すく)はるるなりといふは(いか)にぞや 11わが()をもて(とな)へらるる(この)(いへ)(なんぢ)らの()には盜賊(ぬすびと)()()ゆるや(われ)(これ)をみたりとヱホバいひたまふ 12汝等(なんぢら)わが(はじめ)シロに(おい)(わが)()(おき)(ところ)にゆき()がイスラエルの(たみ)(あく)のために其處(そこ)になせしところのことをみよ 13ヱホバいひたまふ(いま)(なんぢ)此等(これら)のすべての(こと)をなす(また)われ(なんぢ)らに(かた)(しきり)にかたりたれども()かず(なんぢ)らを()びたれども(こた)へざりき 14この(ゆゑ)(われ)シロになせしごとく(わが)()をもて(とな)へらるる(この)(いへ)になさんすなはち汝等(なんぢら)(たの)むところ(わが)(なんぢ)らと(なんぢ)らの先祖(せんぞ)にあたへし(この)(ところ)になすべし 15またわれ汝等(なんぢら)のすべての兄弟(きやうだい)すなはちエフライムのすべての(すゑ)()てしごとく(わが)(まへ)より(なんぢ)らをも()つべし 16(ゆゑ)(なんぢ)この(たみ)のために(いの)(なか)(かれ)らの(ため)(なげ)くなかれ(もと)むるなかれ(また)(われ)にとりなしをなす(なか)れわれ(なんぢ)にきかじ 17(なんぢ)かれらがユダの(まち)とヱルサレムの(ちまた)になすところを()ざるか 18諸子(こどもら)(たきぎ)(あつ)(ちち)()()(をんな)(こな)()ねパンをつくりて(これ)天后(てんこう)にそなふ(また)かれら(ほか)(かみ)(まへ)(さけ)をそそぎて(われ)(いか)らす 19ヱホバいひたまふ(かれ)(われ)(いか)らするか()れおのが(かほ)(はづかし)むるにあらずや 20是故(このゆえ)(しゆ)ヱホバかくいひたまふ()よわが震怒(いかり)とわが憤怒(いきどほり)はこの(ところ)(ひと)(けもの)()()および()()にそそがん(かつ)(もえ)(きえ)ざるべし 21萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)かくいひたまふ(なんぢ)らの犠牲(いけにへ)燔祭(はんさい)(もの)をあはせて(にく)をくらへ 22そはわれ汝等(なんぢら)先祖(せんぞ)をエジプトより(みちび)きいだせし()燔祭(はんさい)犠牲(いけにへ)とに(つき)てかたりしことなく(また)(めい)ぜしことなし 23(ただ)われこの(こと)彼等(かれら)(めい)(なんぢ)(わが)(こゑ)(きか)ばわれ(なんぢ)らの(かみ)となり(なんぢ)我民(わがたみ)とならん(かつ)わが(なんぢ)らに(めい)ぜしすべての(みち)(あゆ)みて福祉(さいはひ)をうべしといへり 24されど(かれ)らはきかず(その)(みみ)(かたむ)けずおのれの(あし)(こころ)(はかりごと)剛愎(かたくな)なるとにしたがひて(あゆ)みまた(うしろ)(われ)にむけて(その)(かほ)()けざりき 25(なんぢ)らの先祖(せんぞ)がエジプトの()をいでし()より今日(こんにち)にいたるまでわれ(わが)(しもべ)なる預言者(よげんしや)(なんぢ)らにつかはし日々(ひび)(あさ)より(これ)をつかはせり 26されど(かれ)らは(われ)にきかず(みみ)(かたむ)けずして(その)(うなじ)(こは)くしその列祖(せんぞ)よりも(まさ)りて(あく)をなすなり 27(なんぢ)(かれ)らに此等(これら)のすべてのことばを(かた)るとも(なんぢ)にきかずかれらを()ぶとも(なんぢ)にこたへざるべし 28(なんぢ)かく(かれ)らに(かた)れこれは(その)(かみ)ヱホバの(こゑ)(きか)ずその(いましめ)(うけ)ざる(たみ)なり眞實(まこと)はうせてその(くち)(たえ)たり 29(シオンの(むすめ)よ)(なんぢ)(かみ)()りてこれを()(やま)(うへ)哀哭(なげき)(こゑ)をあげよヱホバその(いか)るところの()(ひと)をすててこれを(はな)れたまへばなり 30ヱホバいひたまふユダの(たみ)(わが)(まへ)(あく)(おこな)へり(すなは)ちその(にく)むべき(もの)(わが)()をもて(とな)へらるる(いへ)(おき)てこれを(けが)せり 31(また)ベンヒンノムの(たに)(おい)てトペテの崇邱(たかきところ)(きづ)きてその子女(むすこむすめ)()(やか)かんとせり(われ)これを(めい)ぜずまた(かか)ることを(おも)はざりし 32ヱホバいひたまふ(され)()此處(ここ)をトペテまたはベンヒンノムの(たに)(とな)へずして殺戮(ほふり)(たに)(とな)ふる()きたらん()(はうむ)るべき地所(ところ)なきまでにトペテに(はうむ)るべければなり 33この(たみ)(しかばね)天空(そら)(とり)()(けもの)食物(くひもの)とならんこれを()ふものなかるべし 34その(とき)われユダの(まち)とヱルサレムの(ちまた)欣喜(よろこび)(こゑ) 歡樂(たのしみ)(こゑ) 新婿(はなむこ)(こゑ) 新婦(はなよめ)(こゑ)なからしむべしこの()荒蕪(あれはつ)ればなり

第八章

1ヱホバいひたまふその(とき)(ひと)ユダの王等(わうたち)(ほね)とその牧伯等(つかさたち)(ほね)祭司(さいし)(ほね)預言者(よげんしや)(ほね)とヱルサレムの(たみ)(ほね)をその(はか)よりほりいだし 2彼等(かれら)(あい)(つか)(したが)(もと)(かつ)(まつ)れるところの()(つき)(てん)衆群(しうぐん)(まへ)にこれを(さら)すべし(その)(ほね)はあつむる(もの)なく(はうむ)(もの)なくして糞土(ふんど)のごとくに()(おもて)にあらん 3この(あし)(たみ)(うち)ののこれる餘遺(のこり)(もの)すべてわが(おひ)やりしところに(のこ)れる(もの)(みな)(いく)るよりも()ぬることを(ねがは)んと萬軍(ばんぐん)のヱホバ(いひ)たまふ 4(なんぢ)また(かれ)らにヱホバかくいふと(かた)るべし(ひと)もし(たふ)るれば()きかへるにあらずやもし(はな)るれば(かへ)(きた)るにあらずや 5何故(なにゆゑ)にヱルサレムにをる此民(このたみ)(つね)にわれを(はな)れて(かへ)らざるや(かれ)らは詐僞(いつはり)をかたく(とり)(かへ)ることを(いな)めり 6われ(みみ)(そばだ)てて(きく)(かれ)らは(よき)ことを(いは)一人(ひとり)もその(あく)()いてわがなせし(こと)(なに)ぞやといふ(もの)なし(かれ)らはみな戰場(いくさば)馳入(はせい)(うま)のごとくにその(みち)(かへ)るなり 7天空(そら)(つる)はその定期(とき)()斑鳩(やまばと)(つばめ)(かり)はそのきたる(とき)(まも)るされど我民(わがたみ)はヱホバの律法(おきて)をしらざるなり 8(なんぢ)いかで(われ)智慧(ちゑ)ありわれらにはヱホバの律法(おきて)ありといふことをえんや()よまことに書記(しよき)(いつはり)(ふで)(これ)(いつはり)とせり 9智慧(ちゑ)ある(もの)(はづか)しめられまたあわてて(とら)へらる()彼等(かれら)ヱホバの(ことば)(すて)たり(かれ)(なに)智慧(ちゑ)あらんや 10(ゆゑ)にわれその(つま)他人(たにん)にあたへ(その)田圃(たはた)他人(たにん)(つが)しめん(かれ)らは(ちひ)さき(もの)より(おほい)なる(もの)にいたるまで(みな)貪婪者(むさぼるもの)また預言者(よげんしや)より祭司(さいし)にいたるまで(みな)詭詐(いつはり)をなす(もの)なればなり 11(かれ)我民(わがたみ)(むすめ)(きず)(あさ)(いや)平康(やす)からざる(とき)平康(やすし)平康(やすし)といへり 12(かれ)(にく)むべき(こと)をなして恥辱(はづかしめ)らる()れど(すこし)(はぢ)ずまた(はぢ)()らずこの(ゆゑ)(かれ)らは(たふ)るる(もの)(とも)(たふ)れんわが(かれ)らを(ばつ)するときかれら(つまづ)くべしとヱホバいひたまふ 13ヱホバいひたまふ(われ)(かれ)らをことごとく(ほろぼ)さん葡萄(ぶだう)()葡萄(ぶだう)なく無花果(いちぢく)()無花果(いちぢく)なしその()()れたり(ゆゑ)にわれ殲滅者(ほろぼすもの)(かれ)らにつかはす. 14(われ)(なん)(ここ)にとどまるやあつまれよ(われ)(かた)城邑(まち)にゆきて其處(そこ)(ほろび)我儕(われら)ヱホバに(つみ)(をか)せしによりて(われ)らの(かみ)ヱホバ(われ)らを(ほろぼ)(どく)なる(みづ)(のま)せたまへばなり 15われら平康(やすき)(のぞ)めども(よき)こと(きた)らず(なぐさ)めらるる(とき)(のぞ)むにかへつて恐懼(おそれ)きたる 16その(うま)(いななき)はダンよりきこえこの()みなその(つよ)(うま)(こゑ)によりて(ふる)(かれ)らきたりて(この)()とその(うへ)にある(もの)および(まち)とその(うち)(すめ)(もの)(くら)17()よわれ呪詛(まじなひ)のきかざる(へび)(まむし)(なんぢ)らのうちに(つかは)はさん(これ)(なんぢ)らを(かむ)べしとヱホバいひたまふ 18嗚呼(ああ)われ(うれ)ふいかにして慰藉(なぐさめ)をえんや(わが)(うち)(こころ)(なや)19みよ(とほ)(くに)より我民(わがたみ)(むすめ)(こゑ)ありていふヱホバはシオンに(いま)さざるか(その)(わう)はその(うち)(あら)ざるかと(ヱホバいひたまふ)(かれ)らは何故(なにゆゑ)にその偶像(ぐうざう)異邦(ことくに)(むなし)(もの)をもて(われ)(いか)らせしやと 20收穫(かりいれ)(とき)()(なつ)もはや(をは)りぬされど(われ)らはいまだ(すく)はれず 21我民(わがたみ)(むすめ)(いたみ)によりて(われ)(いた)(かつ)(かな)しむ恐懼(おそれ)(われ)(せま)れり 22ギレアデに乳香(にうかう)あるにあらずや彼處(かしこ)醫者(いしや)あるにあらずやいかにして我民(わがたみ)(むすめ)はいやされざるや

第九章

1ああ(われ)わが(かうべ)(みづ)となし(わが)()(なみだ)(いづみ)となすことをえんものを我民(わがたみ)(むすめ)(ころ)されたる(もの)(ため)晝夜(ひるよる)(なげ)かん 2嗚呼(ああ)われ曠野(あらの)旅人(たびびと)寓所(やどりどころ)をえんものを我民(わがたみ)(はな)れてさりゆかん(かれ)らはみな姦淫(かんいん)するもの(もと)れる(もの)(ともがら)なればなり 3(かれ)らは(ゆみ)()くがごとく(その)(した)をもて(いつはり)をいだす(かれ)らは(この)()において眞實(まこと)のために(つよ)からず(あく)より(あく)にすすみまた(われ)(しら)ざるなりとヱホバいひたまふ 4(なんぢ)らおのおの(その)(となり)(こころ)せよ(いづれ)兄弟(きやうだい)をも(しん)ずる(なか)兄弟(きやうだい)はみな(あざむ)きをなし(となり)はみな(そし)りまはればなり 5(かれ)らはおのおの(その)(となり)(あざむ)きかつ眞實(まこと)をいはず(その)(した)(いつはり)をかたることを(をし)(あく)をなすに(つか)6(なんぢ)住居(すまひ)詭譎(いつはり)(なか)にあり(かれ)らは詭譎(いつはり)のために(われ)(しる)ことをいなめりとヱホバいひたまふ 7(ゆゑ)萬軍(ばんぐん)のヱホバかくいひたまへり()(われ)かれらを(とか)(こころ)むべしわれ我民(わがたみ)(むすめ)(こと)如何(いか)になすべきや 8(かれ)らの(した)(ころ)()のごとしかれら(いつはり)をいふまた(その)(くち)をもて(となり)におだやかにかたれども(その)(こころ)(うち)には(がい)をはかるなり 9ヱホバいひたまふ(われ)これらの(こと)のために(かれ)らを(ばつ)せざらんや(わが)(こころ)はかくのごとき(たみ)(あだ)(かへ)さざらんや 10われ(やま)のために()(さけ)()牧場(まきば)のために(かなし)むこれらは(やか)れて(すぐ)(ひと)なしまたここに(うし)(ひつじ)(こゑ)をきかず天空(そら)(とり)(けもの)(みな)(にげ)てさりぬ 11われヱルサレムを邱墟(くづれづか)とし山犬(やまいぬ)()となさんまたユダの(すべて)邑々(まちまち)(あら)して()(ひと)なからしめん 12智慧(ちゑ)ありてこの(こと)(さと)(ひと)(たれ)ぞやヱホバの(くち)(ことば)(うけ)てこれを(しめ)さん(もの)(たれ)ぞやこの()(ほろぼ)されまた()のごとく(やか)れて(すぐ)(もの)なきにいたりしは何故(なにゆゑ)13ヱホバいひたまふ(これ)(かれ)(わが)その(まへ)(たて)しところの律法(おきて)をすて(わが)(こゑ)をきかず(これ)(したが)はざるによりてなり 14(かれ)らはその(こころ)剛愎(かたくな)なるとその列祖(せんぞ)たちがおのれに(をし)へしバアルとに(したが)へり 15この(ゆゑ)萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)かくいひたまふ()よわれ彼等(かれら)すなはち(この)(たみ)茵蔯(いんちん)(くら)はせ(どく)なる(みづ)(のま)16(かれ)らもその先祖(せんぞ)たちもしらざりし國人(くにびと)のうちに(かれ)らを(ちら)しまた(かれ)らを(ほろぼ)(つく)すまで(その)(うしろ)(つるぎ)をつかはさん 17萬軍(ばんぐん)のヱホバかくいひたまふ(なんぢ)らよく(かんが)哭婦(なきをんな)をよびきたれ(また)(ひと)(つかは)して(かしこ)(をんな)をまねけよ 18(かれ)らは(すみやか)にきたりて我儕(われら)のために哭哀(なきかな)しみ我儕(われら)()(なみだ)をこぼさせ我儕(われら)目蓋(まぶた)より(みづ)(あふ)れしめん 19シオンより(かなしみ)(こゑ)きこゆ(いは)嗚呼(ああ)われら(ほろぼ)され(われ)(いた)(はづかし)めらる(われ)らは(その)()()(かれ)らはわが住家(すみか)(こぼ)ちたり 20(をんな)たちよヱホバの(ことば)をきけ(なんぢ)らの(みみ)(その)(くち)(ことば)をいれよ(なんぢ)らの(むすめ)(なく)ことを(をし)へおのおのその(となり)(かなしみ)(うた)(をし)ふべし 21そは()のぼりてわれらの(まど)よりいり(われ)らの殿舍(やかた)()(そと)にある諸子(こどもら)(たや)(ちまた)にある壯年(わかきもの)(ころ)さんとすればなり 22ヱホバかくいへりと(なんぢ)()ふべし(ひと)(しかばね)糞土(ふんど)のごとく田野(はたけ)()ちんまた收穫者(かりいるるもの)のうしろに(のこ)りて(あつ)めずにある(たば)のごとくならんと 23ヱホバかくいひたまふ智慧(ちゑ)ある(もの)はその智慧(ちゑ)(ほこ)(なか)(ちから)ある(もの)(その)(ちから)(ほこ)るなかれ富者(とめるもの)はその(とみ)(ほこ)ること(なか)24(ほこ)(もの)はこれをもて(ほこ)るべし(すなは)明哲(さとく)して(われ)()(こと)とわがヱホバにして()仁惠(めぐみ)公道(おほやけ)公義(ただしき)とを(おこな)(もの)なるを()(こと)(これ)なり(われ)これらを(よろこ)ぶなりとヱホバいひたまふ 25 9:26ヱホバいひたまひけるは()よわれすべて(まへ)(かは)割禮(かつれい)をうけたる(もの)すなはちエジプトとユダとエドムとアンモンの子孫(ひとびと)とモアブと()にをりてその(ひげ)()(もの)とを(ばつ)する()きたらんそはすべて異邦人(ことくにびと)割禮(かつれい)をうけずまたイスラエルの(いへ)(こころ)割禮(かつれい)をうけざればなり

第十章

1イスラエルの(いへ)よヱホバの(なんぢ)らに(いひ)たまふ(ことば)をきけ 2ヱホバかくいひたまふ(なんぢ)異邦人(ことくにびと)(みち)(なら)(なか)異邦人(ことくにびと)(てん)にあらはるる(しるし)(おそ)るるとも(なんぢ)らはこれを(おそ)るる(なか)3異國人(ことくにびと)風俗(ならはし)はむなしその(あが)むる(もの)(はやし)より(きり)たる()にして木匠(たくみ)()(をの)をもて(つく)りし(もの)なり 4(かれ)らは(ぎん)(きん)をもてこれを(かざ)(くぎ)(つち)をもて(これ)(かた)めて搖動(うご)かざらしむ 5こは(まる)(はしら)のごとくにして(ものい)はずまた(あゆ)むこと(あた)はざるによりて(ひと)にたづさへらる(これ)災害(わざはひ)をくだし(また)福祉(さいはひ)をくだすの(ちから)なきによりて(なんぢ)らこれを(おそ)るる(なか)6ヱホバよ(なんぢ)(たぐ)ふべき(もの)なし(なんぢ)(おほい)なり(なんぢ)()(その)權威(ちから)のために(おほい)なり 7(なんぢ)萬國(ばんこく)(わう)たる(もの)(たれ)(なんぢ)(おそ)れざるべきや(なんぢ)(おそ)るるは當然(たうぜん)なりそは萬國(ばんこく)のすべての博士(はかせ)たちのうちにもその諸國(くにぐに)のうちにも(なんぢ)(たぐ)ふべき(もの)なければなり 8(かれ)らはみな(けもの)のことくまた痴愚(おろか)なり(むな)しき(もの)(をしへ)(ただ)()のみ 9タルシシより(たづさ)()銀箔(ぎんぱく)ウパズより(たづさ)()(きん)鍛冶(かぢ)鑄匠(いものし)(つく)りし(もの)なり(あを)(むらさき)をその(ころも)となす(これ)はすべて(たくみ)みなる細工人(さいくにん)工作(わざ)なり 10ヱホバは(まこと)(かみ)なり(かれ)(いけ)(かみ)なり永遠(えいゑん)(わう)なり(その)(いかり)によりて()(ふる)萬國(ばんこく)はその憤怒(いきどほり)にあたること(あた)はず 11汝等(なんぢら)かく(かれ)らにいふべし天地(てんち)(つく)らざりし諸神(かみたち)()(うへ)よりこの(てん)(した)より(うせ)さらんと 12ヱホバはその(ちから)をもて()をつくり(その)智慧(ちゑ)をもて世界(せかい)()てその明哲(さとり)をもて(てん)()べたまへり 13かれ(こゑ)をいだせば(てん)(おほく)(みづ)ありかれ(くも)()(はて)よりいだし(いなびかり)(あめ)をおこし(かぜ)をその府庫(くら)よりいだす 14すべての(ひと)(けもの)(ごと)くにして()なしすべての鑄匠(いものし)はその(つく)りし(ざう)のために(はぢ)をとる(その)()るところの(ざう)僞物(いつはりもの)にしてその(うち)靈魂(たましひ)なければなり 15(これ)らは(むなし)(もの)にして迷妄(まよひ)工作(わざ)なりその(ばつ)せらるるときに(ほろ)ぶべし 16ヤコブの(ぶん)(かく)のごとくならず(かれ)萬物(ばんもつ)造化主(つくりぬし)なりイスラエルはその產業(さんげふ)(つゑ)なりその()萬軍(ばんぐん)のヱホバといふなり 17(かこみ)(うち)()する(もの)(なんぢ)(つつみ)()より()りあげよ 18ヱホバかくいひたまふみよ(われ)この()にすめる(もの)此度(このたび)(なげう)たん(かつ)かれらをせめなやまして(とら)へられしむべし 19われ毀傷(いたみ)をうく嗚呼(ああ)われは(わざはひ)なるかな(わが)(きず)(おも)(われ)いふこれまことにわが患難(なやみ)なりわれ(これ)(しのぶ)べし 20わが幕屋(まくや)はやぶれわが繩索(なは)(ことごと)()(わが)衆子(こどもら)(われ)をすてゆきて(をら)ずなりぬ幕屋(まくや)()(もの)なくわが(まく)をかくる(もの)なし 21牧者(ぼくしや)(おろか)にしてヱホバを(もと)めず(ゆゑ)利達(さかえ)ずその(むれ)はみな()れり 22きけよ風聲(うはさ)あり(きた)(くに)より(おほい)なる(さわぎ)きたる(これ)ユダの諸邑(まちまち)(あら)して山犬(やまいぬ)()となさん 23ヱホバよわれ()(ひと)(みち)自己(おのれ)によらず(かつ)歩行(あゆ)(ひと)(みづか)らその歩履(あゆみ)(さだ)むること(あた)はざるなり 24ヱホバよ(われ)(こら)したまへ(ただ)(みち)にしたがひ(いか)らずして(こら)したまへおそらくは(われ)()()せん 25(なんぢ)(しら)ざる國人(くにびと)(なんぢ)()(よば)ざる(やから)(なんぢ)(いかり)(そそ)ぎたまへ(かれ)らはヤコブを(くら)(これ)をくらふて(ほろぼ)しその牧場(まきば)(あら)したればなり

第十一章

1ヱホバよりヱレミヤにのぞめる(ことば)いふ 2(なんぢ)らこの契約(けいやく)(ことば)をききユダの(ひと)とヱルサレムにすめる(もの)(つげ)3(なんぢ)かれらに(かた)れイスラエルの(かみ)ヱホバかくいひたまふこの契約(けいやく)(ことば)(したが)はざる(ひと)(のろ)はる 4この契約(けいやく)はわが(なんぢ)らの先祖(せんぞ)をエジプトの()(てつ)(かまど)(うち)より(みちび)(いだ)せし()にかれらに(めい)ぜしものなり(すなは)(われ)いひけらく(なんぢ)(わが)(こゑ)をきき(わが)(なんぢ)らに(めい)ぜし(すべて)(こと)(したが)ひて(おこな)はば(なんぢ)らは我民(わがたみ)となり(われ)(なんぢ)らの(かみ)とならん 5われ(なんぢ)らの先祖(せんぞ)(ちち)(みつ)(なが)るる()(あた)へんと(ちか)ひしことを成就(なしとげ)んと(すなは)今日(こんにち)のごとしその(とき)(われ)こたへてアーメン、ヱホバといへり 6またヱホバ(われ)にいひたまひけるは(なんぢ)すべて此等(これら)(ことば)をユダの諸邑(まちまち)とヱルサレムの(ちまた)にしめし(なんぢ)(この)契約(けいやく)(ことば)をききてこれを(おこな)へといふべし 7われ(なんぢ)らの列祖(せんぞ)をエジプトの()より導出(みちびきいだ)せし()より今日(こんにち)にいたるまで(せち)(かれ)らを(いまし)(しきり)(いまし)めて(なんぢ)(わが)(こゑ)(したが)へといへり 8(され)(かれ)らは(したが)はずその(みみ)(かたむ)けずおのおの(その)(あし)(こころ)剛愎(かたくな)なるにしたがひて(あゆ)めり(ゆゑ)にわれ(この)契約(けいやく)(ことば)彼等(かれら)にきたらす()はわがかれらに(これ)(おこな)へと(めい)ぜしかども彼等(かれら)がおこなはざりし(もの)なり 9またヱホバ(われ)にいひたまひけるはユダの人々(ひとびと)とヱルサレムに(すめ)(もの)(うち)叛逆(はんぎやく)(こと)あり 10(かれ)らは(わが)(ことば)をきくことを(この)まざりしところのその先祖(せんぞ)(つみ)にかへり(また)(ほか)(かみ)(したが)ひて(これ)(つか)へたりイスラエルの(いへ)とユダの(いへ)はわがその列祖(せんぞ)たちと(むすび)たる契約(けいやく)をやぶれり 11この(ゆゑ)にヱホバかくいひ(たま)ふみよわれ災禍(わざはひ)をかれらにくださん(かれ)らこれを(まぬ)かるることをえざるべし(かれ)(われ)をよぶとも(われ)(きか)12ユダの(まち)とヱルサレムに(すめ)(もの)はゆきてその(かう)(たき)(かみ)(よば)んされど是等(これら)はその災禍(わざはひ)(とき)(たえ)てかれらを(すく)ふことあらじ 13ユダよ(なんぢ)(かみ)(かず)(なんぢ)(まち)(かず)のごとし(かつ)(なんぢ)らヱルサレムの(ちまた)(かず)にしたがひて(はづ)べき(もの)(だん)をたてたり(すなは)ちバアルに(かう)(たか)んとて(だん)をたつ 14(ゆゑ)(なんぢ)この(たみ)(ため)(いの)(なか)(また)その(ため)()きあるひは(もとむ)(なか)(かれ)らがその災禍(わざはひ)のために(われ)(よぶ)ときわれ(かれ)らに(きか)ざるべし 15わが(あい)する(もの)(わが)(いへ)にて(なに)をなすや(あし)(はかりごと)をなすや(ねがひ)(きよ)(にく)(なんぢ)(わざはひ)(まぬか)れしむるやもし(しか)らば(なんぢ)よろこぶべし 16ヱホバ(なんぢ)()嘉果(よきみ)ある(うるは)しき靑橄欖(あをかんらん)()(よび)たまひしがおほいなる喧嚷(さわぎ)(こゑ)をもて(これ)()をかけ(かつ)その(えだ)()りたまふ 17(なんぢ)(うゑ)萬軍(ばんぐん)のヱホバ(なんぢ)(わざはひ)をさだめ(たま)へりこれイスラエルの(いへ)とユダの(いへ)みづから(そこな)ふの(あく)をなしたるによるなり(すなは)ちバアルに(かう)()きてわれを(いか)らせたり 18ヱホバ(われ)(しら)せたまひければ(われ)これを()るその(とき)(なんぢ)(かれ)らの作爲(わざ)(われ)にしめしたまへり 19(われ)(ひか)れて(ほふ)られにゆく(こひつじ)(ごと)(かれ)らが(われ)をそこなはんとて(はかりごと)をなすを(しら)(かれ)らいふいざ(われ)()とその()とを(とも)(ほろぼ)さんかれを(いけ)(もの)()より(たち)てその()(ひと)(わす)れしむべしと 20(ただし)(さばき)をなし(ひと)心腸(しんちやう)(さぐ)りたまふ萬軍(ばんぐん)のヱホバよ(われ)わが(うつたへ)(なんぢ)にのべたればわれをして(なんぢ)(かれ)らに(あだ)(かへ)すを()せしめたまへ 21(ここ)をもてヱホバ、アナトテの人々(ひとびと)につきてかくいひたまふ彼等(かれら)(なんぢ)生命(いのち)(とら)んと(もと)めて()(なんぢ)ヱホバの()をもて預言(よげん)する(なか)(おそ)らくは(なんぢ)(われ)らの()(しな)んと 22(ゆゑ)萬軍(ばんぐん)のヱホバかくいひ(たま)ふみよ(われ)かれらを(ばつ)すべし壯丁(わかきひと)(つるぎ)()にその子女(むすこむすめ)饑饉(ききん)にて()なん 23(のこ)(もの)なかるべし(われ)(わざはひ)をアナトテの人々(ひとびと)にきたらしめわが(かれ)らを(ばつ)するの(とし)をきたらしめん

第十二章

1ヱホバよわが(なんぢ)(あらそ)(とき)(なんぢ)(ただ)(ただ)われ(さばき)(こと)につきて(なんぢ)(いは)惡人(あくにん)(みち)のさかえ(もと)れる(もの)のみな(さいはひ)なるは何故(なにゆゑ)ぞや 2(なんぢ)かれらを(うゑ)たり(かれ)らは()づき成長(そだち)()(むす)べりその(くち)(なんぢ)(ちかづ)けどもその(こころ)(なんぢ)(とほ)ざかる 3ヱホバ(なんぢ)われを()(われ)()またわが(こころ)(なんぢ)にむかひて(いか)なるかを(こころ)みたまふ(ひつじ)(ほふ)りに(ひき)いだすがごとく(かれ)らを(ひき)いだし(ころ)()(ため)にかれらをそなへたまへ 4いつまでこの()(なげ)きすべての(はたけ)蔬菜(あをもの)(かれ)をるべけんやこの()(すめ)(もの)(あく)によりて畜獸(けもの)(とり)(ほろぼ)さる(かれ)らいふ(かれ)(われ)らの(をはり)をみざるべしと 5(なんぢ)もし歩行者(かちのもの)とともに(はしり)てつかれなばいかで騎馬者(うまにのれるもの)(きそ)はんや(なんぢ)平安(おだやか)なる()(たの)まばいかでヨルダンの(ほとり)(くさむら)()ることをえんや 6(なんぢ)兄弟(きやうだい)(なんぢ)(ちち)(いへ)(なんぢ)(あざむ)きまた大聲(おほごゑ)をあげて(なんぢ)()ふかれらしたしく(なんぢ)(かた)るともこれを(しん)ずる(なか)7われ(わが)(いへ)(はな)れわが產業(さんげふ)をすて(わが)靈魂(たましひ)(あい)するところの(もの)をその(てき)()にわたせり 8わが產業(さんげふ)(はやし)獅子(しし)のごとし(われ)にむかひて(その)(こゑ)()(ゆゑ)にわれ(これ)(にく)めり 9(わが)產業(さんげふ)(われ)におけること班駁(まだら)ある(とり)のごとくならずや(とり)(これ)(かこ)むにあらずや()のすべての(けもの)きたりあつまれ(きたり)てこれを(くら)10(おほく)牧者(ぼくしや)わが葡萄(ぶだう)(ばたけ)をほろぼしわが()踐踏(ふみあら)しわがうるはしき()荒野(あれの)となせり 11(かれ)らこれを荒地(あれち)となせりその荒地(あれち)(われ)にむかひて(なげ)くなり一人(ひとり)もかへりみる(もの)なければこの全地(ぜんち)(あれ)たり 12毀滅者(ほろぼすもの)()のすべての童山(はげやま)のうへに(きた)れりヱホバの(つるぎ)()のこの(はて)よりかの(はて)までを(ほろ)ぼすすべて血氣(いのち)ある(もの)(やすき)をえず 13(かれ)らは(むぎ)(まき)荊棘(いばら)をかる(ほねを)れども()るところなし(なんぢ)らはその作物(つくりもの)のために(はづ)るにいたらん(これ)ヱホバの(はげし)(いかり)によりてなり 14わがイスラエルの(たみ)(つが)しむる產業(さんげふ)をせむるところのすべてのわが(あし)(となり)にむかひてヱホバかくいふみよわれ彼等(かれら)をその()より拔出(ぬきいだ)しまたユダの(いへ)(かれ)らの(うち)より拔出(ぬきいだ)すべし 15われ(かれ)らを拔出(ぬきいだ)せしのちまた(かれ)らを(あはれ)みておのおのを(その)產業(さんげふ)にかへし各人(おのおの)をその()(かへ)らしめん 16彼等(かれら)もし我民(わがたみ)(みち)をまなび(わが)()をさしてヱホバは()くと(ちか)ふこと(かつ)我民(わがたみ)(をし)へてバアルを(さし)(ちか)はしめし(ごと)くせば(かれ)らはわが(たみ)(うち)(たて)らるべし 17されど(かれ)らもし()かざれば(われ)かならずかかる(たみ)(まつた)拔出(ぬきいだ)して(ほろぼ)すべしとヱホバいひたまふ

第十三章

1ヱホバかくいひたまへり(なんぢ)ゆきて(あさ)(おび)をかひ(なんぢ)(こし)にむすべ(みづ)()(なか)2われすなはちヱホバの(ことば)(したが)(おび)をかひてわが(こし)にむすべり 3ヱホバの(ことば)ふたたび(われ)にのぞみて()4(なんぢ)(かひ)(こし)にむすべる(おび)()(たち)てユフラテにゆき彼處(かしこ)にてこれを(いは)(あな)にかくせと 5ここに(おい)てわれヱホバの(めい)じたまひし(ごと)(ゆき)てこれをユフラテの(ほとり)にかくせり 6おほくの()()しのちヱホバ(われ)にいひたまひけるは(たち)てユフラテにゆきわが(なんぢ)(めい)じて彼處(かしこ)にかくさしめし(おび)()れと 7われすなはちユフラテにゆき(おび)(わが)(かく)せしところより掘取(ほりとり)りしにその(おび)(くち)(もち)ふるにたへず 8またヱホバの(ことば)われにのぞみて()9ヱホバかくいふ(われ)かくの(ごと)くユダの驕傲(たかぶり)とヱルサレムの(おほい)なる驕傲(たかぶり)をやぶらん 10この(あし)(たみ)はわが(ことば)(きく)ことをこばみ(おのれ)(こころ)剛愎(かたくな)なるにしたがひて(あゆ)(かつ)(ほか)(かみ)(したが)ひてこれにつかへ(これ)(はい)彼等(かれら)(この)(おび)(もち)ふるにたへざるが(ごと)くなるべし 11ヱホバいふ(おび)(ひと)(こし)(つく)がごとくわれイスラエルのすべての(いへ)とユダのすべての(いへ)(われ)(つか)しめ(これ)我民(わがたみ)となし()となし(ほまれ)となし(さかえ)となさんとせり(しか)るに彼等(かれら)はきかざりき 12(ゆゑ)(なんぢ)この(ことば)(かれ)らに(かた)るべしイスラエルの(かみ)ヱホバかくいふ酒壺(さかつぼ)には(みな)(さけ)()つと(かれ)(なんぢ)にこたへていはん我儕(われら)(あに)酒壺(さかつぼ)(さけ)(みつ)ることを(しら)ざらんやと 13(その)(とき)(なんぢ)かれらにいふべしヱホバかくいふみよわれ此地(このち)(すめ)るすべての(もの)とダビデの(くらゐ)()する王等(わうたち)祭司(さいし)預言者(よげんしや)およびヱルサレムに(すめ)るすべての(もの)(ゑひ)(みた)14(かれ)らを(これ)(かれ)(うち)あはせて(くだ)かん(ちち)()をも(しか)すべしわれ(かれ)らを(めぐ)まず(をし)まず(あはれ)まずして(ほろぼ)さん 15(なんぢ)らきけ(みみ)(かたむ)けよ(たかぶ)(なか)れヱホバかたりたまふなり 16(なんぢ)らの(かみ)ヱホバに(その)いまだ(やみ)(おこ)したまはざる(さき)(なんぢ)らの(あし)のくらき(やま)(つまづ)かざる(さき)榮光(さかえ)()すべし(なんぢ)光明(ひかり)(のぞ)まんにヱホバ(これ)()(かげ)()(これ)昏黑(くらやみ)となしたまふにいたらん 17(なんぢ)(もし)これを(きか)ずば(わが)靈魂(たましひ)(なんぢ)らの(たかぶり)(ひそか)なるところに(かなし)まん(また)ヱホバの(むれ)(かす)めらるるによりて(わが)()いたく(なき)(なみだ)をながすべし 18なんぢ(わう)大后(たいこう)につげよ(なんぢ)(みづか)(へりくだり)りて()せそはなんぢらの(うるは)しき(かんむり)(なんぢ)らの(かうべ)より(おつ)べければなり 19(みなみ)諸邑(まちまち)(とぢ)てこれを(ひら)(ひと)なしユダは(みな)擄移(とらへうつ)され(ことごと)くとらへ(うつ)さる 20(なんぢ)()()げて(きた)より(きた)(もの)をみよ(なんぢ)らが(たま)はりし(むれ)(なんぢ)のうるはしき(むれ)はいづこにあるや 21かれ(なんぢ)(したし)(なれ)たる(もの)(なんぢ)(うへ)にたてて首領(かしら)となさんとき(なんぢ)(なに)のいふべきことあらんや(なんぢ)(いたみ)()をうむ(をんな)のごとくならざらんや 22(なんぢ)(こころ)のうちに何故(なにゆゑ)にこの(こと)(われ)にきたるやといふか(なんぢ)(つみ)(おもき)によりて(なんぢ)(すそ)(かか)げられなんぢの(くびす)はあらはさるるなり 23エテオピア(びと)その(はだへ)をかへうるか(へう)その斑駁(まだら)をかへうるか(もし)これを()しえば(あく)(なれ)たる(なんぢ)らも(ぜん)をなし()べし 24(ゆゑ)にわれ(かれ)らを(ちら)して()(かぜ)吹散(ふきちら)さるる皮壳(から)のごとくせん 25ヱホバいひたまふこは(なんぢ)()べき(ぶん)わが(はかり)(なんぢ)にあたふる產業(さんげふ)なり(なんぢ)(われ)をわすれて虛假(いつはり)依賴(たのめ)ばなり 26(ゆゑ)にわれ(なんぢ)(まへ)(ころも)()ぎて(なんぢ)羞恥(はぢ)をあらはさん 27われ(なんぢ)姦淫(かんいん)(なんぢ)(いななき)(なんぢ)(をか)のうへと()になせし(なんぢ)亂淫(らんいん)(つみ)(なんぢ)(にく)むべき(おこなひ)をみたりヱルサレムよ(なんぢ)(わざはひ)なるかな(なんぢ)(きよ)くせらるるには(なほ)いくばくの(とき)()べきや

第十四章

1乾旱(ひでり)(こと)につきてヱレミヤにのぞみしヱホバの(ことば)()のごとし 2ユダは(かなし)むその(もん)(かたむ)()にたふれて(なげ)くヱルサレムの(さけび)(あが)3その侯伯等(きみたち)(しもべ)をつかはして(みづ)(くま)しむ(かれ)(ゐど)にいたれども(みづ)()(むなし)(うつは)をもちて(かへ)(はぢ)かつ(うれ)へてその(かうべ)をおほふ 4()(あめ)ふらずして(つち)燥裂(ひわれ)たるにより農夫(のうふ)(はぢ)(かうべ)(おほ)5また()にある(めじか)()をうみて(これ)()(くさ)なければなり 6()驢馬(ろば)童山(はげやま)のうへにたちて山犬(やまいぬ)のごとく(あへ)(くさ)なきによりて()(くら)7ヱホバよ我儕(われら)(つみ)われらを(うつた)へて(あかし)をなすとも(ねがは)くは(なんぢ)()(ため)(こと)をなし(たま)我儕(われら)違背(そむき)はおほいなり我儕(われら)(なんぢ)(つみ)(をか)したり 8イスラエルの企望(のぞみ)なる(もの)その(なやめ)るときに(すく)ひたまふ(もの)(なんぢ)いかなれば此地(このち)(おい)他邦人(ことくにびと)のごとくし一夜(ひとよ)寄宿(やどり)旅客(たびびと)のごとくしたまふや 9(なんぢ)いかなれば(あきれ)てをる(ひと)のごとくし(すくひ)をなすこと(あた)はざる勇士(ゆうし)のごとくしたまふやヱホバよ(なんぢ)(われ)らの(うち)にいます我儕(われら)(なんぢ)()をもて(とな)へらるる(もの)なり(われ)らを(すて)たまふ(なか)10ヱホバこの(たみ)にかくいひたまへり(かれ)らかく(この)んでさまよひ(その)(あし)(とど)めざればヱホバ(かれ)らを(よろこ)ばずいまその(とが)をおぼえ(その)(つみ)(ばつ)すべし 11ヱホバまた(われ)にいひたまひけるは(なんぢ)この(たみ)のために(めぐみ)をいのる(なか)12(かれ)斷食(だんじき)するとも(われ)その呼龥(よぶ)をきかず燔祭(はんさい)素祭(そさい)(ささぐ)るとも(われ)これをうけず(かへつ)てわれ(つるぎ)饑饉(ききん)疫病(えきびやう)をもて(かれ)らを(ほろぼ)すべし 13われいひけるは嗚呼(ああ)(しゆ)ヱホバよみよ預言者(よげんしや)たちはこの(たみ)にむかひ(なんぢ)(つるぎ)()ざるべし饑饉(ききん)(なんぢ)らにきたらじわれ此處(ここ)鞏固(たしか)なる平安(へいあん)(なんぢ)らにあたへんといへり 14ヱホバ(われ)にいひたまひけるは預言者等(よげんしやら)(わが)()をもて(いつはり)預言(よげん)せりわれ(これ)(つかは)さず(これ)(めい)ぜずまた(これ)にいはず(かれ)らは虛誕(いつはり)默示(もくし)卜筮(うらなひ)(むなし)きことと(おのれ)(こころ)(いつはり)(なんぢ)らに預言(よげん)せり 15この(ゆゑ)にかの()(つかは)さざるに(わが)()をもて預言(よげん)して(つるぎ)饑饉(ききん)はこの()にきたらじといへる預言者等(よげんしやら)につきてヱホバかくいふこの預言者等(よげんしやら)(つるぎ)饑饉(ききん)(ほろぼ)さるべし 16また彼等(かれら)預言(よげん)をうけし(たみ)饑饉(ききん)(つるぎ)によりてヱルサレムの(ちまた)擲棄(なげすて)られんこれを(はうむ)(もの)なかるべし彼等(かれら)とその(つま)および(その)(むすこ)その(むすめ)みな(しか)りそはわれ(かれ)らの(あく)をその(うへ)(そそ)げばなり 17(なんぢ)この(ことば)(かれ)らに(かた)るべしわが()(よる)(ひる)もたえず(なみだ)(なが)さんそは我民(わがたみ)童女(をとめ)(おほい)なる(ほろび)(おも)(きず)によりて(ほろぼ)さるればなり 18われ(いで)(はたけ)にゆくに(つるぎ)(しぬ)(もの)あり(われ)(まち)にいるに饑饉(ききん)(なや)むものあり預言者(よげんしや)祭司(さいし)もみなその()にさまよひて(しる)ところなし 19(なんぢ)はユダを(ことごと)くすてたまふや(なんぢ)(こころ)はシオンをきらふや(なんぢ)いかなれば我儕(われら)(うち)(いえ)しめざるか(われ)平安(やすき)(のぞ)めども(よき)ことあらず(また)(いや)さるる(とき)(のぞ)むに(かへつ)驚懼(おそれ)あり 20ヱホバよ(われ)らはおのれの(あく)先祖(せんぞ)(とが)()るわれら(なんぢ)(つみ)(をか)したり 21(なんぢ)()のために(われ)らを(すて)たまふ(なか)(なんぢ)(さかえ)(くらゐ)(はづかし)めたまふ(なか)(なんぢ)のわれらに(たて)契約(けいやく)をおぼえて(やぶ)りたまふなかれ 22異邦(ことくに)(むなし)(もの)(うち)(あめ)(ふら)せうるものあるや(てん)みづから白雨(ゆふだち)をくだすをえんや(われ)らの(かみ)ヱホバ(なんぢ)これを()したまふにあらずや(われ)(なんぢ)(のぞ)むそは(なんぢ)すべて此等(これら)(ことごと)(つく)りたまひたればなり

第十五章

1ヱホバ(われ)にいひたまひけるはたとひモーセとサムエルわが(まへ)にたつとも(わが)こころは(この)(たみ)(かへりみ)ざるべしかれらを(わが)(まへ)より()ひていでさらしめよ 2(かれ)らもし(なんぢ)にわれら何處(いづく)にいでさらんやといはば(なんぢ)(かれ)らにヱホバかくいへりといへ()(さだ)められたる(もの)()にいたり(つるぎ)(さだ)められたる(もの)(つるぎ)にいたり饑饉(ききん)(さだ)められたる(もの)饑饉(ききん)にいたり(とりこ)(さだ)められたる(もの)(とりこ)にいたるべしと 3ヱホバ(いひ)たまひけるはわれ(よつ)(もの)をもて(かれ)らを(ばつ)せんすなはち(つるぎ)をもて(ころ)(いぬ)をもて(かま)天空(そら)(とり)および()(けもの)をもて()(ほろぼ)さしめん 4またユダの(わう)ヒゼキヤの()マナセがヱルサレムになせし(こと)によりわれ(かれ)らをして()のすべての(くに)艱難(なやみ)をうけしめん 5ヱルサレムよ(たれ)(なんぢ)(あはれ)まんたれか(なんぢ)のために(なげ)かん(たれ)かちかづきて(なんぢ)安否(あんぴ)()はん 6ヱホバいひたまふ(なんぢ)われをすてたり(なんぢ)退(しりぞ)けり(ゆゑ)にわれ()(なんぢ)のうへに(のべ)(なんぢ)(ほろぼ)さんわれ(あはれみ)(うめ)7われ風扇(うちは)をもて我民(わがたみ)をこの()(もん)(あふ)がんかれらは(その)(みち)(はな)れざるによりて(われ)その()()(かれ)らを(ほろぼ)すべし 8(かれ)らの寡婦(やもめ)はわが(まへ)海濱(はま)(いさご)よりも(おほ)(ひる)われほろぼす(もの)(たづさ)へきたりて(かれ)らと壯者(わかきもの)(はは)とをせめ驚駭(おどろき)恐懼(おそれ)突然(にはか)にかれの(うへ)におこさん 9七人(しちにん)()をうみし(をんな)(おとろ)へて(いき)たえ(なほ)(ひる)なるにその()(はや)()(かれ)(はづかし)められて(かほ)をあからめん(その)(のこ)れる(もの)はわれ(これ)をその(てき)(つるぎ)(わた)さんとヱホバいひたまふ 10嗚呼(ああ)われは(わざはひ)なるかな(わが)(はは)(なんぢ)なに(ゆゑ)(われ)(うみ)しや全國(ぜんこく)(ひと)(われ)(あらそ)(われ)()むわれ(ひと)()さず(ひと)また(われ)()さず(みな)(われ)(のろ)ふなり 11ヱホバいひたまひけるは(われ)(まこと)(なんぢ)(えき)をえせしめんために(なんぢ)(なやま)(われ)まことに(てき)をして(その)(なやみ)(とき)(わざはひ)(とき)(なんぢ)(もと)むることをなさしめん 12(くろがね)いかで(きた)(くろがね)(あかがね)(くだ)かんや 13われ(なんぢ)資產(しさん)(なんぢ)資財(たから)擄掠物(ぶんどりもの)とならしめ(あたひ)をうることなからしめん(これ)(なんぢ)のすべての(つみ)によるなりすべて(なんぢ)(さかひ)のうちにかくなさん 14われ(なんぢ)(てき)をして(なんぢ)(なんぢ)(しら)ざる()にとらへ(うつ)さしめん(それ)(わが)(いかり)によりて()()(なんぢ)(やか)んとするなり 15ヱホバよ(なんぢ)これを()りたまふ(われ)(おぼ)(われ)をかへりみたまへ(われ)迫害(せむ)るものに(あだ)(かへ)したまへ(なんぢ)容忍(しのび)によりて(われ)をとらへられしむる(なか)(わが)(なんぢ)(ため)(はづかしめ)(うく)るを()りたまへ 16われ(なんぢ)(ことば)()(これ)(くら)へり(なんぢ)(ことば)はわが(こころ)欣喜(よろこび)快樂(たのしみ)なり萬軍(ばんぐん)(かみ)ヱホバよわれは(なんぢ)()をもて(とな)へらるるなり 17われ嬉笑者(わらふもの)(あつまり)()せずまた(よろこ)ばずわれ(なんぢ)()によりて(ひと)()(なんぢ)憤怒(いきどほり)をもて(われ)(みた)したまへり 18何故(なにゆゑ)にわが(いたみ)(やま)ずわが(きず)(おも)くして(いえ)ざるか(なんぢ)はわれにおけること(みづ)をたもたずして(ひと)(あざむ)溪河(たにがは)のごとくなるや 19(ここ)をもてヱホバかくいひたまへり(なんぢ)もし(かへ)らば(われ)また(なんぢ)をかへらしめて(わが)(まへ)(たた)しめん(なんぢ)もし(いやしき)をすてて(たふとき)をいださば(わが)(くち)のごとくならん(かれ)らは(なんぢ)(かへ)らんされど(なんぢ)(かれ)らにかへる(なか)20われ(なんぢ)をこの(たみ)(まへ)(かた)(あかがね)(かき)となさんかれら(なんぢ)(せむ)るとも(なんぢ)にかたざるべしそはわれ(なんぢ)(とも)にありて(なんぢ)をたすけ(なんぢ)(すく)へばなりとヱホバいひたまへり 21(われ)(なんぢ)惡人(あくにん)()より(すく)ひとり(なんぢ)(おそ)るべき(もの)()より(はな)つべし

第十六章

1ヱホバの(ことば)また(われ)にのぞみていふ 2(なんぢ)この(ところ)にて(つま)(めと)るなかれ子女(むすこむすめ)()るなかれ 3(この)(ところ)(うま)るる子女(むすこむすめ)とこの()(これ)()(はは)(これ)()(ちち)とに(つき)てヱホバかくいひたまふ 4(かれ)らは(いたま)しき(やまひ)()(かなし)まれず(はうむ)られずして糞土(ふんど)のごとくに田地(はたけ)(おもて)にあらんまた(つるぎ)饑饉(ききん)(ほろぼ)されて(その)(しかばね)天空(そら)(とり)()(けもの)食物(くひもの)とならん 5ヱホバかくいひたまへり()ある(いへ)にいる(なか)れまた(ゆき)(これ)(かなし)(なげ)(なか)れそはわれ(わが)平安(へいあん)恩寵(めぐみ)矜恤(あはれみ)をこの(たみ)より(とれ)ばなりとヱホバいひたまへり 6(おほい)なる(もの)(ちひ)さき(もの)もこの()(しぬ)べし(かれ)らは(はうむ)られずまた(かれ)らのために(かなし)(もの)なく(みづか)(きずつ)くる(もの)なく(かみ)をそる(もの)なかるべし 7またその(かなし)むときパンをさきて(その)死者(しにしもの)のために(これ)(なぐさ)むるものなく(また)(ちち)あるひは(はは)のために慰藉(なぐさめ)(さかづき)(かれ)らに(のま)しむる(もの)なかるべし 8(なんぢ)また筵宴(ふるまひ)(いへ)にいりて(とも)()して食飮(くひのみ)する(なか)9萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)かくいひたまふ()(なんぢ)()(まへ)(なんぢ)()()るときにわれ欣喜(よろこび)(こゑ)歡樂(たのしみ)(こゑ)新娶者(はなむこ)(こゑ)新婦(はなよめ)(こゑ)とを此處(このところ)(たえ)しめん 10(なんぢ)このすべての(ことば)(この)(たみ)(つぐ)るとき(かれ)(なんぢ)()ふてヱホバわれらを(せめ)てこの(おほい)なる(わざはひ)(しめ)したまふは何故(なにゆゑ)ぞやまたわれらに(なに)惡事(あしきこと)あるやわが(かみ)ヱホバに(そむ)きてわれらのなせし(つみ)(なに)ぞやといはば 11(なんぢ)かれらに(こた)ふべしヱホバいひたまふ(これ)(なんぢ)らの先祖(せんぞ)われを(すて)(ほか)(かみ)(したが)ひこれに(つか)へこれを(はい)しまた(われ)をすてわが律法(おきて)(まも)らざりしによる 12(なんぢ)らは(なんぢ)らの先祖(せんぞ)よりも(おほ)(あく)をなせりみよ(なんぢ)らはおのおの自己(おのれ)(あし)(こころ)剛愎(かたくな)なるにしたがひて(われ)にきかず 13(ゆゑ)にわれ(なんぢ)らを()()より()ひて(なんぢ)らと(なんぢ)らの先祖(せんぞ)(しら)ざる()にいたらしめん(なんぢ)らかしこにて晝夜(ひるよる)ほかの(かみ)(つか)へん(これ)わが(なんぢ)らを(あはれ)まざるによるなりと 14ヱホバいひたまふ(され)ばみよ(この)(のち)イスラエルの(たみ)をエジプトの()より(みちび)きいだせしヱホバは()くといふことなくして 15イスラエルの(たみ)(きた)()とそのすべて(おひ)やられし()より導出(みちびきいだ)せしヱホバは()くといふ()きたらん(わが)かれらを(われ)その先祖(せんぞ)(あた)へしかれらの()(みちび)きかへるべし 16ヱホバいひたまふみよ(われ)おほくの漁者(すなどるもの)をよび(きた)りて(かれ)らを(すなど)らせまたその(のち)おほくの獵者(かりうど)呼來(よびきた)りて(かれ)らを(もろもろ)(やま)もろもろの(をか)および(いは)(あな)より(かり)いださしめん 17(わが)()はかれらの(すべて)(みち)()(みな)(われ)にかくるるところなし(また)その(あく)(わが)()(かく)れざるなり 18われまづ(ばい)して(その)(あく)とその(つみ)(むく)いんそは(かれ)らその(けが)れたる(もの)(しかばね)をもて(わが)()(けが)しその(にく)むべきものをもて(わが)產業(さんげふ)(みた)せばなり 19ヱホバ(われ)(ちから) (われ)(しろ) (なやみ)(とき)逃場(のがれば)萬國(ばんこく)(たみ)()(はて)より(なんぢ)にきたりわれらの先祖(せんぞ)(つげ)るところの(もの)(ただ)(いつはり)虛浮事(むなしきこと)(えき)なき(もの)のみなりといはん 20(ひと)(あに)(かみ)にあらざる(もの)をおのれの(かみ)となすべけんや 21(ゆゑ)にみよわれ此度(このたび)かれらに()らしむるところあらん(すなは)(わが)()(わが)(ちから)をかれらに()らしめん(かれ)らは(わが)()のヱホバなるを()るべし

第十七章

1ユダの(つみ)(てつ)(ふで)金剛石(こんがうせき)(とがり)をもてしるされその(こころ)()(なんぢ)らの祭壇(さいだん)(つの)(えりつけ)らるるなり 2(かれ)らはその子女(こどもら)をおもふが(ごと)くに靑木(あをき)(した)高岡(たかをか)のうへなるその祭壇(さいだん)とアシラをおもふ 3われ()()(わが)(やま)(なんぢ)資產(もちもの)(なんぢ)のもろもろの財產(たから)および(なんぢ)四方(よも)(さかひ)(うち)なる(なんぢ)(つみ)(をか)せる崇邱(たかきところ)擄掠物(ぶんどりもの)とならしめん 4わが(なんぢ)にあたへし產業(さんげふ)より(なんぢ)()をはなさん(また)われ(なんぢ)をして(なんぢ)(しら)ざる()(おい)(なんぢ)(てき)につかへしめんそは(なんぢ)(われ)をいからせて(かぎり)なく(もゆ)()(おこ)したればなり 5ヱホバかくいひたまふおほよそ(ひと)(たの)(にく)をその(ちから)とし(こころ)にヱホバを(はな)るる(ひと)(のろは)るべし 6(かれ)荒野(あれの)(すて)られたる(もの)のごとくならん(かれ)善事(よきこと)のきたるをみず荒野(あれの)(かわ)きたる(ところ)(しほ)あるところ(ひと)(すま)ざる()()らん 7おほよそヱホバをたのみヱホバを(その)(たのみ)とする(ひと)(さいはひ)なり 8(かれ)(みづ)(ほとり)(うゑ)たる()(ごと)くならん(その)()(かは)にのべ炎熱(あつさ)きたるも(おそ)るるところなしその()(あを)亢旱(ひでり)(とし)にも(うれ)へずして(たえ)()(むす)ぶべし 9(こころ)萬物(すべてのもの)よりも(いつは)(もの)にして(はなは)(あし)(たれ)かこれを()るをえんや 10われヱホバは心腹(しんぷく)(さぐ)腎腸(じんちやう)(こころ)みおのおのに(その)(みち)(したが)ひその行爲(わざ)()によりて(むく)ゆべし 11鷓鴣(しやこ)のおのれの(うま)ざる(たまご)をいだくが(ごと)不義(ふぎ)をもて(たから)()(もの)あり其人(そのひと)(いのち)(なかば)にてこれに(はな)れその(をはり)(おろか)なる(もの)とならん 12(さかえ)(くらゐ)原始(はじめ)より(たか)(もの)わが聖所(きよきところ)たる(もの) 13イスラエルの(のぞみ)なるヱホバよ(すべ)(なんぢ)(はな)るる(もの)(はづかし)められん(われ)(すつ)(もの)(つち)(しる)されん()はいける(みづ)(みなもと)なるヱホバを(はな)るるによる 14ヱホバよ(われ)(いや)(たま)()らばわれ(いえ)んわれを(すく)ひたまへさらば(われ)(すく)はれん(なんぢ)はわが(ほむ)るものなり 15(かれ)(われ)にいふヱホバの(ことば)(いづく)にあるやいま(これ)をのぞましめよと 16われ牧者(ぼくしや)(つとめ)退(しりぞ)かずして(なんぢ)にしたがひ(また)(わざはひ)()(ねが)はざりき(なんぢ)これを()りたまふ(わが)(くちびる)よりいづる(もの)(なんぢ)(かほ)(まへ)にあり 17(なんぢ)(われ)(おそ)れしむる(もの)となり(たま)(なか)(わざはひ)(とき)(なんぢ)(わが)避場(のがれば)なり 18(われ)(せむ)(もの)(はづか)しめ(たま)(われ)(はづか)しむるなかれ(かれ)らを(おそ)れしめよ(われ)(おそ)れしめ(たま)ふなかれ(わざはひ)()(かれ)らに(きた)らしめ滅亡(ほろび)(ばい)して(これ)(ほろぼ)(たま)19ヱホバ(われ)にかくいひ(たま)へり(なんぢ)ゆきてユダの王等(わうたち)出入(でいり)する(たみ)(もん)(およ)びヱルサレムの(すべて)(もん)(たち)20(かれ)らにいへ(この)(もん)より()(ところ)のユダの王等(わうたち)とユダのすべての(たみ)とヱルサレムに(すめ)るすべての(もの)(なんぢ)らヱホバの(ことば)をきけ 21ヱホバかくいひたまふ(なんぢ)(みづか)(つつし)安息日(あんそくにち)()をたづさへてヱルサレムの(もん)にいる(なか)22また安息日(あんそくにち)(なんぢ)らの(いへ)より()(いだ)(なか)(すべて)工作(わざ)をなす(なか)(わが)(なんぢ)らの先祖(せんぞ)(めい)ぜしごとく安息日(あんそくにち)(きよ)くせよ 23されど(かれ)らは(したが)はず(みみ)(かたむ)けずまたその(うなじ)(こは)くして(きか)(いましめ)をうけざるなり 24ヱホバいひ(たま)(なんぢ)らもし謹愼(つつしみ)(われ)にきき安息日(あんそくにち)()をたづさへてこの(まち)(もん)にいらず安息日(あんそくにち)(きよ)くなして(すべて)工作(わざ)をなさずば 25ダビデの(くらゐ)()する王等(わうたち)牧伯(きみ)たちユダの(たみ)ヱルサレムに(すめ)(もの)(くるま)(むま)(のり)てこの(まち)(もん)よりいることをえんまた(この)(まち)には(かぎり)なく(ひと)すまはん 26また人々(ひとびと)ユダの(まち)とヱルサレムの四周(まはり)およびベニヤミンの()平地(ひらち)(やま)(みなみ)(かた)よりきたり燔祭(はんさい) 犠牲(ぎせい) 素祭(そさい) 馨香(けいかう) 謝祭(しやさい)(たづさ)へてヱホバの(いへ)にいらん 27されど(なんぢ)らもし(われ)(きか)ずして安息日(あんそくにち)(きよ)くせず安息日(あんそくにち)()をたづさへてヱルサレムの(もん)にいらばわれ()をその(もん)(うち)(もや)してヱルサレムの殿舍(やかた)(やか)んその()(きえ)ざるべし

第十八章

1ヱホバよりヱレミヤにのぞめる(ことば)いふ 2(なんぢ)(たち)陶人(すゑものし)(いへ)にくだれ(われ)かしこに(おい)てわが(ことば)(なんぢ)(きか)しめんと 3われすなはち陶人(すゑものし)(いへ)にくだり()るに轆轤(ろくろ)をもて(もの)をつくりをりしが 4その(つち)をもて(つく)れるところの(うつは)陶人(すゑものし)()のうちに(そこ)ねたれば(かれ)その(こころ)のままに(これ)をもて(ほか)(うつは)をつくれり 5(とき)にヱホバの(ことば)(われ)にのぞみていふ 6ヱホバいふイスラエルの(いへ)よこの陶人(すゑものし)のなすが(ごと)くわれ(なんぢ)になすことをえざるかイスラエルの(いへ)陶人(すゑものし)()(つち)のあるごとく(なんぢ)らはわが()にあり 7われ(にはか)(たみ)あるひは(くに)をぬくべし(やぶ)るべし(ほろぼ)すべしといふことあらんに 8もし(わが)いひしところの(くに)その(あく)(はな)れなば(われ)(これ)(わざはひ)(くだ)さんとおもひしことを(くい)9(われ)また(にはか)(たみ)あるいは(くに)(たつ)べし(うう)べしといふことあらんに 10もし(その)(くに)わが()(あし)()ゆるところの(こと)(おこな)ひわが(こゑ)(したが)はずば(われ)これに福祉(さいはひ)(あた)へんといひしことを(くい)11(なんぢ)いまユダの人々(ひとびと)とヱルサレムに(すめ)(もの)にいへヱホバかくいへり()(われ)(なんぢ)らに(わざはひ)をくださんと(おも)ひめぐらし(なんぢ)らをはかる計策(はかりごと)(まう)(ゆゑ)(なんぢ)らおのおの()(あし)(みち)(はな)(その)(みち)(おこなひ)をあらためよと 12しかるに(かれ)らいふ()徒然(いたづら)なりわれらは自己(おのれ)圖維(はかる)ところにしたがひ各自(おのおの)その(あし)(こころ)剛愎(かたくな)なるを(おこな)はんと 13この(ゆゑ)にヱホバかくいひたまふ(なんぢ)異國(ことくに)のうちに()(かく)(ごと)きことを(きき)(もの)ありやイスラエルの處女(をとめ)はいと(おどろ)くべきことをなせり 14レバノンの(ゆき)(あに)()(いは)(はな)れんや遠方(とほく)より(ながれ)くる(ひややか)なる(みづ)(あに)(かわ)かんや 15しかるに我民(わがたみ)(われ)をわすれて(むなし)(もの)(かう)(たけ)是等(これら)(もの)(かれ)らをその(みち)すなはち(ふる)(みち)(つまづ)かせまた(こみち)すなはち(そなへ)なき(みち)(ゆか)しめ 16その()(あら)して(つね)(ひと)(わらひ)とならしめん(すべ)其處(そこ)(すぐ)(もの)(おどろ)きてその(くび)()らん 17われ東風(ひがしかぜ)のごとくに(かれ)らをその(てき)(まへ)(ちら)さん(その)滅亡(ほろび)()にはわれ()(かれ)らに(むけ)(かほ)をむけじ 18(かれ)らいふ去來(いざ)われら計策(はかりごと)(まうけ)てヱレミヤをはからんそれ祭司(さいし)には律法(おきて)あり智慧(ちゑ)ある(もの)には謀畧(はかりごと)あり預言者(よげんしや)には(ことば)ありて(うせ)ざるべし去來(いざ)われら(した)をもて(かれ)()ちその(すべて)(ことば)(きく)ことをせざらんと 19ヱホバよ(われ)にききたまへ(また)(われ)(あらそ)(もの)(こゑ)をききたまへ 20(あく)をもて(ぜん)(むく)ゆべきものならんや(かれ)らはわが生命(いのち)をとらん(ため)(あな)()れりわが(なんぢ)(まへ)(たち)(かれ)らを()()(なんぢ)憤怒(いきどほり)()めんとせしを(おぼ)えたまへ 21さればかれらの子女(こどもら)饑饉(ききん)にあたへ(かれ)らを(つるぎ)()にわたしたまへ(その)(つま)()(うしな)(かつ)(やもめ)となり(その)(をとこ)()をもて(ほろぼ)されその少者(わかきもの)(つるぎ)をもて(いくさ)(ころ)されよかし 22(なんぢ)突然(にはか)(てき)をかれらに(のぞ)ませたまふ(とき)號呼(さけび)をその(いへ)(うち)より(きこ)えしめよそは(かれ)(あな)()りて(われ)(とら)へんとしまた機檻(わな)(おき)てわが(あし)(とら)へんとすればなり 23ヱホバよ(なんぢ)はかれらが(われ)(ころ)さんとするすべての謀畧(はかりごと)()りたまふ(その)(あく)(ゆる)すことなく(その)(つみ)(なんぢ)(まへ)より抹去(けしさ)りたまふなかれ(かれ)らを(なんぢ)(まへ)(たふ)れしめよ(なんぢ)(いか)りたまふ(とき)にかく(かれ)らになしたまへ

第十九章

1ヱホバかくいひたまふ(ゆき)陶人(すゑものし)瓦罇(とくり)をかひ(たみ)長老(としより)祭司(さいし)長老(としより)(うち)より數人(すにん)をともなひて 2陶人(すゑものし)(もん)(まへ)にあるベンヒンノムの(たに)にゆき彼處(かしこ)(おい)てわが(なんぢ)(つげ)んところの(ことば)(のべ)3(いは)くユダの王等(わうたち)とヱルサレムに(すめ)(もの)よヱホバの(ことば)をきけ萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)かくいひたまふ()(われ)(わざはひ)此處(このところ)にくだすべし(およ)(これ)をきく(もの)(みみ)はかならず()らん 4こは(かれ)(われ)()てこの(ところ)(けが)(ここ)にて自己(おのれ)とその先祖(せんぞ)およびユダの王等(わうたち)(しら)ざる(ほか)(かみ)(かう)()(かつ)(つみ)なきものの()をこの(ところ)(みた)せばなり 5(また)(かれ)らはバアルの(ため)崇邱(たかきところ)(きづ)()をもて(おのれ)兒子(こどもら)()燔祭(はんさい)となしてバアルにささげたり(これ)わが(めい)ぜしことにあらず(わが)いひしことにあらず(また)(わが)(こころ)(おも)はざりし(こと)なり 6ヱホバいひたまふさればみよ此處(ここ)をトペテまたはベンヒンノムの(たに)(となへ)ずして屠戮(ほふり)(たに)(とな)ふる()きたらん 7また(われ)この(ところ)(おい)てユダとヱルサレムの(はかりごと)をむなしうし(つるぎ)をもて(かれ)らを(その)(てき)(まへ)とその生命(いのち)(もとむ)(もの)()(たふ)しまたその(しかばね)天空(そら)(とり)()(けもの)食物(くひもの)となし 8かつ(この)(まち)(あら)して(ひと)胡盧(ものわらひ)とならしめん(およ)そここを(すぐ)(もの)はその(もろもろ)(わざはひ)(おどろ)きて(わら)ふべし 9また(かれ)らがその(てき)とその生命(いのち)(もとむ)(もの)とに(かこ)みくるしめらるる(とき)(われ)(かれ)らをして(おのれ)(むすこ)(にく)(むすめ)(にく)(くら)はせん(また)(かれ)らは(たがひ)にその(とも)(にく)(くら)ふべし 10(なんぢ)ともに()(ひと)()(まへ)にてその瓦罇(とくり)(こぼ)ちて(かれ)らにいふべし 11萬軍(ばんぐん)のヱホバかくいひ(たま)一回(ひとたび)(こぼ)てば(また)(まつた)うすること(あた)はざる陶人(すゑものし)(うつは)(こぼ)つが(ごと)くわれ此民(このたみ)とこの(まち)(こぼ)たんまた(かれ)らは(はうむ)るべき()なきによりてトペテに(はうむ)られん 12ヱホバいひ(たま)(われ)この(ところ)とこの(うち)(すめ)(もの)とに(かく)なし(この)(まち)をトペテの(ごと)くなすべし 13(かつ)ヱルサレムの(いへ)とユダの王等(わうたち)(いへ)はトペテの(ところ)のごとく(けが)れん()(かれ)らすべての(いへ)屋蓋(やね)のうへにて(てん)衆群(しうぐん)(かう)をたき(ほか)(かみ)(さけ)をそそげばなり 14ヱレミヤ、ヱホバの(おのれ)(つかは)はして預言(よげん)せしめたまひしトペテより(かへ)りきたりヱホバの(いへ)(には)()ちすべての(たみ)(かた)りていひけるは 15萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)かくいひたまふ()よわれ(われ)いひし(もろもろ)(わざはひ)をこの(まち)とその(すべて)郷村(むらむら)にくださん(かれ)らその(うなじ)(こは)くして(わが)(ことば)(きか)ざればなり

第二十章

1祭司(さいし)インメルの()ヱホバの(いへ)(つかさ)(をさ)なるパシユル、ヱレミヤがこの(ことば)預言(よげん)するをきけり 2(ここ)(おい)てパシユル預言者(よげんしや)ヱレミヤを()ちヱホバの(いへ)にある(かみ)のベニヤミンの(もん)桎梏(あしがせ)(つな)げり 3翌日(あくるひ)パシユル、ヱレミヤを桎梏(あしがせ)より(とき)はなちしにヱレミヤ(かれ)にいひけるはヱホバ(なんぢ)()をパシユルと(よば)ずしてマゴルミッサビブ(驚懼(おそれ)周圍(まはり)にあり)と()(たま)4(すなは)ちヱホバかくいひたまふ()よわれ(なんぢ)をして(なんぢ)(なんぢ)のすべての(とも)恐怖(おそれ)をおこさしむる(もの)となさん(かれ)らはその(てき)(つるぎ)(たふ)れん(なんぢ)()はこれを(みる)べし(われ)またユダのすべての(たみ)をバビロン(わう)()(わた)さん(かれ)(かれ)らをバビロンに(うつ)(つるぎ)をもて(ころ)すべし 5(われ)またこの(まち)のすべての貨財(たから)とその()たる(すべて)(もの)とその(すべて)珍寶(たふときもの)とユダの王等(わうたち)のすべての儲蓄(たくはへ)(その)(てき)()(わた)さん(かれ)らはこれを(かす)めまた(たみ)(とら)へてバビロンに(うつ)すべし 6パシユルよ(なんぢ)(なんぢ)(いへ)にすめる(もの)(ことごと)(とら)(うつ)されん(なんぢ)はバビロンにいたりて彼處(かしこ)()にかしこに(はうむ)られん(なんぢ)(なんぢ)(いつは)りて預言(よげん)せし(ことば)(きき)(とも)もみな(しか)らん 7ヱホバよ(なんぢ)われを(すす)めたまひてわれ(その)(すすめ)(したが)へり(なんぢ)(われ)をとらへて(われ)(かち)(たま)へりわれ日々(ひび)(ひと)(わらひ)となり(ひと)(みな)(われ)(あざけ)りぬ 8われ(かた)(よば)はるごとに暴逆(ばうぎやく)殘虐(しへたげ)(こと)をいふヱホバの(ことば)日々(ひび)にわが()恥辱(はづかしめ)となり嘲弄(あざけり)となるなり 9(ここ)をもて(われ)かさねてヱホバの(こと)(のべ)(また)その()をもてかたらじといへり(され)どヱホバのことば(わが)(こころ)にありて()のわが(ほね)(うち)(とぢ)こもりて(もゆ)るがごとくなれば忍耐(しのぶ)につかれて堪難(たえがた)10そは(われ)おほくの(ひと)(そしり)をきく驚懼(おそれ)まはりにあり(うつた)へよ(かれ)(うつた)へん(わが)(した)しき(もの)はみな(わが)(つまづ)くことあらんかと(うかが)ひて(たがひ)にいふ(かれ)(いざな)はるることあらんしからば我儕(われら)(かれ)(かち)(あだ)(むく)ゆることをえんと 11(され)どヱホバは(つよ)勇士(ゆうし)のごとくにして(われ)(とも)にいます(ゆゑ)(われ)(せむ)(もの)(つまづ)きて(かつ)ことをえずそのなし(とげ)ざるが(ため)(おほい)なる恥辱(はぢ)(とら)(その)羞恥(はぢ)何時(いつ)(まで)(わす)られざるべし 12義人(ただしきひと)(こころ)(ひと)心膓(しんちやう)()たまふ萬軍(ばんぐん)のヱホバよ(われ)(なんぢ)(うつたへ)(のべ)たれば(われ)をして(なんぢ)(かれ)らに(あだ)(かへ)すを()せしめよ 13ヱホバに(うた)(うた)へよヱホバを()めよそは貧者(まづしきもの)生命(いのち)惡者(あしきもの)()より(すく)(たま)へばなり 14ああ(わが)(うま)れし()(のろ)はれよ(わが)(はは)のわれを(うみ)()(しゆく)せられざれ 15わが(ちち)男子(をのこ)(なんぢ)(うま)れしと(つげ)(ちち)(おほい)(よろこ)ばせし(ひと)(のろ)はれよ 16其人(そのひと)はヱホバの(あはれ)まずして(ほろぼ)したまひし(まち)のごとくなれよ(かれ)をして(あした)號呼(さけび)をきかしめ午間(ひる)鬨聲(いくさのこゑ)をきかしめよ 17(かれ)(われ)(はら)のうちに(ころ)さず(わが)(はは)(われ)(はか)となさず(つね)にその(はら)(おほい)ならしめざりしが(ゆゑ)なり 18(われ)(いか)なれば(はら)をいでて艱難(なやみ)憂患(うれひ)をかうむり恥辱(はぢ)をもて()(おく)るや

第二十一章

1ゼデキヤ(わう)マルキヤの()パシユルと祭司(さいし)マアセヤの()ゼパニヤをヱレミヤに(つかは)2バビロンの(わう)ネブカデネザル(われ)らを()むれば(なんぢ)われらの(ため)にヱホバに(もと)めよヱホバ(つね)のごとくそのもろもろの(ふしぎ)なる(わざ)をもて(われ)らを(たす)けバビロンの(わう)(われ)らより退(しりぞ)かしめたまふことあらんと(いは)しむ其時(そのとき)ヱホバの(ことば)ヱレミヤに(のぞ)めり 3ヱレミヤ(かれ)らにこたへけるは(なんぢ)らゼデキヤにかく()ふべし 4イスラエルの(かみ)ヱホバかくいひたまふ()よわれ(なんぢ)らがこの(まち)(そと)にありて(なんぢ)らを()(かこ)むところのバビロン(わう)およびカルデヤ(びと)とたたかひて()(もつ)ところのその武器(ぶき)をかへし(これ)(まち)のうちに(あつ)めん 5われ()()(ひぢ)をつよくし震怒(いかり)憤恨(いきどほり)(はげし)(いかり)をもて(なんぢ)らをせむべし 6(われ)また(この)(まち)にすめる(ひと)(けもの)(うた)(みな)(おも)疫病(えきびやう)によりて(しぬ)べし 7ヱホバいひたまふ(この)(のち)われユダの(わう)ゼデキヤとその諸臣(しもべ)および(たみ)(この)(まち)疫病(えきびやう)(つるぎ)饑饉(ききん)をまぬかれて(のこ)れる(もの)をバビロンの(わう)ネブカデネザルの()(その)(てき)()および(およ)そその生命(いのち)(もとむ)(もの)()(わた)さんバビロンの(わう)(つるぎ)()をもて(かれ)らを()ちかれらを(をし)まず(かへり)みず(あは)れまざるべし 8(なんぢ)また此民(このたみ)にヱホバかくいふと(かた)るべし()よわれ生命(いのち)(みち)()(みち)(なんぢ)らの(まへ)()9この(まち)にとどまる(もの)(つるぎ)饑饉(ききん)疫病(えきびやう)(しぬ)べしされど(なんぢ)らを()(かこ)むところのカルデヤ(びと)出降(いでくだ)(もの)はいきん(その)(いのち)はおのれの掠取物(ぶんどりもの)となるべし 10ヱホバいひたまふ(われ)この(まち)(かほ)(むけ)しは(さいはひ)をあたふる(ため)にあらず(わざはひ)をあたへんが(ため)なりこの(まち)はバビロンの(わう)()(わた)されん(かれ)()をもて(これ)()くべし 11またユダの(わう)(いへ)(つぐ)べし(なんぢ)らヱホバの(ことば)をきけ 12ダビデの(いへ)よヱホバかくいふ(なんぢ)(あさ)ごとに(ただし)(さばき)をなし(もの)(うば)はるる(ひと)をその暴逆者(しへたぐるもの)()より(すく)(しから)ざれば(なんぢ)らの(おこなひ)(あしき)によりて(わが)(いかり)()のごとくに()(もえ)(きえ)ざるべし 13ヱホバいひたまふ(たに)平原(はら)(いは)とにすめる(もの)よみよ(わが)(なんぢ)(てき)(なんぢ)らは(たれ)(くだり)我儕(われら)(せめ)んや(たれ)かわれらの(をる)(ところ)にいらんやといふ 14(わが)(なんぢ)らをその(おこなひ)()によりて(ばつ)せん(また)(その)(はやし)()(おこ)(その)四周(まはり)をことごとく(やき)つくすべしとヱホバいひたまふ

第二十二章

1ヱホバかくいひたまへり(なんぢ)ユダの(わう)(いへ)にくだり彼處(かしこ)にこの(ことば)をのべていへ 2ダビデの(くらゐ)()するユダの(わう)(なんぢ)(なんぢ)(しもべ)および(この)(もん)よりいる(なんぢ)(たみ)ヱホバの(ことば)をきけ 3ヱホバかくいふ(なんぢ)公道(おほやけ)公義(ただしき)(おこな)(もの)(うば)はるる(ひと)をその暴虐者(しへたぐるもの)()より(すく)異邦人(ことくにびと)孤子(みなしご)嫠婦(やもめ)をなやまし(しへた)ぐる(なか)れまた此處(ここ)無辜(つみなきもの)()(なが)(なか)4(なんぢ)らもし此言(このことば)(まこと)(おこな)はばダビデの(くらゐ)()する(わう)とその(しもべ)および(その)(たみ)(くるま)(むま)(のり)てこの(いへ)(もん)にいることをえん 5(され)(なんぢ)らもし(この)(ことば)(きか)ずばわれ自己(おのれ)()して(ちか)(この)(いへ)荒地(あれち)となるべしとヱホバいひたまふ 6ヱホバ、ユダの(わう)(いへ)につきてかく(いひ)たまふ(なんぢ)(われ)におけることギレアデのごとくレバノンの(いただき)のごとし(され)どわれかならず(なんぢ)荒野(あれの)となし(ひと)(すま)はざる(まち)となさん 7われ破壞者(ほろぼすもの)をまふけて(なんぢ)()めしめん(かれ)各人(おのおの)その武器(ぶき)()(なんぢ)(うるは)しき香柏(かうはく)(きり)てこれを()(なげ)いれん 8(おほく)(くに)(ひと)(この)(まち)をすぎ(たがひ)(かたり)てヱホバ(いか)なれば(この)(おほい)なる(まち)にかく()せしやといはんに 9(ひと)こたへて()彼等(かれら)(その)(かみ)ヱホバの契約(けいやく)をすてて(ほか)(かみ)(はい)(これ)(つか)へしに(よる)なりといはん 10死者(しにしもの)(ため)()くことなくまた(これ)(ため)(なげ)くこと(なか)(むしろ)(とら)(うつ)されし(もの)(ため)にいたく(なげ)くべし(かれ)(ふたた)(かへり)てその故園(ふるさと)()ざるべければなり 11ユダの(わう)ヨシヤの()シヤルム(すなは)ちその(ちち)(つい)(わう)となりて(つひ)此處(このところ)をいでたる(もの)につきてヱホバかくいひたまへり(かれ)(ふたた)此處(ここ)(かへ)らじ 12(かれ)はその(うつ)されし(ところ)(しな)んふたたび此地(このち)()ざるべし 13不義(ふぎ)をもて(その)(いへ)をつくり不法(ふはふ)をもて(その)(たかどの)(つく)(その)隣人(となりびと)(やとふ)(なに)をも(あた)へず(その)(あたひ)(はら)はざる(もの)(わざはひ)なるかな 14(かれ)いふ(われ)(おのれ)(ため)(ひろき)(いへ)(すず)しき(たかどの)をつくり(また)(おのれ)(ため)(まど)(つく)香柏(かうはく)をもて(これ)(おほ)(あか)(これ)(ぬら)んと 15(なんぢ)香柏(かうはく)(あらそ)ひもちふるによりて(わう)たるを()るか(なんぢ)(ちち)食飮(くひのみ)せざりしや公義(ただしき)公道(おほやけ)(おこな)ひて(さいはひ)()ざりしや 16(かれ)貧者(まづしきもの)患艱者(なやめるもの)(うつたへ)(ただ)して(さいはひ)をえたりかく()すは(われ)(しる)ことに(あら)ずやとヱホバいひ(たま)17(され)(なんぢ)()(こころ)(ただ)(むさぼり)をなさんとし無辜(つみなきもの)()(なが)さんとし虐遇(しへたげ)暴逆(ばうぎやく)をなさんとするのみ 18(ゆゑ)にヱホバ、ユダの(わう)のヨシヤの()ヱホヤキムにつきてかく(いひ)たまふ衆人(ひとびと)(かな)しいかな(わが)(あに)かなしいかな(わが)(あね)といひて(なげ)かず(また)(かな)しいかな(しゆ)(かな)しいかな(その)(さかえ)(いひ)(なげ)かじ 19(かれ)驢馬(ろば)(うづむ)るがごとく(うづめ)られん(すなは)(ひか)れてヱルサレムの(もん)(そと)投棄(なげすて)らるべし 20(なんぢ)レバノンに(のぼ)りて()ばはりバシヤンに(なんぢ)(こゑ)()げアバリムより(よば)はれ()(なんぢ)(あい)する(もの)(ことごと)(ほろぼ)されたればなり 21(なんぢ)平康(やすらか)なる(とき)(われ)(なんぢ)(かたり)しかども(なんぢ)(われ)にきかじといへり(なんぢ)いとけなき(とき)よりわが(こゑ)(きか)ずこれ(なんぢ)故習(つね)なり 22(なんぢ)牧者(ぼくしや)はみな(かぜ)(のみ)つくされ(なんぢ)(あい)する(もの)はとらへ(うつ)されん(その)(とき)(なんぢ)はおのれの(もろもろ)(あく)のために(いたみ)(はづ)べし 23(なんぢ)レバノンにすみ()香柏(かうはく)につくる(もの)(なんぢ)劬勞(くるしみ)()()(をんな)痛苦(いたみ)のごとくにきたらんとき(なんぢ)哀慘(なげき)はいかにぞや 24ヱホバいひたまふ(われ)()くユダの(わう)ヱホヤキムの()ヱコニヤは(わが)(みぎ)()指環(ゆびわ)なれども(われ)これを(ぬか)25われ(なんぢ)生命(いのち)(もとむ)(もの)()および(なんぢ)(その)(かほ)(おそ)るる(もの)()すなはちバビロンの(わう)ネブカデネザルの()とカルデヤ(びと)()(なんぢ)(わた)さん 26われ(なんぢ)(なんぢ)(うみ)(はは)汝等(なんぢら)がうまれざりし(ほか)()(おひ)やらん(なんぢ)彼處(かしこ)(しぬ)べし 27(かれ)らの靈魂(たましひ)のいたく(かへ)らんことを(ねが)ふところの()(かれ)らは(かへ)ることをえず 28この(ひと)ヱコニヤは(いや)しむべき(やぶ)れたる(うつは)ならんや(この)ましからざる器具(きぐ)ならんや如何(いか)なれば(かれ)(その)子孫(しそん)逐出(おひいだ)されてその(しら)ざる()(なげ)やらるるや 29()()()よヱホバの(ことば)をきけ 30ヱホバかくいひたまふこの(ひと)()なくして(その)生命(いのち)(うち)(さかえ)えざる(ひと)(しる)せそはその子孫(ひとびと)のうちに(さか)えてダビデの(くらゐ)()しユダを(をさむ)(ひと)かさねてなかるべければなり

第二十三章

1ヱホバいひ(たま)ひけるは嗚呼(ああ)わが(やしな)(むれ)(ほろぼ)(ちら)牧者(ぼくしや)(わざはひ)なるかな 2(ゆゑ)にイスラエルの(かみ)ヱホバ我民(わがたみ)(やしな)牧者(ぼくしや)につきて(かく)いふ(なんぢ)らはわが(むれ)(ちら)しこれを(おひ)はなちて(かへり)みざりき()よわれ(なんぢ)らの(あし)(おこなひ)によりて汝等(なんぢら)(むく)ゆべしとヱホバいふ 3われ(わが)(むれ)遺餘(のこり)たる(もの)をその(おひ)はなちたる(すべて)()より(あつ)(ふたた)びこれを(その)(をり)(かへ)さん(かれ)らは()(うみ)(おほ)くなるべし 4(われ)これを(やしな)牧者(ぼくしや)をその(うへ)(たて)彼等(かれら)はふたたび(をのの)かず(おそれ)ずまた(うせ)じとヱホバいひたまふ 5ヱホバいひたまひけるは()よわがダビデに(ひとつ)(ただし)(えだ)(おこ)()(きた)らん(かれ)(わう)となりて()(をさ)(さか)公道(おほやけ)公義(ただしき)()(おこな)ふべし 6其日(そのひ)ユダは(すくひ)をえイスラエルは(やすき)()らん(その)()はヱホバ我儕(われら)()(となへ)らるべし 7この(ゆゑ)にヱホバいひ(たま)()よイスラエルの(たみ)をエジプトの()より導出(みちびきいだ)せしヱホバは()くと人衆(ひとびと)(また)いはずして 8イスラエルの(いへ)(すゑ)(きた)()(その)(すべ)(おひ)やりし()より導出(みちびきいだ)せしヱホバは()くといふ()(きた)らん(かれ)らは自己(おのれ)()()るべし 9預言者輩(よげんしやたち)のために(わが)(こころ)はわが(うち)(やぶ)れわが(ほね)(みな)(ふる)(かつ)ヱホバとその聖言(きよきことば)のためにわれは(ゑへ)(ひと)のごとく(さけ)(かた)るる(ひと)のごとし 10この()姦淫(かんいん)をなすもの()()呪詛(のろひ)によりて(うれ)曠野(あらの)(くさ)()(かれ)らの(みち)はあしく(その)(ちから)(ただ)しからず 11預言者(よげんしや)祭司(さいし)(とも)邪惡(じやあく)なりわれ(わが)(いへ)(おい)てすら彼等(かれら)(あく)()たりとヱホバいひたまふ 12(ゆゑ)にかれらの(みち)(くらき)()(なめらか)なる(みち)(ごと)くならん彼等(かれら)(おさ)れて(その)(みち)(たふ)るべし(われ)(わざはひ)をその(うへ)にのぞましめん(これ)(かれ)らが刑罰(つみせ)らるる(とし)なりとヱホバいひたまふ 13われサマリヤの預言者(よげんしや)(うち)愚昧(おろか)なる(こと)あるをみたり彼等(かれら)はバアルに()りて預言(よげん)我民(わがたみ)イスラエルを(まど)はせり 14(われ)ヱルサレムの預言者(よげんしや)(うち)にも(にく)むべき(こと)あるを()たり彼等(かれら)姦淫(かんいん)をなし詐僞(いつはり)をおこなひ惡人(あくにん)()(かた)くして(ひと)をその(あく)(はな)れざらしむ彼等(かれら)みな(われ)にはソドムのごとく(その)(たみ)はゴモラのごとし 15この(ゆゑ)萬軍(ばんぐん)のヱホバ預言者(よげんしや)につきてかくいひたまふ()よわれ茵蔯(いんちん)(これ)(くら)はせ毒水(どくすゐ)をこれに(のま)せんそは邪惡(じやあく)ヱルサレムの預言者(よげんしや)よりいでて(この)全地(ぜんち)(およ)べばなり 16萬軍(ばんぐん)のヱホバかくいひたまふ汝等(なんぢら)預言(よげん)する預言者(よげんしや)(ことば)()(なか)彼等(かれら)(なんぢ)らを(あざむ)きヱホバの(くち)よりいでざるおのが(こころ)默示(もくし)(かた)るなり 17(つね)(かれ)らは(われ)藐忽(かろん)ずる(もの)にむかひて汝等(なんぢら)平安(やすき)をえんとヱホバいひたまへりといひ(また)(おの)(こころ)剛愎(かたくな)なるに(したが)ひて(あゆ)むところのすべての(もの)(むか)ひて(わざはひ)(なんぢ)らに(きた)らじといへり 18(たれ)かヱホバの議會(ぎくわい)(たち)(その)(ことば)見聞(みきき)せし(もの)あらんや(たれ)(その)(みみ)(かたむ)けて(わが)(ことば)(きき)(もの)あらんや 19みよヱホバの暴風(はやて)あり(いかり)旋轉風(つむじかぜ)いでて惡人(あくにん)(かうべ)をうたん 20ヱホバの(いかり)はかれがその(こころ)(おもひ)(おこな)ひてこれを()(たま)ふまでは(やま)(すゑ)()(なんぢ)(あきらか)にこれを(さと)らん 21預言者等(よげんしやら)はわが(つかは)さざるに(はし)(われ)(つげ)ざるに預言(よげん)せり 22(かれ)らもし(わが)議會(ぎくわい)()ちしならば我民(わがたみ)にわが(ことば)をきかしめて(これ)をその(あし)(みち)とその(あし)(おこなひ)(はな)れしめしならん 23ヱホバいひ(たま)(われ)はただ(ちか)くにおいてのみ(かみ)たらんや(とほ)くに(おい)ても(かみ)たるにあらずや 24ヱホバいひたまふ(ひと)(われ)()られざる(やう)(ひそ)かなる(ところ)()(かく)()るかヱホバいひたまふ(われ)天地(てんち)(みつ)るにあらずや 25われ(わが)()をもて(いつはり)預言(よげん)する預言者等(よげんしやら)がわれ(ゆめ)()たりわれ(ゆめ)()たりと()ふをきけり 26(いつはり)預言(よげん)する預言者等(よげんしやら)はいつまで(この)(こころ)をいだくや(かれ)らは其心(そのこころ)詐僞(いつはり)預言(よげん)するなり 27(かれ)らは(その)先祖(せんぞ)がバアルによりて(わが)()(わす)れしごとく(たがひ)(ゆめ)をかたりて我民(わがたみ)にわが()(わす)れしめんと(おも)ふや 28(ゆめ)をみし預言者(よげんしや)(ゆめ)(かた)るべし(わが)(ことば)(うけ)(もの)誠實(まこと)をもて(わが)(ことば)(かた)るべし(ぬか)いかで(むぎ)比擬(たぐふ)ことをえんやとヱホバいひたまふ 29ヱホバ(いひ)たまはく(わが)(ことば)()のごとくならずや(また)(いは)打碎(うちくだ)(つち)(ごと)くならずや 30(ゆゑ)()よわれ(わが)(ことば)相互(たがひ)(ぬす)める預言者(よげんしや)(てき)となるとヱホバいひたまふ 31()よわれは(かれ)いひたまへりと(した)をもて(かた)るところの預言者(よげんしや)(てき)となるとヱホバいひたまふ 32ヱホバいひたまひけるは()よわれ(いつはり)(ゆめ)預言(よげん)する(もの)(てき)となる(かれ)らは(これ)(かた)りまたその(いつはり)(その)(ほこり)をもて我民(わがたみ)(まど)はす(われ)かれらを(つかは)さずかれらに(めい)ぜざるなり(ゆゑ)(かれ)らは(この)(たみ)(えき)なしとヱホバいひ(たま)33この(たみ)(また)預言者(よげんしや)(また)祭司(さいし)(なんぢ)(とふ)てヱホバの重負(おもに)(なに)ぞやといはば(なんぢ)彼等(かれら)にこたへてヱホバの重負(おもに)(われ)汝等(なんぢら)(すて)んとヱホバの(いひ)たまひし(こと)(これ)なりといふべし 34ヱホバの重負(おもに)といふところの預言者(よげんしや)祭司(さいし)(たみ)には(われ)その(ひと)(その)(いへ)にこれを(くだ)さん 35(なんぢ)らはおのおの(かく)(たがひ)()ひその兄弟(きやうだい)にいふべしヱホバは(なに)(こた)へたまひしやヱホバは(なに)(いひ)たまひしやと 36(なんぢ)(ふたた)びヱホバの重負(おもに)といふべからず(ひと)重負(おもに)となる(もの)其人(そのひと)(ことば)なるべし(なんぢ)らは(いけ)(かみ)萬軍(ばんぐん)のヱホバなる(われ)らの(かみ)(ことば)(まぐ)るなり 37(なんぢ)かく預言者(よげんしや)にいふべしヱホバは(なんぢ)(なに)(こた)(たま)ひしやヱホバは(なに)といひたまひしやと 38(なんぢ)らもしヱホバの重負(おもに)といはばヱホバそれにつきてかくいひたまふ(われ)(ひと)(なんぢ)らに(つかは)して汝等(なんぢら)ヱホバの重負(おもに)といふべからずといはしむるも(なんぢ)らはヱホバの重負(おもに)といふ此言(このことば)をいふによりて 39われ(かなら)(なんぢ)らを(わす)(なんぢ)らと(なんぢ)らの先祖(せんぞ)にあたへし(この)(まち)(なんぢ)らとを(わが)(まへ)より(すて)40(かつ)われ永遠(えいゑん)(はづかしめ)永遠(えいゑん)なる(わす)らるることなき(はぢ)(なんぢ)らにかうむらしめん

第二十四章

1バビロンの(わう)ネブカデネザル、ユダの(わう)ヱホヤキムの()ヱコニヤおよびユダの牧伯等(きみたち)木匠(たくみ)鐵匠(かぢ)をヱルサレムよりバビロンに(うつ)せしのちヱホバ(われ)にヱホバの殿(みや)(まへ)(おか)れたる二筐(ふたかご)無花果(いちぢく)(しめ)したまへり 2その(ひとつ)(かご)には(はじめ)(じゆく)せしがごとき至佳(いとよ)無花果(いちぢく)ありその(ひとつ)(かご)にはいと(あし)くして(くら)()ざるほどなる(あし)無花果(いちぢく)あり 3ヱホバ(われ)にいひ(たま)ひけるはヱレミヤよ(なんぢ)(なに)()しや(われ)(こた)へけるは無花果(いちぢく)なりその()無花果(いちぢく)はいと()しその(あし)きものは(いと)()しくして(くら)()ざるほどに(あし)4ヱホバの(ことば)また(われ)にのぞみていふ 5イスラエルの(かみ)ヱホバかくいふ(われ)わが此處(このところ)よりカルデヤ(びと)()()ひやりしユダの虜人(とらはれびと)(この)()無花果(いちぢく)のごとくに(かへり)みて(めぐ)まん 6(われ)彼等(かれら)()をかけて(これ)をめぐみ(かれ)らを此地(このち)にかへし彼等(かれら)(たて)(たふ)さず(うゑ)(ぬか)7(われ)(かれ)らに(われ)のヱホバなるを()るの(こころ)をあたへん彼等(かれら)(わが)(たみ)となり(われ)(かれ)らの(かみ)とならん彼等(かれら)一心(いつしん)をもて(われ)(かへ)るべし 8ヱホバかくいひたまへり(われ)ユダの(わう)ゼデキヤとその牧伯等(きみたち)およびヱルサレムの(ひと)(のこ)りて此地(このくに)にをる(もの)ならびにエジプトの()(すめ)(もの)とを()(あし)くして(くら)はれざる(あし)無花果(いちぢく)のごとくになさん 9(われ)かれらをして()のもろもろの(くに)にて虐遇(しへたげ)災害(わざはひ)にあはしめん(また)(かれ)らをしてわが(おひ)やらん(すべて)(ところ)にて(はづかしめ)にあはせ(ことわざ)となり(あざけり)(のろひ)(あは)しめん 10われ(つるぎ)饑饉(ききん)疫病(えきびやう)をかれらの(うち)におくりて(かれ)らをしてわが(かれ)らとその先祖(せんぞ)にあたへし()(たゆ)るにいたらしめん

第二十五章

1ユダの(わう)ヨシヤの()ヱホヤキムの四年(よねん)バビロンの(わう)ネブカデネザルの元年(ぐわんねん)にユダのすべての(たみ)にかかはる(ことば)ヱレミヤにのぞめり 2預言者(よげんしや)ヱレミヤこの(ことば)をユダのすべての(たみ)とヱルサレムにすめるすべての(もの)(つげ)ていひけるは 3ユダの(わう)アモンの()ヨシヤの十三(ねん)より今日(こんにち)にいたるまで二十三(ねん)のあひだヱホバの(ことば)(われ)にのぞめり(われ)これを汝等(なんぢら)()(しきり)にこれを(かた)りしかども(なんぢ)らきかざりし 4ヱホバその(しもべ)なる預言者(よげんしや)(なんぢ)らに(つかは)(しきり)(つかは)したまひけれども(なんぢ)らはきかず(また)きかんとて(みみ)(かたむ)けざりき 5(かれ)らいへり汝等(なんぢら)おのおのいま(その)(あし)(みち)とその(あし)(おこなひ)(すて)(さら)ばヱホバが(なんぢ)らと(なんぢ)らの先祖(せんぞ)(あた)へたまひし()永遠(えいゑん)より永遠(えいゑん)にいたるまで(すむ)ことをえん 6(なんぢ)(ほか)(かみ)(したが)ひこれに(つか)へこれを(をが)(なんぢ)らの()にて(つく)りし(もの)をもて(われ)(いか)らする(なか)(さら)(われ)(なんぢ)らを(そこな)はじ 7(され)(なんぢ)らは(われ)にきかず汝等(なんぢら)()にて(つく)りし(もの)をもて(われ)(いか)らせて(みづか)(そこな)へりとヱホバいひたまふ 8この(ゆゑ)萬軍(ばんぐん)のヱホバかく(いひ)たまふ(なんぢ)(わが)(ことば)(きか)ざれば 9()(われ)(きた)(すべて)(やから)(わが)(しもべ)なるバビロンの(わう)ネブカデネザルを(まね)きよせ此地(このくに)とその(たみ)(その)四圍(まはり)諸國(くにぐに)(せめ)(ほろぼ)さしめて(これ)詫異物(おどろくべきもの)となし(ひと)嗤笑(わらひ)となし永遠(えいゑん)荒地(あれち)となさんとヱホバいひたまふ 10またわれ欣喜(よろこび)(こゑ) 歡樂(たのしみ)(こゑ) 新夫(はなむこ)(こゑ) 新婦(はなよめ)(こゑ) 磐磨(ひきうす)(おと)および(ともしび)(ひかり)(かれ)らの(うち)にたえしめん 11この()はみな空曠(あれち)となり詫異物(おどろくべきもの)とならん(また)その諸國(くにぐに)は七十(ねん)(あひだ)バビロンの(わう)につかふべし 12ヱホバいひたまふ七十(ねん)のをはりし(のち)(われ)バビロンの(わう)(その)(たみ)とカルデヤの()をその(つみ)のために(ばつ)永遠(えいゑん)空曠(あれち)となさん 13(われ)かの()につきて(われ)かたりし(すべて)(ことば)をその(うへ)(のぞま)しめん(これ)ヱレミヤが萬國(ばんこく)(こと)につきて預言(よげん)したる(もの)にて(みな)この(ふみ)(しる)さるるなり 14(おほく)國々(くにぐに)(おほい)なる王等(わうたち)(かれ)らをして(おのれ)につかへしめん(われ)かれらの行爲(おこなひ)とその()所作(わざ)(したが)ひてこれに(むく)いん 15イスラエルの(かみ)ヱホバかく(われ)(いひ)たまへり(わが)()より(この)(いかり)(さかづき)をうけて(わが)(なんぢ)(つか)はすところの國々(くにぐに)(たみ)(のま)しめよ 16(かれ)らは(のみ)てよろめき(くる)はんこは(われ)かれらの(うち)(つるぎ)をつかはすによりてなり 17(ここ)(おい)てわれヱホバの()より(さかづき)をうけヱホバのわれを(つかは)したまふところの國々(くにぐに)(たみ)(のま)しめたり 18(すなは)ちヱルサレムとユダの(すべて)(まち)とその王等(わうたち)およびその牧伯等(きみたち)(のま)せてこれをほろぼし詫異物(おどろくべきもの)となし(ひと)嗤笑(わらひ)となし(のろは)るる(もの)となせり今日(こんにち)のごとし 19またエジプトの(わう)パロと(その)臣僕(しもべ)その牧伯等(きみたち)その(すべて)(たみ)20(もろもろ)雜種(ざつしゆ)(たみ)およびウズの(すべて)王等(わうたち)およびペリシテ(びと)()(すべて)王等(わうたち)アシケロン、ガザ、エクロン、アシドドの遺餘(のこり)(もの) 21エドム、モアブ、アンモンの子孫(しそん) 22ツロのすべての王等(わうたち)シドンのすべての王等(わうたち)(うみ)のかなたの島々(しまじま)王等(わうたち) 23デダン、テマ、ブズおよびすべて(ひげ)をそる(もの) 24アラビヤのすべての王等(わうたち)曠野(あらの)雜種(ざつしゆ)(たみ)(すべて)王等(わうたち) 25ジムリの(すべて)王等(わうたち)エラムの(すべて)王等(わうたち)メデアのすべての王等(わうたち) 26(きた)のすべての王等(わうたち)その(かれ)(これ)とにおいて(あるひ)遠者(とをきもの)(あるひ)(ちか)きもの(すべて)()(おもて)にある()國々(くにぐに)王等(わうたち)はこの(さかづき)(のま)んセシヤク(わう)はこれらの(のち)(のむ)べし 27(ゆゑ)(なんぢ)かれらに(つげ)ていへ萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)かくいひたまふ(われ)汝等(なんぢら)(うち)(つるぎ)(つかは)すによりて(なんぢ)らは()みまた()ひまた()(また)(たふれ)(ふたた)(たた)ざれと 28彼等(かれら)もし(なんぢ)()より(この)(さかづき)(うけ)(のま)ずば(なんぢ)(かれ)らにいへ萬軍(ばんぐん)のヱホバかくいひたまふ(なんぢ)(かなら)(のむ)べし 29()よわれ(わが)()をもて(とな)へらるるこの(まち)にすら(わざはひ)(くだ)すなり(なんぢ)らいかで(ばつ)(まぬか)るることをえんや(なんぢ)らは(ばつ)(まぬか)れじ(そは)われ(つるぎ)をよびて()(すめ)るすべての(もの)(せむ)べければなりと萬軍(ばんぐん)のヱホバいひたまふ 30(なんぢ)彼等(かれら)にこの(すべて)(ことば)預言(よげん)していふべしヱホバ(たか)(ところ)より呼號(よばは)(その)聖宮(きよきみや)より(こゑ)(いだ)(おのれ)住家(すみか)(むかひ)てよばはり()(すめ)(すべて)(もの)にむかひて葡萄(ぶだう)()(もの)のごとく(さけび)たまはん 31號咷(さけび)()(はて)まで(きこ)(そは)ヱホバ列國(くにぐに)(あらそ)萬民(ばんみん)(さば)惡人(あくにん)(つるぎ)(わた)せば(なり)とヱホバ(いひ)たまへり 32萬軍(ばんぐん)のヱホバかく(いひ)たまふ()(わざはひ)いでて(くに)より(くに)にいたらん(おほい)なる暴風(あらし)()(はて)よりおこるべし 33其日(そのひ)ヱホバの(ころ)したまふ(もの)()(この)(はて)より()()(はて)(およ)ばん彼等(かれら)(かなし)まれず(あつ)められず(はうむ)られずして()(おもて)糞土(ふんど)とならん 34牧者(ぼくしや)(なげ)(さけ)(むれ)長等(をさたち)(なんぢ)(はひ)(うち)(まろ)ぶべし(そは)(なんぢ)らの(ほふ)らるる()滿(みつ)れば(なり)(われ)(なんぢ)らを(ちら)すべければ(なんぢ)らは(たふと)(うつは)のごとく(おつ)べし 35牧者(ぼくしや)避場(のがれば)なく(むれ)長等(をさたち)(にぐ)(ところ)なし 36牧者(ぼくしや)呼號(さけび)(こゑ)(むれ)長等(をさたち)哀哭(なげき)きこゆ(そは)ヱホバ(その)牧場(まき)(ほろぼ)したまへば(なり) 37ヱホバの(はげし)(いかり)によりて平安(おだやか)なる牧場(まきば)(ほろぼ)さる 38(かれ)獅子(しし)(ごと)(その)()(いで)たり(ほろぼ)(もの)(いかり)(その)(はげし)忿(いかり)によりて(かれ)らの()(あら)されたり

第二十六章

1ユダの(わう)ヨシヤの()ヱホヤキムが(くらゐ)(つき)(はじめ)のころヱホバより此言(このことば)いでていふ 2ヱホバかくいふ(なんぢ)ヱホバの(いへ)(には)(たち)(わが)(なんぢ)(めい)じていはしむる(すべて)(ことば)をユダの邑々(まちまち)より(きた)りてヱホバの(いへ)(をがみ)をする人々(ひとびと)(つげ)一言(ひとこと)をも(へら)(なか)3彼等(かれら)(きき)ておのおの(その)(あし)(みち)(はな)るることあらん(さら)(われ)かれらの(おこなひ)(あしき)がために(わざはひ)(かれ)らに(くだ)さんとせることを(くゆ)べし 4(なんぢ)彼等(かれら)にヱホバかくいふといへ汝等(なんぢら)もし(われ)(きか)ずわが(なんぢ)らの(まへ)(おき)律法(おきて)(おこな)はず 5(われ)(なんぢ)らに(つかは)(しきり)(つかは)せし(わが)(しもべ)なる預言者(よげんしや)(ことば)(きか)ずば((なんぢ)らは(これ)をきかざりき) 6(われ)この(いへ)をシロの(ごと)くになし(また)この(まち)()萬國(ばんこく)(のろ)はるる(もの)となすべし 7祭司(さいし)預言者(よげんしや)(およ)(たみ)みなヱレミヤがヱホバの(いへ)(たち)てこの(ことば)をのぶるをきけり 8ヱレミヤ、ヱホバに(めい)ぜられし(すべて)(ことば)(たみ)(つげ)(をは)りしとき祭司(さいし)預言者(よげんしや)および(すべて)(たみ)(かれ)(とら)へいひけるは(なんぢ)(かなら)(しぬ)べし 9(なんぢ)何故(なにゆゑ)にヱホバの()をもて預言(よげん)(この)(いへ)はシロの(ごと)くになりこの(まち)荒蕪(あれち)となりて()(もの)なきにいたらんと(いひ)しやと(たみ)みなヱホバの(いへ)にあつまりてヱレミヤを()10ユダの牧伯等(きみたち)この(こと)をききて(わう)(いへ)をいでヱホバの(いへ)にのぼりてヱホバの(いへ)(あたら)しき(もん)入口(いりくち)()せり 11祭司(さいし)預言者等(よげんしやら)牧伯等(きみたち)とすべての(たみ)(うつたへ)ていふ此人(このひと)()にあたる(もの)なり(ここ)(なんぢ)らが(みみ)(きき)しごとくこの(まち)にむかひて(あし)預言(よげん)をなしたるなり 12(ここ)(おい)てヱレミヤ牧伯等(きみたち)とすべての(たみ)にいひけるはヱホバ(われ)(つかは)(なんぢ)らが(きけ)(すべて)(ことば)をもて(この)(いへ)とこの(まち)にむかひて預言(よげん)せしめたまふ 13(ゆゑ)(なんぢ)らいま(なんぢ)らの(みち)行爲(おこなひ)をあらためて(なんぢ)らの(かみ)ヱホバの(こゑ)にしたがへ(さら)ばヱホバ(なんぢ)らに(わざはひ)(くだ)さんとせしことを(くい)たまふべし 14みよ(われ)(なんぢ)らの()にあり(なんぢ)らの()(よし)とみゆるところ(ただし)とみゆることを(われ)(おこな)15(され)(なんぢ)()くこれを()(なんぢ)らもし(われ)(ころ)さば(かなら)無辜(つみなき)ものの()なんぢらの()とこの(まち)(その)(うち)(すめ)(もの)()せんヱホバ(われ)(つかは)してこの(すべて)(ことば)(なんぢ)らの(みみ)につげしめたまひしなればなり 16牧伯等(きみたち)とすべての(たみ)すなはち祭司(さいし)預言者(よげんしや)にいひけるは此人(このひと)()にあたる(もの)にあらず(これ)(われ)らの(かみ)ヱホバの()によりて我儕(われら)(かた)りしなりと 17(とき)にこの()長老(としより)數人(すにん)(たち)(たみ)のすべての(あつま)れる(もの)につげていひけるは 18ユダの(わう)ヒゼキヤの()にモレシテ(びと)ミカ、ユダの(たみ)預言(よげん)して(いひ)けらく萬軍(ばんぐん)のヱホバかくいひ(たま)ふシオンは田地(はたけ)のごとく(たがへ)されヱルサレムは邱墟(くづれづか)となり(この)(いへ)(やま)樹深(きぶか)崇邱(たかきところ)とならんと 19ユダの(わう)ヒゼキヤとすべてのユダ(びと)(かれ)(ころ)さんとせしことありしやヒゼキヤ、ヱホバを(おそ)れヱホバに(もとめ)ければヱホバ(かれ)らに(くだ)さんと(つげ)(たま)ひし(わざはひ)(くい)(たま)ひしにあらずや我儕(われら)かく()すは自己(おのれ)靈魂(たましひ)をそこなふ(おほい)なる(あく)をなすなり 20(また)(さき)にヱホバの()をもて預言(よげん)せし(ひと)あり(すなは)ちキリヤテヤリムのシマヤの()ウリヤなり(かれ)ヱレミヤの(すべ)ていへるごとく(この)(まち)とこの()にむかひて預言(よげん)せり 21ヱホヤキム(わう)(その)すべての勇士(ゆうし)とすべての牧伯等(きみたち)その(ことば)(きけ)(ここ)において(わう)(かれ)(ころ)さんと(おも)ひしがウリヤこれをきき(おそれ)てエジプトに(にげ)ゆきしかば 22ヱホヤキム(わう)(ひと)をエジプトに(つかは)せり(すなは)ちアクボルの()エルナタンに數人(すにん)をそへてエジプトにつかはしければ 23(かれ)らウリヤをエジプトより引出(ひきいだ)しヱホヤキム(わう)(もと)(つれ)きたりしに(わう)(つるぎ)をもて(これ)(ころ)(その)屍骸(かばね)賤者(いやしきもの)(はか)(すて)させたりと 24(とき)にシヤパンの()アヒカム、ヱレミヤをたすけこれを(たみ)()にわたして(ころ)さざらしむ

第二十七章

1ユダの(わう)ヨシヤの()ヱホヤキムが(くらゐ)(つき)(はじめ)のころヱホバより此言(このことば)ヱレミヤに(のぞ)みていふ 2すなはちヱホバかく(われ)(いひ)たまへり(なんぢ)(なは)(くびき)をつくりて(なんぢ)(くび)()3(これ)をヱルサレムにきたりてゼデキヤ(わう)にいたるところの使臣等(つかひたち)()によりてエドムの(わう)モアブの(わう)アンモン(ひと)(わう)ツロの(わう)シドンの(わう)(おく)るべし 4(なんぢ)(かれ)らに(めい)じて(その)(しゆ)にいはしめよ萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)かくいひたまふ(なんぢ)(その)(しゆ)にかく(つぐ)べし 5われ(わが)(おほい)なる能力(ちから)(のべ)たる(ひぢ)をもて()()(うへ)にをる(ひと)(けもの)とをつくり(わが)(こころ)のままに()(ひと)にあたへたり 6いま(われ)この(すべて)()(わが)(しもべ)なるバビロンの(わう)ネブカデネザルの()にあたへ(また)()(けもの)(かれ)にあたへてかれにつかへしむ 7かれの()時期(とき)いたるまで萬國民(ばんこくみん)(かれ)(その)()とその(まご)につかへん其時(そのとき)いたらばおほくの(くに)(おほい)なる(わう)(かれ)(おのれ)(つか)へしむべし 8バビロンの(わう)ネブカデネザルに(つか)へずバビロンの(わう)(くびき)をその(くび)(おは)ざる(くに)(たみ)(われ)(かれ)()をもて(ことごと)くこれを(ほろぼ)すまで(つるぎ)饑饉(ききん)疫病(えきびやう)をもてこれを(ばつ)せんとヱホバいひたまふ 9(ゆゑ)(なんぢ)らの預言者(よげんしや)なんぢらの占筮師(うらなひし)(なんぢ)らの(ゆめ)みる(もの)(なんぢ)らの法術士(はふじゆつし)(なんぢ)らの魔法士(まはふし)(なんぢ)らに(つげ)(なんぢ)らはバビロンの(わう)(つか)ふることあらじといふとも(きく)なかれ 10(かれ)らは(いつはり)(なんぢ)らに預言(よげん)して(なんぢ)らをその(くに)より(とほ)(はな)れしめ(かつ)(われ)をして(なんぢ)らを(おは)しめ(なんぢ)らを(ほろぼ)さしむるなり 11(され)どバビロンの(わう)(くびき)をその(くび)()ふて(かれ)(つか)ふる國々(くにぐに)(ひと)(われ)これをその故土(くに)(のこ)其處(そこ)(たがへ)(すま)しむべしとヱホバいひたまふ 12(われ)この(すべて)(ことば)のごとくユダの(わう)ゼデキヤに(つげ)ていひけるは(なんぢ)らバビロンの(わう)(くびき)(なんぢ)らの(くび)()ふて(かれ)(その)(たみ)につかへよ(さら)(いく)べし 13(なんぢ)(なんぢ)(たみ)なんぞヱホバがバビロンの(わう)につかへざる(くに)につきていひたまひし(ごと)(つるぎ)饑饉(ききん)疫病(えきびやう)()ぬべけんや 14(ゆゑ)(なんぢ)らはバビロンの(わう)(つか)ふることあらじと汝等(なんぢら)(つぐ)預言者(よげんしや)(ことば)(きく)なかれ(かれ)らは(いつはり)(なんぢ)らに預言(よげん)するなり 15ヱホバいひたまひけるは(われ)(かれ)らを(つかは)さざるに(かれ)らは(わが)()をもて(いつはり)預言(よげん)(ここ)をもて(われ)(なんぢ)らを(おひ)はなち(なんぢ)らと(なんぢ)らに預言(よげん)する預言者等(よげんしやたち)(ほろぼ)すにいたらん 16(われ)また祭司(さいし)とこのすべての(たみ)(かた)りていひけるはヱホバかくいひたまふ()よヱホバの(いへ)器皿(うつは)いま(すみやか)にバビロンより持歸(もちかへ)さるべしと(なんぢ)らに預言(よげん)する預言者(よげんしや)(ことば)をきく(なか)れそは(かれ)(いつはり)(なんぢ)らに預言(よげん)すればなり 17(なんぢ)(かれ)らに(きく)なかれバビロンの(わう)(つか)へよ(さら)(いく)べしこの(まち)(なん)荒蕪(あれち)となすべけんや 18もし(かれ)預言者(よげんしや)にしてヱホバの(ことば)かれらの(うち)にあらばヱホバの(いへ)とユダの(わう)(いへ)とヱルサレムとに(のこ)れるところの器皿(うつは)のバビロンに(うつ)されざることを萬軍(ばんぐん)のヱホバに(もと)むべきなり 19萬軍(ばんぐん)のヱホバ(はしら)(うみ)(だい)およびこの(まち)(のこ)れる器皿(うつは)につきてかくいひたまふ 20(これ)はバビロンの(わう)ネブカデネザルがユダの(わう)ヱホヤキムの()ヱコニヤおよびユダとヱルサレムのすべての牧伯等(きみたち)をヱルサレムよりバビロンにとらへ(うつ)せしときに(かすめ)ざりし器皿(うつは)なり 21すなはち萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)ヱホバの(いへ)とユダの(わう)(いへ)とヱルサレムとに(のこ)れる器皿(うつは)につきてかくいひたまふ 22これらはバビロンに(たづさ)へゆかれ(わが)これを(かへりみ)()まで彼處(かしこ)にあらん(その)(のち)(われ)これを(この)(ところ)にたづさへ(かへ)らしめんとヱホバいひたまふ

第二十八章

1この(とし)すなはちユダの(わう)ゼデキヤが(くらゐ)(つき)(はじめ)その四年(よねん)の五(ぐわつ)ギベオンのアズルの()なる預言者(よげんしや)ハナニヤ、ヱホバの(いへ)にて祭司(さいし)(すべて)(たみ)(まへ)にて(われ)(かた)りいひけるは 2萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)かくいひたまふ(われ)バビロンの(わう)(くびき)(くだ)けり 3二年(ふたとせ)(うち)にバビロンの(わう)ネブカデネザルがこの(ところ)より(とり)てバビロンに(たづさ)へゆきしヱホバの(いへ)器皿(うつは)(ふたた)(ことごと)くこの(ところ)(かへ)らしめん 4(われ)またユダの(わう)ヱホヤキムの()ヱコニヤおよびバビロンに(ゆき)しユダのすべての擄人(とらはれびと)をこの(ところ)(かへ)らしめんそは(われ)バビロンの(わう)(くびき)(くだ)くべければなりとヱホバいひたまふ 5(ここ)(おい)預言者(よげんしや)ヱレミヤ、ヱホバの(いへ)(たて)祭司(さいし)(まへ)とすべての(たみ)(まへ)にて預言者(よげんしや)ハナニヤと(ものい)6預言者(よげんしや)ヱレミヤすなはちいひけるはアーメン(ねがは)くはヱホバかくなし(たま)(ねがは)くはバビロンに(たづさ)へゆかれしヱホバの(いへ)器皿(うつは)(およ)びすべて(とら)へうつされし(もの)をヱホバ、バビロンより(ふたた)びこの(ところ)(かへ)らしめたまはんと(なんぢ)預言(よげん)せし(ことば)()らんことを 7(され)(なんぢ)いま(わが)なんぢの(みみ)(すべて)(たみ)(みみ)(かた)らんとする此言(このことば)をきけ 8(われ)(なんぢ)(さき)にいでし預言者(よげんしや)古昔(むかし)より(おほ)くの()(おほい)なる(くに)につきて戰鬪(いくさ)災難(わざはひ)疫病(えきびやう)(こと)預言(よげん)せり 9泰平(たいへい)預言(よげん)するところの預言者(よげんしや)()しその預言者(よげんしや)(ことば)とげなばその(まこと)にヱホバの(つかは)したまへる(もの)なること()らるべし 10ここに(おい)預言者(よげんしや)ハナニヤ預言者(よげんしや)ヱレミヤの(くび)より(くびき)(とり)てこれを(くだ)けり 11ハナニヤ(すべて)(たみ)(まへ)にて(かた)りヱホバかくいひたまふわれ二年(ふたとせ)のうちに(かく)(ごと)萬國民(ばんこくみん)(くび)よりバビロン(わう)ネブカデネザルの(くびき)(くだ)きはなさんといふ預言者(よげんしや)ヱレミヤ(つい)()りぬ 12預言者(よげんしや)ハナニヤ預言者(よげんしや)ヱレミヤの(くび)より(くびき)(くだ)きはなせし(のち)ヱホバの(ことば)ヱレミヤに(のぞ)みていふ 13(なんぢ)ゆきてハナニヤにヱホバかくいふと(つげ)(なんぢ)()(くびき)(くだ)きたれども(これ)(かへ)(てつ)(くびき)(つく)れり 14萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)かくいふ(われ)(てつ)(くびき)をこの萬國民(ばんこくみん)(くび)()きてバビロンの(わう)ネブカデネザルに(つか)へしむ(かれ)(これ)につかへんわれ()(けもの)をもこれに(あた)へたり 15また預言者(よげんしや)ヱレミヤ預言者(よげんしや)ハナニヤにいひけるはハナニヤよ()()けヱホバ(なんぢ)(つか)はし(たま)はず(なんぢ)はこの(たみ)(いつはり)(しん)ぜしむるなり 16是故(このゆえ)にヱホバいひ(たま)(われ)(なんぢ)()(おもて)よりのぞかん(なんぢ)ヱホバに(そむ)くことを(をし)ふるによりて今年(ことし)()ぬべしと 17預言者(よげんしや)ハナニヤはこの(とし)の七(ぐわつ)()ねり

第二十九章

1預言者(よげんしや)ヱレミヤ、ヱルサレムより(ふみ)をかの(とら)へうつされて(のこ)れるところの長老(としより)および祭司(さいし)預言者(よげんしや)ならびにネブカデネザルがヱルサレムよりバビロンに(うつ)したるすべての(たみ)(おく)れり 2(これ)より(さき)ヱコニヤ(わう)王后(きさき)寺人(じじん)およびユダとヱルサレムの牧伯等(きみたち)および木匠(たくみ)鐵匠(かぢ)はヱルサレムをされり 3ヱレミヤその(ふみ)をシヤパンの()エラサおよびヒルキヤの()ゲマリヤ(すなは)ちユダの(わう)ゼデキヤがバビロンにつかはしてバビロンの(わう)ネブカデネザルにいたらしむる(もの)()によりて(おく)れり(その)(ふみ)にいはく 4萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)すべて(とらへ)うつされし(もの)(すなは)(われ)ヱルサレムよりバビロンに(うつ)さしめし(もの)にかくいふ 5(なんぢ)(いへ)(たて)てこれに(すま)(はたけ)をつくりてその()をくらへ 6(つま)(めとり)子女(むすこむすめ)をうみ(また)(なんぢ)らの()(よめ)(めと)(なんぢ)らの(むすめ)(とつ)がしめ(かれ)らに子女(むすこむすめ)(うま)しめよ()汝等(なんぢら)かしこに(へら)ずして(まさ)んがためなり 7(わが)(なんぢ)らを(とらへ)(うつ)さしめしところの(まち)(やすき)(もと)めこれが(ため)にヱホバにいのれその(まち)(やすき)によりて(なんぢ)らもまた(やすき)をうればなり 8萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)かくいひたまふ(なんぢ)らの(うち)預言者(よげんしや)卜筮士(うらなひし)(まど)はさるる(なか)れまた(なんぢ)(みづか)(つく)りしところの(ゆめ)(きき)したがふ(なか)9そは(かれ)(わが)()をもて(いつはり)(なんぢ)らに預言(よげん)すればなり(われ)(かれ)らを(つかは)さずヱホバいひたまふ 10ヱホバかくいひたまふバビロンに(おい)て七十(ねん)滿(みち)なばわれ(なんぢ)らを(かへり)(わが)嘉言(よきことば)(なんぢ)らになして(なんぢ)らをこの(ところ)(かへ)らしめん 11ヱホバいひたまふ()(なんぢ)らにむかひて(いだ)くところの(おもひ)(われ)これを()るすなはち(わざはひ)をあたへんとにあらず平安(やすき)(あた)へんとおもひ(また)(なんぢ)らに(のち)(のぞみ)をあたへんとおもふなり 12(なんぢ)らわれに(よば)はり(ゆき)(われ)にいのらん(われ)(なんぢ)らに(きく)べし 13(なんぢ)らもし一心(いつしん)をもて(われ)(もと)めなば(われ)(たづ)()はん 14ヱホバいひたまふ(われ)(なんぢ)らの(あふ)ところとならんわれ(なんぢ)らの俘擄(とらはれ)()(なんぢ)らを萬國(ばんこく)よりすべて(われ)(なんぢ)らを(おひ)やりし(ところ)より(あつ)(かつ)(わが)(なんぢ)らをして()らはれて(はな)れしめしその(ところ)(なんぢ)らをひき(かへ)らんとヱホバいひたまふ 15ヱホバわれらの(ため)にバビロンに(おい)預言者(よげんしや)(たて)たまひしと(なんぢ)らはいふ 16ダビデの(くらゐ)()する(わう)とこの(まち)(すめ)るすべての(たみ)(なんぢ)らと(とも)にとらへ(うつ)されざりし兄弟(きやうだい)につきてヱホバかくいひたまふ 17萬軍(ばんぐん)のヱホバかくいふ()よわれ(つるぎ)饑饉(ききん)疫病(えきびやう)(かれ)らにおくり(かれ)らを(あし)くして(くら)はれざる(あし)無花果(いちじく)のごとくになさん 18われ(つるぎ)饑饉(ききん)疫病(えきびやう)をもて(かれ)らを()ひまた(かれ)らを()萬國(ばんこく)にわたして(しへたげ)にあはしめ(わが)(かれ)らを(おひ)やる諸國(くにぐに)(おい)呪詛(のろひ)となり詫異(おどろき)となり(ひと)嗤笑(わらひ)となり恥辱(はづかしめ)とならしめん 19(これ)(かれ)(わが)(ことば)(きか)ざればなりとヱホバいひたまふ(われ)この(ことば)(わが)(しもべ)なる預言者(よげんしや)によりて(おく)(しきり)におくれども(なんぢ)(きか)ざるなりとヱホバいひたまふ 20わがヱルサレムよりバビロンにおくりし(すべて)俘擄人(とらはれびと)(なんぢ)らヱホバの(ことば)をきけ 21(わが)()をもて(いつはり)(なんぢ)らに預言(よげん)するコラヤの()アハブとマアセヤの()ゼデキヤにつきて萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)かくいふ()よわれ(かれ)らをバビロンの(わう)ネブカデネザルの()(わた)さん(かれ)これを(なんぢ)らの()(まへ)(ころ)すべし 22バビロンにあるユダの俘擄人(とらはれびと)(みな)(かれ)らをもて(のろひ)となし(ねがは)くはヱホバ(なんぢ)をバビロンの(わう)()にて(やき)しゼデキヤとアハブのごとき(もの)となしたまはん(こと)をといふ 23こは(かれ)らイスラエルの(うち)(あく)をなし(となり)(つま)(をか)(かつ)(わが)(かれ)らに(めい)ぜざる(いつはり)(ことば)をわが()をもて(かた)りしによる(われ)これを()りまた(あかし)すとヱホバいひたまふ 24(なんぢ)ネヘラミ(びと)シマヤにかく(かた)りいふべし 25萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)かくいふ(なんぢ)おのれの()をもて(ふみ)をヱルサレムにある(すべて)(たみ)祭司(さいし)マアセヤの()ゼパニヤおよび(すべて)祭司(さいし)(おく)りていふ 26ヱホバ(なんぢ)祭司(さいし)ヱホヤダに(かへ)祭司(さいし)となし(なんぢ)らをヱホバの(いへ)監督(つかさ)となしたまふ(こは)すべて狂妄(くる)(かつ)みづから預言者(よげんしや)なりといふ(もの)(ひとや)桎梏(あしがせ)につながしめんためなり 27(しか)るに(なんぢ)いま何故(なにゆゑ)(なんぢ)らにむかひてみづから預言者(よげんしや)なりといふところのアナトテのヱレミヤを斥責(いまし)めざるや 28そは(かれ)バビロンにをる我儕(われら)(ふみ)(おく)(とき)(なほ)(なが)ければ(なんぢ)(いへ)(たて)(これ)(すま)(はたけ)をつくりてその()をくらへといへり 29祭司(さいし)ゼパニヤこの(ふみ)預言者(よげんしや)ヱレミヤに(よみ)きかせたり 30(とき)にヱホバの(ことば)ヱレミヤにのぞみていふ 31(すべて)俘擄人(とらはれびと)(ふみ)をおくりて(いふ)べしネヘラミ(びと)シマヤの(こと)につきてヱホバかくいふ(われ)シマヤを(つかは)さざるに(かれ)(なんぢ)らに預言(よげん)(なんぢ)らに(いつはり)(しん)ぜしめしによりて 32ヱホバかくいふ()(われ)ネヘラミ(びと)シマヤと(その)子孫(しそん)(ばつ)すべし(かれ)ヱホバに(そむ)くことを(をし)へしによりて此民(このたみ)のうちに(かれ)(ぞく)する(もの)一人(ひとり)(すま)ふことなからん(かつ)(わが)(たみ)()がなさんとする善事(よきこと)をみざるべしとヱホバいひたまふ

第三十章

1ヱホバよりヱレミヤにのぞめる(ことば)いふ 2イスラエルの(かみ)ヱホバかく(つげ)ていふ(われ)(なんぢ)(いひ)(ことば)をことごとく(ふみ)(しる)3ヱホバいふわれ我民(わがたみ)イスラエルとユダの俘囚人(とらはれびと)(かへ)()きたらんヱホバこれをいふ(われ)(かれ)らをその先祖(せんぞ)にあたへし()にかへらしめん(かれ)らは(これ)をたもたん 4ヱホバのイスラエルとユダにつきていひたまひし(ことば)(これ)なり 5ヱホバかくいふ(われ)戰慄(をののき)(こゑ)をきく驚懼(おそれ)あり平安(やすき)あらず 6(なんぢ)()()(をとこ)あるやを(たづ)()(われ)(をとこ)(みな)()()(をんな)のごとく()をその(こし)におき(かつ)その面色(かほいろ)(みな)(あを)(かは)るをみるこは何故(なにゆゑ)ぞや 7(かな)しいかなその()(おほい)にして(これ)(たぐ)ふべき()なし()はヤコブの患難(なやみ)(とき)なり(され)(かれ)はこれより救出(すくひいだ)されん 8萬軍(ばんぐん)のヱホバいふ(その)()(われ)なんぢの(くび)よりその(くびき)をくだきはなし(なんぢ)繩目(なはめ)をとかん異邦人(ことくにびと)(また)(かれ)使役(つか)はざるべし 9(かれ)らは(その)(かみ)ヱホバと(わが)(かれ)らの(ため)(たて)んところの(その)(わう)ダビデにつかふべし 10ヱホバいふ(わが)(しもべ)ヤコブよ(おそ)るる(なか)れイスラエルよ(おどろ)(なか)(われ)(なんぢ)遠方(とほく)より(すく)ひかへし(なんぢ)子孫(しそん)(その)とらへ(うつ)されし()より(すく)ひかへさんヤコブは(かへ)りて平穩(おだやか)寧靜(やすき)をえん(かれ)(おそ)れしむる(もの)なかるべし 11ヱホバいふ(われ)(なんぢ)(とも)にありて(なんぢ)(すく)はん設令(たとひ)われ(なんぢ)(ちら)せし國々(くにぐに)(ことごと)(ほろぼ)しつくすとも(なんぢ)をば(ほろぼ)しつくさじされど(わが)(みち)をもて(なんぢ)(こら)さん(なんぢ)(まつ)たく(つみ)せずにはおかざるべし 12ヱホバかくいふ(なんぢ)(きず)(いえ)(なんぢ)(いたみ)(おも)13(なんぢ)(うつたへ)(ただ)(もの)なく(なんぢ)(きず)(つつ)膏藥(かうやく)あらず 14(なんぢ)(あい)する(もの)(みな)(なんぢ)(わす)れて(なんぢ)(もと)めず(これ)(なんぢ)(とが)(おほ)きと(つみ)數多(あまた)なるによりて(われ)仇敵(あだ)(うつ)がごとく(なんぢ)()(きびし)(なんぢ)(こら)せばなり 15(なん)(なんぢ)(きず)のために(さけ)ぶや(なんぢ)(うれへ)(いゆ)ることなし(なんぢ)(とが)(おほ)きと(つみ)數多(あまた)なるによりて(われ)これを(なんぢ)になすなり 16(され)どすべて(なんぢ)(くら)(もの)(くら)はれすべて(なんぢ)(しへた)ぐる(もの)(みな)とらはれ(なんぢ)(かす)むる(もの)(かす)められん(すべ)(なんぢ)(もの)(うば)(もの)(われ)これをして(うば)はるる(こと)にあはしむべし 17ヱホバいふ(われ)(なんぢ)膏藥(かうやく)()(なんぢ)(きず)(いや)さんそは(ひと)(なんぢ)(すて)られし(もの)とよび(たづね)(もの)なきシオンといへばなり 18ヱホバかくいふ()よわれかの(とらへ)(うつ)されたるヤコブの天幕(てんまく)をかへし(その)住居(すまひ)をあはれまん(この)(まち)はその(もと)丘垤(をか)(たて)られん(しろ)には(よろし)(さま)(ひと)(すま)はん 19感謝(かんしや)歡樂者(よろこぶもの)(こゑ)とその(うち)よりいでん(われ)かれらを(まさ)(かれ)(すくな)からじ(われ)(かれ)らを(たつとく)せん(かれ)(いやし)められじ 20(その)()疇昔(いにしへ)のごとくあらん(その)集會(あつまり)(わが)(まへ)(かた)(たた)(およそ)かれを(しへた)ぐる(もの)(われ)これを(ばつ)せん 21(その)首領(かしら)本族(おのれ)よりいで(その)督者(つかさ)はその(うち)よりいでん(われ)(かれ)をちかづけ(かれ)(ちかづ)かん(たれ)かその生命(いのち)(かけ)(われ)(ちかづ)くものあらんやとヱホバいふ 22汝等(なんぢら)我民(わがたみ)となり(われ)(なんぢ)らの(かみ)とならん 23みよヱホバの暴風(はやて)あり(いかり)旋轉風(つむじかぜ)いでて惡人(あくにん)(かうべ)をうたん 24ヱホバの(はげし)忿(いかり)はかれがその(こころ)(おもひ)(おこな)ひてこれを(とぐ)るまでは(やま)(すゑ)()(なんぢ)(あきらか)にこれを(さと)らん

第三十一章

1ヱホバいひたまふ其時(そのとき)われはイスラエルの(すべて)(やから)(かみ)となり(かれ)らは我民(わがたみ)とならん 2ヱホバかくいひたまふ(つるぎ)をのがれて(のこ)りし(たみ)曠野(あらの)(うち)(めぐみ)()たりわれ(ゆき)(かれ)イスラエルに安息(やすみ)をあたへん 3遠方(とほく)よりヱホバ(われ)(あらは)れていひたまふ(われ)(かぎり)なき(あい)をもて(なんぢ)(あい)せり(ゆゑ)にわれたえず(なんぢ)をめぐむなり 4イスラエルの童女(をとめ)よわれ(ふたた)(なんぢ)(たて)(なんぢ)(たて)らるべし(なんぢ)ふたたび(つづみ)をもて()(かざ)歡樂者(たのしきもの)(まひ)にいでん 5(なんぢ)また葡萄(ぶだう)()をサマリヤの(やま)(うゑ)(うう)(もの)(うゑ)てその()(くら)ふことをえん 6エフライムの(やま)(うへ)守望者(まもるもの)(たち)(よば)はる()きたらんいはく(なんぢ)(たて)(われ)らシオンにのぼりて我儕(われら)(かみ)ヱホバにまうでんと 7ヱホバかくいひたまふ(なんぢ)らヤコブの(ため)(よろこ)びて(よば)はり萬國(ばんこく)(かしら)なる(もの)のために(さけ)(なんぢ)(しめ)(かつ)(うた)ひて()へヱホバよ(ねがは)くはイスラエルの(のこ)れる(もの)(なんぢ)(たみ)(すく)ひたまへと 8みよ(われ)(かれ)らを(きた)()よりひきかへり(かれ)らを()(はて)より(あつ)めん(かれ)らの(うち)には瞽者(めしひ) 跛者(あしなへ) (はら)める(をんな) ()(うみ)みし(をんな)ともに()(かれ)らは(おほい)なる(むれ)をなして此處(ここ)にかへらん 9(かれ)悲泣(かなしみ)(きた)らん(われ)かれらをして祈禱(いのり)をもて(きた)らしめ(なほ)くして(つまづ)かざる(みち)より(みづ)(ながれ)(あゆ)みいたらしめん(われ)はイスラエルの(ちち)にしてエフライムは(わが)長子(ちやうし)なればなり 10萬國(ばんこく)(たみ)(なんぢ)らヱホバの(ことば)をきき(これ)(とほ)諸島(しまじま)(しめ)していえへイスラエルを(ちら)せしものこれを(あつ)牧者(ぼくしや)のその(むれ)(まも)るが(ごと)(これ)(まも)らん 11すなはちヱホバ、ヤコブを(あがな)彼等(かれら)よりも(つよ)(もの)()よりかれを救出(すくひいだ)したまへり 12(かれ)らは(きたり)てシオンの(いただき)によばはりヱホバの(たま)ひし(さいはひ)なる(むぎ)(さけ)(あぶら)および(わか)(ひつじ)(うし)(ため)寄集(よりつど)はんその靈魂(たましひ)(うるほ)(その)のごとくならん(かれ)らは(かさね)(うれ)ふること(なか)るべし 13その(とき)童女(をとめ)(まひ)てたのしみ壯者(わかきもの)老者(おいたるもの)もろともに(たの)しまん(われ)かれらの(かなしみ)をかへて(よろこび)となしかれらの(うれへ)をさりてこれを(なぐ)さめん 14われ(あぶら)をもて祭司(さいし)(こころ)(あか)しめ(わが)(めぐみ)をもて我民(わがたみ)滿(みた)しめんとヱホバ(いひ)たまふ 15ヱホバかくいひたまふ(なげ)(かなし)みいたく(うれ)ふる(こゑ)ラマに(きこ)ゆラケルその兒子(こども)のために(なげ)きその兒子(こども)のあらずなりしによりて(なぐさめ)をえず 16ヱホバかくいひ(たま)(なんぢ)(こゑ)(とどめ)(なく)こと(なか)(なんぢ)()(とどめ)(なみだ)(なが)すこと(なか)(なんぢ)(わざ)(むくい)あるべし(かれ)らは(その)(てき)()より(かへ)らんとヱホバいひたまふ 17(なんぢ)(のち)()(のぞみ)あり兒子(こども)()その(さかひ)(かへ)らんとヱホバいひたまふ 18われ(まこと)にエフライムのみづから(なげ)くをきけり(いは)(なんぢ)(われ)(こら)しめたまふ(われ)(くびき)(なれ)ざる(こうし)のごとくに懲治(こらしめ)(うけ)たりヱホバよ(なんぢ)はわが(かみ)なれば(われ)牽轉(ひきかへ)したまへ(さら)(われ)(かへ)るべし 19われ(かへ)りし(のち)()(をしへ)(うけ)しのちに(わが)(もも)()(われ)幼時(わかきとき)(はぢ)()にもてば()ぢかつ(はづか)しめらるるなりと 20ヱホバいひたまふエフライムは(わが)(あい)するところの()(よろこ)ぶところの()ならずや(われ)(かれ)にむかひてかたるごとに(かれ)(おも)はざるを()(ここ)をもて(わが)(はらわた)かれの(ため)(いた)(われ)(かなら)(かれ)(あはれ)むべし 21(なんぢ)のために指路號(みちしるべ)()(なんぢ)のために(はしら)をたてよ(なんぢ)のゆける(みち)なる大路(おほぢ)(こころ)をとめよイスラエルの童女(をとめ)(かへ)れこの(なんぢ)邑々(まちまち)にかへれよ 22(そむ)ける(むすめ)(なんぢ)いつまで流蕩(さまよ)ふやヱホバ(あたら)しき(こと)()創造(つく)らん(をんな)(をとこ)(いだ)くべし 23萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)かくいひ(たま)(われ)かの俘囚(とらはれ)(もの)(かへ)さん(とき)人々(ひとびと)(また)ユダの()とその邑々(まちまち)(おい)此言(このことば)をいはん(ただし)居所(すみか)(きよ)(やま)(ねがは)くはヱホバ(なんぢ)(めぐ)みたまへと 24ユダとその(すべて)邑々(まちまち)農夫(のうふ)(むれ)()ふもの(とも)(すま)はん 25われ(つか)れたる靈魂(たましひ)(あか)しめすべての(うれ)ふる靈魂(たましひ)をなぐさむるなり 26(ここ)にわれ()(さま)しみるに(わが)(ねむり)(うま)かりし 27ヱホバいひたまふ()()(ひと)(たね)(けもの)(たね)とをイスラエルの(いへ)とユダの(いへ)とに()()いたらん 28(われ)(かれ)らを()(こぼ)(たふ)(ほろぼ)(なやま)さんとうかがひし(ごと)くまた(かれ)らを()()ゑんとうかがふべしとヱホバいひ(たま)29その(とき)(かれ)らは(ちち)()葡萄(ぶだう)(くら)ひしによりて兒子(こども)()()くと(ふたた)びいはざるべし 30(ひと)はおのおの自己(おのれ)(あく)によりて()なん(おほよ)()葡萄(ぶだう)をくらふ(ひと)はその()()31ヱホバいひたまふみよ(われ)イスラエルの(いへ)とユダの(いへ)とに(あたら)しき契約(けいやく)()つる()きたらん 32この契約(けいやく)(わが)(かれ)らの先祖(せんぞ)()をとりてエジプトの()よりこれを(みちび)きいだせし()(たて)しところの(ごと)きにあらず(われ)かれらを(めと)りたれども(かれ)らはその(わが)契約(けいやく)(やぶ)れりとヱホバいひたまふ 33(され)どかの()(のち)(わが)イスラエルの(いへ)(たて)んところの契約(けいやく)(これ)なり(すなは)ちわれ(わが)律法(おきて)をかれらの(うち)におきその(こころ)(うへ)(しる)さん(われ)(かれ)らの(かみ)となり(かれ)らは我民(わがたみ)となるべしとヱホバいひたまふ 34(ひと)おのおの(その)(となり)とその兄弟(きやうだい)(をし)へて(なんぢ)ヱホバを(しれ)(また)いはじそは(せう)より(だい)にいたるまで(ことごと)(われ)をしるべければなりとヱホバいひたまふ(われ)(かれ)らの不義(ふぎ)(ゆる)しその(つみ)をまた(おも)はざるべし 35ヱホバかく(いふ)すなはち(これ)()をあたへて(ひる)(ひかり)となし(つき)(ほし)をさだめて(よる)(ひかり)となし(うみ)(げき)してその(なみ)(なら)しむる(もの)その()萬軍(ばんぐん)のヱホバと(いふ)なり 36ヱホバいひたまふもし此等(これら)規律(さだめ)(わが)(まへ)(すた)らばイスラエルの子孫(しそん)(わが)(まへ)(すた)りて永遠(いつまで)(たみ)たることを()ざるべし 37ヱホバかくいひたまふ()(うへ)(てん)(はか)ることを()(した)()(もとゐ)(さぐ)ることをえば(われ)またイスラエルのすべての子孫(しそん)(その)もろもろの(おこなひ)のために(すつ)べしヱホバこれをいふ 38ヱホバいひたまふ()(この)(まち)ハナネルの(たふ)より(すみ)(もん)までヱホバの(ため)()()きたらん 39量繩(はかりなは)ふたたび(ただ)ちにガレブの(をか)をこえゴアテの(かた)(めぐ)るべし 40(しかばね)(はひ)(たに)またケデロンの(たに)にいたるまでと(ひがし)(かた)(うま)(もん)(すみ)にいたるまでの(すべて)田地(たはた)(みな)ヱホバの(きよ)(ところ)となり永遠(えいゑん)におよぶまで(ふたた)(ぬか)れまた(たふ)さるる(こと)なかるべし

第三十二章

1ユダの(わう)ゼデキヤの十(ねん)(すなは)ちネブカデネザルの十八(ねん)(ころ)ヱホバの(ことば)ヱレミヤにのぞめり 2その(とき)バビロンの軍勢(ぐんぜい)ヱルサレムを攻環(せめかこ)()預言者(よげんしや)ヱレミヤはユダの(わう)(いへ)にある(ひとや)(には)(うち)禁錮(とぢこめ)られたり 3ユダの(わう)ゼデキヤ(かれ)禁錮(とぢこめ)ていひけるは(なんぢ)何故(なにゆゑ)預言(よげん)してヱホバかく(いひ)たまふといふや(いは)()(われ)この(まち)をバビロン(わう)()(わた)さん(かれ)(これ)()るべし 4またユダの(わう)ゼデキヤはカルデヤ(びと)()より(のが)れず(かなら)ずバビロン(わう)()(わた)され(くち)(くち)とあひ(かた)()()あひ()るべし 5(かれ)ゼデキヤをバビロンに()きゆかんゼデキヤはわが(かれ)(かへりみ)(とき)まで彼處(かしこ)(をら)んとヱホバいひたまふ(なんぢ)らカルデヤ(びと)(たたか)ふとも(かつ)ことを()じと 6ヱレミヤいふヱホバの(ことば)われに(のぞ)みていはく 7みよ(なんぢ)叔父(おぢ)シヤルムの()ハナメル(なんぢ)にきたりていはん(なんぢ)アナトテに()るわが田地(はたけ)()へそは(これ)(あがな)(こと)(なんぢ)(ぶん)なればなりと 8かくてヱホバの(ことば)のごとく(わが)叔父(おぢ)()ハナメル(ひとや)(には)にて(われ)(きた)(いひ)けるは(ねがは)くは(なんぢ)ベニヤミンの()のアナトテに()るわが田地(はたけ)()へそは(これ)()ぎこれを(あがな)ふことは(なんぢ)(ぶん)なれば(なんぢ)みつからこれを()ひとれとここに(おい)てわれ(これ)はヱホバの(ことば)なりと()りたれば 9(わが)叔父(おぢ)()ハナメルがアナトテにもてる田地(はたけ)をかひて(かれ)(ぎん)十七シケルを(はかり)てあたふ 10すなはち(われ)その契劵(てがた)(かき)てこれに封印(ふういん)證人(あかしびと)をたて權衡(はかり)をもて(ぎん)(はかり)(あた)11(しか)してわれその約定(やくじやう)をのするところの封印(ふういん)せし買劵(かひてがた)とその(ひら)きたるものを()12わが叔父(おぢ)()ハナメルと買劵(かひてがた)(いん)せし證人(あかしびと)(まへ)および(ひとや)(には)()するユダ(びと)(まへ)にてその買劵(かひてがた)をマアセヤの()なるネリヤの()バルクに(あた)13(かれ)らの(まへ)にてわれバルクに(めい)じていひけるは 14萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)かく(いひ)たまふ(なんぢ)これらの契劵(てがた)すなはち(この)買劵(かひてがた)封印(ふういん)せし(もの)(ひら)きたるものを()(これ)瓦器(やきもの)(うち)(たくは)へて(おほ)くの()(あひだ)(たも)たしめよ 15萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)かくいひたまふそは(この)()(おい)(ひと)(また)(いへ)田地(はたけ)葡萄園(ぶだうばたけ)()ふにいたらんと 16われ買契(かひてがた)をネリヤの()バルクに(わた)せしのちヱホバに(いの)りて()ひけるは 17嗚呼(ああ)(しゆ)ヱホバよ(なんぢ)はその(おほい)なる能力(ちから)(のべ)たる(うで)をもて(てん)()(つく)りたまへり(なんぢ)には()(あた)はざるところなし 18(なんぢ)恩寵(めぐみ)千萬人(せんまんにん)(ほどこ)(また)(ちち)(つみ)をその(のち)子孫(しそん)(ふところ)(むく)いたまふ(なんぢ)(おほい)なる全能(ぜんのう)(かみ)にいまして(その)()萬軍(ばんぐん)のヱホバとまうすなり 19(なんぢ)謀略(みはかり)(おほい)なり(なんぢ)(こと)をなすに(ちから)あり(なんぢ)()(ひと)のこどもらの(もろもろ)(みち)(みそな)はしおのおのの(おこな)(したが)ひその行爲(わざ)()によりて(これ)(むくい)いたまふ 20(なんぢ)休徴(しるし)奇跡(ふしぎなるわざ)をエジプトの()(おこな)ひたまひて今日(こんにち)にまでいたるまたイスラエルと(ほか)(たみ)(うち)にも(しか)りかくして今日(こんにち)のごとくに(なんぢ)()(あげ)たまへり 21(なんぢ)休徴(しるし)奇跡(ふしぎなるわざ)(つよ)()(のべ)たる(うで)(おほい)なる(おそろ)しき(こと)をもて(なんぢ)(たみ)イスラエルをエジプトの()より(みちび)きいだし 22この()(かれ)らにたまへり(これ)(すなは)(なんぢ)がかれらの先祖等(せんぞたち)(あた)へんと(ちか)ひたまひし(ちち)(みつ)(なが)るる()なり 23彼等(かれら)すなはち(いり)てこれを()たりしかども(なんぢ)(こゑ)(したが)はず(なんぢ)例典(おきて)(おこな)はず(すべ)(なんぢ)がなせと(めい)じたまひし(こと)(なさ)ざりしによりて(なんぢ)この(わざはひ)(その)(うへ)にくだらしむ 24みよ(るい)()れり(これ)この(まち)(とら)んとて(きた)れるなり(つるぎ)饑饉(ききん)疫病(えきびやう)のためにこの(まち)(これ)(せめ)むるカルデヤ(びと)()(わた)さる(なんぢ)のいひたまひしことば(すで)()れり(なんぢ)(これ)()たまふなり 25(しゆ)ヱホバよ(なんぢ)われに(ぎん)をもて田地(はたけ)()證人(あかしびと)(たて)よといひたまへり(しか)るにこの(まち)はカルデヤ(びと)()(わた)さる 26(とき)にヱホバの(ことば)ヱレミヤに(のぞ)みていふ 27みよ(われ)はヱホバなりすべて血氣(いのち)ある(もの)(かみ)なり(われ)()(あた)はざるところあらんや 28(ゆゑ)にヱホバかくいふ()よわれ(この)(まち)をカルデヤ(びと)()とバビロンの(わう)ネブカデネザルの()(わた)さん(かれ)これを()るべし 29この(まち)(せむ)るところのカルデヤ(びと)きたり()をこの(まち)(はな)ちて(これ)(やか)屋蓋(やね)のうへにて(ひと)がバアルに(かう)()(ほか)(かみ)(さけ)をそそぎて(われ)(いか)らせしその(いへ)をも(かれ)(また)(やか)30そはイスラエルの子孫(ひとびと)とユダの子孫(ひとびと)はその幼少時(わかきとき)よりわが(まへ)(あし)(こと)のみをなしまたイスラエルの(たみ)はその()作爲(わざ)をもて(われ)をいからする(こと)のみをなしたればなりヱホバ(これ)をいふ 31(この)(まち)はその(たち)()より今日(こんにち)にいたるまで(わが)震怒(いかり)()(わが)憤恨(いきどほり)をおこすところの(もの)なれば(わが)(まへ)よりわれ(これ)(のぞ)かんとするなり 32こはイスラエルの(たみ)とユダの(たみ)(もろもろ)(あく)(おこな)ひて(われ)(いか)らせしによりてなり(かれ)らその王等(わうたち)その牧伯等(きみたち)その祭司(さいし)その預言者(よげんしや)およびユダの人々(ひとびと)とヱルサレムに(すめ)(もの)(みな)(しか)なせり 33(かれ)(うしろ)(われ)にむけて(かほ)(われ)にむけずわれ(かれ)らををしへ(しきり)(をし)ふれどもかれらは(をしへ)をきかずしてうけざるなり 34(かれ)らは(にく)むべき(もの)をわが()をもて(とな)へらるる(いへ)にたてて(これ)(けが)35(また)ベンヒンノムの(たに)にあるバアルの崇邱(たかきところ)(きづ)きその子女(むすこむすめ)をモロクに(ささ)げたりわれは(かれ)らにこの(にく)むべきことを(おこな)ひてユダに(つみ)(をか)さしむることを(めい)ぜず(かか)(こと)(わが)(こころ)におこらざりしなり 36いまイスラエルの(かみ)ヱホバこの(まち)すなはち(なんぢ)らが(つるぎ)饑饉(ききん)疫病(えきびやう)のためにバビロン(わう)()(わた)されんといひしところの(まち)につきて(かく)いひたまふ 37みよわれ(わが)震怒(いかり)憤恨(いきどほり)(おほい)なる(いかり)をもて(かれ)らを(おひ)やりし(もろもろ)(くに)より(かれ)らを(あつ)(この)(ところ)(みちび)きかへりて安然(やすらか)()らしめん 38(かれ)らは我民(わがたみ)となり(われ)(かれ)らの(かみ)とならん 39われ(かれ)らに(ひとつ)(こころ)(ひとつ)(みち)をあたへて(つね)(われ)(おそ)れしめんこは(かれ)らと(その)子孫(しそん)とに(さいはひ)をえせしめん(ため)なり 40われ(かれ)らを(すて)ずして(めぐみ)(ほどこ)すべしといふ永遠(えいゑん)契約(けいやく)をかれらにたて(われ)(おそ)るるの(おそれ)をかれらの(こころ)におきて(われ)(はな)れざらしめん 41われ(よろこ)びて(かれ)らに(めぐみ)(ほどこ)(こころ)(つく)精神(せいしん)をつくして(まこと)(かれ)らを(この)()(うう)べし 42ヱホバかくいひたまふわれ(この)(もろもろ)(おほい)なる(わざはひ)をこの(たみ)(くだ)せしごとくわがかれらに(いひ)(もろもろ)(さいはひ)彼等(かれら)(くだ)さん 43人衆(ひとびと)この()田野(たはた)()はん(これ)汝等(なんぢら)(あれ)(ひと)(けもの)もなきにいたりカルデヤ(びと)()(わた)されしといへる()なり 44人衆(ひとびと)ベニヤミンの()とヱルサレムの四周(まはり)とユダの邑々(まちまち)(やま)邑々(まちまち)平地(ひらち)邑々(まちまち)(みなみ)(かた)邑々(まちまち)において(ぎん)をもて田野(たはた)をかひ契劵(てがた)()きてこれに封印(ふういん)(また)證人(あかしびと)をたてんそは(われ)かの俘囚者(とらはれしもの)(かへ)らしむればなりとヱホバいひたまふ

第三十三章

1ヱレミヤ(なほ)(ひとや)(には)禁錮(とぢこめ)られてをる(とき)ヱホバの(ことば)ふたたび(かれ)(のぞ)みていふ 2(こと)をおこなふヱホバ(こと)をなして(これ)成就(とぐ)るヱホバ(その)()をヱホバと(なの)(もの)かく()3(なんぢ)(われ)龢求(よびもと)めよわれ(なんぢ)(こた)へん(また)(なんぢ)(しら)ざる(おほい)なる(こと)秘密(かくれ)たる(こと)とを(なんぢ)(しめ)さん 4イスラエルの(かみ)ヱホバ(るい)(つるぎ)によりて(こぼ)たれたる(この)(まち)(いへ)とユダの(わう)(いへ)につきてかくいひ(たま)5(かれ)らカルデヤ(びと)(たたか)はんとて(きた)(これ)には(わが)震怒(いかり)憤恨(いきどほり)をもて(ころ)すところの人々(ひとびと)屍體(しかばね)(みつ)るにいたらん(われ)かれらの(もろもろ)(あく)のためにわが(かほ)をこの(まち)(おほ)ひかくせり 6()よわれ卷布(まきぬの)良藥(よきくすり)をこれに(もち)きたりて人々(ひとびと)(いや)平康(やすき)眞實(まこと)豐厚(ゆたか)なるをこれに(しめ)さん 7(われ)ユダの俘囚人(とらはれびと)とイスラエルの俘囚人(とらはれびと)(かへ)らしめ(かれ)らを(たて)從前(もと)のごとくになすべし 8われ(かれ)らが(われ)にむかひて(をか)せし一切(すべて)(つみ)(きよ)(かれ)らが(われ)にむかひて(をか)(かつ)(おこな)ひし一切(すべて)(つみ)(ゆる)さん 9(この)(まち)()のもろもろの(たみ)(うち)において()がために欣喜(よろこび)()となり頌美(ほまれ)となり榮耀(さかえ)となるべし彼等(かれら)はわが此民(このたみ)にほどこすところの(もろもろ)恩惠(めぐみ)(きか)(しか)してわがこの(まち)にほどこすところの(もろもろ)恩惠(めぐみ)(もろもろ)福祿(さいはひ)のために發振(ふる)(かつ)()動搖(うごか)さん 10ヱホバかくいひ(たま)へり(なんぢ)らが()れて(ひと)もなく(けもの)もなしといひしこの(ところ)(すなは)()れて(ひと)もなく()(もの)もなく(けもの)もなきユダの(まち)とヱルサレムの(ちまた)11(ふたた)欣喜(よろこび)(こゑ) 歡樂(たのしみ)(こゑ) 新娶者(はなむこ)(こゑ) 新婦(はなよめ)(こゑ)および萬軍(ばんぐん)のヱホバをあがめよヱホバは(ぜん)にしてその矜恤(あはれみ)(かぎり)なしといひて(その)感謝(かんしや)祭物(そなへもの)をヱホバの(いへ)(たづさ)ふる(もの)(こゑ)(きこ)ゆべし(そは)われこの()俘囚人(とらはれびと)(かへ)らしめて(はじめ)のごとくになすべければなりヱホバ(これ)をいひたまふ 12萬軍(ばんぐん)のヱホバかくいひたまふ()れて(ひと)もなく(けもの)もなきこの(ところ)(その)すべての邑々(まちまち)(ふたた)牧者(かふもの)のその(むれ)(ふさ)しむる牧場(まきば)あるにいたらん 13(やま)(まち)平地(ひらち)(まち)(みなみ)(かた)(まち)とベニヤミンの()とヱルサレムの四周(まはり)とユダの(まち)において(むれ)ふたたびその(これ)(かぞ)ふる(もの)()(した)(とほ)らんとヱホバいひたまふ 14ヱホバ(いひ)たまはく()(われ)イスラエルの(いへ)とユダの(いへ)(かた)りし善言(よきことば)成就(なしとぐ)ぐる()きたらん 15その()その(とき)にいたらばわれダビデの(ため)(ひとつ)(ただし)(えだ)(しやう)ぜしめん(かれ)公道(おほやけ)公義(ただしき)()(おこな)ふべし 16その()ユダは(すくひ)をえヱルサレムは(やす)らかに()らんその()はヱホバ我儕(われら)()(とな)へらるべし 17ヱホバかくいひたまふイスラエルの(いへ)(くらゐ)()する(ひと)ダビデに(かく)ることなかるべし 18また(わが)(まへ)燔祭(はんさい)をささげ素祭(そさい)(もや)(つね)犠牲(いけにへ)(ささ)ぐる(ひと)レビ(ひと)なる祭司(さいし)(たえ)ざるべし 19ヱホバのことばヱレミヤに(のぞ)みていふ 20ヱホバかくいふ(なんぢ)らもし(わが)(ひる)につきての契約(けいやく)(わが)(よる)につきての契約(けいやく)(やぶ)りてその時々(ときどき)(ひる)(よる)もなからしむることをえば 21(しもべ)ダビデに()(たて)契約(けいやく)もまた(やぶ)れその()はかれの(くらゐ)()して(わう)となることをえざらんまたわが(われ)(つか)ふるレビ(びと)なる祭司(さいし)(たて)契約(けいやく)(やぶ)れん 22(てん)(ほし)(かぞ)へられず(はま)(いさご)(はか)られずわれその(ごと)(わが)(しもべ)ダビデの(すゑ)(われ)(つか)ふるレビ(びと)(まさ)23ヱホバの(ことば)またヱレミヤに(のぞ)みていふ 24(なんぢ)この(たみ)(かた)りてヱホバはその(えら)みし(ふたつ)(やから)(すて)たりといふを(きか)ざるか(かれ)らはかく我民(わがたみ)(かろん)じてその()にこれを(くに)()なさざるなり 25ヱホバかくいひ(たま)ふもしわれ(ひる)(よる)とについての契約(けいやく)(たて)ずまた天地(あめつち)律法(おきて)(さだ)めずば 26われヤコブと(わが)(しもべ)ダビデとの(すゑ)をすてて(ふたた)びかれの(すゑ)(うち)よりアブラハム、イサク、ヤコブの(すゑ)(をさ)むる(もの)(とら)ざるべし(われ)その俘囚(とらはれ)(もの)(かへ)らしめこれを(あはれ)れむべし

第三十四章

1バビロンの(わう)ネブカデネザルその全軍(ぜんぐん)および(おのれ)()(した)(ぞく)するところの()列國(くにぐに)(ひと)および(もろもろ)(たみ)(ひきゐ)てヱルサレムとその諸邑(まちまち)()めて(たたか)(とき)ヱホバの(ことば)ヱレミヤに(のぞ)みていふ 2イスラエルの(かみ)ヱホバかくいふ(なんぢ)ゆきてユダの(わう)ゼデキヤに(つげ)ていふべしヱホバかくいひたまふ()よわれ(この)(まち)をバビロン(わう)()(わた)さん(かれ)()をもてこれを(やく)べし 3(なんぢ)はその()(のが)れず(かなら)(とら)へられてこれが()(わた)されん(なんぢ)()はバビロン(わう)()をみ(また)かれの(くち)(なんぢ)(くち)(ものい)ふべし(なんぢ)はバビロンにゆくにいたらん 4(され)どユダの(わう)ゼデキヤよヱホバの(ことば)をきけヱホバ(なんぢ)(こと)につきてかくいひたまふ(なんぢ)(つるぎ)(しな)5(なんぢ)(やす)らかに()なん(たみ)(なんぢ)先祖(せんぞ)たる(なんぢ)(さき)王等(わうたち)(ため)(かう)(たき)しごとく(なんぢ)のためにも(かう)()(かつ)(なんぢ)のために(なげき)嗚呼(ああ)(しゆ)よといはん(われ)この(ことば)をいふとヱホバいひたまふ 6預言者(よげんしや)エレミヤすなはち此言(このことば)をことごとくヱルサレムにてユダの(わう)ゼデキヤにつげたり 7(とき)にバビロン(わう)軍勢(ぐんぜい)はヱルサレムおよび(のこ)れるユダの(すべて)(まち)()めラキシとアゼカを(せめ)(たたか)ひをる()はユダの諸邑(まちまち)のうちに是等(これら)(しろ)(まち)(なほ)(のこ)りゐたればなり 8ゼデキヤ(わう)ヱルサレムに()(すべて)(たみ)契約(けいやく)()てて(かれ)らに釋放(ときはなち)(こと)宣示(ふれしめ)せし(のち)ヱホバの(ことば)ヱレミヤに(のぞ)めり 9その契約(けいやく)はすなはち(ひと)をしておのおの(その)(しもべ)(しもめ)なるヘブルの男女(をとこをんな)(はな)たしめその兄弟(きやうだい)なるユダヤ(びと)奴隸(どれい)となさざらしむる(もの)なりき 10この契約(けいやく)をなせし牧伯等(きみたち)とすべての(たみ)(ひと)おのおのその僕婢(しもべしもめ)(はな)ちて(ふたた)(これ)奴隸(どれい)となすべからずといふをききて(つい)にそれに(きき)したがひてこれを(はな)ちしが 11(のち)(こころ)をひるがへしてその()ちし僕婢(しもべしもめ)をひきかへりて(ふたた)(これ)伏從(したが)はしめて僕婢(しもべしもめ)となせり 12是故(このゆえ)にヱホバの(ことば)ヱホバよりヱレミヤにのぞみて(いふ) 13イスラエルの(かみ)ヱホバかくいふ(われ)(なんぢ)らの先祖(せんぞ)をエジプトの()その奴隸(どれい)たりし(いへ)より(みちび)きいだせし(とき)(かれ)らと契約(けいやく)(たて)ていひけらく 14(なんぢ)らの兄弟(きやうだい)なるヘブル(びと)()(なんぢ)らに(うり)たる(もの)をば七(ねん)(をはり)(なんぢ)らおのおのこれを(はな)つべし(かれ)(ねん)(なんぢ)につかへたらば(これ)(はな)つべしと(しか)るに(なんぢ)らの先祖等(せんぞたち)(われ)(きか)(また)その(みみ)(かたむ)けざりし 15(され)(なんぢ)らは今日(こんにち)(こころ)をあらためておのおの(その)鄰人(となりびと)釋放(ときはなち)(こと)(しめ)してわが()(ただし)とみゆる(こと)(おこな)(かつ)(わが)()をもて(とな)へらるる(いへ)(おい)(わが)(まへ)契約(けいやく)(たて)たり 16(しか)るに(なんぢ)(ふたた)(こころ)をひるがへして(わが)()(けが)各自(おのおの)(はな)ちて其心(そのこころ)(まか)せしめたる僕婢(しもべしもめ)をひき(かへ)(ふたた)(これ)伏從(したが)はしめて(なんぢ)らの僕婢(しもべしもめ)となせり 17この(ゆゑ)にヱホバかくいひたまふ(なんぢ)(われ)(きき)ておのおの(その)兄弟(きやうだい)とその(となり)釋放(ときはなち)(こと)(しめ)さざりしによりて()よわれ(なんぢ)らの(ため)釋放(ときはなち)(しめ)して(なんぢ)らを(つるぎ)饑饉(ききん)疫病(えきびやう)にわたさん(われ)(んぢ)らをして()(もろもろ)(くに)にて艱難(なやみ)をうけしむべし 18ヱホバこれを()(こうし)(ふたつ)にさきて(その)二個(ふたつ)(あひだ)(とほ)(わが)(まへ)契約(けいやく)をたてて(かへ)つて(その)(ことば)(したが)はずわが契約(けいやく)をやぶる人々(ひとびと) 19(すなは)(ふたつ)(わか)ちし(こうし)(あひだ)(とほ)りしユダの牧伯等(きみたち)ヱルサレムの牧伯等(きみたち)寺人(じじん)祭司(さいし)とこの()のすべての(たみ)20われ(その)(てき)()とその生命(いのち)(もとむ)(もの)()(わた)さんその屍體(しかばね)天空(そら)(とり)()(けもの)食物(くひもの)となるべし 21(かつ)われユダの(わう)ゼデキヤとその牧伯等(きみたち)をその(てき)()(その)生命(いのち)(もと)むる(もの)()(なんぢ)らを(はな)れて(さり)しバビロン(わう)軍勢(ぐんぜい)()(わた)さん 22ヱホバいひたまふ()(われ)(かれ)らに(めい)じて(この)(まち)(かへ)らしめん(かれ)らこの(まち)(せめ)(たたか)(これ)()()をもて()くべしわれユダの諸邑(まちまち)(すむ)(ひと)なき荒地(あれち)となさん

第三十五章

1ユダの(わう)ヨシヤの()ヱホヤキムの(とき)ヱレミヤにのぞみしヱホバの(ことば)いふ 2(なんぢ)レカブ(びと)(いへ)(ゆき)(かれ)らとかたり(かれ)らをヱホバの(いへ)一房(ひとま)(つれ)きたりて(さけ)をのませよと 3(ここ)(おい)てわれハバジニヤの()なるヱレミヤの()ヤザニヤとその兄弟(きやうだい)とその諸子(むすこら)およびレカブ(びと)全家(ぜんか)()4これをヱホバの(いへ)にあるハナンの諸子(むすこら)()につれきたれりハナンはイグダリヤの()にして(かみ)(ひと)なり(その)()牧伯等(きみたち)()(つぎ)にして(もん)(まも)るシヤレムの()マアセヤの()のうへに()5(われ)すなはちレカブ(びと)(いへ)諸子(むすこら)(まへ)(さけ)滿(みた)したる(つぼ)(さかづき)()(かれ)らに(つげ)(なんぢ)(さけ)()めといひければ 6(かれ)らこたへけるは我儕(われら)(さけ)をのまず(そは)レカブの()なる(われ)らの先祖(せんぞ)ヨナダブ(われ)らに(めい)じて汝等(なんぢら)(なんぢ)らの子孫(しそん)はいつまでも(さけ)をのむべからず 7また(なんぢ)(いへ)(たて)(たね)をまかず葡萄園(ぶだうばたけ)(うゑ)ざれ(また)これを(もつ)べからず(なんぢ)らの生存(いきながら)ふるあひだ幕屋(まくや)にをれ()らば(なんぢ)らが寄寓(やどる)ところの()(おい)(なんぢ)らの生命(いのち)(なが)からんと(いひ)たればなり 8(かく)(われ)らはレカブの()なるわれらの先祖(せんぞ)ヨナダブの(すべ)(めい)ぜし(ことば)(したが)ひて我儕(われら)とわれらの(つま)子女(むすこむすめ)生存(いきながら)ふるあひだ(さけ)(のま)9(われ)らは(すむ)べき(いへ)()てず葡萄園(ぶだうばたけ)田野(はたけ)(たね)(もた)ずして 10幕屋(まくや)にをりすべて我儕(われら)先祖(せんぞ)ヨナダブが(われ)らに(めい)ぜしごとく(おこな)へり 11(され)どバビロンの(わう)ネブカデネザルがこの()(のぼ)(きた)りしとき(われ)(いひ)けるは(われ)らカルデヤ(びと)軍勢(ぐんぜい)とスリア(びと)軍勢(ぐんぜい)(おそ)るれば去來(いざ)ヱルサレムにゆかんとすなはち(われ)らはヱルサレムに(すま)へり 12(とき)にヱホバの(ことば)ヱレミヤにのぞみていふ 13萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)かくいふ(なんぢ)ゆきてユダの人々(ひとびと)とヱルサレムに(すめ)(もの)とに(つげ)よヱホバいひたまふ(なんぢ)らは(わが)(ことば)(きき)(をしへ)(うけ)ざるか 14レカブの()ヨナダブがその子孫(しそん)(さけ)をのむべからずと(めい)ぜし(ことば)(おこな)はる(かれ)らは今日(こんにち)(いた)るまで(さけ)をのまず(その)先祖(せんぞ)命令(めいれい)(したが)ふなり(しか)るに(なんぢ)らは(われ)(なんぢ)らに(かた)(しきり)りに(かた)れども(われ)にきかざるなり 15(われ)また(わが)(もべ)なる預言者(よげんしや)たちを(なんぢ)らに(つかは)(しきり)りにこれを(つかは)していはせけるは(なんぢ)らいまおのおの(その)(あし)(みち)(はな)れて(かへ)(なんぢ)らの(おこなひ)をあらためよ(ほか)(かみ)(したが)ひて(これ)(つか)ふる(なか)(さら)(なんぢ)らはわが(なんぢ)らと(なんぢ)らの先祖(せんぞ)(あた)へたるこの()(すむ)ことをえんと(され)(なんぢ)らは(みみ)(かたむ)けず(われ)にきかざりき 16レカブの()ヨナダブの子孫(しそん)はその先祖(せんぞ)(かれ)らに(めい)ぜしところの命令(めいれい)(したが)ふなり(され)此民(このたみ)(われ)(きか)17この(ゆゑ)萬軍(ばんぐん)(かみ)ヱホバ、イスラエルの(かみ)かくいふ()よわれユダとヱルサレムに(すめ)(もの)とに(わが)(かれ)らにつきていひし(ところ)(わざはひ)(くだ)さん(われ)かれらに(かた)れども(きか)ずかれらを(よべ)ども(こた)へざればなり 18(ここ)にヱレミヤ、レカブ(びと)(いへ)にいひけるは萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)かくいひたまふ(なんぢ)らはその先祖(せんぞ)ヨナダブの(めい)(したが)ひその(すべて)(いましめ)(まも)(かれ)(なんぢ)らに(めい)ぜしことを(おこな)19(これ)によりて萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)かくいひたまふレカブの()ヨナダブには(わが)(まへ)()(ひと)いつまでも(かく)ることあらじ

第三十六章

1ユダの(わう)ヨシヤの()ヱホヤキムの四(ねん)にこの(ことば)ヱホバよりヱレミヤに(のぞ)みていふ 2(なんぢ)卷物(まきもの)をとり(わが)(なんぢ)(かた)りし()(すなは)ちヨシヤの()より今日(こんにち)(いた)るまでイスラエルとユダと萬國(ばんこく)とにつきてわが(なんぢ)(かた)りしすべての(ことば)(これ)(しる)3ユダの(いへ)わが(くだ)さんと(はか)るところの(わざはひ)をききて各自(おのおの)その(あし)(みち)をはなれて(かへ)ることもあらん(さら)ばわれ(その)(とが)とその(つみ)(ゆる)すべし 4(ここ)(おい)てヱレミヤ、ネリヤの()バルクを()べりバルクすなはちヱレミヤの(くち)にしたがひヱホバの(かれ)(つげ)たまひし(ことば)をことごとく卷物(まきもの)(しる)せり 5ヱレミヤ、バルクに()ひけるはわれは禁錮(とぢこめ)られたればヱホバの(いへ)()くことを()6(ゆゑ)(なんぢ)ゆきて(なんぢ)(われ)(くち)にしたがひて卷物(まきもの)(しる)したるヱホバの(ことば)をよみ斷食(だんじき)()にヱホバの(いへ)(おい)(たみ)(みみ)にこれを(きか)しめよまた(これ)()みてユダの人々(ひとびと)のその邑々(まちまち)より(きた)れる(もの)(みみ)(きか)しむべし 7(かれ)らヱホバの(まへ)にその祈禱(いのり)(たてまつ)各自(おのおの)(その)(あし)(みち)をはなれて(かへ)ることもあらんヱホバの此民(このたみ)につきてのべたまひし(いかり)(いきどほり)(おほい)なり 8(かく)てネリヤの()バルクは(すべ)預言者(よげんしや)ヱレミヤが(おのれ)(めい)ぜしごとくヱホバの(いへ)にてその卷物(まきもの)よりヱホバの(ことば)(よめ)9ユダの(わう)ヨシヤの()ヱホヤキムの五(ねん)(ぐわつ)ヱルサレムの(すべて)(たみ)およびユダの諸邑(まちまち)よりヱルサレムに(きた)れる(すべて)(たみ)にヱホバの(まへ)斷食(だんじき)(おこな)ふべきこと宣示(ふれしめ)さる 10バルク、ヱホバの(いへ)上庭(かみには)(おい)てヱホバの(いへ)(あたら)しき(もん)入口(いりぐち)(かたはら)にあるシヤパンの()なる書記(しよき)ゲマリヤの()にてその(ふみ)よりヱレミヤの(ことば)(たみ)(よみ)きかせたり 11シヤパンの()なるゲマリヤの()ミカヤその(ふみ)のヱホバの(ことば)(ことごと)くききて 12(わう)(いへ)にある書記(しよき)()にくだりいたるに(すべて)牧伯等(きみたち)(すなは)書記(しよき)エリシヤマ、シマヤの()デラヤ、アカボルの()エルナタン、シヤパンの()ゲマリヤ、ハナニヤの()ゼデキヤおよび(すべて)牧伯等(きみたち)そこに()せり 13ミカヤ、バルクが(ふみ)(よみ)(たみ)(みみ)(きか)せしときに(おの)(きき)しところのすべての(ことば)(かれ)らに(つげ)ければ 14牧伯等(きみたち)クシの()シレミヤの()なるネタニヤの()エホデをバルクに(つかは)はしていはせけるは(なんぢ)(たみ)(よみ)きかせしその卷物(まきもの)()(とり)(きた)れとネリヤの()バルクすなはち()卷物(まきもの)()りて(かれ)らの(もと)にきたりたれば 15(かれ)らバルクにいひけるは()()して(これ)(われ)らに(よみ)きかせよとバルクすなはち(かれ)らに(よみ)(きか)せたり 16(かれ)らその(すべて)(ことば)をききて(とも)(おそ)れバルクにいひけるは(われ)(かなら)ずこの(すべて)(ことば)(わう)(つげ)んと 17またバルクに(とふ)ていひけるは()(なんぢ)いかにこの(すべて)(ことば)をかれの(くち)にしたがひて(しる)せしや(われ)らに(つげ)18バルク(こた)へけるは(かれ)その(くち)をもてこの(すべて)(ことば)(われ)()べたればわれ(すみ)をもて(これ)(ふみ)(しる)せり 19牧伯(きみ)(たち)バルクにいひけるは(なんぢ)ゆきてヱレミヤとともに()(かく)在所(をるところ)(ひと)(しら)しむべからずと 20すなはち卷物(まきもの)書記(しよき)エリシヤマの()()きて(には)にいり(わう)(いた)りてこの(すべて)(ことば)(わう)につげければ 21(わう)その卷物(まきもの)持來(もちきた)らせんとてヱホデを(つかは)せりヱホデすなはち書記(しよき)エリシヤマの()より卷物(まきもの)取來(とりきた)りて(これ)(わう)(わう)(かたはら)(たて)るすべての牧伯等(きみたち)()みきかせたり 22(とき)は九(ぐわつ)にして(わう)(ふゆ)(いへ)()せり(その)(まへ)()(もゆ)()あり 23ヱホデ()(ひら)()(ひら)(よみ)けるとき(わう)小刀(こがたな)をもてその卷物(まきもの)切割(きりさ)()()(なげ)いれて(これ)(ことごと)()()(やけ)24(わう)とその臣僕等(しもべら)はこの(もろもろ)(ことば)をきけども(おそ)れず(また)その(ころも)(さか)ざりき 25エルナタン、デラヤ、ゲマリヤ()(わう)にその卷物(まきもの)(やき)たまふ(なか)れと(もと)めたれども(きか)ざりき 26(わう)ハンメレクの()ヱラメルとアヅリエルの()セラヤとアブデルの()セレミヤに書記(しよき)バルクと預言者(よげんしや)ヱレミヤを(とら)へよと(めい)ぜしがヱホバかれらを(かく)したまへり 27(わう)卷物(まきもの)およびバルクがヱレミヤの(くち)にしたがひて(しる)せし(ことば)(やき)しのちヱホバの(ことば)ヱレミヤに(のぞ)みていふ 28(なんぢ)また(ほか)卷物(まきもの)をとりユダの(わう)ヱホヤキムが(やき)しところの(さき)卷物(まきもの)(うち)(ことば)をことごとく(それ)(しる)29(なんぢ)またユダの(わう)ヱホヤキムに(つげ)よヱホバかくいふ(なんぢ)かの卷物(まきもの)(やき)ていへり(なんぢ)(いか)なれば(この)卷物(まきもの)(しる)してバビロンの(わう)(かなら)(きた)りてこの()(ほろぼ)(ここ)(ひと)(けもの)(たや)さんと(いひ)しやと 30この(ゆゑ)にヱホバ、ユダの(わう)ヱホヤキムにつきてかくいひ(たま)(かれ)にはダビデの(くらゐ)()する(もの)(なき)にいたらん(かつ)かれの(しかばね)(すて)られて(ひる)熱氣(あつき)にあひ(よる)寒氣(さむき)にあはん 31(われ)また(かれ)とその子孫(しそん)とその臣僕等(しもべら)をその(あく)のために(ばつ)せんまた(かれ)らとヱルサレムの(たみ)とユダの人々(ひとびと)には(われ)わが(かれ)らにつきて(かた)りしかども(かれ)らが(きく)ことをせざりし(ところ)(わざはひ)(くだ)すべし 32(ここ)(おい)てヱレミヤ(ほか)卷物(まきもの)(とり)てネリヤの()書記(しよき)バルクにあたふバルクすなはちユダの(わう)ヱホヤキムが()(やき)たるところの(ふみ)(すべて)(ことば)をヱレミヤの(くち)にしたがひて(これ)(しる)(ほか)にまた(かか)(ことば)(おほ)(これ)(くは)へたり

第三十七章

1ヨシヤの()ゼデキヤ、ヱホヤキムの()コニヤに(かわ)りて(わう)となるバビロンの(わう)ネブカデネザル(かれ)をユダの()(わう)となせしなり 2(かれ)もその臣僕等(しもべら)もその()人々(ひとびと)もヱホバが預言者(よげんしや)ヱレミヤによりて(しめ)したまひし(ことば)(きか)ざりき 3ゼデキヤ(わう)シレミヤの()ユカルとマアセヤの()祭司(さいし)ゼパニヤを預言者(よげんしや)ヱレミヤに(つかは)して()(なんぢ)(われ)らの(ため)(われ)らの(かみ)ヱホバに(いの)れといはしむ 4ヱレミヤは(たみ)(うち)出入(でいり)せりそはいまだ(ひとや)(いれ)られざればなり 5パロの軍勢(ぐんぜい)のエジプトより(きた)りしかばヱルサレムを(せめ)(かこ)みたるカルデヤ(びと)(その)音信(おとづれ)をききてヱルサレムを退(しりぞ)けり 6(とき)にヱホバの(ことば)預言者(よげんしや)ヱレミヤにのぞみていふ 7イスラエルの(かみ)ヱホバかくいふ(なんぢ)らを(つかは)して(われ)(もと)めしユダの(わう)にかくいへ(なんぢ)らを(すく)はんとて(いで)きたりしパロの軍勢(ぐんぜい)はおのれの()エジプトへ(かへ)らん 8カルデヤ(びと)(ふたた)(きた)りてこの(まち)(せめ)(たたか)ひこれを()()をもて(やく)べし 9ヱホバかくいふ(なんぢ)らカルデヤ(びと)(かなら)(われ)らをはなれて(さら)んといひて(みづか)(あざむ)(なか)(かれ)らは(さら)ざるべし 10設令(たとひ)(なんぢ)らおのれを(せめ)(たたか)ふところのカルデヤ(びと)軍勢(ぐんぜい)(ことごと)()ちやぶりてその(うち)負傷人(ておひびと)のみを(のこ)すとも(かれ)らはおのおの(その)幕屋(まくや)()ちあがり()をもて(この)(まち)()かん 11(ここ)にカルデヤ(びと)軍勢(ぐんぜい)パロの軍勢(ぐんぜい)(おそ)れてヱルサレムを退(しりぞ)きければ 12ヱレミヤ、ベニヤミンの()にて(たみ)(なか)にその(ぶん)(わか)()らんとてヱルサレムを()でてかの()()きしが 13ベニヤミンの(もん)にいりし(とき)そこにハナニヤの()シレミヤの()なるイリヤと(なづ)くる門守(かどもり)をり預言者(よげんしや)ヱレミヤを(とら)へて(なんぢ)はカルデヤ(びと)(くだ)るなりといふ 14ヱレミヤいひけるは(いつはり)なり(われ)はカルデヤ(びと)(くだ)るにあらずと(され)どイリヤこれを(きか)ずヱレミヤを(とら)へて侯伯等(きみたち)(もと)(ひき)ゆけり 15侯伯等(きみたち)すなはち(いか)りてヱレミヤを()ちこれを書記(しよき)ヨナタンの(いへ)(ひとや)にいれたり(そは)この(いへ)(ひとや)となしたればなり 16ヱレミヤ(ひとや)にいり土牢(あな)()りてそこに(おほく)()(おく)りしのち 17ゼデキヤ(わう)(ひと)(つかは)して(かれ)をひきいださしむ(しか)して(わう)(いへ)にて(ひそか)にかれにいひけるはヱホバより(のぞ)める(ことば)あるやとヱレミヤ(こた)へていひけるは()(なんぢ)はバビロン(わう)()(わた)されん 18ヱレミヤまたゼデキヤ(わう)にいひけるは(われ)(なんぢ)あるいは(なんぢ)臣僕(しもべ)(あるひ)はこの(たみ)(いか)なる(つみ)(をか)したれば(なんぢ)(われ)(ひとや)にいれしや 19(なんぢ)らに預言(よげん)してバビロンの(わう)(なんぢ)らにも(この)()にも攻來(せめきた)らじといひし(なんぢ)らの預言者(よげんしや)はいま何處(いづこ)にあるや 20されば(わう)わが(きみ)(ねがは)くはいま(われ)(きき)たまへ()ふわが願望(ねがひ)受納(うけい)(たま)(われ)書記(しよき)ヨナタンの(いへ)(かへ)らしめたまふなかれ(おそ)らくは(われ)彼處(かしこ)()なんと 21(ここ)においてゼデキヤ(わう)(めい)じてヱレミヤを(ひとや)(には)にいれしめ(かつ)(まち)のパンの(ことごと)(つく)るまでパンを(つく)(もの)(ちまた)より日々(ひび)一片(ひときれ)のパンを(かれ)(あた)へしむ(すなは)ちヱレミヤは(ひとや)(には)にをる

第三十八章

1マツタンの()シパテヤ、パシユルの()ゲダリヤ、シレミヤの()ユカル、マルキヤの()パシユル、ヱレミヤがすべての(たみ)(つげ)たるその(ことば)(きけ)2(いは)くヱホバかくいひたまふこの(まち)(とどま)まるものは(つるぎ)饑饉(ききん)疫病(えきびやう)(しぬ)べし(され)どいでてカルデヤ(びと)(くだ)(もの)(いき)んすなはちその生命(いのち)をおのれの掠取物(ぶんどりもの)となして(いく)べし 3ヱホバかくいひたまふこの(まち)(かなら)ずバビロン(わう)軍勢(ぐんぜい)()(わた)されん(かれ)(これ)(とる)べしと 4(これ)をもてかの牧伯等(きみたち)(わう)にいひけるは()ふこの(ひと)(ころ)したまへ(かれ)はかくの(ごと)(ことば)をのべて(この)(まち)(のこ)れる兵卒(つはもの)()(たみ)()(よわ)くす夫人(かのひと)(たみ)(やすき)(もと)めずして(その)(わざはひ)(もと)むるなりと 5ゼデキヤ(わう)いひけるは()(かれ)(なんぢ)らの()にあり(わう)(なんぢ)らに(さから)ふこと(あた)はざるなりと 6(かれ)らすなはちヱレミヤを(とり)(ひとや)(には)にあるハンメレクの()マルキヤの(あな)(なげ)いる(すなは)(なは)をもてヱレミヤを(つり)(おろ)せしがその(あな)(みづ)なくして汚泥(どろ)のみなりければヱレミヤは汚泥(どろ)のなかに(しづ)めり 7(わう)(いへ)寺人(じじん)エテオピア(びと)エベデメレク(かれ)らがヱレミヤを(あな)になげいれしを(きけ)(とき)(わう)ベニヤミンの(もん)()しゐたれば 8エベデメレク(わう)(いへ)よりいでゆきて(わう)にいひけるは 9(わう)わが(きみ)よかの人々(ひとびと)預言者(よげんしや)ヱレミヤに(おこな)ひし(こと)(みな)(よか)らず(かれ)らこれを(あな)になげ(いれ)たり(まち)(うち)食物(くひもの)なければ(かれ)はその()るところに餓死(うゑじに)せん 10(わう)エテオピヤ(びと)エベデメレクに(めい)じていひけるは(なんぢ)ここより三十(にん)(たづさ)へゆきて預言者(よげんしや)ヱレミヤをその(しな)ざる(さき)にを(あな)より(ひき)あげよ 11エベデメレクすなはちその人々(ひとびと)(たづさ)へて(わう)(いへ)(くら)(した)にいり其處(そこ)より(やぶ)れたる(ふる)(ころも)布片(きれ)をとり(なは)をもてこれをを(あな)にをるヱレミヤの(ところ)(つり)(おろ)せり 12(しか)してエテオピア(びと)エベデメレク、ヱレミヤに(つげ)(なんぢ)この(やぶ)れたる(ふる)(ころも)布片(きれ)(なんぢ)(わき)(した)にはさみて(なは)(あて)よと(いひ)ければヱレミヤ(しか)なせり 13(かれ)らすなはち(なは)をもてヱレミヤを(あな)より(ひき)あげたりヱレミヤは(ひとや)(には)にをる 14かくてゼデキヤ(わう)(ひと)(つかは)はして預言者(よげんしや)ヱレミヤをヱホバの(いへ)(だい)三の(もん)につれきたらしめ(わう)ヱレミヤにいひけるは(われ)(なんぢ)(とふ)ことあり(すこし)もわれに(かく)(なか)15ヱレミヤ、ゼデキヤにいひけるは(われ)もし(なんぢ)(しめ)さば(なんぢ)かならず(われ)(ころ)さざらんや假令(たとひ)われ(なんぢ)(すす)むるとも(なんぢ)われに(きか)16ゼデキヤ(わう)(ひそか)にヱレミヤに(ちか)ひていひけるは(われ)らにこの靈魂(たましひ)(つく)りあたへしヱホバは()(われ)(なんぢ)(ころ)さず(なんぢ)生命(いのち)(もと)むる(もの)()(なんぢ)(わた)さじ 17ヱレミヤ、ゼデキヤにいひけるは萬軍(ばんぐん)(かみ)イスラエルの(かみ)ヱホバかくいひたまふ(なんぢ)もしまことにバビロン(わう)牧伯等(つかさたち)(くだ)らば(なんぢ)生命(いのち)(いき)んまた(この)(まち)()にて(やか)れず(なんぢ)(なんぢ)(いへ)(もの)はいくべし 18(され)(なんぢ)もし(いで)てバビロンの(わう)牧伯等(つかさたち)(くだ)らずば(この)(まち)はカルデヤ(びと)()(わた)されん(かれ)らは()をもて(これ)(やか)(なんぢ)はその()(のが)れざるべし 19ゼデキヤ(わう)ヱレミヤに(いひ)けるは(われ)カルデヤ(びと)(くだ)りしところのユダ(びと)(おそ)(おそら)くはカルデヤ(びと)(われ)をかれらの()(わた)さん(かれ)(われ)(はづか)しめん 20ヱレミヤいひけるは(かれ)らは(なんぢ)(わた)さじ(ねがは)くはわが(なんぢ)(つげ)しヱホバの(こゑ)(きき)したがひたまへさらば(なんぢ)(さいはひ)をえん(なんぢ)生命(いのち)いきん 21(され)(なんぢ)もし(くだ)ることを(いな)まばヱホバこの(ことば)(われ)(しめ)(たま)22すなはちユダの(わう)(いへ)(のこ)れる(をんな)(みな)バビロンの(わう)牧伯等(つかさたち)(ところ)(ひき)いだされん(その)婦等(をんなたち)いはん(なんぢ)朋友等(ともだち)(なんぢ)(いざな)ひて(なんぢ)(かて)(なんぢ)(あし)(どろ)(しづ)(かれ)らは退(しりぞ)()23(なんぢ)(つま)たちと(なんぢ)子女等(こどもら)はカルデヤ(びと)(ところ)曳出(ひきいだ)されん(なんぢ)(その)()(のが)れじバビロンの(わう)()(とら)へられん(なんぢ)(この)(まち)をして()(やけ)しめん 24ゼデキヤ、ヱレミヤにいひけるは(なんぢ)この(こと)(ひと)(しら)する(なか)れさらば(なんぢ)(ころ)されじ 25もし牧伯等(きみたち)わが(なんぢ)(かた)りしことを我儕(われら)()げよ(われ)らに(かく)(なか)(さら)(われ)(なんぢ)(ころ)さじ(また)(わう)(なんぢ)(かた)りしことを(つげ)よといはば 26(なんぢ)(かれ)らに(こた)へて(われ)(わう)(もと)めて(われ)をヨナタンの(いへ)(かへ)して彼處(かしこ)(しな)しむること(なか)れといへりといふべし 27かくて牧伯等(きみたち)ヱレミヤにきたりて(とひ)けるに(かれ)(わう)(めい)ぜし(ことば)のごとく(かれ)らに(つげ)たればその(こと)(あら)はれざりき(ここ)をもて(かれ)(かれ)とものいふことを(やめ)たり 28ヱレミヤはヱルサレムの(とら)るる()まで(ひとや)(には)()りしがヱルサレムの(とら)れし(とき)にも彼處(かしこ)にをれり

第三十九章

1ユダの(わう)ゼデキヤの九(ねん)(ぐわつ)バビロンの(わう)ネブカデネザルその全軍(ぜんぐん)をひきゐヱルサレムにきたりて(これ)攻圍(せめかこ)みけるが 2ゼデキヤの十一(ねん)(ぐわつ)九日(ここのか)にいたりて城邑(まち)(やぶ)れたれば 3バビロンの(わう)牧伯等(つかさたち)(すなは)ちネルガルシヤレゼル、サムガルネボ 寺人(じじん)(かしら)サルセキム 博士(はかせ)(かしら)ネルガルシヤレゼルおよびバビロンの(わう)のその(ほか)牧伯等(つかさたち)(みな)ともに(いり)(なか)(もん)()せり 4ユダの(わう)ゼデキヤおよび兵卒(へいそつ)ども(これ)()()(よる)(うち)(わう)(その)(みち)より(ふたつ)石垣(いしがき)(あひだ)(もん)より(まち)をいでてアラバの(みち)にゆきしが 5カルデヤ(びと)軍勢(ぐんぜい)これを()ひヱリコの平地(ひらち)にてゼデキヤにおひつき(これ)(とら)へてハマテの()リブラにをるバビロンの(わう)ネブカデネザルの(もと)(ひき)ゆきければ(わう)かしこにて(かれ)(つみ)をさだめたり 6すなはちバビロンの(わう)リブラにてゼデキヤの諸子(こたち)をかれの()(まへ)(ころ)せりバビロンの(わう)またユダのすべての牧伯等(きみたち)(ころ)せり 7(わう)またゼデキヤの()(つぶ)さしめ(かれ)をバビロンに(ひき)ゆかんとて銅索(くさり)(つな)げり 8またカルデヤ(びと)()をもて(わう)(いへ)(たみ)(いへ)をやき(かつ)ヱルサレムの石垣(いしがき)(こぼ)てり 9かくて侍衞(じゑい)(かしら)ネブザラダンは(まち)(うち)(のこ)れる(たみ)とおのれに(くだ)りし(もの)およびその(ほか)(のこ)れる(たみ)をバビロンに(うつ)せり 10されど侍衞(じゑい)(かしら)ネブザラダンはその(とき)(たみ)(まづ)しくして所有(もちもの)なき者等(ものども)をユダの()(のこ)葡萄園(ぶだうばたけ)田地(はたけ)とをこれにあたへたり 11(ここ)にバビロンの(わう)ネブカデネザル、ヱレミヤの(こと)につきて侍衞(じゑい)(かしら)ネブザラダンに(めい)じていひけるは 12(かれ)()りて()(あしら)へよ(がい)をくはふる(なか)(かれ)(なんぢ)()ふごとくなすべしと 13(ここ)をもて侍衞(じゑい)(かしら)ネブザラダン寺人(じじん)(かしら)ネブシヤスバン博士(はかせ)(かしら)ネルガルシヤレゼルおよびバビロンの(わう)牧伯等(つかさたち) 14(ひと)(つかは)してヱレミヤを(ひとや)(には)よりたづさへ(きた)らしめシヤパンの()アヒカムの()なるゲダリヤに(わた)して(これ)(いへ)につれゆかしむ(かく)(かれ)(たみ)(うち)()15ヱレミヤ(ひとや)(には)禁錮(とぢこめ)られをる(とき)ヱホバの(ことば)(かれ)にのぞみていふ 16(なんぢ)ゆきてエテオピア(びと)エベデメレクに(つげ)萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)かくいふわれ(わが)(いひ)しところの(わざはひ)(この)(まち)(くだ)さん(さいはひ)はこれに(くだ)さじその()この(こと)(なんぢ)目前(めのまへ)にならん 17ヱホバいひたまふその()にはわれ(なんぢ)(すく)はん(なんぢ)はその(おそ)るるところの人衆(ひとびと)()(わた)されじ 18われ(かなら)(なんぢ)(すく)はん(なんぢ)(つるぎ)をもて(ころ)されじ(なんぢ)生命(いのち)(なんぢ)掠取物(ぶんどりもの)とならん(なんぢ)われに倚賴(よりたの)めばなりとヱホバいひたまふ

第四十章

1侍衞(じゑい)(かしら)ネブザラダンかのバビロンにとらへ(うつ)さるるヱルサレムとユダの人々(ひとびと)(うち)にヱレミヤを(くさり)につなぎおきてこれを(とら)へゆきけるが(つひ)にこれを(はな)ちてラマを(さら)しめたりその(のち)ヱホバの(ことば)ヱレミヤにのぞめり 2(このところ)侍衞(じゑい)(かしら)ヱレミヤを(めし)てこれにいひけるは(なんぢ)(かみ)ヱホバ此處(このところ)にこの(わざはひ)あらんことを(いへ)3ヱホバこれを(くだ)しその(いひ)(ごと)(おこな)へり(なんぢ)らヱホバに(つみ)(をか)しその(こゑ)(きき)したがはざりしによりてこの(こと)(なんぢ)らに(きた)りしなり 4()(われ)今日(けふ)(なんぢ)()(くさり)(とき)(なんぢ)(はな)(なんぢ)もし(われ)とともにバビロンにゆくことを(よし)とせば(きた)れわれ(なんぢ)()くあしらはん(なんぢ)もし(われ)(とも)にバビロンにゆくを(あし)とせば(とどま)()よこの()(みな)(なんぢ)(まへ)()(なんぢ)(よし)とする(ところ)(なんぢ)(こころ)(かな)ふところに(ゆく)べし 5ヱレミヤいまだ(こた)へざるに(かれ)またいひけるは(なんぢ)バビロンの(わう)がユダの諸邑(まちまち)(うへ)にたてて有司(つかさ)となせしシヤパンの()アヒカムの()なるゲダリヤの(もと)(かへ)(かれ)とともに(たみ)(うち)()(あるひ)(なんぢ)(よし)とおもふところにゆくべしと侍衞(じゑい)(かしら)(かれ)食糧(くひもの)禮物(おくりもの)をとらせて(さら)しめたり 6ヱレミヤすなはちミヅパに()きてアヒカムの()ゲダリヤに(いた)りその()(のこ)れる(たみ)のうちに(かれ)(とも)にをる 7(ここ)田舍(ゐなか)にある軍勢(ぐんぜい)(かしら)(たち)および(かれ)らに(ぞく)する人々(ひとびと)バビロンの(わう)がアヒカムの()ゲダリヤを(たて)てこの()有司(つかさ)となし男女(をとこをんな)嬰孩(こども)および(くに)(うち)のバビロンに(うつ)されざる貧者(まづしきもの)(かれ)にあづけたることをききしかば 8(すなは)ちネタニヤの()イシマエルとカレヤの()ヨハナンとヨナタンおよびタンホメテの()セラヤとネトパ(びと)なるエパイの諸子(こたち)(ある)マアカ(びと)()ヤザニヤおよび(かれ)らに(ぞく)する人々(ひとびと)ミヅパにゆきてゲダリヤの(もと)にいたる 9シヤパンの()アヒカムの()なるゲダリヤ(かれ)らと(かれ)らに(ぞく)する人々(ひとびと)(ちか)ひていひけるは(なんぢ)らカルデヤ(びと)(つかふ)ることを(おそ)るる(なか)れこの()(すみ)てバビロンの(わう)(つか)へなば(なんぢ)幸幅(さいはひ)ならん 10(われ)はミヅパに()(われ)らに(きた)らんところのカルデヤ(びと)(つか)へん(なんぢ)らは葡萄酒(ぶだうしゆ)菓物(くだもの)(あぶら)とをあつめて(これ)(うつは)(たくは)(なんぢ)らが()るところの諸邑(まちまち)()めと 11(また)モアブとアンモン(びと)(うち)およびエドムと(もろもろ)(くに)にをるところのユダヤ(びと)はバビロンの(わう)がユダに(ひと)(のこ)したるシヤパンの()アヒカムの()なるゲダリヤを(たて)てこれが有司(つかさ)となしたることを(きけ)12(ここ)においてそのユダヤ(びと)(みな)その(おひ)やられし(もろもろ)(ところ)よりかへりてユダの()のミヅパに(きた)りゲダリヤに(いた)れり(しか)して(おほ)くの葡萄酒(ぶだうしゆ)菓物(くだもの)をあつむ 13(また)カレヤの()ヨハナンおよび田舍(ゐなか)にをりし軍勢(ぐんぜい)(かしら)たちミヅパにきたりてゲダリヤの(もと)にいたり 14(かれ)にいひけるは(なんぢ)アンモン(びと)(わう)バアリスが(なんぢ)(ころ)さんとてネタニヤの()イシマエルを(つかは)せしを()るやと(され)どアヒカムの()ゲダリヤこれを(しん)ぜざりしかば 15カレヤの()ヨハナン、ミヅパにて(ひそか)にゲダリヤに(かた)りて(いひ)けるは()ふわれゆきて(ひと)(しれ)ずにネタニヤの()イシマエルを(ころ)さんいかで(かれ)(なんぢ)(ころ)(なんぢ)(あつま)れるユダ(ひと)(ちら)しユダの(のこ)れる(もの)(ほろぼ)すべけんやと 16(しか)るにアヒカムの()ゲダリヤ、カレヤの()ヨハナンにいひけるは(なんぢ)この(こと)をなすべからず(なんぢ)イシマエルにつきて(いつはり)をいふなり

第四十一章

1(ぐわつ)ごろ(わう)血統(ちすぢ)なるエリシヤマの()ネタニヤの()イシマエル(わう)の十(にん)牧伯等(つかさたち)とともにミヅパにゆきてアヒカムの()ゲダリヤにいたりミヅパにて(とも)(しよく)をなせしが 2ネタニヤの()イシマエルおよび(とも)にをりし十(にん)(もの)起上(たちあが)りバビロンの(わう)がこの()有司(つかさ)となせしシヤパンの()アヒカムの()なるゲダリヤを(かたな)にて(ころ)せり 3イシマエルまたミヅパにゲダリヤと(とも)にをりし(すべて)のユダヤ(びと)彼處(そこ)にをりしカルデヤ(びと)兵卒(へいそつ)(ころ)したり 4(かれ)がゲダリヤを(ころ)してより二日(ふつか)(のち)いまだ(たれ)(これ)(しら)ざりし(とき) 5ある(ひと)八十(にん)その(ひげ)()(ころも)()()(きず)つけ()素祭(そさい)(もの)(かう)(たづさ)へてシケム、シロ、サマリヤよりきたりてヱホバの(いへ)にいたらんとせしかば 6ネタニヤの()イシマエル、ミヅパよりいでて()きつつ(ゆき)(かれ)らを(むか)彼等(かれら)(あひ)てアヒカムの()ゲダリヤの(もと)(きた)れといへり 7(しか)して(かれ)(まち)(うち)(いれ)しときネタニヤの()イシマエル(おのれ)(とも)にある人々(ひとびと)とともに(かれ)らを(ころ)してその(しかばね)(あな)(なげ)いれたり 8(ただ)しその(うち)の十(にん)イシマエルにむかひ(われ)らは田地(はたけ)小麥(こむぎ) 麰麥(おほむぎ)(あぶら)および(みつ)(かく)(もて)(われ)らをころすなかれと(いひ)たれば(かれ)らをその兄弟(きやうだい)(とも)(ころ)さずして(やみ)9イシマエルがゲダリヤの()をもて(ころ)せし(ひと)(しかばね)投入(なげい)れし(あな)はアサ(わう)がイスラエルの(わう)バアシヤを(おそ)れて(ほり)(あな)なりネタニヤの()イシマエルその(ころ)せし人々(ひとびと)(これ)(みた)せり 10イシマエルはミヅパに(のこ)りをる(すべて)(たみ)(すなは)(わう)諸女(むすめたち)侍衞(じゑい)(かしら)ネブザラダンがアヒカムの()ゲダリヤに交付(あづけ)しところのミヅパに(のこ)れる(もろもろ)(たみ)とを(とりこ)にせりネタニヤの()イシマエルすなはち(かれ)らを(とりこ)にしアンモン(びと)(ゆか)んとて()れり 11カレヤの()ヨハナンおよび(かれ)(とも)()軍勢(ぐんぜい)(かしら)たちネタニヤの()イシマエルの(なせ)(もろもろ)惡事(あしきこと)(きき)ければ 12その衆卒(つはもの)(ひきゐ)てネタニヤの()イシマエルと(たたか)はんとて()でギベオンの(いけ)(ほとり)にて(かれ)()13イシマエルと(とも)()人々(ひとびと)はカレヤの()ヨハナンおよび(かれ)とともに()軍勢(ぐんぜい)(かしら)たちを()(よろこ)べり 14(ここ)をもてイシマエルがミヅパより(とら)へきたりし(ところ)人々(ひとびと)()をめぐらしてカレヤの()ヨハナンの(もと)にゆけり 15ネタニヤの()イシマエルは八(にん)(もの)(とも)にヨハナンを()(にげ)てアンモン(びと)(ゆけ)16カレヤの()ヨハナンおよび(かれ)とともにある軍勢(ぐんぜい)長等(かしらたち)はネタニヤの()イシマエルがアヒカムの()ゲダリヤを(ころ)してミヅパより(とら)へゆけるところの(かの)(のこ)れる(たみ)すなはち兵卒(へいそつ)婦人(をんな)兒女(こども)寺人(じじん)()(その)()より()りかへして(これ)をギベオンより(つれ)かへりしが 17(すすみ)てエジプトにいたらんとてベツレヘムの近傍(ちかく)にあるキムハムの住處(すまひ)(ゆき)(とどま)れり 18こはネタニヤの()イシマエルがバビロンの(わう)此地(このくに)有司(つかさ)となしたるアヒカムの()ゲダリヤを(ころ)せしによりカルデヤ(びと)(おそれ)たればなり

第四十二章

1(ここ)軍勢(ぐんぜい)(かしら)たちおよびカレヤの()ヨハナンとホシャヤの()ヱザニヤ(ならび)(たみ)至微者(いとちひさきもの)より至大者(いとおほいなるもの)にいたるまで 2(みな)預言者(よげんしや)ヱレミヤの(もと)(きた)りて(いひ)けるは(なんぢ)(まへ)(われ)らの(もとめ)受納(うけいれ)られんことを(ねが)()(われ)(のこ)れる(もの)(ため)(なんぢ)(かみ)ヱホバに(いの)れ((いま)(なんぢ)()(みる)がごとく(われ)らは衆多(おほく)(うち)(のこ)れる(もの)にして(すくなき)なり) 3さらば(なんぢ)(かみ)ヱホバ(われ)らの(あゆ)むべき(みち)となすべき(こと)(しめ)したまはん 4預言者(よげんしや)ヱレミヤ(かれ)らに(いひ)けるは(われ)(なんぢ)らに(きけ)(なんぢ)らの(ことば)(したが)ひて(なんぢ)らの(かみ)ヱホバに(いの)らん(およ)そヱホバが(なんぢ)らに(こた)へたまふことはわれ(かく)(ところ)なく(なんぢ)らに(つぐ)べし 5(かれ)らヱレミヤにいひけるは(ねがは)くはヱホバ我儕(われら)(あひだ)にありて眞實(まこと)なる(しん)ずべき證者(あかし)となりたまへ(われ)らは(なんぢ)(かみ)ヱホバの(なんぢ)(つかは)して(われ)らに(つげ)しめたまふ(すべて)(こと)(したが)ひて(おこな)ふべし 6(われ)らは(よき)にまれ(あし)きにまれ(われ)らが(なんぢ)(つかは)すところの(われ)らの(かみ)ヱホバの(こゑ)(したが)はん(かく)(われ)らの(かみ)ヱホバの(こゑ)(したが)ひてわれら(さいはひ)をうけん 7十日(とをか)(のち)ヱホバの(ことば)ヱレミヤにのぞみしかば 8ヱレミヤ、カレヤの()ヨハナンおよび(かれ)(とも)()軍勢(ぐんぜい)(かしら)たち(ならび)(たみ)至微者(いとちひさきもの)より至大者(いとおほいなるもの)までを(ことごと)(まね)きて 9これにいひけるは(なんぢ)らが(われ)(つかは)して(なんぢ)らの(いのり)(ささ)げしめしところのイスラエルの(かみ)ヱホバかくいひ(たま)10(なんぢ)らもし(まこと)(この)()(とどま)らばわれ(なんぢ)らを()てて(たふ)さず(なんぢ)らを(うゑ)(ぬか)じそは(われ)(なんぢ)らに(わざはひ)(くだ)せしを(くゆ)ればなり 11ヱホバいひたまふ(なんぢ)らが(おそ)るるところのバビロンの(わう)(おそ)るる(なか)(かれ)をおそるる(なか)れわれ(なんぢ)らとともにありて(なんぢ)らを(すく)(かれ)()より(なんぢ)らを(すく)ふべし 12われ(なんぢ)らを(あはれ)みまた(かれ)をして(なんぢ)らを(あはれ)ませ(なんぢ)らを故土(ふるさと)(かへ)らしめん 13(され)(なんぢ)らもし(われ)らはこの()(とどま)らじ(なんぢ)らの(かみ)ヱホバの(こゑ)(したが)はじと()14また(しか)りわれらはかの戰爭(いくさ)()(らつぱ)(こゑ)をきかず食物(くひもの)(とぼ)しからざるエジプトの()にいたりて彼處(かしこ)(すま)はんといはば 15(なんぢ)らユダの(のこ)れる(もの)よヱホバの(ことば)をきけ萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)かくいひたまふ(なんぢ)らもし(しひ)てエジプトにゆきて彼處(かしこ)(すま)はば 16(なんぢ)らが(おそ)るるところの(つるぎ)エジプトの()にて(なんぢ)らに(のぞ)(なんぢ)らが(おそ)るるところの饑饉(ききん)エジプトにて(なんぢ)らにおよばん(しか)して(なんぢ)らは彼處(かしこ)(しぬ)べし 17(おほよ)そエジプトにおもむき(いた)りて彼處(かしこ)(すま)はんとする人々(ひとびと)(つるぎ)饑饉(ききん)疫病(えきびやう)(しぬ)べしその(うち)には(わが)(かれ)らに(くだ)さんところの(わざはひ)(のが)れて(のこ)(もの)(なか)るべし 18萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)かくいひたまふ(わが)震怒(いかり)憤恨(いきどほり)のヱルサレムに(すめ)(もの)(そそ)ぎし(ごと)くわが憤恨(いきどほり)(なんぢ)らがエジプトにいらん(とき)(なんぢ)らに(そそ)がん(なんぢ)らは呪詛(のろひ)となり詫異(おどろき)となり罵詈(ののしり)となり凌辱(はづかしめ)とならん(なんぢ)らは(ふたた)びこの(ところ)()ざるべしと 19ユダの(のこ)れる(もの)よヱホバ(なんぢ)らにつきていひたまへり(なんぢ)らエジプトにゆく(なか)れと(なんぢ)今日(けふ)わが(なんぢ)らを(いまし)めしことを(たしか)()20(なんぢ)(われ)(なんぢ)らの(かみ)ヱホバに(つかは)して()へり(われ)らの(ため)(われ)らの(かみ)ヱホバに(いの)(われ)らの(かみ)ヱホバの(なんぢ)(しめ)したまふ(こと)をことごとく(われ)らに(つげ)(われ)(これ)(おこな)はんと(かく)なんぢら(みづか)(あざむ)けり 21われ今日(けふ)(なんぢ)らに(つげ)たれど(なんぢ)らは(なんぢ)らの(かみ)ヱホバの(こゑ)(したが)はず(なんぢ)らはヱホバが(われ)(つかは)して(めい)ぜしめたまひし(こと)には(すべ)(したが)はざりき 22(され)(なんぢ)らはその(ゆき)(すま)んとねがふ(ところ)にて(つるぎ)饑饉(ききん)疫病(えきびやう)(しぬ)ることを(いま)(たしか)()るべし

第四十三章

1ヱレミヤ(すべて)(たみ)にむかひて(その)(かみ)ヱホバの(ことば)(ことごと)()べその(かみ)ヱホバが(おのれ)(つかは)して(いは)しめたまへる(その)(もろもろ)(ことば)(のべ)をはりし(とき) 2ホシャヤの()アザリヤ、カレヤの()ヨハナンおよび(たかぶ)(ひと)(みな)ヱレミヤに(かた)りていひけるは(なんぢ)(いつはり)をいふ(われ)らの(かみ)ヱホバはエジプトにゆきて彼處(かしこ)()(なか)れと(なんぢ)をつかはして(いは)せたまはざるなり 3ネリヤの()バルク(なんぢ)(そそのか)して(われ)らに(さから)はしむ(これ)(われ)らをカルデヤ(びと)()(わた)して(ころ)さしめバビロンに(うつ)さしめん(ため)なり 4(かく)カレヤの()ヨハナンと軍勢(ぐんぜい)長等(をさたち)および(たみ)(みな)ヱホバの(こゑ)(したが)はずしてユダの()(すむ)ことをせざりき 5(かく)てカレヤの()ヨハナンと軍勢(ぐんぜい)長等(かしらたち)はユダに(のこ)れる(もの)(すなは)ちその(おひ)やられし國々(くにぐに)よりユダの()(すま)んとて(かへ)りし(もの) 6(をとこ)(をんな)嬰孩(こども)(わう)(むすめ)たちおよび(すべ)侍衞(じゑい)(かしら)ネブザラダンがシヤパンの()なるアヒカムの()ゲダリヤに(わた)(おき)(もの)(ならび)預言者(よげんしや)ヱレミヤとネリヤの()バルクを(とり)7エジプトの()(いた)れり(かれ)(かく)ヱホバの(こゑ)(したが)はざりき(しか)して(つい)にタパネスに(いた)れり 8ヱホバの(ことば)タパネスにてヱレミヤに(のぞ)みていふ 9(なんぢ)(おほい)なる(いし)()()りユダの人々(ひとびと)()(まへ)にてこれをタパネスに()るパロの(いへ)入口(いりくち)(ほとり)なる磚窰(かまど)泥土(つち)(うち)(かく)して 10(かれ)らにいへ萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)かくいひたまふ()よわれ使者(つかひ)(つかは)はしてわが(しもべ)なるバビロンの(わう)ネブカデネザルを(まね)きその(くらゐ)をこの(かく)したる(いし)(うへ)(すゑ)しめん(かれ)錦繡(にしき)をその(うへ)(しく)べし 11かれ(きた)りてエジプトの()()()(さだ)まれる(もの)(しな)しめ(とりこ)(さだ)まれる(もの)(とりこ)にし(つるぎ)(さだ)まれる(もの)(つるぎ)にかけん 12われエジプトの諸神(かみがみ)(いへ)()(もや)さんネブカデネザル(これ)()きかれらを(とりこ)にせん(しか)して(ひつじ)()(もの)のその()(ころも)(まと)ふがごとくエジプトの()をその()(まと)はん(かれ)安然(やすらか)其處(そこ)をさるべし 13(かれ)はエジプトの()のベテシメシの偶像(ぐうざう)(こぼ)()をもてエジプト(ひと)諸神(かみがみ)(いへ)(やく)べし

第四十四章

1エジプトの()(すめ)るところのユダの人衆(ひとびと)すなはちミグドル、タパネス、ノフ、パテロスの()(すめ)(もの)(こと)につきてヱレミヤに(のぞ)みし(ことば)(いは)2萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)かくいふ(なんぢ)らは(わが)ヱルサレムとユダの諸邑(まちまち)(くだ)せしところの(わざはひ)をみたり()よこれらは今日(けふ)すでに空曠(あれち)となりて()(ひと)なし 3こは(かれ)(あく)をなして(われ)(いか)らせしによる(すなは)ちかれらは(おのれ)(なんぢ)らも(なんぢ)らの先祖等(せんぞたち)(しら)ざるところの(ほか)(かみ)にゆきて(かう)()(かつ)これに(つか)へたり 4われ(わが)(しもべ)なる預言者(よげんしや)たちを(なんぢ)らに(つかは)(しきり)にこれを(つかは)して()(なんぢ)らわが(きら)ふところの(この)(にく)むべき(こと)(おこな)(なか)れといはせけるに 5(かれ)()かず(みみ)(かたむ)けず(ほか)(かみ)(かう)()きてその(あく)(はな)れざりし 6(これ)によりて(わが)震怒(いかり)とわが憤恨(いきどほり)ユダの諸邑(まちまち)とヱルサレムの(ちまた)にそそぎて(これ)(やき)たれば其等(それら)今日(こんにち)のごとく()れかつ傾圮(ほろび)たり 7萬軍(ばんぐん)(かみ)イスラエルの(かみ)ヱホバいまかくいふ(なんぢ)(いか)なれば(おほい)なる(あく)をなして(おのれ)靈魂(たましひ)(がい)しユダの(うち)より(なんぢ)らの(をとこ)(をんな)孩童(こども)乳哺子(ちのみご)(たち)一人(ひとり)(のこ)らざらしめんとするや 8(いか)なれば(なんぢ)(その)()行爲(わざ)をもて(われ)(いか)らせ(なんぢ)らが(ゆき)(すま)ふところのエジプトの()(おい)(ほか)(かみ)(かう)()きて(おのれ)()(ほろぼ)()萬國(ばんこく)(うち)呪詛(のろひ)となり凌辱(はづかしめ)とならんとするや 9ユダの()とヱルサレムの(ちまた)にて(おこな)ひし(なんぢ)らの先祖等(せんぞたち)(あく)ユダの王等(わうたち)(あく)(その)(つま)()(あく)および(なんぢ)らの()(あく)(なんぢ)らの(つま)()(あく)(なんぢ)(わす)れしや 10(かれ)らは今日(こんにち)にいたるまで()いずまた(おそ)れず(なんぢ)らと(なんぢ)らの先祖等(せんぞたち)(まへ)(たて)たる(わが)律法(おきて)とわが典例(さだめ)(したが)ひて(あゆ)まざるなり 11是故(このゆえ)萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)かくいふ()よわれ(かほ)(なんぢ)らにむけて(わざはひ)(くだ)しユダの人衆(ひとびと)(ことごと)(たた)12(また)われエジプトの()にすまんとてその(かほ)をこれにむけて(ゆき)しところの(かの)ユダの(のこ)れる(もの)()らん(かれ)らは(みな)(ほろぼ)されてエジプトの()(たふ)れん(かれ)らは(つるぎ)饑饉(ききん)(ほろぼ)され微者(ちひさきもの)大者(おほいなるもの)(つるぎ)饑饉(ききん)によりて(しぬ)べし(しか)して呪詛(のろひ)となり詫異(おどろき)となり罵詈(ののしり)となり凌辱(はづかしめ)とならん 13われヱルサレムを(ばつ)せし(ごと)(つるぎ)饑饉(ききん)疫病(えきびやう)をもてエジプトに(すめ)(もの)(ばつ)すべし 14(ここ)をもてエジプトの()(ゆき)彼處(かしこ)(すめ)るところのユダの(のこ)れる(もの)(うち)一人(ひとり)(のが)れまたは(のこ)りてその(こころ)にしたひて(かへ)(すま)はんとねがふところのユダの()(かへ)るもの(なか)るべし(のが)るる(もの)(ほか)には(かへ)(もの)(なか)るべし 15(ここ)(おい)てその(つま)(かう)(ほか)(かみ)(たき)しことを()れる人々(ひとびと)および其處(そこ)()てる婦人等(をんなたち)(おほい)なる群衆(ぐんしう)(ならび)にエジプトの()のパテロスに(すめ)るところの(たみ)ヱレミヤに(こた)へて(いひ)けるは 16(なんぢ)がヱホバの()をもてわれらに(のべ)(ことば)(われ)()かじ 17(われ)らは(かなら)(われ)らの(くち)より(いづ)(ことば)(おこな)(われ)らが(もと)なせし(ごと)(かう)天后(てんかう)()きまた(さけ)をその(まへ)(そそ)ぐべし(すなは)ちユダの諸邑(まちまち)とヱルサレムの(ちまた)にて(われ)らと(われ)らの先祖等(せんぞたち)および(われ)らの王等(わうたち)(われ)らの牧伯等(きみたち)(おこな)ひし(ごと)くせん當時(かのとき)われらは(かて)()(さいはひ)をえて(わざはひ)(あは)ざりし 18(われ)天后(てんかう)(かう)()くことを()(さけ)をその(まへ)(そそ)がずなりし(とき)より(すべて)(もの)(とぼ)しくなり(つるぎ)饑饉(ききん)(ほろぼ)されたり 19(われ)らが天后(てんかう)(かう)()(さけ)をその(まへ)(そそ)ぐに(あた)りて(これ)(かたど)りてパンを(つく)(さけ)(そそ)ぎしは(われ)らの夫等(をつとたち)(ゆる)せし(こと)にあらずや 20ヱレミヤ(すなは)男女(をとこをんな)(すべて)人衆(ひとびと)および此言(このことば)をもて(こた)へたる(すべて)(たみ)にいひけるは 21ユダの諸邑(まちまち)とヱルサレムの(ちまた)にて(なんぢ)らと(なんぢ)らの先祖等(せんぞたち)および汝等(なんぢら)王等(わうたち)(なんぢ)らの牧伯等(きみたち)および(その)()(たみ)(かう)(たき)しことはヱホバ(これ)(おぼ)えまた(こころ)(おも)ひたまふにあらずや 22ヱホバは(なんぢ)らの(あし)(わざ)のため(なんぢ)らの(にく)むべき(おこなひ)(ため)(ふたた)(しの)ぶことをえせざりきこの(ゆゑ)(なんぢ)らの()今日(こんにち)のごとく荒地(あれち)となり詫異(おどろき)となり呪詛(のろひ)となり()(ひと)なき()となれり 23(なんぢ)(かう)()きヱホバに(つみ)(をか)しヱホバの(こゑ)(きき)したがはずその律法(おきて)憲法(のり)證詞(あかし)(したが)ひて(あゆ)まざりしに(より)今日(こんにち)のごとく(この)(わざはひ)(なんぢ)らにおよべり 24ヱレミヤまたすべての(たみ)婦等(をんなたち)にいひけるはエジプトの()()るユダの子孫(ひとびと)よヱホバの(ことば)をきけ 25萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)かくいひたまふ(なんぢ)らと(なんぢ)らの妻等(つまら)(くち)をもていひ()をもて()(われ)(かう)天后(てんかう)()(さけ)(そそ)ぎて(たて)しところの(ちかひ)(かなら)成就(なしとげ)んといふ(なんぢ)(かなら)(ちかひ)をたてかならず(その)(ちかひ)成就(なしとげ)んとす 26この(ゆゑ)にエジプトの()(すめ)るユダの人々(ひとびと)よヱホバの(ことば)をきけヱホバいひたまふわれ(わが)(おほい)なる()(さし)(ちか)ふエジプトの全地(ぜんち)にユダの人々(ひとびと)一人(ひとり)もその(くち)(しゆ)ヱホバは()くといひて(ふたた)(わが)()(とな)ふることなきにいたらん 27()よわれ(かれ)らをうかがはん(これ)(さいはひ)をあたふる(ため)にあらず(わざはひ)をくださん(ため)なりエジプトの()()るユダの人々(ひとびと)(つるぎ)饑饉(ききん)(ほろ)びて(たゆ)るにいたらん 28(され)(つるぎ)(のが)るる僅少(わづか)(もの)はエジプトの()(いで)てユダの()(かへ)らん(また)エジプトの()にゆきて彼處(かしこ)寄寓(やど)れるユダの(のこ)れる(もの)はその(たつ)ところの(ことば)(われ)のなるか(かれ)らのなるかを()るにいたるべし 29ヱホバいひ(たま)ふわがこの(ところ)にて(なんぢ)らを(ばつ)する(しるし)(これ)なり(われ)かくして(わが)(なんぢ)らに(わざはひ)をくださんといひし(ことば)(かなら)(たつ)ことを(しら)しめん 30すなはちヱホバかくいひたまふ()よわれユダの(わう)ゼデキヤを(その)生命(いのち)(もと)むる(てき)なるバビロンの(わう)ネブカデネザルの()(わた)せしが(ごと)くエジプトの(わう)パロホフラを(その)(てき)()その生命(いのち)(もと)むる(もの)()(わた)さん

第四十五章

1ユダの(わう)ヨシヤの()ヱホヤキムの四(ねん)ネリヤの()バルクが此等(これら)(ことば)をヱレミヤの(くち)にしたがひて(ふみ)(しる)せしとき預言者(よげんしや)ヱレミヤこれに(かた)りていひけるは 2バルクよイスラエルの(かみ)ヱホバ(なんぢ)にかくいひ(たま)3(なんぢ)(かつ)ていへり嗚呼(ああ)(われ)(わざはひ)なるかなヱホバ(わが)(うれへ)(かなしみ)(くは)へたまへり(われ)(なげ)きて(つか)(やす)きをえずと 4(なんぢ)かく(かれ)(かた)れヱホバかくいひたまふ()よわれ(わが)(たて)しところの(もの)(こぼ)(わが)(うゑ)しところの(もの)(ぬか)(これ)この全地(ぜんち)なり 5(なんぢ)(おの)れの(ため)(おほい)なる(こと)(もと)むるかこれを(もと)むる(なか)()よわれ(わざはひ)をすべての(たみ)(くだ)さん(され)(なんぢ)生命(いのち)(われ)(なんぢ)のゆかん(すべて)(ところ)にて(なんぢ)掠物(ぶんどりもの)とならしめんとヱホバいひたまふ

第四十六章

1(ここ)にヱホバの(ことば)預言者(よげんしや)ヱレミヤに(のぞ)みて諸國(くにぐに)(こと)()2(まづ)エジプトの(こと)すなはちユフラテ(がは)(ほとり)なるカルケミシの近傍(ちかく)にをるところのエジプト(わう)パロネコの軍勢(ぐんぜい)(こと)()(これ)はユダの(わう)ヨシヤの()ヱホヤキムの四(ねん)にバビロンの(わう)ネブカデネザルが(うち)やぶりし(もの)なり(その)(ことば)にいはく 3(なんぢ)大楯(おほたて)小干(こたて)(そな)へて(すす)(たたか)4(むま)(くるま)(つな)(むま)()(かぶと)(かぶ)りて()(ほこ)(みが)(よろひ)()5われ()るに(かれ)らは(おそ)れて退(しりぞ)きその勇士(ゆうし)打敗(うちやぶ)られ狼狽(あわて)(にげ)(うしろ)をかへりみず(これ)何故(なにゆゑ)ぞや畏懼(おそれ)かれらのまはりにありとヱホバいひたまふ 6快足(あしばや)なる(もの)(にげ)えず強者(つよきもの)(のが)れえず(みな)(きた)(かた)にてユフラテ(がは)(かたはら)(つまづ)(たふ)れん 7かのナイルのごとくに(わき)あがり(かは)のごとくに(その)(みづ)さかまく(もの)(たれ)ぞや 8エジプトはナイルの(ごと)くに(わき)あがりその(みづ)(かは)(ごと)くに(さか)まくなり(しか)していふ(われ)(のぼ)りて()(おほ)(まち)とその(うち)(すめ)(もの)とを(ほろぼ)さん 9汝等(なんぢら)(むま)()(くるま)驅馳(かりはし)らせよ勇士(ゆうし)(たて)()るエテオピア(びと)プテ(びと)および(ゆみ)()()くルデ(びと)(すす)みいづべし 10()(しゆ)なる萬軍(ばんぐん)のヱホバの復仇(あだがへし)()(すなは)ちその(てき)(あだ)(かへ)(たま)()なり(つるぎ)(くら)ひて()きその()()はん(しゆ)なる萬軍(ばんぐん)のヱホバ(きた)()にてユフラテ(がは)(ほとり)(ほふ)ることをなし(たま)へばなり 11處女(をとめ)よエジプトの(むすめ)よギレアデに(のぼ)りて乳香(にうかう)()(なんぢ)(おほ)くの(くすり)(もち)ふるも(えき)なし(なんぢ)(いえ)ざるべし 12(なんぢ)恥辱(はぢ)國々(くにぐに)にきこえん(なんぢ)號泣(さけび)()滿()てり勇士(ゆうし)勇士(ゆうし)にうち(ふれ)てともに(たふ)13バビロンの(わう)ネブカデネザルが(きた)りてエジプトの()(うた)んとする(こと)につきてヱホバの預言者(よげんしや)ヱレミヤに(つげ)たまひし(ことば) 14(なんぢ)らエジプトに()べミグドルに(しめ)(また)ノフ、タパネスに(しめ)しいふべし(なんぢ)(かた)()ちて(みづか)(そなへ)(つるぎ)なんぢの四周(まはり)(くら)ひたればなり 15(なんぢ)(ちから)ある(もの)いかにして(はら)(のぞ)かれしやその(たた)ざるはヱホバこれを(たふ)したまふに()るなり 16(かれ)(おほく)(もの)(つまづ)かせたまふ(ひと)(その)(とも)(うへ)(たふ)れかさなり(しか)していふ(たて)(われ)(ほろぼ)すところの(つるぎ)()けてわが(くに)にかへり故土(ふるさと)にいたらんと 17(ひと)彼處(かしこ)(さけ)びてエジプトの(わう)パロは(ほろぼ)されたり(かれ)機會(をり)(うしな)へりといふ 18萬軍(ばんぐん)のヱホバと(なの)りたまふところの(わう)いひたまふ(われ)()(かれ)山々(やまやま)(うち)のタボルのごとく(うみ)(ほとり)のカルメルのごとくに(きた)らん 19エジプトに(すめ)(をんな)(なんぢ)移轉(ひきうつり)器皿(うつは)(そな)へよそはノフは荒蕪(あれち)となり(やか)れて()(ひと)なきにいたるべければなり 20エジプトは至美(いとうるは)しき()(こうし)のごとし蜚虻(うしばへ)きたり(きた)(かた)より(きた)21また(その)(うち)傭人(やとはれびと)(こえ)たる(こうし)のごとし(かれ)轉向(ふりかへり)てともに()(たつ)ことをせず(これ)その(ほろぼ)さるる()いたり(その)(ばつ)せらるる(とき)(きた)りたればなり 22(かれ)(へび)(ごと)(こゑ)をいだす(かれ)軍勢(ぐんぜい)(ひき)ゐて(きた)樵夫(きこり)(ごと)(をの)をもて(これ)にのぞめり 23ヱホバいひ(たま)(かれ)らは(さぐ)りえざるに()りて(かれ)(はやし)(きり)(たふ)せり彼等(かれら)蝗蟲(いなご)よりも(おほく)して(かず)へがたし 24エジプトの(むすめ)(はづかし)められ(きた)(たみ)()(わた)されん 25萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)いひ(たま)()よわれノフのアモンとパロとエジプトとその諸神(かみがみ)とその王等(わうたち)すなはちパロとかれを(たの)むものとを(ばつ)せん 26われ(かれ)らを(その)生命(いのち)(もと)むる(もの)()とバビロンの(わう)ネブカデネザルの()とその臣僕(しもべ)()(わた)すべしその(のち)この()(むかし)のごとく(ひと)()むところとならんとヱホバいひたまふ 27(わが)(しもべ)ヤコブよ(おそ)るる(なか)れイスラエルよ(おどろ)(なか)()よわれ(なんぢ)遠方(とほく)より(すく)ひきたり(なんぢ)子孫(しそん)をその擄移(とらへうつ)されたる()より(すく)ひとるべしヤコブは(かへ)りて平安(へいあん)寧靜(やすき)をえん(かれ)(おそ)れしむる(もの)なかるべし 28ヱホバいひたまふ(わが)(しもべ)ヤコブよ(なんぢ)(おそ)るる(なか)(われ)(なんぢ)(とも)にあればなり(われ)(んぢ)(おひ)やりし國々(くにぐに)(ことごと)(ほろぼ)すべけれど(なんぢ)をば(ことごと)くは(ほろぼ)さじわれ(みち)をもて(なんぢ)(こら)(なんぢ)(まつた)くは(つみ)なき(もの)とせざるべし

第四十七章

1パロがガザを(うた)ざりし(さき)にペリシテ(びと)(こと)につきて預言者(よげんしや)ヱレミヤに(のぞ)みしヱホバの(ことば) 2ヱホバかくいひたまふ()(みづ)(きた)より(おこ)(あふ)れながれて(この)()(その)(うち)(もろもろ)(もの)とその(まち)(その)(うち)(すめ)(もの)とに(あふ)れかかるべしその(とき)人衆(ひとびと)(さけ)びこの()(すめ)(もの)(みな)(なげ)くべし 3その(たくま)しき(むま)(ひづめ)()たつる(おと)のため(その)(くるま)(ひびき)のため(その)()(とどろき)のために(ちち)()(よわ)りて(おのれ)子女(こども)(かへり)みざるなり 4(これ)ペリシテ(びと)(ほろぼ)しつくしツロとシドンにのこりて助力(たすけ)をなす(もの)(ことごと)(たや)()(きた)ればなりヱホバ、カフトルの()(のこ)れるペリシテ(びと)(ほろぼ)したまふべし 5ガザには(かみ)()るの(こと)はじまるアシケロンと(その)剩餘(のこり)平地(ひらち)(ほろ)ぼさる(なんぢ)いつまで()(きずつ)くるや 6ヱホバの(つるぎ)(なんぢ)いつまで(やす)まざるや(なんぢ)(さや)(かへ)りて(やす)(しづ)まれ 7ヱホバこれに(めい)じたるなればいかで(やす)むことをえんやアシケロンと海邊(うみべ)(せむ)ることを(さだ)めたまへり

第四十八章

1萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)モアブの(こと)につきてかくいひたまふ嗚呼(ああ)ネボは(わざはひ)なるかな(これ)(ほろぼ)されたりキリヤタイムは(はづかし)められて()られミスガブは(はづかし)められて(こぼ)たる 2モアブの榮譽(ほまれ)(うせ)さりぬヘシボンにて人衆(ひとびと)モアブの(がい)(はか)去來(いざ)(これ)()ちて(くに)をなさざらしめんといふマデメンよ(なんぢ)(ほろぼ)されん(つるぎ)(なんぢ)()はん 3ホロナイムより號咷(さけび)(こゑ)きこゆ毀敗(やぶれ)(おほい)なる滅亡(ほろび)あり 4モアブ(ほろぼ)されてその嬰孩等(こどもら)號咷(さけび)(きこ)5(かれ)らは(なげ)(なげ)きてルヒテの(さか)(のぼ)(てき)はホロナイムの(くだ)(みち)にて滅亡(ほろび)號咷(さけび)をきけり 6(にげ)(なんぢ)らの生命(いのち)(すく)曠野(あらの)(すて)られたる(もの)(ごと)くなれ 7(なんぢ)(なんぢ)工作(わざ)財寶(たから)(たの)むによりて(なんぢ)(とら)へられん(また)ケモシは(その)祭司(さいし)およびその牧伯等(きみたち)(とも)(とら)へうつさるべし 8殘害者(ほろぼすもの)(すべて)(まち)(きた)らん(ひとつ)(まち)(まぬが)れざるべし(たに)(ほろぼ)され平地(ひらち)(あら)されんヱホバのいひたまひしがごとし 9(つばさ)をモアブに(あた)へて(とび)さらしむ(その)諸邑(まちまち)(あれ)(すむ)(もの)なからん 10ヱホバの(わざ)(おこな)ふて(おこた)(もの)(のろ)はれ(また)その(つるぎ)をおさへて()(なが)さざる(もの)(のろ)はる 11モアブはその幼時(いとけなきとき)より安然(やすらか)にして(さけ)(その)(おり)のうへにとざまりて(この)(うつは)よりかの(うつは)(くみ)うつされざるが(ごと)くなりき(かれ)(とらへ)うつされざりしに(より)(その)(あぢはひ)(なほ)(たも)ちその香氣(にほひ)(かは)らざるなり 12ヱホバいひたまふ(この)(ゆゑ)にわがこれを(かたむ)くる(もの)(つかは)はす()(きた)らん(かれ)らすなはち(これ)(かたむ)(その)(うつは)をあけ(その)(とくり)(くだ)くべし 13モアブはケモシのために(はぢ)をとらん(これ)イスラエルの(いへ)がその(たの)めるところのベテルのために(はぢ)をとりしが(ごと)くなるべし 14(なんぢ)(なん)(われ)らは勇士(ゆうし)なり(つよ)軍人(いくさびと)なりといふや 15モアブはほろぼされその諸邑(まちまち)(あが)りその選擇(えりぬき)壯者(わかもの)(くだ)りて(ころ)さる萬軍(ばんぐん)のヱホバと(なの)(わう)これをいひ(たま)16モアブの滅亡(ほろび)(ちかづ)けりその(わざはひ)(すみやか)(きた)17(おほよ)(その)四周(まはり)にある(もの)(かれ)のために(なげ)けその()()(もの)(つよ)竿(さを)(うるは)しき(つゑ)いかにして(をれ)しやといへ 18デボンに(すめ)(むすめ)(さかえ)をはなれて(くだ)(かわ)ける()()せよモアブを(やぶ)(もの)(なんぢ)にきたりて(なんぢ)(しろ)(ほろぼ)さん 19アロエルに(すめ)(をんな)(みち)(かたはら)にたちて(うかが)(にげ)きたる(もの)(のが)れいたる(もの)(こと)いかんと()20モアブは(やぶ)られて(はぢ)をとる(なんぢ)(よば)はり(さけ)びモアブは(ほろぼ)されたりとアルノンに(つげ)21鞫災(さばき)平地(ひらち)(のぞ)みホロン、ヤハヅ、メパアテ 22デボン、ネボ、ベテデブラタイム 23キリヤタイム、ベテガムル、ベテメオン 24ケリオテ、ボズラ、モアブの()諸邑(まちまち)(とほ)(もの)にも(ちか)(もの)にも(のぞ)めり 25モアブの(つの)(くだ)(その)(ひぢ)(をれ)たりとヱホバいひたまふ 26(なんぢ)らモアブを()はしめよ(かれ)ヱホバにむかひて(おごり)(たかぶ)ればなりモアブは(その)(はき)たる(もの)(まろ)びて笑柄(わらひぐさ)とならん 27イスラエルは(なんぢ)笑柄(わらひぐさ)にあらざりしや(かれ)盜人(ぬすびと)(うち)にありしや(なんぢ)(かれ)(こと)(かた)るごとに(かうべ)(ふり)たり 28モアブに(すめ)(もの)(なんぢ)(まち)(はな)れて(いは)()にすめ(あな)(くち)(かたはら)()(つく)斑鳩(やまばと)(ごと)くせよ 29われらモアブの驕傲(たかぶり)をきけり(その)驕傲(たかぶり)(はなは)だし(すなは)(その)驕慢(おごり)矜高(たかぶり)驕誇(ほこり)およびその(こころ)(みづか)(たか)くするを(きけ)30ヱホバいひたまふ(われ)モアブの驕傲(たかぶり)とその(ことば)(むなし)きとを()(かれ)らは(いつはり)(おこな)ふなり 31この(ゆゑ)(われ)モアブの(ため)(さけ)びモアブの全地(ぜんち)(ため)(よば)はるキルハレスの人々(ひとびと)(ため)嗟歎(なげき)あり 32シブマの葡萄(ぶだう)()よわれヤゼルの哭泣(なげき)にこえて(なんぢ)(ため)になげくべし(なんぢ)(つる)(うみ)()(のび)てヤゼルの(うみ)にまでいたる掠奪者(かすむるもの)(きた)りて(なんぢ)()葡萄(ぶだう)をとらん 33欣喜(よろこび)歡樂園(たのしみその)とモアブの()をはなれ()(われ)酒醡(さかぶね)(さけ)()からしめん(よば)はりて葡萄(ぶだう)(ふむ)もの(なか)るべし(その)喚呼(よばはり)葡萄(ぶだう)をふむ喚呼(よばはり)にあらざらん 34ヘシボンよりエレアレとヤハヅにいたりゾアルよりホロナイムとエグラテシリシヤにいたるまで(ひと)(こゑ)()ぐそはニムリムの(みづ)までも(たえ)たればなり 35ヱホバいひたまふ(われ)祭物(そなへもの)崇邱(たかきところ)(ささ)(かう)をその諸神(かみがみ)()くところの(もの)をモアブの(うち)(ほろぼ)さんと 36この(ゆゑ)(わが)(こころ)はモアブの(ため)(ふえ)のごとく(なげ)(わが)(こころ)はキルハレスの人衆(ひとびと)のために(ふえ)のごとく(なげ)(これ)(その)()たるところの(たから)うせたればなり 37(ひと)みなその(かみ)()(みな)その(ひげ)をそり(みな)その()(きずつ)(こし)麻布(あさぬの)をまとはん 38モアブにては家蓋(やね)(うへ)(ちまた)のうちに(あまね)悲哀(かなしみ)ありそはわれ(こころ)(かなは)ざる(うつは)のごとくにモアブを(くだ)きたればなりとヱホバいひたまふ 39嗚呼(ああ)モアブはほろびたり(かれ)らは(さけ)嗚呼(ああ)モアブは(はぢ)(かほ)(そむ)けたりモアブはその四周(まはり)(もの)笑柄(わらひぐさ)となり恐懼(おそれ)となれり 40ヱホバかくいひたまふ()(てき)(わし)のごとくに飛來(とびきた)りて(つばさ)をモアブのうへに(のべ)41ケリオテは()られ(しろ)はみな(うば)はるその()にはモアブの勇士(ゆうし)(こころ)()()(をんな)のごとくになるべし 42モアブはヱホバにむかひて(ほこ)りしゆゑに(ほろ)ぼされて(ふたた)(くに)(なさ)ざるべし 43ヱホバいひたまふモアブにすめる(もの)恐怖(おそれ)陷阱(あな)(わな)(なんぢ)(のぞ)めり 44恐怖(おそれ)をさけて(にぐ)るものは陷阱(あな)におちいり陷阱(あな)より(いづ)るものは(わな)にとらへられん()はわれモアブにその(ばつ)をうくべき(とし)をのぞましむればなりヱホバこれをいふ 45遁逃者(にぐるもの)(ちから)なくしてヘシボンの(かげ)()()()ヘシボンより()火焔(ほのほ)シホンのうちより(いで)てモアブの()および喧閙(さわぎ)をなす(もの)(かうべ)(いただき)(やけ)ばなり 46嗚呼(ああ)(わざはひ)なるかなモアブよケモシの(たみ)(ほろ)びたり(すなは)(なんぢ)諸子(むすこら)(とら)へうつされ(なんぢ)女等(むすめら)(とら)へゆかれたり 47(され)(すゑ)()(われ)モアブの擄移(とらへうつ)されたる(もの)(かへ)さんとヱホバいひ(たま)(ここ)まではモアブの(さばき)をいへる(ことば)なり

第四十九章

1アンモン(びと)(こと)につきてヱホバかくいひたまふイスラエルに()なからんや嗣子(よつぎ)なからんや(いか)なれば(かれ)らの(わう)ガドを受嗣(うけつ)(かれ)(たみ)その邑々(まちまち)(すむ)2ヱホバいひたまふ是故(このゆえ)()よわが戰鬪(たたかひ)號呼(さけび)をアンモン(びと)のラバに(きこ)えしむる()いたらんラバは荒垤(くづれづか)となりその女等(むすめら)()(やか)れんその(とき)イスラエルはおのれの嗣者(よつぎ)となりし者等(ものども)嗣者(よつぎ)となるべしヱホバこれをいひたまふ 3ヘシボンよ(さけ)べアイは(ほろ)びたりラバの(むすめ)たちよ(よば)はれ麻布(あさぬの)()にまとひ(なげき)(まがき)のうちに(はし)れマルカムとその祭司(さいし)およびその牧伯等(きみたち)(とも)(とら)(うつ)されたり 4(なんぢ)(いか)なれば(たに)(こと)(ほこ)るや(そむ)ける(むすめ)(なんぢ)(たに)(なが)るるなり(なんぢ)財貨(たから)倚賴(よりたの)みていふ(たれ)(われ)(きた)らんと 5(しゆ)なる萬軍(ばんぐん)のヱホバいひたまふ()(われ)畏懼(おそれ)(なんぢ)四周(まはり)(もの)より(なんぢ)(きた)らしめん(なんぢ)らおのおの(おは)れて(ただち)にすすまん(にぐ)(もの)(あつ)むる(ひと)(なか)るべし 6(され)(のち)にいたりてわれアンモン(びと)擄移(とらへうつ)されたる(もの)(かへ)さんとヱホバいひたまふ 7エドムの(こと)につきて萬軍(ばんぐん)のヱホバかくいひたまふテマンの(うち)には智慧(ちゑ)あることなきにいたりしや明哲者(さときもの)には謀略(はかりごと)あらずなりしやその智慧(ちゑ)(つき)はてしや 8デダンに(すめ)(もの)(にげ)(のが)れよ(ふか)(かく)れよ(われ)エサウの滅亡(ほろび)をかれの(うへ)にのぞませ(かれ)(ばつ)する(とき)をきたらしむべし 9葡萄(ぶだう)(あつ)むる(もの)もし(なんぢ)(きた)らば少許(すこし)()をも(あま)さざらんもし夜間(よる)盜人(ぬすびと)きたらばその(あく)まで(ほろぼ)さん 10われエサウを(はだか)にし(また)その隱處(かくしどころ)(あらは)にせん(かれ)()(かく)すことをえざるべしその(すゑ)兄弟(きやうだい)隣舍(となり)(ほろぼ)されん(しか)して(かれ)(あら)ずなるべし 11(なんぢ)孤子(みなしご)(のこ)せわれ(これ)生存(ながら)へしめん(なんぢ)(やもめ)(われ)倚賴(よりたの)むべし 12ヱホバかくいひ(たま)()(さかづき)(のむ)べきにあらざる(もの)もこれを(のま)ざるをえざるなれば(なんぢ)まつたく(ばつ)(まぬか)るることをえんや(なんぢ)(ばつ)(まぬか)れじ(なんぢ)これを(のま)ざるべからず 13ヱホバいひたまふ(われ)おのれを()して(ちか)ふボズラは詫異(おどろき)となり羞辱(はづかしめ)となり荒地(あれち)となり呪詛(のろひ)とならんその諸邑(まちまち)(なが)荒地(あれち)となるべし 14われヱホバより音信(おとづれ)をきけり使者(つかひ)(つかは)されて萬國(ばんこく)にいたり(なんぢ)(あつま)りて(かれ)()めきたり(たち)(たたか)へよといへり 15()よわれ(なんぢ)萬國(ばんこく)(うち)小者(ちひさきもの)となし人々(ひとびと)(うち)(いやし)めらるる(もの)となせり 16(いは)隱場(かくれば)にすみ(やま)高處(たかみ)(しむ)(もの)(なんぢ)(おそ)ろしき(こと)(なんぢ)(こころ)驕傲(たかぶり)(なんぢ)(あざむ)けり(なんぢ)(わし)のごとくに()(たか)(ところ)(つく)りたれどもわれ其處(そこ)より(なんぢ)()(くだ)さんとヱホバいひたまふ 17エドムは詫異(おどろき)とならん(おほよ)其處(そこ)(すぐ)(もの)(おどろ)きその災害(わざはひ)のために(わら)ふべし 18ヱホバいひたまふソドムとゴモラとその(となり)邑々(まちまち)(ほろび)しがごとく其處(そこ)()(ひと)なく其處(そこ)宿(やど)(ひと)()なかるべし 19()(てき)獅子(しし)のヨルダンの(くさむら)より(のぼ)るがごとく(かた)(すまひ)()めきたらんわれ(ただち)(かれ)其處(そこ)より逐奔(おひはし)らせわが(えら)みたる(もの)をその(うへ)()てん(たれ)(われ)のごとき(もの)あらん(たれ)(わが)(ため)時期(とき)(さだ)めんや(いづれ)牧者(ぼくしや)(わが)(まへ)にたつことをえん 20さればエドムにつきてヱホバの(はか)りたまひし御謀(みはかり)とテマンに(すめ)(もの)につきて(おも)ひたまひし(おもひ)をきけ(むれ)弱者(よわきもの)はかならず(ひき)ゆかれん(かれ)かならずかれらの住宅(すまひ)(ほろぼ)すべし 21その傾圮(たふれ)(ひびき)によりて()(ふる)號咷(さけび)ありその(こゑ)紅海(こうかい)にきこゆ 22みよ(かれ)(わし)のごとくに(のぼ)()びその(つばさ)をボズラの(うへ)()べんその()エドムの勇士(ゆうし)(こころ)()()(をんな)(こころ)(ごと)くならん 23ダマスコの(こと) ハマテとアルパデは()づそは(あし)音信(おとづれ)をきけばなり(かれ)らは(こころ)(うしな)へり(うみ)(うへ)恐懼(おそれ)あり(やす)(もの)なし 24ダマスコは(よわ)()をめぐらして(にげ)んとす恐懼(おそれ)これに(およ)憂愁(うれへ)痛劬(いたみ)()(うみ)(をんな)にあるごとくこれにおよぶ 25頌美(ほまれ)ある(まち)(わが)(よろこ)ぶところの(まち)(いか)なれば(すて)さらざるや 26さればその()壯者(わかきもの)(ちまた)(たふ)兵卒(へいそつ)(ことごと)(ほろぼ)されんと萬軍(ばんぐん)のヱホバいひたまふ 27われ()をダマスコの石垣(いしがき)(うへ)(もや)しベネハダデの殿舍(やかた)をことごとく()くべし 28バビロンの(わう)ネブカデネザルが(せめ)(うち)たるケダルとハゾルの諸國(くにぐに)(こと)につきて/ヱホバかくいひたまふ(なんぢ)(たち)てケダルに(のぼ)(ひがし)衆人(ひとびと)(ほろぼ)29その幕屋(まくや)とその(ひつじ)(むれ)彼等(かれら)これを()りその(まく)とその(もろもろ)(うつは)駱駝(らくだ)とは彼等(かれら)これを(うば)ひとらん(ひと)これに(むか)惶懼(おそれ)四方(よも)にありと(よばは)るべし 30ヱホバいひたまふハゾルに(すめ)(もの)(にげ)(すみやか)(はし)りゆき(ふか)(ところ)()れバビロンの(わう)ネブカデネザル(なんぢ)らをせむる謀略(はかりごと)(めぐ)らし(なんぢ)らをせむる術計(てだて)(まう)けたればなり 31ヱホバいひ(たま)(なんぢ)(たち)(おだや)なる(やすら)かに()める(たみ)(ところ)(せめ)(のぼ)(かれ)らは(もん)もなく(くわん)もなくして(ひとり)(すま)ふなり 32その駱駝(らくだ)擄掠(ぶんどり)とせられその(おほく)(けもの)(うば)はれん(われ)かの()(すみ)()(もの)四方(よも)(ちら)しその滅亡(ほろび)八方(やも)より(きた)らせんとヱホバいひたまふ 33ハゾルは山犬(やまいぬ)(すまひ)となり(いつ)までも荒蕪(あれち)となりをらん彼處(かしこ)()(ひと)なく彼處(かしこ)宿(やど)(ひと)()なかるべし 34ユダの(わう)ゼデキヤが(くらゐ)(つき)(はじめ)のころヱホバの(ことば)預言者(よげんしや)ヱレミヤに(のぞ)みてエラムの(こと)をいふ 35萬軍(ばんぐん)のヱホバかくいひたまふ()よわれエラムが權能(ちから)として(たの)むところの(ゆみ)()らん 36われ(てん)四方(しはう)より四方(よも)(かぜ)をエラムに(きた)らせ(かれ)らを四方(よも)(かぜ)(ちら)さんエラムより追出(おひいだ)さるる(もの)のいたらざる(くに)はなかるべし 37ヱホバいひたまふわれエラムをしてその(てき)(まへ)とその生命(いのち)(もと)むるものの(まへ)(おそ)れしめん(われ)(わざはひ)をくだし(わが)(はげ)しき(いかり)をその(うへ)にいたらせんまたわれ(つるぎ)をその(うしろ)につかはしてこれを(ほろぼ)(つく)すべし 38われ(わが)(くらゐ)をエラムに()(わう)牧伯等(きみたち)其處(そこ)より(ほろぼ)したたんとヱホバいひたまふ 39(され)(すゑ)()にいたりてわれエラムの(とらへ)(うつ)されたる(もの)(かへ)すべしとヱホバいひたまふ

第五十章

1ヱホバ預言者(よげんしや)ヱレミヤによりてバビロンとカルデヤ(びと)()のことを(かた)(たま)ひし(ことば) 2(なんぢ)國々(くにぐに)(うち)()げまた宣示(ふれしめ)(はた)(たて)(かく)すことなく宣示(ふれしめ)して()へバビロンは()られベルは(はづかし)められメロダクは(くだ)かれ(その)(ざう)(はづかし)められ(その)木像(もくざう)(くだ)かると 3そは(きた)(かた)より(ひとつ)國人(くにびと)きたりて(これ)()めその()(あら)して其處(そこ)()(もの)(なか)らしむればなり(ひと)(けもの)(みな)逃去(にげさ)れり 4ヱホバいひたまふその()その(とき)イスラエルの子孫(しそん)かへり(きた)らん(かれ)らと(とも)にユダの子孫(しそん)かへり(きた)るべし(かれ)らは(なげ)きつつ(ゆき)てその(かみ)ヱホバに請求(こひもと)むべし 5(かれ)(かほ)をシオンに(むけ)てその(みち)()(きた)(われ)らは永遠(えいゑん)わするることなき契約(けいやく)をもてヱホバにつらならんといふべし 6我民(わがたみ)(まよ)へる(ひつじ)(むれ)なりその牧者(かふもの)(これ)をいざなひて(やま)にふみ(まよ)はしめたれば(やま)より(をか)とゆきめぐりて(その)休息所(やすむところ)(わす)れたり 7(これ)()ふもの(みな)(これ)(くら)ふその(てき)いへり(われ)らは(つみ)なし(かれ)らヱホバすなはち(ただし)きの(ある)(ところ)その先祖(せんぞ)(のぞ)みしところなるヱホバに(つみ)(をか)したるなり 8(なんぢ)らバビロンのうちより(にげ)よカルデヤ(びと)()より(いで)(むれ)(まへ)にゆくところの牡山羊(をやぎ)のごとくせよ 9()よわれ(おほい)なる國々(くにぐに)より(ひと)(おこ)しあつめて(きた)()よりバビロンに(せめ)(きた)らしめん(かれ)(これ)にむかひて(そなへ)をたてん(これ)すなはち(とら)るべし(かれ)らの()(むな)しく(かへ)らざる(かしこ)勇士(ゆうし)()のごとくなるべし 10カルデヤは(ひと)(かす)められん(これ)(かす)むる(もの)(みな)(あく)ことをえんとヱホバ(いひ)たまふ 11(わが)產業(さんげふ)(かすむ)(もの)(なんぢ)らは(よろこ)(たのし)穀物(こくもつ)(こな)(こうし)のごとくに(をど)牡馬(をうま)のごとく(いなな)けども 12(なんぢ)らの(はは)(いた)(はづかし)められん(なんぢ)らを(うみ)しものは(はづ)べし()國々(くにぐに)(うち)終末(をはり)(もの)荒野(あれの)となり(かわ)ける()となり沙漠(すなはら)とならん 13ヱホバの(いか)りの(ため)(これ)()(もの)なくして(ことごと)荒地(あれち)となるべしバビロンを(すぐ)(もの)(みな)その(わざはひ)(おどろ)(かつ)(わら)はん 14(およ)(ゆみ)()(もの)よバビロンの四周(まはり)(そなへ)をなして()()(をし)まずして(これ)()よそは(かれ)ヱホバに(つみ)(をか)したればなり 15その四周(まはり)(をめ)(さけ)びて(せめ)めかかれ(これ)()()ぶその城堞(へい)(たふ)れその石垣(いしがき)(くづ)(これ)ヱホバ(あだ)(かへ)したまふなり(なんぢ)らこれに(あだ)(かへ)(これ)(おこな)ひしごとく(これ)(おこな)16播種者(たねまくもの)および穡收時(かりいれどき)(かま)()(もの)をバビロンに(たや)せその(ほろぼ)すところの(つるぎ)(おそ)れて(ひと)おのおの(その)(たみ)(かへ)(おのおの)その故土(ふるさと)(にぐ)べし 17イスラエルは(ちら)されたる(ひつじ)にして獅子(しし)(これ)()(はじめ)にアツスリヤの(わう)(これ)(くら)(のち)にこのバビロンの(わう)ネブカデネザルその(ほね)(くだ)けり 18この(ゆゑ)萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)かくいひたまふ()よわれアツスリヤの(わう)(ばつ)せしごとくバビロンの(わう)とその()(ばつ)せん 19われイスラエルを(ふたた)びその牧場(まき)(かへ)さん(かれ)カルメルとバシヤンの(うへ)(くさ)をくらはんまたエフライムとギレアデの(やま)にてその(こころ)(あか)すべし 20ヱホバいひたまふ其日(そのひ)その(とき)にはイスラエルの(とが)(たづぬ)るも()らず(また)ユダの(つみ)(たづぬ)るも(あは)じそはわれ(わが)(のこ)せしところの(もの)(ゆる)すべければなり 21ヱホバいひたまふ(なんぢ)(のぼ)りて(もと)れる(くに)(ばつ)(うく)べき(たみ)()めその(うしろ)より(これ)(あら)(まつた)くこれを(ほろぼ)(わが)(なんぢ)らに(めい)ぜしごとく(おこな)ふべし 22その()戰鬪(いくさ)(さけび)(おほい)なる敗壤(ほろび)あり 23嗚呼(ああ)全地(ぜんち)(くだ)きし(つち)()(くだ)くるかな嗚呼(ああ)バビロン國々(くにぐに)(うち)荒地(あれち)となるかな 24バビロンよわれ(なんぢ)をとるために(わな)()けり(なんぢ)(とら)へらるれども(しら)(なんぢ)ヱホバに(てき)せしにより(たづね)られて(とら)へらるるなり 25ヱホバ(くら)(ひら)きてその(いか)りの武器(ぶき)をいだしたまふ(これ)(しゆ)なる萬軍(ばんぐん)のヱホバ、カルデヤ(びと)()(こと)をなさんとしたまへばなり 26(なんぢ)(をはり)(もの)にいたるまで(きた)りてこれを()めその(くら)(ひら)(これ)(つみ)塵垤(ちりづか)のごとくせよ(ことごと)くこれを(ほろぼ)ぼして其處(そこ)(のこ)(もの)なからしめよ 27その牡牛(をうし)(ことごと)(ころ)せこれを屠場(ほふりば)にくだらしめよ其等(それら)(わざはひ)なるかな其日(そのひ)その(ばつ)(うく)べき(とき)(きた)れり 28バビロンの()より()げて(のが)()(もの)(こゑ)ありて(われ)らの(かみ)ヱホバの仇復(あだがへし)その殿(みや)仇復(あだがへし)をシオンに()29射者(いて)をバビロンに召集(よびあつ)めよ(およ)(ゆみ)()(もの)よその四周(まはり)(ぢん)どりて(これ)()何人(たれ)をも(のが)(なか)れその作爲(わざ)(したが)ひて(これ)(むく)いそのすべて(おこな)ひし(ごと)くこれに(おこな)へそは(かれ)イスラエルの聖者(きよきもの)なるヱホバにむかひて(たかぶ)りたればなり 30是故(このゆえ)にその()壯者(わかきもの)(ちまた)(たふ)れその兵卒(へいそつ)(ことごと)(たや)されんとヱホバいひたまふ 31(しゆ)なる萬軍(ばんぐん)のヱホバいひたまふ驕傲者(たかぶるもの)()よわれ(なんぢ)(てき)となる(なんぢ)()わが(なんぢ)(ばつ)する(とき)きたれり 32驕傲者(たかぶるもの)(つまづ)きて(たふ)れん(これ)(たす)(おこ)(もの)なかるべしわれ()をその諸邑(まちまち)(もや)しその四周(まはり)(もの)燒盡(やきつく)さん 33萬軍(ばんぐん)のヱホバかくいひたまふイスラエルの(たみ)とユダの(たみ)(とも)(しへた)げらる(かれ)らを(とりこ)にせし(もの)(みな)(かた)くこれを(まも)りて(はな)たざるなり 34(かれ)らを(あがな)(もの)(つよ)しその()萬軍(ばんぐん)のヱホバなり(かれ)(かなら)ずその(うつたへ)(ただ)してこの()(やすき)(あた)へバビロンに(すめ)(もの)戰慄(をののか)しめ(たま)はん 35ヱホバいひたまふカルデヤ(びと)(うへ)バビロンに(すめ)(もの)(うへ)およびその牧伯等(きみたち)とその智者等(ちしやたち)(うへ)(つるぎ)あり 36(つるぎ)(いつは)(もの)(うへ)にあり(かれ)(おろか)なる(もの)とならん(つるぎ)その勇士(ゆうし)(うへ)にあり(かれ)(おそ)れん 37(つるぎ)その(うま)(うへ)にあり(その)(くるま)(うへ)にあり(また)その(うち)にあるすべての援兵(えんぺい)(うへ)にあり(かれ)婦女(をんな)のごとくにならん(つるぎ)その(たから)(うへ)にあり(これ)(かす)めらるべし 38(ひでり)その(みづ)(うへ)にあり(これ)(かわ)かん(これ)偶像(ぐうざう)()にして人々(ひとびと)偶像(ぐうざう)(まよ)へばなり 39是故(このゆゑ)()(けもの)彼處(かしこ)山犬(やまいぬ)(とも)()鴕鳥(だてう)彼處(かしこ)(すむ)べし何時(いつ)までも(その)()()(ひと)なく世々(よよ)ここに()(ひと)なかるべし 40ヱホバいひたまふ(かみ)のソドム、ゴモラとその近隣(となり)邑々(まちまち)(ほろぼ)せしごとく彼處(かしこ)()(ひと)なく彼處(かしこ)宿(やど)(ひと)()なかるべし 41()(きた)(かた)より(たみ)きたるあらん(おほい)なる(くに)(ひと)とおほくの(わう)たち()(はて)より(おこ)らん 42(かれ)らは(ゆみ)(やり)をとる(なさけ)なく矜恤(あはれみ)なしその(こゑ)(うみ)のごとくに()るバビロンの(むすめ)(かれ)らは(うま)()戰士(いくさびと)のごとくに(そな)へて(なんぢ)(せめ)43バビロンの(わう)その風聲(うはさ)をききしかば(その)()(よわ)苦痛(くるしみ)()(うみ)(をんな)(ごと)劬勞(いたみ)(かれ)(せま)44()(てき)獅子(しし)のヨルダンの(くさむら)より(のぼ)るが(ごと)(かた)(すまひ)()めきたらんわれ(ただち)彼等(かれら)其處(そこ)より逐奔(おひはし)らせわが(えら)みたる(もの)をその(うへ)(たて)(たれ)(われ)のごとき(もの)あらんや(たれ)かわが(ため)時期(とき)(さだ)めんや(いづれ)牧者(ぼくしや)(わが)(まへ)(たつ)ことをえん 45さればバビロンにつきてヱホバの(はか)りたまひし御謀(みはかり)とカルデヤ(びと)()につきて(おも)ひたまひし思想(おもひ)をきけ(むれ)弱者(よわきもの)(かなら)(ひき)ゆかれん(かれ)(かなら)ずかれらの住居(すまひ)(ほろぼ)すべし 46バビロンは(とら)れたりとの(こゑ)によりて()(ふる)へその號咷(さけび)國々(くにぐに)(うち)(きこ)

第五十一章

1ヱホバかくいひたまふ()よわれ(ほろぼ)すところの(かぜ)(おこ)してバビロンを()(われ)(もと)(もの)(うち)()(もの)(せむ)べし 2われ簸者(ひるもの)をバビロンに(つかは)さん(かれ)らこれを()てその()(むなし)くせん(かれ)らすなはちその(わざはひ)()にこれを四方(よも)より()むべし 3(ゆみ)()(もの)(むか)ひまた(よろひ)()(たち)あがる(もの)(むか)ひて射者(いて)(もの)(その)(ゆみ)()らん(なんぢ)らその壯者(わかきもの)(あはれ)れまず(その)軍勢(ぐんぜい)(ことごと)(ほろぼ)すべし 4(され)(ころ)さるる(もの)カルデヤ(びと)()(たふ)(ささ)るる(もの)その(ちまた)(たふ)れん 5イスラエルとユダはその(かみ)萬軍(ばんぐん)のヱホバに()てられず(かれ)らの()にはイスラエルの至聖者(いときよきもの)にむかひて(をか)せるところの(つみ)()6(なんぢ)らバビロンのうちより()げいでておのおの(その)生命(いのち)をすくへ(それ)(つみ)のために(ほろぼ)さるる(なか)(いま)はヱホバの(あだ)をかへしたまふ(とき)なれば(むくい)をそれになしたまふなり 7バビロンは(きん)(さかづき)にしてヱホバの()にあり(すべて)()(ゑは)せたり國々(くにぐに)その(さけ)()めり(ここ)をもて國々(くにぐに)(くる)へり 8バビロンは(たちま)(たふ)れて(やぶ)(これ)がために(なげ)けその(きず)のために乳香(にうかう)をとれ(これ)(あるひ)(いえ)9われらバビロンを(いや)さんとすれども(いえ)(われ)らこれをすてて(おのおの)その(くに)(かへ)るべしそはその(ばつ)(てん)におよび(くも)にいたればなり 10ヱホバわれらの(ただしき)をあらはしたまふ(きた)れシオンに(おい)(われ)らの(かみ)ヱホバの作爲(わざ)をのべん 11()()(たて)()れヱホバ、メデア(びと)王等(わうたち)(こころ)激發(ひきおこ)したまふヱホバ、バビロンをせめんと(はか)(これ)(ほろぼ)さんとしたまふ(これ)ヱホバの復仇(あだがへし)その殿(みや)復仇(あだがへし)たるなり 12バビロンの石垣(いしがき)(むか)ひて(はた)()(かこみ)(かた)くし番兵(ばんぺい)(まう)伏兵(ふくへい)をそなへよ(そは)ヱホバ、バビロンに()める(もの)をせめんとて(はか)りその(いひ)しごとく(おこな)ひたまへばなり 13おほくの(みづ)(ほとり)()(おほ)くの財寶(たから)をもてる(もの)(なんぢ)(をはり)(なんぢ)貧婪(むさぼり)(かぎり)(きた)れり 14萬軍(ばんぐん)のヱホバおのれを()して(ちか)ひいひ(たま)(われ)まことに(ひと)(いなご)のごとくに(なんぢ)(うち)(みた)さん(かれ)(なんぢ)(むか)ひて鯨波(とき)(こゑ)()ぐべし 15ヱホバその能力(ちから)をもて()をつくり(その)知慧(ちゑ)をもて世界(せかい)()てその明哲(さとり)をもて(てん)(のべ)たまへり 16(かれ)(こゑ)(いだ)したまふ(とき)(てん)(おほく)(みづ)いづかれ(くも)()(はて)より(おこ)らしめ電光(いなびかり)(あめ)をおこし(かぜ)をその(くら)よりいだしたまふ 17すべての(ひと)(けもの)のごとくにして智慧(ちゑ)なし(すべて)鑄物師(いものし)はその(つく)りし(ざう)のために(はぢ)()(その)()るところの(ざう)(いつはり)(もの)にしてその(うち)(たましひ)なし 18其等(それら)(むな)しき(もの)にして迷妄(まよひ)工作(わざ)なりわが(のぞ)むとき其等(それら)(ほろぶ)べし 19ヤコブの(ぶん)(かく)(ごと)くならず(かれ)萬物(よろづのもの)およびその產業(さんげふ)(やから)造化主(つくりぬし)なりその()萬軍(ばんぐん)のヱホバといふ 20(なんぢ)はわが(つち)にして(いくさ)器具(うつは)なりわれ(なんぢ)をもて(すべて)(くに)(くだ)(なんぢ)をもて萬國(ばんこく)(ほろぼ)さん 21われ(なんぢ)をもて(うま)とその()(もの)(くだ)(なんぢ)をもて(くるま)とその(ぎよ)する(もの)(くだ)かん 22われ(なんぢ)をもて(をとこ)(をんな)をくだき(なんぢ)をもて(おい)たる(もの)(いとけな)(もの)をくだき(なんぢ)をもて壯者(わかきもの)童女(をとめ)をくだくべし 23われ(なんぢ)をもて牧者(ひつじかひ)とその(むれ)をくだき(なんぢ)をもて農夫(のうふ)とその(くびき)()(うし)をくだき(なんぢ)をもて方伯等(きみたち)督宰等(つかさたち)をくだかん 24(なんぢ)らの()(まへ)にて(われ)バビロンとカルデヤに(すめ)るすべての(もの)がシオンになせし(もろもろ)(あし)きことに(むく)いんとヱホバいひたまふ 25ヱホバ()ひたまはく全地(ぜんち)(ほろぼ)したる(ほろぼ)(やま)()よわれ(なんぢ)(てき)となるわれ()(なんぢ)(うへ)(のべ)(なんぢ)(いは)より(まろ)ばし(なんぢ)焚山(やけやま)となすべし 26ヱホバいひたまふ(ひと)(なんぢ)より(いし)(とり)隅石(すみいし)となすことあらじ(また)(なんぢ)より(いし)()りて基礎(いしずゑ)となすことあらじ(なんぢ)はいつまでも荒地(あれち)となりをらん 27(はた)()()(らつぱ)國々(くにぐに)(うち)()國々(くにぐに)(たみ)をあつめて(これ)()めアララテ、ミンニ、アシケナズの諸國(くにぐに)(まね)きて(これ)()軍長(ぐんちやう)をたてて(これ)()(おそろ)しき(いなご)のごとくに(うま)をすすめよ 28國々(くにぐに)(たみ)をあつめて(これ)()めメデア(びと)王等(わうたち)とその方伯等(きみたち)とその督宰等(つかさたち)およびそのすべての領地(りやうち)(ひと)をあつめて(これ)()めよ 29()(ふる)(うご)かんそはヱホバその意旨(おもひ)をバビロンになしバビロンの()をして()(ひと)なき荒地(あれち)とならしめたまふべければなり 30バビロンの勇者(ゆうしや)(たたかひ)をやめて(その)(しろ)にこもりその(ちから)()せて(をんな)のごとくにならん(その)(いへ)()けその門閂(くわんぬき)()れん 31(はや)(はしり)(はや)にあひ使者(つかひ)(はしり)使者(つかひ)にあひバビロンの(わう)につげて(まち)(ことごと)()られ 32渡口(わたしば)()られ(ぬま)(やか)兵卒(へいそつ)(おそ)るといはん 33萬軍(ばんぐん)のヱホバ、イスラエルの(かみ)かくいひたまふバビロンの(むすめ)禾場(うちば)のごとしその(ふま)るる(とき)きたれり(しばら)くありてその(から)るる(とき)いたらん 34バビロンの(わう)ネブカデネザル(われ)(くら)(われ)(ほろぼ)(われ)(むなし)(うつは)のごとくなし(たつ)(ごと)くに(われ)(のみ)みわが珍饈(うまきもの)をもて(その)(はら)(みた)(われ)逐出(おひいだ)せり 35シオンに(すめ)(もの)いはんわがうけし虐遇(しへたげ)(わが)(にく)はバビロンにかかるべしヱルサレムいはん(わが)()はカルデヤに()める(もの)にかかるべしと 36さればヱホバかくいひたまふ()よわれ(なんぢ)(うつたへ)(ただ)(なんぢ)(ため)(あだ)(かへ)さん(われ)その(うみ)(かわ)かし(その)(いずみ)(かわ)かすべし 37バビロンは頽壘(くづれづか)となり山犬(やまいぬ)巢窟(すみか)となり詫異(おどろき)となり嗤笑(わらひ)となり(ひと)なき(ところ)とならん 38(かれ)らは獅子(しし)のごとく(とも)()小獅(わかきしし)のごとくに()39(かれ)らの(よく)(もゆ)(とき)にわれ(ふるまひ)(まう)けてかれらを(よは)(かれ)らをして(よろこ)ばしめながき(ねむり)にいりて()(さま)すことなからしめんとヱホバいひたまふ 40われ(ほふ)羔羊(こひつじ)のごとく(また)牡羊(をひつじ)牡山羊(をやぎ)のごとくにかれらをくだらしめん 41セシヤクいかにして()られしや全地(ぜんち)(ひと)頌美者(ほむるもの)いかにして(とら)へられしや國々(くにぐに)(うち)にバビロンいかにして詫異(おどろき)となりしや 42(うみ)バビロンに(あふ)れかかりその(おほ)くの波濤(なみ)これを(おほ)43その諸邑(まちまち)(あれ)れて(かわ)ける()となり沙漠(すなはら)となり()(ひと)なき()とならん(ひと)()そこを(すぐ)ることあらじ 44われベルをバビロンに(ばつ)しその(のみ)みたる(もの)(くち)より取出(とりいだ)さん國々(くにぐに)はまた(かは)(ごと)くに(かれ)(きた)らじバビロンの石垣(いしがき)(たふ)れん 45我民(わがたみ)(なんぢ)らその(うち)よりいで(おのおの)ヱホバの(はげ)しき(いかり)をまぬかれてその(いのち)(すく)46(なんぢ)(こころ)(よわ)くする(なか)(この)()にてきく(ところ)浮言(うはき)によりて(おそ)るる(なか)浮言(うはき)(この)(とし)(きた)(つぎ)(とし)(また)きたらん(この)()强暴(しへたげ)あり宰者(つかさ)宰者(つかさ)とあひ(せめ)むることあらん 47(ゆゑ)()(われ)バビロンの偶像(ぐうざう)(ばつ)する()(きた)らんその全地(ぜんち)(はづかし)められ(その)(ころ)さるる(もの)(ことごと)くその(うち)(たふ)れん 48(しか)して(てん)()とその(うち)にあるところのすべての(もの)はバビロンの(こと)(ため)(よろこ)(うた)はんそは敗壞者(ほろぼすもの)(きた)(かた)より此處(ここ)(きた)ればなりヱホバこれをいひたまふ 49バビロンがイスラエルの(ころ)さるる(もの)(たふ)せし(ごと)全地(ぜんち)(ころ)さるる(もの)バビロンに(たふ)るべし 50(つるぎ)(のが)るる(もの)()(とどま)(なか)遠方(とほく)よりヱホバを(おぼ)えヱルサレムを(なんぢ)らの(こころ)()くべし 51罵言(ののしり)をきくによりて(われ)()異邦人(ことくにびと)ヱホバの(いへ)聖處(きよきところ)にいるによりて(われ)らの(かほ)には羞恥(はぢ)()52この(ゆゑ)にヱホバいひたまふ()よわがその偶像(ぐうざう)(ばつ)する()いたらん(きずつ)けられたる(もの)はその全國(ぜんこく)呻吟(うめく)べし 53たとひバビロン(てん)(のぼ)るとも(その)(しろ)(たか)くして(かた)むるとも敗壞者(ほろぼすもの)(われ)よりいでて(かれ)らにいたらんとヱホバいひたまふ 54バビロンに號咷(さけび)(こゑ)ありカルデヤ(びと)()(おほい)なる敗壞(ほろび)あり 55ヱホバ、バビロンをほろぼし(その)(うち)(おほい)なる(こゑ)(たや)したまふ(その)波濤(なみ)巨水(おほみづ)のごとくに()りその(こゑ)(ひびき)わたる 56破滅者(ほろぼすもの)これに(のぞ)みバビロンにいたる(その)勇士(ゆうし)(とら)へられ(その)(ゆみ)()らるヱホバは施報(むくい)をなす(かみ)なればかならず(むくい)いたまふなり 57われその牧伯等(きみたち)博士等(はかせたち)督宰等(つかさたち)勇士(ゆうし)とを(ゑは)せん(かれ)らは(なが)(ねむり)にいりて()(さま)すことあらじ萬軍(ばんぐん)のヱホバと(なづ)くる(わう)これをいひ(たま)58萬軍(ばんぐん)のヱホバかくいひたまふバビロンの(ひろ)石垣(いしがき)(ことごと)(こぼ)たれその(たか)(もん)()(やか)れん(かく)(たみ)勞苦(らうく)(いたづら)となるべし(たみ)()のために(つか)れん 59これマアセヤの()なるネリヤの()セラヤがユダの(わう)ゼデキヤとともに(その)治世()の四(ねん)にバビロンに()くときにあたりて豫言者(よげんしや)ヱレミヤがこれに(めい)ぜし(ことば)なりこのセラヤは侍從(じじゆう)(かしら)なり 60ヱレミヤ、バビロンにのぞまんとする(すべて)(わざはひ)(ふみ)にしるせり(これ)(すなは)ちバビロンの(こと)につきて(しる)せる(この)すべての(ことば)なり 61ヱレミヤ、セラヤにいひけるは(なんぢ)バビロンに(ゆき)しとき(つつし)みてこの(すべて)()()62(しか)して(なんぢ)いふべしヱホバよ(なんぢ)はこの(ところ)(ほろぼ)(ひと)(けもの)をいはず(すべ)此處(ここ)()(もの)なからしめて(かぎり)なくこれを荒地(あれち)となさんと此處(ここ)にむかひていひたまへり 63(なんぢ)この(ふみ)讀畢(よみをは)りしとき(これ)(いし)をむすびつけてユフラテの(うち)(なげ)いれよ 64(しか)していふべしバビロンは(われ)これに災菑(わざはひ)をくだすによりて(かく)しづみて(また)おこらざるべし(かれ)らは(たえ)はてんと/(ここ)まではヱレミヤの(ことば)なり

第五十二章

1ゼデキヤは(くらゐ)(つき)きしとき二十一(さい)なりしがヱルサレムに(おい)て十一(ねん)()ををさめたりその(はは)()はハムタルといひてリブナのヱレミヤの(むすめ)なり 2ゼデキヤはヱホヤキムが(すべ)てなしたる(ごと)くヱホバの()(まへ)(あく)をなせり 3すなはちヱホバ、ヱルサレムとユダとを(いか)りて(これ)をその(まへ)より()てはなちたまふ/(ここ)(おい)てゼデキヤ、バビロンの(わう)(そむ)けり 4ゼデキヤの()の九(ねん)(ぐわつ)十日(とをか)にバビロンの(わう)ネブカデネザルその軍勢(ぐんぜい)をひきゐてヱルサレムに()めきたり(これ)(むか)ひて(ぢん)をはり四周(まはり)戌樓(やぐら)(たて)(これ)()めたり 5かくこの(まち)攻圍(せめかこ)まれてゼデキヤ(わう)の十一(ねん)にまでおよびしが 6その四(ぐわつ)九日(ここのか)にいたりて城邑(まち)のうち(うう)ること(はなは)だしくなり(その)()(たみ)食物(くひもの)をえざりき 7(ここ)をもて城邑(まち)つひに打破(うちやぶ)られたれば兵卒(へいそつ)(みな)(にげ)()(うち)(わう)(その)(ほとり)なる二個(ふたつ)石垣(いしがき)(あひだ)(もん)より城邑(まち)をぬけいで平地(ひらち)(みち)(したが)ひておちゆけり(とき)にカルデヤ(びと)城邑(まち)(かこ)みをる 8(ここ)にカルデヤ(びと)軍勢(ぐんぜい)(わう)()ひゆきヱリコの平地(ひらち)にてゼデキヤに追付(おひつき)けるにその軍勢(ぐんぜい)みな(かれ)(はな)れて()りしかば 9カルデヤ(びと)(わう)(とら)へて(これ)をハマテの()のリブラにをるバビロンの(わう)(もと)()きゆきければ(わう)(かれ)(つみ)をさだめたり 10バビロンの(わう)すなはちゼデキヤの子等(こたち)をその()(まへ)(ころ)さしめユダの牧伯等(きみたち)(ことごと)くリブラに(ころ)さしめ 11またゼデキヤの()(つぶ)さしめたり(かく)てバビロンの(わう)かれを銅索(くさり)(つな)ぎてバビロンに(たづさ)へゆきその(しぬ)()まで(ひとや)()けり 12バビロン(わう)ネブカデネザルの()の十九(ねん)の五(ぐわつ)十日(とをか)バビロンの(わう)(まへ)につかふる侍衞(じゑい)(かしら)ネブザラダン、ヱルサレムにきたり 13ヱホバの(いへ)(わう)(いへ)()()をもてヱルサレムのすべての(いへ)(おほい)なる(すべて)(いへ)()けり 14また侍衞(じゑい)(かしら)(とも)にありしカルデヤ(びと)軍勢(ぐんぜい)ヱルサレムの四周(まはり)石垣(いしがき)(ことごと)(こぼ)てり 15侍衞(じゑい)(かしら)ネブザラダンすなはち(たみ)のうちの貧乏者(まづしきもの)城邑(まち)(うち)(のこ)れる(もの)およびバビロンの(わう)(くだ)りし(ひと)(たみ)(のこ)れる(もの)(とら)(うつ)せり 16(ただ)侍衞(じゑい)(かしら)ネブザラダンその()のある貧者(まづしきもの)(のこ)して葡萄(ぶだう)(つく)(もの)となし農夫(のうふ)となせり 17カルデヤ(びと)またヱホバの(いへ)(あかがね)(はしら)洗盥(たらひ)(だい)(あかがね)(うみ)(くだ)きてその(あかがね)(ことごと)くバビロンに(はこ)18また(なべ)火鑪(じふのう)燭剪(しんきり)(はち)(さじ)およびすべて(もち)ふるところの銅器(あかがねのうつは)()れり 19侍衞(じゑい)(かしら)もまた洗盥(たらひ)火盤(ひいれ)(はち)(なべ)燭臺(しよくだい)(さじ)(さかづき)など(すべ)金銀(きんぎん)にて(つく)れる(もの)()20またソロモン(わう)がヱホバの(いへ)(つく)りしところの(ふた)つの(はしら)(ひとつ)(うみ)(だい)(した)なる十二の(あかがね)(うし)()れりこのもろもろの(あかがね)(おもさ)(はか)(べか)らず 21この(はしら)(たか)さ十八キユビトなり(また)(ひも)をもてその周圍(まはり)(はか)るに十二キユビトあり(ゆび)(ほん)(あつさ)にして(うつろ)なり 22その(うへ)(あかがね)(かしら)ありその(かしら)(たか)さは五キユビトその周圍(まはり)(あかがね)網子(あみ)石榴(ざくろ)にて(かざ)れり(ほか)(はしら)とその石榴(ざくろ)(これ)におなじ 23その四(はう)に九十六の石榴(ざくろ)あり網子(あみ)(うへ)なるすべての石榴(ざくろ)(かず)(ひやく)なり 24侍衞(じゑい)(かしら)祭司(さいし)(をさ)セラヤと(だい)二の祭司(さいし)ゼパニヤと三(にん)門守(かどもり)(とら)25また兵卒(へいそつ)(つかさど)一人(ひとり)寺人(じじん)(わう)(まへ)にはべるもののうち城邑(まち)にて(あひ)しところの(もの)(にん)とその()(たみ)(つの)軍勢(ぐんぜい)(かしら)なる書記(しよき)城邑(まち)(うち)にて(あひ)しところの六十(にん)(もの)(まち)よりとらへされり 26侍衞(じゑい)(かしら)ネブザラダンこれらを(とら)へてリブラに()るバビロンの(わう)(もと)にいたれり 27バビロンの(わう)ハマテの()のリブラにこれを()(ころ)せりかくユダはおのれの()よりとらへ(うつ)されたり 28ネブカデネザルがとらへ(うつ)せし(たみ)()(ごと)(だい)(ねん)にユダ(びと)(ぜん)二十三(にん) 29またネブカデネザルその十八(ねん)にヱルサレムより八(ぴやく)三十二(にん)をとらへ(うつ)せり 30ネブカデネザルの二十三(ねん)侍衞(じゑい)(かしら)ネブザラダン、ユダ(びと)(ひやく)四十五(にん)をとらへ(うつ)したり(その)(すべ)ての(かず)は四(せん)(ぴやく)(にん)なりき 31ユダの(わう)ヱホヤキンがとらへ(うつ)されたる(のち)三十七(ねん)の十二(ぐわつ)二十五(にち)バビロンの(わう)エビルメロダクその治世()の一(ねん)にユダの(わう)ヱホヤキンを(ひとや)よりいだしてその(かうべ)をあげしめ 32善言(よきことば)をもて(かれ)(なぐさ)めその(くらゐ)をバビロンに(とも)()るところの王等(わうたち)(くらゐ)よりもたかくし 33(その)(ひとや)衣服(ころも)()へしむヱホヤキンは一生(いつしやう)(あひだ)つねに(わう)(まへ)(しよく)せり 34かれ(その)(しぬ)()まで一生(いつしやう)(あひだ)たえず日々(ひび)(ぶん)をバビロンの(わう)よりたまはりて(その)食物(くひもの)となせり