列王紀略下

第一章

1アハブの(しに)しのちモアブ、イスラエルにそむけり 2アハジヤ、サマリヤにあるその(たかどの)欄杆(らんかん)よりおちて(やまひ)をおこせしかば使(つかひ)(つかは)さんとして(これ)にいひけるは(ゆき)てエクロンの(かみ)バアルゼブブにわがこの(やまひ)(いゆ)るや(いなや)(とふ)べしと 3(とき)にヱホバの使(つかひ)テシベ(びと)エリヤにいひけるは(たち)てサマリヤ(わう)使(つかひ)にあひて(これ)(いふ)べし汝等(なんぢら)がエクロンの(かみ)バアルゼブブに(とは)んとてゆくはイスラエルに(かみ)なきがゆゑなるか 4(これ)によりてヱホバかくいふ(なんぢ)はその(のぼ)りし(とこ)より(くだ)ることなかるべし(なんぢ)かならず(しな)んとエリヤ(すなは)(ゆけ)5使者(つかひ)たちアハジアに(かへ)りければアハジア彼等(かれら)何故(なにゆゑ)(かへ)りしやといふに 6かれら(これ)にいひけるは一箇(ひとり)(ひと)(のぼ)りきたりて(われ)らに()ひわれらにいひけるは(ゆき)てなんぢらを(つか)はせし(わう)(もと)にかへり(これ)にいふべしヱホバ(かく)いひたまふなんぢエクロンの(かみ)バアルゼブブに(とは)んとて(ひと)(つかは)すはイスラエルに(かみ)なきがゆゑなるか(され)(なんぢ)その(のぼ)りし(とこ)より(くだ)ることなかるべし(なんぢ)かならず(しな)んと 7アハジア彼等(かれら)にいひけるはそののぼりきたりて汝等(なんぢら)()(これ)()(ことば)(なんぢ)らに(つげ)たる(ひと)形状(かたち)如何(いか)なりしや 8かれら(こた)へていひけるはそれは()(ぶか)(ひと)にして(こし)(かは)(おび)をむすび()たり(かれ)いひけるはその(ひと)はテシベ(びと)エリヤなりと 9(ここ)(おい)(わう)五十(にん)(かしら)とその五十(にん)をエリヤの(ところ)(つか)はせり(かれ)エリヤの(ところ)(のぼ)りゆくに()よエリヤは(やま)(いただき)()()たりかれエリヤにいひけるは(かみ)(ひと)(わう)いひたまふ(くだ)るべし 10エリヤこたへて五十(にん)(かしら)にいひけるはわれもし(かみ)(ひと)たらば()(てん)より(くだ)りて(なんぢ)(なんぢ)の五十(にん)とを(やき)(つく)すべしと()すなはち(てん)より(くだ)りて(かれ)とその五十(にん)とを(やき)(つく)せり 11アハジアまた(ほか)の五十(にん)(かしら)とその五十(にん)をエリヤに(つかは)せりかれ(のぼ)りてエリヤにいひけるは(かみ)(ひと)(わう)かく(いひ)たまふ(すみや)かに(くだ)るべし 12エリヤ(こたへ)(かれ)にいひけるはわれもし(かみ)(ひと)たらば()(てん)より(くだ)りて(なんぢ)となんぢの五十(にん)(やき)(つく)すべしと(かみ)()すなはち(てん)より(くだ)りてかれとその五十(にん)(やき)(つく)せり 13かれまた(だい)三の五十(にん)(かしら)とその五十(にん)(つかは)せり(だい)三の五十(にん)(かしら)のぼりいたりてエリヤのまへに(ひざまづ)きこれに(ねが)ひていひけるは(かみ)(ひと)(ねがは)くはわが生命(いのち)となんぢの(しもべ)なるこの五十(にん)生命(いのち)をなんぢの()貴重(たふと)(もの)()なしたまへ 14()()(てん)より(くだ)りて(まへ)の五十(にん)(かしら)二人(ふたり)とその五十(にん)(やき)(つく)せり(され)どわが生命(いのち)をば(なんぢ)()貴重(たふと)(もの)となしたまへ 15(とき)にヱホバの使(つかひ)エリヤに(いひ)けるはかれとともに(くだ)れかれをおそるることなかれとエリヤすなはち(たち)てかれとともに(くだ)(わう)(もと)(いた)16(これ)にいひけるはヱホバかくいひたまふ(なんぢ)エクロンの(かみ)バアルゼブブに(とは)んとて使者(つかひ)(おく)るはイスラエルにその(ことば)()ふべき(かみ)なきがゆゑなるか(これ)によりて(なんぢ)はその(のぼ)(とこ)より(くだ)ることなかるべし(なんぢ)かならず(しな)んと 17(かれ)エリヤの(いひ)たるヱホバの(ことば)(ごと)(しに)けるが(かれ)()なかりしかばヨラムこれに(かは)りて(わう)となれり(これ)はユダの(わう)ヨシヤパテの()ヨラムの二(ねん)にあたる 18アハジヤのなしたる(その)(ほか)事業(わざ)はイスラエルの(わう)歴代(れきだい)()(しよ)記載(しる)さるるにあらずや

第二章

1ヱホバ大風(おほかぜ)をもてエリヤを(てん)(のぼ)らしめんとしたまふ(とき)エリヤはエリシヤとともにギルガルより(いで)(ゆけ)2エリヤ、エリシヤにいひけるは()ふここに(とど)まれヱホバわれをベテルに(つか)はしたまふなりとエリシヤいひけるはヱホバは()(なんぢ)霊魂(たましひ)()(われ)なんぢをはなれじと彼等(かれら)つひにベテルに(くだ)れり 3ベテルに()預言者(よげんしや)(ともがら)エリシヤの(もと)(いで)きたりて(これ)にいひけるはヱホバの今日(けふ)なんぢの(しゆ)をなんぢの(かしら)(うへ)よりとらんとしたまふを(なんぢ)(しる)やかれいふ(しか)りわれ(しれ)汝等(なんぢら)(もく)すべし 4エリヤかれにいひけるはエリシヤよ()(なんぢ)ここに(とどま)れヱホバわれをヱリコに(つかは)したまふなりとエリシヤいふヱホバは()くなんぢの霊魂(たましひ)()(われ)なんぢを(はなれ)じとかれらヱリコにいたる 5ヱリコに()預言(よげん)(しや)(ともがら)エリシヤに(いた)りて(かれ)にいひけるはヱホバの今日(けふ)なんぢの(しゆ)をなんぢの(かしら)(うへ)よりとらんとしたまふを(なんぢ)()るやエリシヤ()(しか)(しれ)(なんぢ)(もく)すべしと 6エリヤまたかれにいひけるは()ふここに(とどま)れヱホバわれをヨルダンにつかはしたまふなりとかれいふヱホバは()くなんぢの霊魂(たましひ)()くわれ(なんぢ)をはなれじと二人(ふたり)(すすみ)ゆくに 7預言者(よげんしや)(ともがら)五十(にん)ゆきて(はるか)(たち)(のぞ)めり(かれ)二人(ふたり)はヨルダンの(ほとり)(たち)けるが 8エリヤその外套(うはぎ)をとりて(これ)()(みづ)をうちけるに此旁(こなた)彼旁(かなた)にわかれたれば二人(ふたり)(かわ)ける(つち)(うへ)をわたれり 9(わた)りける(とき)エリヤ、エリシヤにいひけるは()(とら)れてなんぢを(はな)るる(まへ)(なんぢ)わが(なんぢ)になすべきことを(もと)めよエリシヤいひけるはなんぢの(みたま)(ふたつ)(ぶん)(われ)にをらんことを(ねが)10エリヤいひけるは(なんぢ)(かた)(こと)(もと)(なんぢ)もしわが(とら)れてなんぢを(はな)るるを()ばこの(こと)なんぢにならんしからずば此事(このこと)なんぢにならじ 11(かれ)(すす)みながら(かた)れる(とき)()(くるま)()(むま)あらはれて二人(ふたり)(へだり)てたりエリヤは大風(おほかぜ)にのりて(てん)(のぼ)れり 12エリシヤ()てわが(ちち)わが(ちち)イスラエルの(へい)(しや)よその騎兵(きへい)よと(さけ)びしが/(ふたた)びかれを()ざりき(ここ)においてエリシヤその(ころも)をとらへて(これ)(ふた)(きれ)()13エリヤの()よりおちたるその外套(うはぎ)をとりあげ(かへ)りてヨルダンの(きし)()14エリヤの()よりおちたる外套(うはぎ)をとりて(みづ)をうちエリヤの(かみ)ヱホバはいづくにいますやと()(しか)して(おのれ)(みづ)をうちけるに(みづ)此旁(こなた)彼旁(かなた)(わか)れたればエリシヤすなはち(わた)れり 15ヱリコにある預言者(よげんしや)(ともがら)對岸(むかひ)にありて(かれ)()(いひ)けるはエリヤの(れい)エリシヤの(うへ)にとどまるとかれら(きた)りてかれを(むか)へその(まへ)()(ふし)16かれにいひけるは(しもべ)()勇力(ちからある)(もの)五十(にん)あり()ふかれらをして(ゆき)てなんぢの(しゆ)(たづ)ねしめよ(おそら)くはヱホバの(みたま)かれを(ひき)あげてこれを(ある)(やま)(ある)(たに)(はな)ちしならんとエリシヤ(つかは)すなかれと(いひ)けれども 17かれら(かれ)(はづ)るまでに(しひ)ければすなはち(つかは)せといへり(ここ)(おい)てかれら五十(にん)(もの)(つかは)しけるが三日(みつか)(あひだ)たづねたれども(かれ)()いださざりしかば 18エリシヤの(なほ)ヱリコに(とどま)れる(とき)かれら(かへし)りてかれの(もと)にいたりしにエリシヤかれらに(いひ)けるはわれ(ゆく)ことなかれと(なんぢ)らにいひしにあらずやと 19(まち)人々(ひとびと)エリシヤにいひけるは()(わが)(しゆ)()たまふごとく(この)(まち)(たて)(ところ)()しされど(みづ)あしくしてこの()(りう)(ざん)をおこす 20かれ(いひ)けるは(あたら)しき(さら)(しほ)(もり)(われ)()(きた)れよと(すなは)ちもちきたりければ 21(かれ)いでて(みづ)(みなもと)(いた)(しほ)其處(そこ)になげ(いれ)ていひけるはヱホバかくいひたまふわれこの(みづ)(いや)此處(ここ)よりして(かさね)()あるひは(りう)(ざん)おこらじと 22(その)(みづ)すなはちエリシヤのいひし(ごと)くに(いえ)今日(こんにち)にいたる 23かれそこよりベテルに(のぼ)りしが(のぼ)りて(みち)にありけるとき小童(こわらべ)(ども)(まち)よりいでて(かれ)(あざけ)(かれ)にむかひて禿首(はげあたま)よのぼれ禿首(はげあたま)よのぼれといひければ 24かれ回轉(ふりかへ)りてかれらをみヱホバの()をもてかれらを呪詛(のろ)ひければ(はやし)(うち)より二頭(ふたつ)()(ぐま)(いで)てその兒子(こども)()(うち)四十二(にん)をさきたり 25かれ彼處(かしこ)よりカルメル(やま)にゆき其處(そこ)よりサマリヤにかへれり

第三章

1ユダの(わう)ヨシヤパテの十八(ねん)にアハブの()ヨラム、サマリヤにありてイスラエルを(をさ)め十二(ねん)(くらゐ)にありき 2かれはヱホバの()のまへに(あく)をなせしかどもその父母(ちちはは)(ごと)くはあらざりきそは(かれ)その(ちち)(つく)りしバアルの(ざう)(のぞ)きたればなり 3されど(かれ)はかのイスラエルに(つみ)(をか)させたるネバテの()ヤラベアムの(つみ)(おこな)ひつづけて(これ)をはなれざりき 4モアブの(わう)メシヤは(ひつじ)()(もの)にして十(まん)(こひつじ)と十(まん)牡羊(をひつじ)()とをイスラエルの(わう)(をさ)めをりしが 5アハブの(しに)しのちモアブの(わう)はイスラエルの(わう)にそむけり 6(ここ)(おい)てヨラム(わう)其時(そのとき)サマリヤを(いで)てイスラエル(びと)をことごとく(あつ)7また(ゆき)(ひと)をユダの(わう)ヨシヤパテに(つかは)していはしむモアブの(わう)われに(そむ)けり(なんぢ)われとともにモアブに(せめ)ゆくやと(かれ)いひけるは(われ)(のぼ)らん(われ)(なんぢ)(ごと)くわが(たみ)はなんぢの(たみ)のごとくまたわが(むま)(なんぢ)(むま)(ごと)しと 8ヨラムいひけるは我儕(われら)いづれの(みち)より(のぼ)らんかかれいふエドムの曠野(あらの)(みち)よりせんと 9イスラエルの(わう)すなはちユダの(わう)およびエドムの(わう)(とも)(いで)ゆきけるが(ゆき)めぐること七日路(なぬかぢ)にして軍勢(ぐんぜい)とこれにしたがふ家畜(けもの)()むべき(みづ)なかりしかば 10イスラエルの(わう)いひけるは嗚呼(ああ)ヱホバこの三(にん)(わう)をモアブの()にわたさんと()(あつ)めたまへりと 11ヨシヤバテいひけるは我儕(われら)(より)てヱホバに()ふべきヱホバの預言者(よげんしや)(ここ)にあらざるやとイスラエルの(わう)臣僕(けらい)一人(ひとり)(こた)へていふエリヤの()(みづ)をそそぎたるシヤパテの()エリシヤ(ここ)にあり 12ヨシヤパテいひけるはヱホバの(ことば)(かれ)にありとかくてイスラエルの(わう)およびヨシヤパテとエドムの(わう)かれの(もと)(くだ)りゆきけるに 13エリシヤ、イスラエルの(わう)(いひ)けるはわれ(なんぢ)(なに)干與(かかはり)あらんや(なんぢ)(ちち)預言者(よげんしや)(なんぢ)(はは)預言者(よげんしや)(ところ)にゆくべしとイスラエルの(わう)かれにいひけるは(しから)ずそはヱホバこの三(にん)(わう)をモアブの()(わた)さんとて召集(よびあつ)めたまへばなり 14エリシヤ(いひ)けるはわが(つか)ふる萬軍(ばんぐん)のヱホバは()(われ)ユダの(わう)ヨシヤパテのためにするにあらすばかならず(なんぢ)(かへり)みず(なんぢ)()ざらんものを 15(いま)(がく)(じん)をわれにつれ(きた)れと(しか)して(がく)(じん)(がく)をなすにおよびてヱホバの()かれに(のぞ)みて 16(かれ)いひけるはヱホバかくいひたまふ(この)(たに)許多(あまた)(ほり)(まう)けよ 17それヱホバかく()ひたまふ(なんぢ)(かぜ)()(あめ)をも()ざるに(この)(たに)(みづ)(みち)汝等(なんぢら)汝等(なんぢら)家畜(かちく)および(なんぢ)らの(けもの)(のむ)ことを()18(しか)るも(これ)はヱホバの()には瑣細(ちひさ)(こと)なりヱホバ、モアブ(びと)をも(なんぢ)らの()にわたしたまはん 19汝等(なんぢら)保障(かため)ある(すべて)(まち)(すべて)(うるは)しき(まち)とを()(すべて)(よき)()(きり)(たふ)(すべて)(みづ)(ゐど)(ふさ)(いし)をもて(すべて)(よき)()(そこな)ふにいたらん 20かくて(あした)におよびて供物(そなへもの)(ささ)ぐる(とき)(みづ)エドムの(みち)より(なが)れきたりて(みづ)(くに)()21(さて)またモアブ(びと)はみな王等(わうたち)(おのれ)(せめ)のぼれるを(きき)しかば(よろひ)()ることを()以上(いじやう)(もの)(ことごと)(あつ)めてその(さかひ)(そな)へしが 22(あさ)はやく(おき)いでしに(みづ)(うへ)()(のぼ)りゐて對面(むかひ)(みづ)()(ごと)くに(あか)かりければモアブ(びと)これを()23いひけるはこれ(すな)はち()なり(わう)たち(たたか)ひて(しに)たるならん(たがひ)(あひ)(うち)たるなるべし(され)ばモアブよ掠取(ぶんどり)()けと 24(しか)してモアブ(びと)イスラエルの(ぢん)(えい)(いた)るにイスラエル(びと)(たち)てこれを(うち)たればすなはちその(まへ)より(にげ)はしれり(ここ)においてイスラエル(びと)(すす)みてモアブ(びと)(うち)てその(くに)にいり 25その邑々(まちまち)(うち)(くづ)(おのおの)(いし)(すべて)(よき)()(なげ)てこれに(みた)(みづ)(ゐど)をことごとく(ふさ)(よき)()をことごとく(きり)たふし(ただ)キルハラセテにその(いし)をのこせしのみなるに(いた)(ただ)(いし)(なぐ)るもの(めぐ)りあるきてこれを(うて)26モアブ(わう)戰闘(たたかひ)()いたくして(あた)りがたきを()(つるぎ)()(もの)(ひやく)(にん)をひきゐてエドム(わう)(ところ)にまで()きいたらんとせしが(つひ)(はた)さざりしかば 27(おのれ)(くらゐ)(つぐ)べきその長子(ちやうし)をとりてこれを石垣(いしがき)(うへ)にささげて燔祭(はんさい)となしたり(ここ)(おい)てイスラエルに(おほい)なる憤怒(いきどほり)おこりぬ彼等(かれら)すなはちかれをすててその(くに)(かへ)れり

第四章

1預言(よげん)(しゃ)(ともがら)(つま)(うち)なる一人(ひとり)婦人(をんな)エリシヤに(よば)はりていひけるは(なんぢ)(しもべ)なるわが(をつと)(しね)りなんぢの(しもべ)のヱホバを(おそ)れしことはなんぢの()るところなり(いま)債主(さいしゆ)きたりてわが二人(ふたり)()をとりて奴僕(しもべ)となさんとすと 2エリシヤ(これ)にいひけるはわれなんぢの(ため)(なに)をなすべきや(なんぢ)(いへ)如何(いか)なる(もの)あるかわれに(つげ)(かれ)いひけるは僅少(わづか)(あぶら)のほかは(なんぢ)(しもめ)(いへ)(もの)ものなし 3(かれ)いひけるは(ゆき)(ほか)より(となり)人々(ひとびと)より(うつは)(かり)(あき)たる(うつは)()るべし少許(わずかばかり)(かり)るなかれ 4(しか)してなんぢ(いり)(なんぢ)子等(こら)とともに()(うち)(とぢ)こもりそのすべての(うつは)(あぶら)をつぎてその(みて)るところの(もの)をとりのけおくべし 5婦人(をんな)すなはち(かれ)(はな)れて()りその子等(こら)とともに()(うち)(とぢ)こもり子等(こら)のもちきたる(うつは)(あぶら)をつぎたりしが 6(うつは)のみな(みち)たるときその()にむかひ(なほ)われに(うつは)をもちきたれといひけるに(うつは)はもはやあらずといひたればその(あぶら)すなはち(とどま)7(ここ)においてその(をんな)(かみ)(ひと)にいたりてかくと(つげ)ければかれいふ(ゆき)(あぶら)をうりてその負債(おひめ)をつくのひその餘分(あまり)をもて(なんぢ)(なんぢ)子等(こら)生計(くらし)をなすべしと 8一日(あるひ)エリシヤ、シユネムにゆきしに其所(そこ)一人(ひとり)(おほい)なる婦人(をんな)ありてしきりにこれに(しよく)をすすめたれば(かれ)かしこを(すぐ)(ごと)にそこに(いり)(しよく)をなせり 9(ここ)にその婦人(をんな)(をつと)にいひけるは()(この)つねにわれらを(よぎ)(ひと)(われ)これを()るに(かみ)(きよ)(ひと)なり 10()(ちひさ)(しつ)石垣(いしがき)(うへ)につくりそこに臥床(ねどこ)(つくゑ)(こしかけ)燭臺(しよくだい)をかれのために(そな)へん(かれ)われらに(いた)(とき)はそこに()るべしと 11かくてのちある()エリシヤそこに(いた)りその(しつ)(いり)てそこに(ふし)たりしが 12その(しもべ)ゲハジにむかひ(かれ)のシユナミ(びと)(よび)きたれといへり(かれ)かの婦人(をんな)(よび)たればその(まへ)にきたりて()つに 13エリシヤ、ゲハジにいひけるは(かれ)にかく()(なんぢ)かく(ねんごろ)(われ)らのために(こころ)(もち)(なんぢ)のために(なに)をなすべきや(わう)または軍勢(ぐんぜい)(かしら)(なんぢ)のことを(つげ)られんことを(のぞ)むかと(かれ)(こた)へてわれはわが(たみ)(うち)にをるなりといふ 14エリシヤいひけるは(さら)ばかれのために(なに)をなすべきやゲハジ(こた)へけるは(まこと)にかれは()なくその(をつと)(おい)たりと 15(ここ)においてエリシヤかれを(よべ)といひければこれを(よぶ)(きた)りて戸口(とぐち)(たち)たれば 16エリシヤいふ(あく)(とし)(いま)(ごろ)(なんぢ)()(いだ)くあらん(かれ)いひけるはいなわが(しゆ)(かみ)(ひと)よなんぢの(しもめ)をあざむきたまふなかれと 17かくて(をんな)つひに(はらみ)(あく)(とし)にいたりてエリシヤのいへるその(ころ)()(うめ)18その()(そだ)ちてある()(かり)(いれ)(びと)(ところ)にいでゆきてその(ちち)にいたりしが 19(ちち)にわが(かうべ)わが(かうべ)といひたれば(ちち)少者(わかもの)(かれ)(はは)のもとに(おひ)ゆけと(いへ)20すなはちこれを(おひ)(はは)にいたりしに(ひる)まで(はは)(ひざ)(すわ)()(つひ)(しに)たれば 21(はは)のぼりゆきてこれを(かみ)(ひと)臥床(ねどこ)(うへ)()きこれをとぢこめて()22その(をつと)をよびていひけるは()一人(ひとり)(しもべ)一頭(ひとつ)驢馬(ろば)(われ)につかはせ(われ)(かみ)(ひと)(もと)にはせゆきて(かへ)らんと 23(をつと)いふ何故(なにゆゑ)(なんぢ)今日(けふ)かれにいたらんとするや今日(けふ)朔日(ついたち)にもあらず安息日(あんそくにち)にもあらざるなり(かれ)いひけるは()しと 24(をんな)すなはち驢馬(ろば)(くら)おきてその(しもべ)にいひけるは(かり)(すす)()(めい)ずることなくば()(のり)すすむることに緩漫(たゆみ)あらしめざれと 25つひにカルメル(やま)にゆきて(かみ)(ひと)にいたるに/(かみ)(ひと)(はるか)にかれの(きた)るを()(しもべ)ゲハジにいひけるは()よかしこにかのシユナミ(びと)をる 26()(なんぢ)はしりゆきて(かれ)をむかへて()へなんぢは平安(やすらか)なるやなんぢの(をつと)はやすらかなるやなんぢの()はやすらかなるやと(かれ)こたへて平安(やすらか)なりといひ 27(つひ)(やま)にきたりて(かみ)(ひと)にいたりその(あし)(いだ)きたればゲハジこれを()ひはらはんとて(ちか)よりしに(かみ)(ひと)いひけるは(ゆる)しおけ(かれ)(こころ)(うち)(くるしみ)あるなりまたヱホバその(こと)(われ)にかくしていまだわれに(つげ)たまはざるなり 28(をんな)いひけるはわれわが(しゆ)()(もと)めしやわれをあざむきたまふなかれとわれは(いは)ざりしや 29エリシヤすなはちゲハジにいひけるはなんぢ(こし)をひきからげわが(つゑ)()にもちて()(たれ)(あふ)(れい)をなすべからず(また)なんぢに(れい)をなす(もの)あるともそれに(こた)ふることなかれわが(つゑ)をかの()(かほ)(うへ)におけよと 30その()(はは)いひけるはヱホバは()くなんぢの霊魂(たましひ)()(われ)(なんぢ)(はな)れじと(ここ)をもてエリシヤついに(たち)(をんな)(したが)(ゆき)31ゲハジはかれらに(さき)だちゆきて(つゑ)をかの()(かほ)(うへ)(おき)たるが(こゑ)もなく(きき)もせざりしかばかへりきたりてエリシヤに(あひ)てこれに()いまだ()をさまさずと()32エリシヤここにおいて(いへ)(いり)(みる)()(しに)ておのれの臥床(ねどこ)(うへ)(ふし)てあれば 33すなはち()()をとぢて二人(ふたり)(うち)におりてヱホバに(いの)34(しか)してエリシヤ(のぼ)りて()(うへ)(ふし)(おの)(くち)をその(くち)におのが()をその()(おの)()をその()(うへ)にあて()をもてその()(おほひ)しに()身體(からだ)やうやく(あたた)まり(きた)35かくしてエリシヤかへり()(いへ)(うち)其處(そこ)此處(ここ)とあゆみをり(また)のぼりて()をもて()をおほひしに()七度(ななたび)(くさめ)して()をひらきしかば 36ゲハジを(よび)てかのシユナミ(びと)をよべと(いひ)ければすなはちこれを(よべ)37(かれ)(いり)(きた)りしかばエリシヤなんぢの()(とり)ゆけと(いへ)りかれすなはち()りてエリシヤの足下(あしもと)()()()をかがめて(その)()(とり)あげて()38(かく)てエリシヤまたギルガルにいたりしがその()饑饉(ききん)あり預言者(よげんしや)(ともがら)その(まへ)()しをる(ここ)において(かれ)その(しもべ)にいひけるは(おほい)なる(かま)をすゑて預言者(よげんしや)(ともがら)のために(あつもの)()よと 39(とき)一人(ひとり)田野(はたけ)にゆきて菜蔬(あをもの)(つみ)しが野籐(のかづら)のあるを()(それ)より()(うり)(ひと)風呂鋪(ふろしき)(つみ)きたりて(あつもの)(かま)(うち)(きり)こみたり()(みな)それをしらざればなり 40(かく)てこれを(もり)人々(ひとびと)(くら)はせんとせしに彼等(かれら)その(あつもの)(くら)はんとするにあたりて(さけ)びて嗚呼(ああ)(かみ)(ひと)(かま)(うち)()をきたらする(もの)ありといひて()(くら)はざりしかば 41エリシヤさらば(こな)をもちきたれといひてこれを(かま)になげ()(もり)人々(ひとびと)(くは)しめよと(いへ)(かま)(うち)にはすなはち(がい)(ぶつ)あらずなりぬ 42(ここ)にバアルシヤリシヤより(ひと)(きた)(はつ)()のパンと(おほ)(むぎ)のパン二十と(はたけ)(はつ)(もの)(ひと)(ふくろ)とを(かみ)(ひと)(もと)にもちいたりたればエリシヤ衆人(ひとびと)にあたへて(くら)はしめよと()ふに 43その奴僕(めしつかひ)いひけるは如何(いか)にとや(われ)これを(ひやく)(にん)(まへ)にそなふべきかと(しか)るに(かれ)また()衆人(ひとびと)にあたへて(くは)しめよ(それ)ヱホバかくいひたまふかれら(くら)ふて(なほ)あます(ところ)あらんと 44すなはち(これ)をその(まへ)にそなへたればみな(くら)ふてなほ(あま)せりヱホバの(ことば)のごとし

第五章

1スリア(わう)軍勢(ぐんぜい)(かしら)ナアマンはその(しゆ)(くん)のまへにありて(おほい)なる(もの)にしてまた(たふと)(もの)なりき()はヱホバ(かつ)(かれ)をもてスリアに拯救(すくひ)をほどこしたまひしが(ゆゑ)なり(かれ)大勇士(だいゆうし)なりしが(らい)(びやう)をわづらひ()2(さき)にスリア(びと)(たい)(くみ)ていでたりし(とき)にイスラエルの()より一人(ひとり)小女(こむすめ)(とら)へゆけり(かれ)ナアマンの(つま)(つかへ)たりしが 3その女主(によしゆ)にむかひわが(しゆ)サマリヤに()預言者(よげんしや)(まへ)にいまさば(よか)らん(もの)をかれその(らい)(びやう)(いや)すならんと(いひ)たれば 4ナアマン()りてその(しゆ)(くん)(つげ)てイスラエルの()よりきたれる女子(むすめ)斯々(しかじか)(ものがた)りたりと()ふに 5スリヤ(わう)いひけるは(ゆけ)(ゆけ)(われ)イスラエルの(わう)(ふみ)をおくるべしと(ここ)において(かれ)いでゆき(ぎん)十タラントと(きん)(せん)および衣服(ころも)十襲(とかさね)をたづさヘ 6イスラエルの(わう)にその(ふみ)をもちゆけりその(ぶん)(いは)くこの(ふみ)(なんぢ)にいたらば()(われ)わが(しん)ナアマンをなんぢに(つか)はせるなりこは(なんぢ)にその(らい)(びやう)(いや)されんがためなり 7イスラエルの(わう)その(ふみ)()(ころも)(さき)ていふ(わが)(かみ)ならんや(いかで)(ころ)すことをなし(いか)すことをなしえん(しか)るに此人(このひと)なんぞ(らい)(びやう)(ひと)(われ)(つか)はしてこれを(いや)さしめんとするや(され)()汝等(なんぢら)(かれ)如何(いか)(われ)(あらそひ)(もと)むるかを()()れと 8(ここ)(かみ)(ひと)エリシヤ、イスラエルの(わう)がその(ころも)(さき)たることをきき(わう)言遣(いひつかは)しけるは(なんぢ)(なに)とて(なんぢ)(ころも)をさきしや(かれ)をわがもとにいたらしめよ(さら)(かれ)イスラエルに預言者(よげんしや)のあることを(しる)にいたるべし 9(ここ)においてナアマンその(むま)(くるま)とをしたがへ(きた)りてエリシヤの(いへ)(かど)(たち)けるに 10エリシヤ使(つかひ)をこれに(つかは)して()(なんぢ)ゆきて()をヨルダンに(なな)たび(あら)(さら)(なんぢ)(にく)(もと)にかへりて(なんぢ)(きよ)(なる)べしと 11ナアマン(いか)りて()(いひ)けるは(われ)(かれ)かならず(わが)もとにいできたりて()ちその(かみ)ヱホバの()(よび)てその(ところ)(うへ)()(うごか)して(らい)(びやう)(いや)すならんと(おも)へり 12ダマスコの(かは)アバナとパルパルはイスラエルのすべての(かは)(みづ)にまさるにあらずや(われ)これらに()(あら)ふて(きよ)まることを()ざらんやと(すなは)()をめぐらし(いか)りて()13(とき)にその(しもべ)()(ちか)よりてこれにいひけるは(わが)(ちち)預言者(よげんしや)なんぢに(おほい)なる(こと)をなせと(めい)ずるとも(なんぢ)はそれを(なさ)ざらんや(まし)(かれ)なんぢに()(あら)ひて(きよ)くなれといふをやと 14(ここ)においてナアマン(くだ)りゆきて(かみ)(ひと)(ことば)のごとくに(なな)たびヨルダンに()(あら)ひしにその(にく)(もと)にかへり嬰兒(をさなご)(にく)(ごと)くになりて(きよ)くなりぬ 15かれすなはちその從者(じふしや)とともに(かみ)(ひと)(もと)にかへりきたりてその(まへ)(たち)ていふ(われ)いまイスラエルのほかは(ぜん)()(かみ)なしと()(され)()(しもべ)より禮物(れいもつ)をうけよ 16エリシヤいひけるはわが(つか)へまつるヱホバは()(あへ)禮物(れいもつ)をうけじとかれ(しひ)(これ)(うけ)しめんとしたれども(つひ)にこれを()したり 17ナアマンいひけるは(され)()(うさぎ)(むま)()()(つち)(しもべ)にとらせよ(しもべ)(いま)よりのち(ほか)(かみ)には燔祭(はんさい)をも祭品(そなへもの)をもささげずして(ただ)ヱホバにのみ(ささ)げんとす 18ねがはくは(しゆ)この(こと)につきて(しもべ)をゆるしたまへ(すなは)ちわが(しゆ)(くん)リンモンの(みや)にいりそこにて崇拝(をがみ)をなしてわが()()ることありまた(われ)リンモンの(みや)にありて()をかがむることあらんわがリンモンの(みや)において()をかがむる(とき)(ねがは)くはヱホバその(こと)につきて(しもべ)をゆるしたまへと 19エリシヤ(かれ)になんぢ(やすん)じて()れといひければ(かれ)エリシヤをはなれて(すこ)しく(すす)みゆきけるに 20(かみ)(ひと)エリシヤの(しもべ)ゲハジいいひけるは()主人(あるじ)(この)スリア(びと)ナアマンをいたはりて(かれ)()(たづさ)へきたれるものを(うけ)ざりしがヱホバは()くわれ(かれ)のあとを(おひ)かけて(かれ)より(すこし)(もの)をとらんと 21ゲハジすなはちナアマンのあとをおひ()くにナアマンはおのれのあとに(はし)()(もの)あるを()(くるま)より()りこれを(むか)へて(みな)平安(やすき)やと()ふに 22(かれ)(いひ)けるは(みな)平安(やす)しわが(しゆ)(われ)(つかは)していはしむ(ただ)(いま)エフライムの(やま)より預言者(よげんしや)(ともがら)なる二人(ふたり)少者(わかうど)わが(もと)(きた)れり()(なんぢ)かれらに(ぎん)一タラントと(ころも)(ふた)(かさね)をあたへよと 23ナアマンいひけるは(のぞ)むらくは二タラントを()れとてかれを()(ぎん)二タラントを(ふたつ)(ふくろ)にいれ(ころも)(ふた)(かさね)(そへ)二人(ふたり)(しもべ)(おは)せたれば彼等(かれら)これをゲハジの(まへ)(おひ)きたりしが 24(かれ)(をか)(いた)りしとき(これ)をかれらの()より(とり)(いへ)のうちにをさめかれらを(はな)ちて(さら)しめ 25(しか)して(いり)てその主人(しゆじん)のまへに()つにエリシヤこれにいひけるはゲハジよ何處(いづく)より(きた)りしや(こた)へていふ(しもべ)何處(いづく)にもゆかず 26エリシヤいひけるはその(ひと)(くるま)をはなれ(きた)りてなんぢを(むか)へし(とき)にわが(こころ)其處(そこ)にあらざりしや(いま)(かね)をうけ(ころも)をうけ橄欖(かんらん)(ばたけ)葡萄園(ぶだうばたけ)(ひつじ)(うし)(しもべ)(しもめ)をうくべき(とき)ならんや 27(され)ばナアマンの(らい)(びやう)はなんぢにつき(なんぢ)子孫(しそん)におよびて(かぎり)なからんと(かれ)その(まへ)より退(しり)ぞくに(らい)(びやう)(はつ)して(ゆき)のごとくになりぬ

第六章

1(ここ)預言者(よげんしや)(ともがら)エリシヤに(いひ)けるは()我儕(われら)(なんぢ)とともに(すま)(ところ)はわれらのために(せま)2()我儕(われら)をしてヨルダンに(ゆか)しめよ我儕(われら)おのおの彼處(かしこ)より(ひとつ)材木(ざいもく)(とり)其處(そこ)我儕(われら)(すむ)べき(ところ)(まう)けんエリシヤ(ゆけ)よと()3(とき)にその一人(ひとり)(こひねが)はくは(なんぢ)(しもべ)()(とも)()けと(いひ)ければエリシヤ(こた)へて(われ)ゆかんと()4エリシヤかく彼等(かれら)とともに(ゆけ)彼等(かれら)すなはちヨルダンにいたりて()()りたふしけるが 5一人(ひとり)材木(ざいもく)()りたふすに(あた)りてその(をの)(みづ)におちいりしかば(さけ)びて嗚呼(ああ)(しゆ)(これ)(こひ)()たる(もの)なりと()6(かみ)(ひと)(それ)何處(いづく)におちいりしやと()ふにその(ところ)をしらせしかば(すなは)(えだ)(きり)おとして其處(そこ)(なげ)いれてその(をの)(うか)ましめ 7(なんぢ)これを()れと(いひ)ければその(ひと)()(のべ)てこれを(とれ)8(ここ)にスリアの(わう)イスラエルと(たたか)ひをりその臣僕(けらい)(ひやう)()して斯々(しかじか)(ところ)(われ)(ぢん)(はら)んと(いひ)たれば 9(かみ)(ひと)イスラエルの(わう)(いひ)おくりけるは(なんぢ)(つつし)んで(それ)(ところ)(すぐ)るなかれ()はスリア(びと)其處(そこ)(くだ)ればなりと 10イスラエルの(わう)(ここ)において(かみ)(ひと)(おのれ)()(おのれ)(をしへ)たる(ところ)(ひと)(つかは)して其處(そこ)(みづから)(ふせぎ)しこと(いち)()(かい)(とど)まらざりき 11(ここ)をもてスリアの(わう)(この)(こと)のために(こころ)をなやましその臣僕(けらい)(めし)我儕(われら)(うち)()がイスラエルの(わう)(つう)じをるかを(われ)(つげ)ざるやと()ふに 12その臣僕(けらい)一人(ひとり)()(わう)わが(しゆ)(しか)るにあらず(ただ)イスラエルの預言者(よげんしや)エリシヤ(なんぢ)寝室(ねや)にて(かた)(ところ)言語(ことば)をもイスラエルの(わう)(つぐ)るなり 13(わう)いひけるは(ゆき)(かれ)(いづく)(をる)かを()(われ)(ひと)をやりてこれを(とら)へんと(ここ)(かれ)はドタンに()ると(わう)(つげ)ていふ(もの)ありければ 14(わう)そこに(むま)(くるま)および大軍(たいぐん)をつかはせり彼等(かれら)すなはち()(うち)(きた)りてその(まち)(とり)かこみけるが 15(かみ)(ひと)從屬(めしつかひ)(つと)(おき)(いで)(みる)軍勢(ぐんぜい)(むま)(くるま)をもて(まち)(とり)かこみ()ればその少者(わかもの)エリシヤに(いひ)けるは嗚呼(ああ)わが(しゆ)我儕(われら)如何(いか)にすべきや 16エリシヤ(こた)へけるは(おそる)るなかれ我儕(われら)とともにある(もの)彼等(かれら)とともにある(もの)よりも(おほ)しと 17ヱリシヤ(いの)りて(ねがは)くはヱホバかれの()(ひら)きて()させたまへと(いひ)ければヱホバその少者(わかもの)()(ひら)きたまへり(かれ)すなはち()るに()(むま)()(くるま)(やま)(みち)てエリシヤの四面(まはり)()18スリア(びと)エリシヤの(ところ)(くだ)りいたれる(とき)エリシヤ、ヱホバに(いの)りて()(ねがは)くは(この)人々(ひとびと)をして()(くらま)しめたまへと(すなは)ちエリシヤの(ことば)のごとくにその()(くらま)しめたまへり 19(ここ)においてエリシヤ(かれ)らに(いひ)けるは(これ)はその(みち)にあらず(これ)はその(しろ)にもあらず(われ)(したが)ひて(きた)(われ)(なんぢ)らを(なんぢ)らが(たづ)ぬる(ひと)(ところ)(つれ)ゆかんとて彼等(かれら)をサマリヤにひき(いた)れり 20彼等(かれら)がサマリヤに(いた)りし(とき)エリシヤ(いひ)けるはヱホバよ(この)人々(ひとびと)()をひらきて()させたまへと(すなは)ちヱホバかれらの()(ひら)きたまひたれば彼等(かれら)()るにその()はサマリヤの(うち)にあり 21イスラエルの(わう)かれらを()てエリシヤに(いひ)けるはわが(ちち)(われ)(うち)(ころ)すべきや(うち)(ころ)すべきや 22エリシヤ(こたへ)けるは(うち)(ころ)すべからず(なんぢ)(つるぎ)(ゆみ)をもて(とりこ)にせる者等(ものども)(うち)(ころ)すことを()んやパンと(みづ)(かれ)らの(まへ)にそなへて(くひ)(のみ)せしめてその(しゆ)(くん)(ゆか)しむべきなり 23(わう)すなはちかれらの(ため)(おほい)なる饗宴(ふるまひ)をまうけ(その)(くひ)(のみ)ををはるに(およ)びてこれを(さら)しめたればすなはち(その)(しゆ)(くん)(かへ)れり(ここ)をもてスリアの(つはもの)ふたたびイスラエルの()(いら)ざりき 24(この)(のち)スリアの(わう)ベネハダデその(ぜん)(ぐん)(あつ)めて(のぼ)りきたりてサマリヤを(せめ)(かこ)みければ 25サマリヤ(おほい)(りやう)(しよく)(とぼ)しくなれり(すなは)ちかれら(これ)(せめ)かこみたれば(つひ)驢馬(ろば)(あたま)一箇(ひとつ)(ぎん)八十(まい)にいたり(はと)(ふん)一カブの()(ぶん)(いち)(ぎん)(まい)にいたる 26(ここ)にイスラエルの(わう)石垣(いしがき)(うへ)(とほ)りをる(とき)一人(ひとり)婦人(をんな)かれに(よば)はりて(わが)(しゆ)(わう)(たす)けたまへと(いひ)ければ 27(かれ)()ふヱホバもし(なんぢ)(たす)けたまはずば(われ)(なに)をもてか(なんぢ)(たす)くることを()禾場(うちば)(もの)をもてせんか酒榨(さかぶね)(うち)(もの)をもてせんか 28(わう)すなはち(をんな)何事(なにごと)なるやと(いへ)(こた)へて()(この)婦人(をんな)(われ)にむかひ(なんぢ)()(あた)へよ我儕(われら)今日(けふ)これを(くら)ひて明日(あす)わが()(くら)ふべしと(いへ)29(かく)われら(わが)()()てこれを(くら)ひけるが(われ)(つぎ)()にいたりて(かれ)にむかひ(なんぢ)()(あた)へよ我儕(われら)これを(くら)はんと(いひ)しに(かれ)その()(かく)したり 30(わう)その婦人(をんな)(ことば)(きき)(ころも)()(しか)して石垣(いしがき)(うえ)(とほ)りをりしが(たみ)これを()るにその(はだ)麻布(あさぬの)(つけ)()たり 31(わう)(いひ)けるは今日(けふ)シヤパテの()エリシヤの(くび)その()(うへ)にすわりをらば(かみ)われに(かく)なしまた(かさ)ねてかく(なし)たまへ 32(とき)にエリシヤはその(いへ)()しをり長老等(としよりたち)これと(とも)()()(わう)すなはち(おのれ)(ところ)より(ひと)(つかは)しけるがエリシヤはその使者(つかひ)(いま)(おのれ)にいたらざる(まへ)長老等(としよりたち)()汝等(なんぢら)この(ひと)(ころ)(もの)()(われ)(くび)をとらんとて(ひと)(つか)はすを()るや汝等(なんぢら)()てその使者(つかひ)(いた)らば()(とぢ)てこれを()(うち)にいるるなかれ(かれ)(しゆ)(くん)(あし)(おと)その(うしろ)にするにあらずやと 33(かく)彼等(かれら)(かたり)をる(うち)にその使者(つかひ)かれの(もと)(きた)りしが(わう)もつづいて(きた)(いひ)けるは(この)(わざはひ)はヱホバより(いで)たるなり(われ)なんぞ(この)(うへ)ヱホバを(まつ)べけんや

第七章

1エリシヤ(いひ)けるは(なんぢ)らヱホバの(ことば)()けヱホバかく(いひ)たまふ明日(あす)(いま)(ごろ)サマリヤの(もん)にて(むぎ)()一セアを一シケルに()(おほい)(むぎ)二セアを一シケルに(うる)にいたらん 2(とき)一人(ひとり)(たい)(しやう)すなはち(わう)のその()(よれ)(もの)(かみ)(ひと)(こた)へて(いひ)けるは(よし)やヱホバ(てん)(まど)をひらきたまふも此事(このこと)あるべけんやエリシヤいひけるは(なんぢ)(なんぢ)()をもて(これ)()(され)どこれを(くら)ふことはあらじ 3(ここ)城邑(まち)(もん)(いり)(くち)四人(よたり)(らい)(びやう)(にん)をりしが(たがひ)(いひ)けるは我儕(われら)なんぞ(ここ)()して(しぬ)るを(まつ)べけんや 4(われ)(もし)(まち)にいらんと(いへ)(まち)には食物(しよくもつ)(つき)てあれば(われ)其處(そこ)(しな)んもし(また)(ここ)()しをらば(おなじ)(しな)(され)我儕(われら)ゆきてスリアの軍勢(ぐんぜい)(ところ)にいたらん(かれ)(われ)らを(いか)しおかば我儕(われら)(いき)(もし)われらを(ころ)すも(しぬ)るのみなりと 5すなはちスリア(びと)(ぢん)(えい)にいたらんとて黄昏(たそがれ)(たち)あがりしがスリアの(ぢん)(えい)(ほとり)にいたりて(みる)一人(ひとり)其處(そこ)にをる(もの)なし 6(これ)より(さき)(しゆ)スリアの軍勢(ぐんぜい)をして(くるま)(おと)(むま)(おと)大軍(たいぐん)(おと)(きか)しめたまひしかば(かれ)(たがひ)(いひ)けるは()よイスラエルの(わう)われらに(てき)せんとてヘテ(びと)王等(わうたち)およびエジプトの王等(わうたち)(やと)ひきたりて(われ)らを(おそ)はんとすと 7すなはち黄昏(たそがれ)(たち)()げその(てん)(まく)(むま)驢馬(ろば)とを()(ぢん)(えい)をその(まま)になしおき生命(いのち)(まつた)うせんとて(にげ)たり 8かの(らい)(びやう)(にん)()(ぢん)(えい)(ほとり)(いた)りしが(つひ)(ひとつ)(てん)(まく)にいりて(くひ)(のみ)其處(そこ)より金銀(きんぎん)衣服(いふく)(もち)さりて(ゆき)てこれを(かく)(また)きたりて(ほか)(てん)(まく)にいり其處(そこ)よりも(もち)さりて(ゆき)てこれを(かく)せり 9かくて彼等(かれら)(たがひ)(いひ)けるは我儕(われら)のなすところ(よか)らず今日(けふ)(よき)消息(おとづれ)ある()なるに我儕(われら)(もく)()(もし)夜明(よあけ)まで(また)菑害(わざはひ)()におよばん(され)(きた)(ゆき)(わう)(けん)(ぞく)(つげ)んと 10すなはち(きた)りて(まち)(もん)(まも)(もの)()びこれに(つげ)(いひ)けるは我儕(われら)スリア(びと)(ぢん)(えい)にいたりて(みる)其處(そこ)には一人(ひとり)()(もの)なく(また)(ひと)(こゑ)もせず(ただ)(むま)のみ(つな)ぎてあり驢馬(ろば)のみ(つな)ぎてあり(てん)(まく)(その)(まま)なりと 11(ここ)において(もん)(まも)(もの)(よば)はりてこれを(わう)(いへ)(うち)(しら)せたれば 12(わう)()(うち)(おき)いでてその臣下(けらい)(いひ)けるは(われ)スリア(びと)我儕(われら)になせる(ところ)如何(いかん)汝等(なんぢら)(しめ)さん彼等(かれら)はわれらの(うゑ)たるを(しる)(ゆゑ)(ぢん)(えい)(さり)()(かく)()はイスラエル(びと)(まち)(いで)なば生擒(いけどり)(まち)(おし)いらんと(いひ)(しか)せるなり 13その臣下(けらい)一人(ひとり)(こた)へて(いひ)けるは()(なほ)(のこ)されて(まち)(のこ)れる(むま)(うち)(ひき)(とら)しめよ我儕(われら)(ひと)(たり)(うかが)はしめん()是等(これら)(まち)(うち)(のこ)れるイスラエルの(ぜん)群衆(ぐんしう)のごとし()是等(これら)(ほろ)(うせ)たるイスラエルの(ぜん)群衆(ぐんしう)のごとくなりと 14(ここ)において二輛(ふたつ)戰車(いくさぐるま)とその(むま)(とれ)(わう)すなはち(ゆき)()よといひて(ひと)(つか)はしてスリアの軍勢(ぐんぜい)(あと)(つけ)しめたれば 15(かれ)らその(あと)(つけ)てヨルダンにいたりしが(みち)には(すべ)てスリア(びと)狼狽(あはて)(のぐ)(とき)(すて)たる衣服(ころも)器具(うつは)(みて)りその使者(つかひ)かへりてこれを(わう)(つげ)ければ 16(たみ)いでてスリア(びと)(ぢん)(えい)(かす)めたり斯在(かかり)しかば(むぎ)()一セアは一シケルとなり(おほ)(むぎ)二セアは一シケルと()るヱホバの(ことば)のごとし 17(ここ)(わう)その()(よる)ところの(かの)(たい)(しやう)(たて)(もん)(つかさど)らしめたるに(たみ)(もん)にて(かれ)(ふみ)たれば(しね)(すなは)(かみ)(ひと)(わう)のおのれに(くだ)()(とき)(いひ)たる(ことば)のごとし 18(また)(かみ)(ひと)(わう)につげて明日(あす)(いま)(ごろ)サマリヤの(もん)にて(おほ)(むぎ)二セアを一シケルに()(むぎ)()二セアを一シケルに(うる)にいたらんと(いひ)しごとくに(なり)19(かの)(たい)(しやう)その(とき)(かみ)(ひと)にこたへてヱホバ(てん)(まど)をひらきたまふも此事(このこと)あるべけんやと(いひ)たりしかば(こた)へて(なんぢ)()をもてこれを(みる)べけれどもこれを(くら)ふことはあらじと(いひ)たりしが 20そのごとくになりぬ(すなは)(たみ)(もん)にてかれを(ふみ)(しな)しめたり

第八章

1エリシヤ(かつ)てその()(いきか)へらせて(あた)へし(をんな)(いひ)しことあり(いは)(なんぢ)(たち)(なんぢ)家族(かぞく)とともに()(なんぢ)寄寓(とどまら)んとおもふ(ところ)寄寓(とどま)()はヱホバ饑饉(ききん)(よび)くだしたまひたれば七(ねん)(あひだ)この()(のぞ)むべければなりと 2(ここ)をもて(をんな)(たち)(かみ)(ひと)(ことば)のごとくに()しその家族(かぞく)とともに(ゆき)てペリシテ(びと)()に七(ねん)寄寓(とどまり)3かくて七(ねん)()(のち)婦人(をんな)ペリシテ(びと)()より(かへ)りしが自己(おのれ)(いへ)田畝(たはた)のために(わう)(よび)もとめんとて(ゆけ)4(とき)(わう)(かみ)(ひと)(しもべ)ゲハジにむかひ()ふエリシヤが(なせ)(もろもろ)(おほい)なる事等(ことども)(われ)(つげ)よと(いひ)てこれと談話(ものいひ)をる 5(すなは)(かれ)エリシヤが()(にん)(いきかへ)らせしことを(わう)にものがたりをる(とき)にその()(かれ)(いきかへ)らせし(をんな)自己(おのれ)(いへ)田畝(たはた)のために(わう)(よび)もとめければゲハジ()ふわが(しゆ)(わう)(これ)すなはちその婦人(をんな)なり(これ)すなはちエリシヤが(いきかへ)らせしその()なり 6(わう)すなはちその(をんな)(たづ)ねけるにこれを(のべ)たれば(わう)(かれ)のために一人(ひとり)官吏(くわんり)派出(つかは)して()(すべ)(かれ)(ぞく)する(もの)(ならび)(かれ)がこの()(さり)()より(いま)にいたるまでの(その)田畝(たはた)產出(あがり)(もの)(ことごと)(かれ)(かへ)せよと 7エリシヤ、ダマスコに(いた)れる(こと)あり(とき)にスリアの(わう)ベネハダデ(やまひ)にかかりをりしがこれにつげて(かみ)(ひと)(ここ)にきたると()(もの)ありければ 8(わう)ハザエルに()(なんぢ)()禮物(おくりもの)をとり(ゆき)(かみ)(ひと)(むか)(かれ)によりてヱホバに(わが)この(やまひ)(いゆ)るやと(いひ)()9(ここ)においてハザエルかれを(むか)へんとて(いで)()きダマスコのもろもろの佳物(よきもの)駱駝(らくだ)に四十()禮物(おくりもの)(たづさ)へて(いた)りて(かれ)(まへ)()(いひ)けるは(なんぢ)()スリアの(わう)ベネハダデ(われ)(なんぢ)につかはして(わが)この(やまひ)(いゆ)るやと(いは)しむ 10エリシヤかれに(いひ)けるは(ゆき)てかれに(なんぢ)はかならず(いゆ)べしと(つげ)(ただ)しヱホバかれはかならず(しな)んと(われ)にしめしたまふなり 11(しか)して(かみ)(ひと)瞳子(ひとみ)をさだめて(かれ)(はづ)るまでに()つめ(やが)(なき)いでたれば 12ハザエルわが(しゆ)(など)(なき)たまふやと()ふにエリシヤ(こた)へけるは(われ)(なんぢ)がイスラエルの子孫(ひとびと)になさんところの(がい)(あく)(しれ)ばなり(すなは)(なんぢ)彼等(かれら)(しろ)()をかけ壯年(さかり)(ひと)(つるぎ)にころし子等(こども)(ひし)(はらみ)(をんな)(さか)13ハザエル(いひ)けるは(なんぢ)(しもべ)(いぬ)なるか(なん)(かか)(おほい)なる(こと)をなさんエリシヤ(こた)へけるはヱホバ(われ)にしめしたまふ(なんぢ)はスリアの(わう)となるにいたらん 14(かく)(かれ)エリシヤを(はな)れて(さり)てその(しゆ)(くん)にいたるにエリシヤは(なんぢ)(なに)(いひ)しやと(たづね)ければ(こた)へて(かれ)(なんぢ)はかならず(いゆ)るあらんと(われ)(つげ)たりと()15翌日(あくるひ)にいたりてハザエル(あら)(ぬの)をとりて(みづ)(ひた)しこれをもて(わう)(かほ)(おほ)ひたれば(しね)りハザエルすなはち(これ)にかはりて(わう)となる 16イスラエルの(わう)アハブの()ヨラムの五(ねん)にはヨシヤパテ(なほ)ユダの(わう)たりき(この)(とし)にユダの(わう)ヨシヤバテの()ヨラム(くらゐ)(つけ)17(かれ)(くらゐ)(つき)(とき)三十二(さい)にして八(ねん)(あひだ)エルサレムにて()(をさ)めたり 18(かれ)はアハブの(いへ)のなせるがごとくにイスラエルの王等(わうたち)(みち)(おこな)へりアハブの(むすめ)かれの(つま)なりければなり(かく)(かれ)はヱホバの()(まへ)(あく)をなせしかども 19ヱホバその(しもべ)ダビデのためにユダを(ほろぼ)すことを(この)みたまはざりき(すなは)(かれ)にその子孫(しそん)によりて(つね)光明(ひかり)(あたへ)んと(いひ)たまひしがごとし 20ヨラムの()にエドム(そむ)きてユダの()(ふく)せず(みづか)(わう)(たて)たれば 21ヨラムその一切(すべて)戰車(いくさぐるま)をしたがへてザイルに(わた)りしが(つひ)()(うち)(たち)あがりて自己(おのれ)(かこ)めるエドム(びと)()ちその戰車(いくさぐるま)(かしら)(たち)(うて)(かく)して(たみ)はその(てん)(まく)(にげ)ゆきぬ 22エドムは(かく)(そむ)きてユダの()(ふく)せずなりしが今日(こんにち)まで(しか)此時(このとき)にあたりてリブナもまた(そむ)けり 23ヨラムのその(ほか)行爲(わざ)およびその(すべ)(なし)たる事等(ことども)はユダの(わう)歴代(れきだい)()(しよ)(しる)さるるにあらずや 24ヨラムその先祖(せんぞ)(たち)とともに(ねむ)りてダビデの(まち)にその先祖(せんぞ)たちと(おな)じく(はうむ)られその()アハジアこれに(かは)りて(わう)となれり 25イスラエルの(わう)アハブの()ヨラムの十二(ねん)にユダの(わう)ヨラムの()アハジア(くらゐ)(つけ)26アハジアは(くらゐ)(つき)(とき)二十二(さい)にしてエルサレムにて一(ねん)()(をさ)めたりその(はは)はイスラエルの(わう)オムリの(まご)(むすめ)にして()をアタリヤといふ 27アハジアはアハブの(いへ)(みち)にあゆみアハブの(いへ)のごとくにヱホバの()(まへ)(あく)をなせり(これ)かれはアハブの(いへ)婿(むこ)なりければなり 28(ここ)にアハブの()ヨラム自身(みづから)ゆきてスリアの(わう)ハザエルとギレアデのラモテに(たたか)ひけるがスリア(びと)()ヨラムに(きず)(おは)せたり 29(ここ)(おい)てヨラム(わう)はそのスリアの(わう)ハザエルと(たたか)ふにあたりてラマに(おい)てスリア(びと)(おは)せられたるところの(きず)(いや)さんとてヱズレルに(かへ)れりユダの(わう)ヨラムの()アハジアはアハブの()ヨラムが(やみ)をるをもてヱズレルに(くだ)りて(これ)()

第九章

1(ここ)預言者(よげんしや)エリシヤ預言者(よげんしや)(ともがら)一人(ひとり)(よび)てこれに()(なんぢ)(こし)をひきからげ(この)(あぶら)(びん)()にとりてギレアデのラモテに()2(しか)して(なんぢ)かしこに(いた)らばニムシの()なるヨシヤパテの()ヱヒウを其處(そこ)(たづね)()(うち)()(かれ)をその兄弟(きやうだい)(うち)より(たた)しめて(おく)()につれゆき 3(あぶら)(びん)をとりその(かうべ)(そそ)ぎて()へヱホバかく(いひ)たまふ(われ)(なんぢ)(あぶら)をそそぎてイスラエルの(わう)となすと(しか)して()(ひら)きて(にげ)されよ(とどま)ること(なか)4(ここ)において預言者(よげんしや)(しもべ)なるその少者(わかもの)ギレアデのラモテに(ゆき)けるが 5(いた)りて()るに軍勢(ぐんぜい)長等(かしらたち)()してをりければ將軍(しやうぐん)(われ)(なんぢ)(つぐ)べき(こと)ありと()ふにヱヒウこたへて我儕(われら)諸人(もろもろ)(うち)(たれ)にかと(いひ)たれば將軍(しやうぐん)(なんぢ)にと()6ヱヒウすなはち(たち)(いへ)にいりければ(かれ)その(かうべ)(あぶら)をそそぎて(これ)()ふイスラエルの(かみ)ヱホバかく(いひ)たまふ(われ)(なんぢ)(あぶら)をそそぎてヱホバの(たみ)イスラエルの(わう)となす 7(なんぢ)はその(しゆ)アハブの(いへ)(うち)ほろぼすべし(それ)によりて(われ)わが(しもべ)なる預言者(よげんしや)(たち)()とヱホバの(もろもろ)(しもべ)(たち)()をイゼベルの()(むく)いん 8アハブの(いへ)(まつた)滅亡(ほろぶ)べしアハブに(ぞく)する(をとこ)はイスラエルにありて(つな)がれたる(もの)(つな)がれざる(もの)もともに(これ)(たつ)べし 9(われ)アハブの(いへ)をネバテの()ヤラベアムの(いへ)のごとくに()しアヒヤの()バアシヤの(いへ)のごとくになさん 10ヱズレルの()において(いぬ)イゼベルを(くら)ふべし(また)これを(はうむ)るものあらじと(しか)して()(ひら)きて(にげ)されり 11かくてヱヒウその(しゆ)臣僕(しもべ)()(もと)にいできたりたれば一人(ひとり)(これ)()平安(へいあん)なるやこの(くるへ)(もの)(なに)のために(なんぢ)にきたりしやヱヒウこたへて汝等(なんぢら)はかの(ひと)(しれ)りまたその(いふ)ところを(しる)なりと()ふに 12彼等(かれら)(いひ)けらく(うそ)なり(それ)我儕(われら)(つげ)よと(ここ)においてヱヒウ(いひ)けるは(かれ)斯々(かくかく)(われ)につげて(いへ)りヱホバかく(いひ)たまふ(われ)(なんぢ)(あぶら)をそそぎてイスラエルの(わう)となすと 13彼等(かれら)すなはち(いそ)ぎて各人(おのおの)その衣服(ころも)をとりこれを(きざはし)(うへ)ヱヒウの(した)()喇叭(らつぱ)(ふき)てヱヒウは(わう)たりと(いへ)14ニムシの()なるヨシヤバテの()ヱヒウ(かく)ヨラムに(そむ)けり(ヨラムはイスラエルを(ことごと)くひきゐてギレアデのラモテに(おい)てスリアの(わう)ハザエルを(ふせ)ぎたりしが 15ヨラム(わう)はそのスリアの(わう)ハザエルと(たたか)(とき)にスリア(びと)(おは)せられたるところの(きず)(いや)さんとてヱズレルに(かへ)りてをる)ヱヒウ(いひ)けるは(もし)なんぢらの(こころ)にかなはば一人(ひとり)もこの(まち)より(はせ)いでてこれをヱズレルに()(もの)なからしめよと 16ヱヒウすなはちヱズレルをさして(のり)(ゆけ)りヨラムかしこに(ふし)をればなりまたユダの(わう)アハジアはヨラムを(とひ)(くだ)りてをる 17ヱズレルの戌樓(やぐら)一箇(ひとり)守望者(ものみ)(たち)をりしがヱヒウの群衆(ぐんしう)のきたるを()(われ)群衆(ぐんしう)()るといひければヨラム()一人(ひとり)(むま)(のせ)(つかは)(それ)(あは)しめて平安(へいあん)なるやと(いは)しめよと 18(ここ)において一人(ひとり)(むま)にて(ゆき)てこれに()(わう)かく(のた)まふ平安(へいあん)なるやと()ふにヱヒウ(いひ)けるは平安(へいあん)(なんぢ)(あづか)るところならんや(わが)(うしろ)にまはれと守望者(ものみ)また(つげ)()使者(つかひ)かれらの(もと)(ゆき)たるが(かへ)()ずと 19(ここ)をもて(ふたた)(ひと)(むま)にて(つかは)したればその(ひと)かれらに(いた)りて(わう)かく(のた)まふ(なに)(かはる)(こと)あるやと()ふにヱヒウ(こたへ)平安(へいあん)(なんぢ)(あづか)るところならんや(わが)(うしろ)にまはれと()20守望者(ものみ)また(つげ)()(かれ)彼等(かれら)(ところ)にまで(いた)りしが(かへ)()ずその(くるま)(はしら)するはニムシの()ヱヒウが(はしら)するに()(くる)ふて(はし)らせ(きた)21(ここ)においてヨラム(くるま)(ととの)へよと()ひけるが(くるま)(ととの)ひたればイスラエルの(わう)ヨラムとユダの(わう)アハジアおのおのその(くるま)にて(いで)たり(すなは)ちかれらヱヒウにむかひて(いで)きたりヱズレル(びと)ナボテの()にて(これ)(あひ)けるが 22ヨラム、ヱヒウを()てヱヒウよ平安(へいあん)なるやといひたればヱヒウこたへて(なんぢ)(はは)イゼベルの姦淫(かんいん)魔術(まじゆつ)(かく)(おほ)かれば(なに)平安(へいあん)あらんやと(いへ)23ヨラムすなはち()をめぐらして()げアハジアにむかひ(はん)(ぎやく)なりアハジアよと()ふに 24ヱヒウ()(ゆみ)をひきしぼりてヨラムの(かた)(あひだ)()たればその()かれの(こころ)をいぬきて()(かれ)(くるま)(なか)()ししづめり 25ヱヒウその(しやう)ビデカルに(いひ)けるは(かれ)をとりてヱズレル(びと)ナボテの()(うち)(なげ)すてよ()(なんぢ)(おも)ふべし(かつ)(われ)(なんぢ)二人(ふたり)ともに(のり)(かれ)(ちち)アハブに(したが)へる(とき)にヱホバ(かく)かれの(こと)預言(よげん)したまへり 26(いは)くヱホバ()(まこと)(われ)昨日(きのふ)ナボテの()とその子等(こら)()()たりヱホバ()(われ)この()において(なんぢ)にむくゆることあらんと(され)(かれ)をとりてその()になげすててヱホバの(ことば)のごとくにせよ 27ユダの(わう)アハジアはこれを()(その)(いへ)(みち)より(にげ)ゆきけるがヱヒウその(あと)()(かれ)をも(くるま)(なか)(うち)ころせと(いひ)しかばイブレアムの(ほとり)なるグルの(さか)にてこれを(うち)たればメギドンまで(にげ)ゆきて其處(そこ)(しね)28その臣僕(しもべ)()すなはち(これ)(くるま)にのせてエルサレムにたづさへゆきダビデの(まち)においてかれの(はか)にその先祖(せんぞ)(たち)とおなじくこれを(はうむ)れり 29アハブの()ヨラムの十一(ねん)にアハジアはユダの(わう)となりしなり 30(かく)てヱヒウ、ヱズレルにきたりしかばイゼベル(きき)てその()()(かみ)をかざりて(まど)より(のぞ)みけるが 31ヱヒウ(もん)(いり)きたりたればその(しゆ)(しい)せしジムリよ平安(へいあん)なるやと(いへ)32ヱヒウすなはち(おもて)をあげて(まど)にむかひ(たれ)(われ)(つく)ものあるや(たれ)かあるやと(いひ)けるに二三(にさん)寺人(じじん)ヱヒウを(のぞ)みたれば 33(かれ)(なげ)おとせと(いへ)りすなはち(これ)(なげ)おとしたればその血牆(ちかき)(むま)とにほどばしりつけりヱヒウこれを(ふみ)とほれり 34(かく)(かれ)(うち)にいりて(くひ)(のみ)をなし(しか)して(いひ)けるは(ゆき)てかの(のろ)はれし(をんな)()これを(はうむ)(かれ)(わう)女子(むすめ)なればなりと 35(ここ)をもて(かれ)(はうむ)らんとて(ゆき)()るにその(かしら)(ぼね)(あし)(たなごころ)とありしのみなりければ 36(かへ)りで(かれ)につぐるに(かれ)()(これ)すなはちヱホバがその(しもべ)なるテシベ(びと)エリヤをもて(つげ)たまひし(ことば)なり(いは)くヱズレルの()において(いぬ)イゼベルの(にく)(くら)はん 37イゼベルの屍骸(しかばね)はヱズレルの()(おい)糞土(ふんど)のごとくに()(おもて)にあるべし(ここ)をもて(これ)はイゼベルなりと(さし)()ふこと(あたは)ざらん

第十章

1アハブ、サマリヤに七十(にん)()あり(ここ)にヱヒウ(ふみ)をしたためてサマリヤにおくり(まち)牧伯等(つかさたち)長老等(としよりたち)とアハブの子等(こども)()()()とに(つた)へて()2(なんぢ)らの(しゆ)子等(こたち)(なんぢ)らとともにあり(また)汝等(なんぢら)(くるま)(むま)(しろ)もあり(かつ)武器(ぶき)もあれば(この)(ふみ)(なんぢ)らの(もと)にいたらば 3(なんぢ)らの(しゆ)子等(こども)(うち)より(もつと)(まさ)れる方正(ただし)(もの)(えら)みだ(いだ)してその(ちち)(くらゐ)()汝等(なんぢら)(しゆ)(いへ)のために(たたか)へよ 4(かれ)(おほい)(おそ)れて()二人(ふたり)王等(わうたち)すでに(かれ)(あた)ることを()ざりしなれば我儕(われら)いかでか(あた)ることを()んと 5(すなは)家宰(みやのつかさ)邑宰(まちのつかさ)長老(としより)()()()ヱヒウに(いひ)おくりけるは我儕(われら)(なんぢ)(しもべ)なり(すべ)(なんぢ)我儕(われら)(めい)ずる(こと)(なさ)我儕(われら)(わう)(たつ)るを(この)まず(なんぢ)()(よし)()ゆる(ところ)()6(ここ)においてヱヒウ再度(ふたたび)かれらに(ふみ)をおくりて()(なんぢ)らもし(われ)()(わが)(ことば)にしたがふならば(なんぢ)らの(しゆ)()なる人々(ひとびと)(くび)をとりて明日(あす)(いま)(ごろ)ヱズレルにきたりて(わが)(もと)にいたれと當時(そのころ)(わう)()七十(にん)はその()()なる(まち)貴人(きにん)(たち)とともに()7その(ふみ)かれらに(いた)りしかば彼等(かれら)(わう)子等(こたち)をとらへてその七十(にん)をことごとく(ころ)しその(くび)(かご)につめてこれをヱズレルのヱヒウの(もと)につかはせり 8すなはち使者(つかひ)いたりてヱヒウに(つげ)人衆(ひとびと)(わう)子等(こたち)(くび)をたづさへ(きた)れりと(いひ)ければ(あくる)(あさ)までそれを(もん)(いり)(ぐち)(ふた)(やま)(つみ)おけと(いへ)9(あした)におよび(かれ)(いで)()ちすべての(たみ)()汝等(なんぢら)(ただ)(われ)はわが(しゆ)にそむきて(これ)(しい)したり(され)(この)すべての者等(ものども)(ころ)せしは(たれ)なるぞや 10(され)汝等(なんぢら)()れヱホバがアハブの(いへ)につきて(つげ)たまひしヱホバの(ことば)(ひとつ)()(おち)(すなは)ちヱホバはその(しもべ)エリヤによりて(つげ)(こと)(なし)たまへりと 11(かく)てヱヒウはアハブの(いへ)(ぞく)する(もの)のヱズレルに(のこ)れるを(ことごと)(ころ)しまたその一切(すべて)(おも)(だち)たる(もの)その(したし)(もの)およびその祭司(さいし)()(ころ)して(かれ)(ぞく)する(もの)一人(ひとり)(のこ)さざりき 12ヱヒウすなはち(たち)(ゆき)てサマリヤに(いた)りしがヱヒウ(みち)にある(とき)牧者(ぼくしや)集會(あつまり)(どころ)において 13ユダの(わう)アハジアの兄弟(きやうだい)(たち)()汝等(なんぢら)何人(なにびと)なるやと(いひ)けるに我儕(われら)はアハジアの兄弟(きやうだい)なるが(わう)子等(こたち)(わう)()子等(こたち)安否(あんぴ)(とは)んとて(くだ)るなりと(こた)へたれば 14彼等(かれら)生擒(いけど)れと(いへ)(すなは)ちかれらを生擒(いけどり)りその集會(あつまり)(どころ)(あな)(そば)にて彼等(かれら)四十二(にん)(ことごと)(ころ)一人(ひとり)をも(のこ)さざりき 15(かく)てヱヒウ其處(そこ)より(すす)みゆきしがレカブの()ヨナダブの(おのれ)(むかへ)にきたるに(あひ)ければその安否(あんぴ)をとふてこれに(なんぢ)(こころ)はわが(こころ)(なんぢ)(こころ)同一(ひとつ)なるがごとくに眞實(しんじつ)なるやと(いひ)けるにヨナダブ(こた)へて眞實(しんじつ)なりと(いひ)たれば(さら)(なんぢ)()(われ)(のべ)よと()ひその()(のべ)ければ(かれ)(ひき)(おのれ)(くるま)(のぼ)らしめて 16()(われ)とともに(きた)りて()がヱホバに熱心(ねつしん)なるを()よと(かく)かれを(おのれ)(くるま)(のら)しめ 17サマリヤにいたりてアハブに(ぞく)する(もの)のサマリヤに(のこ)れるを(ことごと)(ころ)して(つひ)にその一族(いちぞく)(ほろぼ)せりヱホバのエリヤに(つげ)たまひし言語(ことば)のごとし 18(ここ)にヱヒウ(たみ)をことごとく(あつめ)てこれに(いひ)けるはアハブは(すこし)くバアルに(つかへ)たるがヱヒウは(おほい)にこれに(つか)へんとす 19(され)(いま)バアルの(すべて)預言(よげん)(しや)(すべて)臣僕(しもべ)(すべて)祭司(さいし)()(わが)(もと)()一人(ひとり)(きた)らざる(もの)なからしめよ(われ)(おほい)なる祭祀(まつり)をバアルのためになさんとするなり(すべ)(きた)らざる(もの)(いか)しおかじと(ただ)しヱヒウ、バアルの(しもべ)(ども)(ほろぼ)さんとて(いつは)りて(かく)なせるなり 20ヱヒウすなはちバアルの祭禮(まつり)(まうけ)よと(いひ)ければ(これ)(ふれ)たり 21(かく)てヱヒウあまねくイスラエルに(ひと)をつかはしたればバアルの(しもべ)たる(もの)(みな)きたれり一人(ひとり)(きた)らずして(のこ)れるものはあらざりき彼等(かれら)バアルの(いへ)にいりたればバアルの(いへ)(はし)より(はし)まで(みち)わたれり 22(とき)にヱヒウ衣裳(ころも)(つかさ)どる(もの)てむかひ禮服(れいふく)をとりいだしてバアルの(すべて)(しもべ)()にあたへよといひければすなはち禮服(れいふく)をとりいだせり 23(かく)ありてヱヒウはレカブの()ヨナダブとともにバアルの(いへ)にいりしがバアルの(しもべ)()()汝等(なんぢら)(たづ)()(ここ)には(ただ)バアルの(しもべ)のみあらしめヱホバの(しもべ)一人(ひとり)(なんぢ)らの(うち)にあらしめざれと 24彼等(かれら)犠牲(いけにへ)燔祭(はんさい)(ささ)げんとて(いり)(とき)ヱヒウ八十(にん)(もの)(そと)(おき)()(すべ)てわがその()にわたすところの(ひと)一人(ひとり)にても(のが)れしむる(もの)(おのれ)生命(いのち)をもてその(ひと)生命(いのち)(かふ)べしと 25(かく)燔祭(はんさい)(ささ)ぐることの(をは)りし(とき)ヱヒウその()(そつ)(しよ)(しやう)()(いり)てかれらを(ころ)一人(ひとり)をも(いだ)すなかれとすなはち(やいば)をもて彼等(かれら)(うち)ころせり(しか)して()(そつ)(しよ)(しやう)これを(なげ)いだしてバアルの(いへ)(ない)殿(でん)()26(すべて)(ざう)をバアルの(いへ)よりとりいだしてこれを(やけ)27(すなは)ちかれらバアルの(ざう)をこぼちバアルの(いへ)をこぼち(その)をもて(かはや)(つく)りしが今日(こんにち)までのこる 28ヱヒウかくイスラエルの(うち)よりバアルを(たち)さりたりしかども 29ヱヒウは(なほ)かのイスラエルに(つみ)(をか)させたるネバテの()ヤラベアムの(つみ)(はな)るることをせざりき(すなは)(かれ)なほベテルとダンにあるところの(きん)(こうし)(つかへ)たり 30ヱホバ、ヱヒウに(いひ)たまひけらく(なんぢ)わが(ただし)()るところの(こと)(おこな)ふにあたりて()(こと)をなしまたわが(こころ)にある(すべて)(こと)をアハブの(いへ)になしたれば(なんぢ)子孫(こども)()(だい)までイスラエルの(くらゐ)()せんと 31(しか)るにヱヒウは(こころ)(つく)してイスラエルの(かみ)ヱホバの律法(おきて)をおこなはんとはせず(なほ)かのイスラエルに(つみ)(をか)させたるヤラベアムの(つみ)(はな)れざりき 32(この)(とき)にあたりてヱホバ、イスラエルを()くことを(はじ)めたまへりハザエルすなはちイスラエルの一切(すべて)邊境(さかひ)(をか)33ヨルダンの(ひがし)においてギレアデの全地(ぜんち)ガド(びと)ルベン(びと)マナセ(びと)()(をか)しアルノン(がは)(ほとり)なるアロエルよりギレアデにいたりバシヤンにおよべり 34ヱヒウのその(ほか)行爲(わざ)とその(すべ)(なし)たる(こと)むよびその(おほい)なる(ちから)はイスラエルの(わう)歴代(れきだい)()(しよ)(しる)さるるにあらずや 35ヱヒウその先祖(せんぞ)(たち)とともに(ねむ)りたればこれをサマリヤに(はうむ)りぬその()ヱホアハズこれに(かはり)(わう)となれり 36ヱヒウがサマリヤにをりてイスラエルに(わう)たりし(あひだ)は二十八(ねん)なりき

第十一章

1(ここ)にアハジアの(はは)アタリヤその()(しに)たるを()(たち)(わう)(たね)(ことごと)(ほろぼ)したりしが 2ヨラム(わう)(むすめ)にしてアハジアの姉妹(しまい)なるヱホシバといふ(もの)アハジアの()ヨアシを(わう)子等(こたち)(ころ)さるる(もの)(うち)より(ぬす)みとり(かれ)とその乳母(うば)()()()にいれて(かれ)をアタリヤに(かく)したれば(つひ)にころされざりき 3ヨアシは(かれ)とともに六(ねん)ヱホバの(いへ)(かく)れてをりアタリヤ(くに)(をさ)めたり 4(だい)(ねん)にいたりヱホヤダ(びと)(つかは)して近衛(このゑ)(へい)(たい)(しやう)(たち)(まね)きよせヱホバの(いへ)にきたりて(おのれ)(つか)しめ彼等(かれら)契約(けいやく)(むす)(かれ)らにヱホバの(いへ)にて(ちかひ)をなさしめて(わう)()(しめ)5かれらに(めい)じて()汝等(なんぢら)がなすべき(こと)(これ)なり汝等(なんぢら)安息日(あんそくにち)(いり)きたる(もの)は三(ぶん)の一は(わう)(いへ)をまもり 6(ぶん)の一はスル(もん)にをり三(ぶん)の一は近衛(このゑ)(へい)(うしろ)(もん)にをるべし(かく)なんぢら宮殿(みや)をまもりて(ひと)をいるべからず 7また(すべ)汝等(なんぢら)安息日(あんそくにち)(いで)ゆく(もの)はその(ふた)()ともにヱホバの(いへ)において(わう)をまもるべし 8すなはち(なんぢ)らおのおの武器(ぶき)()にとりて(わう)(めぐり)(たつ)べし(すべ)てその(れつ)(をか)(もの)をば(ころ)すべし汝等(なんぢら)(また)(わう)(いづ)(とき)にも()(とき)にも(わう)とともにをるべし 9(ここ)においてその將官(かしら)(たち)祭司(さいし)ヱホヤダが(すべ)(めい)ぜしごとくにおこなへり(すなは)ちかれらおのおの(その)()(ひと)安息日(あんそくにち)(いり)くべき(もの)安息日(あんそくにち)()ゆくべき(もの)とを(ひきゐ)祭司(さいし)ヱホヤダに(いた)りしかば 10祭司(さいし)はヱホバの殿(みや)にあるダビデ(わう)(やり)(たて)(たい)(しやう)(たち)にわたせり 11近衛(このゑ)(へい)はおのおの()武器(ぶき)をとりて(わう)四周(まはり)にをり殿(みや)(みぎ)(はし)より(ひだり)(はし)におよびて(だん)殿(みや)にそひて()12ヱホヤダすなはち(わう)()(すす)ませて(これ)冠冕(かんむり)をいただかせ律法(おきて)をわたし(これ)(わう)となして(これ)(あぶら)をそそぎければ人衆(ひとびと)()(うち)(わう)長壽(いのちなが)かれと(いへ)13(ここ)にアタリヤ近衛(このゑ)(へい)(たみ)(こゑ)()きヱホバの殿(みや)にいりて(たみ)(ところ)にいたり 14()るに(わう)常例(ならはし)のごとくに高座(かうざ)(うへ)()(その)(かたはら)(たい)(しやう)(たち)喇叭(らつぱ)(ふき)(たち)をり(また)(くに)(たみ)みな(よろこ)びて喇叭(らつぱ)(ふき)をりしかばアタリヤ(その)(ころも)(さき)(はん)(ぎやく)なり(はん)(ぎやく)なりと(さけ)べり 15(とき)祭司(さいし)ヱホヤダ(たい)(しやう)(たち)軍勢(ぐんぜい)士官(つかさ)(たち)(めい)じてこれに()(かれ)をして(れつ)(あひだ)をとほりて(いで)しめよ(かれ)(した)がふ(もの)をば(つるぎ)をもて(ころ)せと(さき)にも祭司(さいし)(かれ)をヱホバの(いへ)(ころ)すべからずと(いひ)おけり 16(ここ)をもて(かれ)のために(みち)をひらきければ(かれ)(わう)(いへ)(むま)(みち)をとほりゆきしが(つひ)其處(そこ)(ころ)されぬ 17(かく)てヱホヤダはヱホと(わう)(たみ)(あひだ)にその(みな)ヱホバの(たみ)とならんといふ契約(けいやく)(たて)しめたり(また)(わう)(たみ)(あひだ)にもこれを(たて)しめたり 18(ここ)をもて(くに)(たみ)みなバアルの(いへ)にいりてこれを(こぼ)ちその(だん)とその(ざう)(まつた)(うち)(くだ)きバアルの祭司(さいし)マツタンをその(だん)(まへ)(ころ)せり(しか)して祭司(さいし)ヱホバの(いへ)監督(かんとく)(しや)(まう)けたり 19ヱホヤダすなはち(たい)(しやう)(たち)近衛(このゑ)(へい)(くに)(すべて)(たみ)(ひきゐ)てヱホバの(いへ)より(わう)をみちびき(くだ)近衛(このゑ)(へい)(もん)(みち)よりして(わう)(いへ)にいたり(わう)(くらゐ)()せしめたり 20(かく)(あり)しかば(くに)(たみ)はみな(よろこ)びて(まち)平穩(おだやか)なりきアタリヤは(わう)(いへ)(ころ)されぬ 21ヨアシは(くらゐ)(つき)(とき)(さい)なりき

第十二章

1ヨアシはヱヒウの七(ねん)(くらゐ)()きエルサレムにおいて四十(ねん)()(をさ)めたりその(はは)はベエルシバより(いで)たるものにて()をヂビアといへり 2ヨアシは祭司(さいし)ヱホヤダの(おのれ)(をし)ふる(あひだ)(つね)にヱホバの(よし)()たまふ(こと)をおこなへり 3(され)崇邱(たかきところ)(のぞ)かずしてあり(たみ)(なほ)その崇邱(たかきところ)において犠牲(いけにへ)をささげ(かう)(たけ)4(ここ)にヨアシ祭司(さいし)(たち)(いひ)けるは(すべ)てヱホバの(いへ)聖別(きよめ)献納(ささぐ)るところの(きん)(すなは)核數(かぞへ)らるる(ひと)(きん)估價(ねづもり)にしたがひて(いだ)すところの()(しろ)(きん)および人々(ひとびと)(こころ)より(ねがひ)てヱホバの(いへ)(もち)きたるところの(きん) 5これを祭司(さいし)(たち)おのおのその(しる)(ひと)より(うけ)をさめ何處(いづく)にても殿(みや)破壞(やぶれ)(みゆ)(とき)はこれをもてその破壞(やぶれ)修繕(つくろ)ふべしと 6(しか)るにヨアシ(わう)の二十三(ねん)におよぶまで祭司(さいし)(たち)殿(みや)破壞(やぶれ)修繕(つくろ)ふにいたらざりしかば 7ヨアシ(わう)祭司(さいし)ヱホヤダおよびその(ほか)祭司(さいし)(たち)(めし)てこれに()汝等(なんぢら)などて殿(みや)破壞(やぶれ)修繕(つくろ)はざるや(され)(いま)よりは汝等(なんぢら)(しる)(ひと)より(きん)(うけ)自己(おのれ)のためにすべからず(ただ)殿(みや)破壞(やぶれ)修理(つくろひ)(それ)(そな)ふべしと 8祭司(さいし)(たち)(かさね)(たみ)より自己(おのれ)のために(きん)(うけ)(また)殿(みや)破壞(やぶれ)修理(つくろ)ふことをせじと(やく)せり 9(かく)(のち)祭司(さいし)ヱホヤダ一箇(ひとつ)(はこ)をとりその(ふた)(あな)穿(うが)ちてこれをヱホバの(いへ)(いり)(くち)(みぎ)において(だん)(かたはら)(おけ)門守(かどもり)祭司(さいし)()すなはちヱホバの(いへ)(いり)きたるところの(きん)をことごとくその(うち)(いれ)たり 10(ここ)にその(はこ)(うち)(きん)(おほ)くあることを()たれば(わう)書記(しよき)祭司(さいしの)(をさ)(のぼ)(きた)りてそのヱホバの(いへ)(つも)りし(きん)(つつ)みてこれを(かぞ)11その(かぞ)へし(きん)をこの工事(こうじ)をなす(もの)(わた)せり(すなは)ちヱホバの(いへ)監督(かんとく)(しや)にこれを(わた)しければ彼等(かれら)またヱホバの(いへ)修理(つくろ)ふところの木匠(たくみ)建築(たてもの)()にこれを(あた)12石工(せきこう)および琢石者(いしきり)(あた)へまたこれをもてヱホバの(いへ)破壞(やぶれ)修繕(つくろ)材木(ざいもく)(きり)(いし)()殿(みや)修理(つくろ)ふために(もち)ふる(もろもろ)(もの)のためにこれを(つひや)せり 13(ただ)しヱホバの(いへ)にり(きた)れるその(きん)をもてヱホバの(いへ)のために(ぎん)(さら)燈剪(しんとり)(はち)喇叭(らつぱ)(きん)(うつは)(ぎん)(うつは)(など)(つく)ることはせざりき 14(ただ)これをその工事(こうじ)をなす(もの)にわたして(これ)をもてヱホバの(いへ)修理(つくろ)はしめたり 15またその(きん)()にわたして工人(こうじん)にはらはしめたる人々(ひとびと)計算(けいさん)をなすことをせざりき()彼等(かれら)忠厚(まめやか)(こと)をなしたればなり 16(けん)(きん)(ざい)(きん)はヱホバの(いへ)にいらずして祭司(さいし)()せり 17當時(そのころ)スリアの(わう)ハザエルのぼり(きた)りてガテを(せめ)てこれを()(しか)してハザエル、エルサレムに(せめ)のぼらんとてその(おもて)をこれに(むけ)たり 18(ここ)をもてユダの(わう)ヨアシその先祖(せんぞ)たるユダの(わう)ヨシヤパテ、ヨラム、アハジア()聖別(きよめ)(ささ)げたる一切(すべて)(もの)および自己(おのれ)聖別(きよめ)(ささ)げたる(もの)ならびにヱホバの(いへ)(くら)(わう)(いへ)とにあるところの(きん)(ことごと)(とり)てこれをスリアの(わう)ハザエルにおくりければ(かれ)すなはちエルサレムを(はな)れて(さり)19ヨアシのその(ほか)行爲(わざ)およびその(すべ)(なし)たる(こと)はユダの(わう)歴代(れきだい)()(しよ)(しる)さるるにあらずや 20(ここ)にヨアシの臣僕(しもべ)()おこりて(たう)をむすびシラに(くだ)るところのミロの(いへ)にてヨアシを(しい)せり 21(すなは)ちその(しもべ)シメアテの()ヨザカルとシヨメルの()ヨザバデかれを(しい)して(しな)しめたればその先祖(せんぞ)とおなじくこれをダビデの(まち)(はうむ)れりその()アマジヤこれに(かは)りて(わう)となる

第十三章

1ユダの(わう)アハジアの()ヨアシの二十三(ねん)にヱヒウの()ヨハアズ、サマリヤにおいてイスラエルの(わう)となり十七(ねん)(くらゐ)にありき 2(かれ)はヱホバの()(まへ)(あく)をなし()のイスラエルに(つみ)(をか)させたるネバテの()ヤラベアムの(つみ)(おこな)ひつづけて(これ)(はな)れざりき 3(ここ)においてヱホバ、イスラエルにむかひて(いかり)(はつ)しこれをその()のあひだ(つね)にスリアの(わう)ハザエルの()にわたしおき(また)ハザエルの()ベネハダデの()(わた)(おき)たまひしが 4ヨアハズ、ヱホバに(こひ)(もと)めたればヱホバつひにこれを(きき)いれたまへり()はイスラエルの苦難(なやみ)()そなはしたればなり(すなは)ちスリアの(わう)これをなやませるなり 5ヱホバつひに救者(すくひて)をイスラエルにたまひたればイスラエルの子孫(ひとびと)はスリア(びと)()(はな)れて疇昔(まへ)(ごと)くに己々(おのれおのれ)(てん)(まく)(すむ)にいたれり 6(ただ)彼等(かれら)はイスラエルに(つみ)(をか)さしめたるヤラベアムの(いへ)(つみ)をはなれずして(これ)をおこなひつづけたりサマリヤにも(また)アシタロテの(ざう)たちをりぬ 7(さき)にスリアの(わう)(たみ)(ほろぼ)(ふみ)くだく(ちり)のごとくに(これ)をなして(ただ)騎兵(きへい)五十(にん)(くるま)(りやう)()(へい)(まん)(にん)而巳(のみ)をヨアハズに(のこ)せり 8ヨアハズのその(ほか)行爲(わざ)とその(すべ)(なし)たる(こと)およびその(ちから)はイスラエルの(わう)歴代(れきだい)()(しよ)にしるさるるに(あら)ずや 9ヨアハズその先祖(せんぞ)(たち)とともに(ねむ)りたればこれをサマリヤに(はうむ)れりその()ヨアシこれに(かはり)(わう)となる 10ユダの(わう)ヨアシの三十七(ねん)にヨアハズの()ヨアシ、サマリヤにおいてイスラエルの(わう)となり十六(ねん)(くらゐ)にありき 11(かれ)ヱホバの()(まへ)(あく)をなし()のイスラエルに(つみ)(をか)させたるネバテの()ヤラベアムの(もろもろ)(つみ)にはなれずしてこれを(おこな)ひつづけたり 12ヨアシのその(ほか)行爲(わざ)とその(すべ)(なし)たる(こと)およびそのユダの(わう)アマジヤと(たたか)ひし(ちから)はイスラエルの(わう)歴代(れきだい)()(しよ)(しる)さるるに(あら)ずや 13ヨアシその先祖(せんぞ)(たち)とともに(ねむ)りてヤラベアム(くらゐ)にのぼれりヨアシはイスラエルの王等(わうたち)とおなじくサマリヤに(はうむ)らる 14(ここ)にエリシヤ(しに)(やまひ)にかかりて(やみ)をりしかばイスラエルの(わう)ヨアシ(かれ)(もと)にくだり()てその(かほ)(うへ)(なみだ)をこぼし(わが)(ちち)(わが)(ちち)イスラエルの(へい)(しや)よその騎兵(きへい)よと(いへ)15エリシヤかれにむかひ(ゆみ)()をとれと(いひ)ければすなはち(ゆみ)()をとれり 16エリシヤまたイスラエルの(わう)(なんぢ)()(ゆみ)にかけよと(いひ)ければすなはちその()をかけたり(ここ)においてエリシヤその()(わう)()(うへ)(おき)17(ひがし)(むき)(まど)(ひら)けと(いひ)たれば(これ)(ひら)きけるにエリシヤまた()よと(いへ)(かれ)すなはち()たればエリシヤ()ふヱホバよりの拯救(すくひ)()スリアに(たい)する拯救(すくひ)()(なんぢ)(かな)らずアベクにおいてスリア(びと)(うち)やぶりてこれを(ほろぼ)しつくすにいたらん 18エリシヤまた()()れと(いひ)ければ(とれ)りエリシヤまたイスラエルの(わう)()()よといひけるに三次(みたび)()(やめ)たれば 19(かみ)(ひと)(いかり)()(なんぢ)(いつ)(たび)()(たび)()るべかりしなり(しか)せしならば(なんぢ)スリアを(うち)やぶりて(これ)(ほろぼ)しつくすことを()(され)(いま)(しか)せざれば(なんぢ)がスリアを(うち)やぶることは三次(みたび)のみなるべしと 20エリシヤ(つひ)(しに)たればこれを(はうむ)りしが(とし)(たち)かへるに(および)てモアブの(ぞく)(たう)(くに)にいりきたれり 21(とき)一箇(ひとり)(ひと)(はうむ)らんとする(もの)ありしが(ぞく)(たう)()たればその(ひと)をエリシヤの(はか)におしいれけるにその(ひと)いりてエリシヤの(ほね)にふるるや(いき)かへりて(たち)あがれり 22スリアの(わう)ハザエルはヨアハズの(いつ)(しやう)(あひだ)イスラエルをなやましたりしが 23ヱホバそのアブラハム、イサク、ヤコブと契約(けいやく)をむすびしがためにイスラエルをめぐみ(これ)(あはれ)みこれを(かへり)みたまひ(これ)(ほろぼ)すことを(この)まず(なほ)これをその(まへ)より(すて)はなちたまはざりき 24スリアの(わう)ハザエルつひに(しに)てその()ベネハダデこれに(かは)りて(わう)となれり 25(ここ)においてヨアズの()ヨアシはその(ちち)ヨアハズがハザエルに攻取(せめとら)れたる邑々(まちまち)をハザエルの()ベネハダデの()より(とり)かへせり(すなは)ちヨアシは三次(みたび)かれを(やぶ)りてイスラエルの邑々(まちまち)(とり)かへしぬ

第十四章

1イスラエルの(わう)ヨアハズの()ヨアシの二(ねん)にユダの(わう)ヨアシの()アマジヤ(わう)となれり 2(かれ)(わう)となれる(とき)二十五(さい)にして二十九(ねん)(あひだ)エルサレムにて()(をさ)めたりその(はは)はエルサレムの(もの)にして()をヱホアダンと(いへ)3アマジヤはヱホバの(よし)()たまふ(こと)をなしたりしがその先祖(せんぞ)ダビデのごとくはあらざりき(かれ)(すべて)(こと)において(その)(ちち)ヨアシがなせしごとくに(こと)をなせり 4(ただ)崇邱(たかきところ)はのぞかずしてあり(たみ)はなほその崇邱(たかきところ)において犠牲(いけにへ)をささげ(かう)(たけ)5(かれ)(くに)のその()(かた)くたつにおよびてその(ちち)(わう)(しい)せし臣僕(しもべ)()(ころ)したりしが 6その弑殺(しさつ)(にん)子女(こども)()(ころ)さざりき(これ)はモーセの律法(おきて)(しよ)(しる)されたる(ところ)にしたがへるなり(すなは)ちヱホバ(めい)じて(いひ)たまはく子女(こども)(ゆゑ)によりて(ちち)(ころ)すべからず(ちち)(ゆゑ)によりて子女(こども)(ころ)すべからず(ひと)はみなその()(つみ)によりて(しぬ)べき(もの)なりと 7アマジヤまた(しほの)(たに)においてエドミ(びと)(まん)(ころ)せり(また)セラを(せめ)とりてその()をヨクテルとなづけしが今日(こんにち)まで(しか)8かくてアマジヤ使者(つかひ)をヱヒウの()ヨアハズの()なるイスラエルの(わう)ヨアシにおくりて(きた)我儕(われら)たがひに(かほ)をあはせんと(いひ)しめければ 9イスラエルの(わう)ヨアシ、ユダの(わう)アマジヤに(いひ)おくりけるはレバノンの荊棘(いばら)かつてレバノンの香柏(かうはく)(なんぢ)女子(むすめ)をわが()(つま)にあたへよと(いひ)おくりたることありしにレバノンの()(じう)とほりてその荊棘(いばら)(ふみ)たふせり 10(なんぢ)(おほい)にエドムに(かち)たれば(こころ)(ほこ)るその榮譽(ほまれ)にやすんじて(いへ)()れなんぞ(わざはひ)(ひき)おこして自己(おのれ)もユダもともに(ほろび)んとするやと 11(しか)るにアマジヤ(きく)ことをせざりしかばイスラエルの(わう)ヨアシのぼり(きた)れり(ここ)において(かれ)とユダの(わう)アマジヤはユダのベテシメシにてたがひに(かほ)をあはせたりしが 12ユダ、イスラエルに(やぶ)られて各人(おのおの)その(てん)(まく)(にげ)かへりぬ 13(ここ)においてイスラエルの(わう)ヨアシはアジアの()ヨアシの()なるユダの(わう)アマジヤをベテシメシに(とら)(しか)してエルサレムにいたりてエルサレムの石垣(いしがき)をエフライムの(もん)より(すみ)(もん)まで(おほよ)そ四(ひやく)キユビトを(こぼ)14またヱホバの(いへ)(わう)(いへ)(くら)とにあるところの金銀(きんぎん)および(もろもろ)(うつは)をとりかつ(ひと)(じち)をとりてサマリヤにかへれり 15ヨアシがなしたるその(ほか)行爲(わざ)とその(ちから)およびそのイスラエルの(わう)アマジヤと(たたか)ひし(こと)はイスラエルの(わう)歴代(れきだい)()(しよ)にしるさるるにあらずや 16ヨアシその先祖(せんぞ)(たち)とともに(ねむ)りてイスラエルの王等(わうたち)とともにサマリヤに(はうむ)られその()ヤラベアムこれに(かは)りて(わう)となれり 17ヨアシの()なるユダの(わう)アマジヤはヨアハズの()なるイスラエルの(わう)ヨアシの(しに)てより(のち)なほ十五(ねん)生存(いきながら)へたり 18アマジヤのその(ほか)行爲(わざ)はユダの(わう)歴代(れきだい)()(しよ)にしるさるるにあらずや 19(ここ)にエルサレムにおいて(たう)をむすびて(かれ)(てき)する(もの)ありければ(かれ)ラキシに(にげ)ゆきけるにその人々(ひとびと)ラキシに(ひと)をやりて(かれ)彼處(そこ)(ころ)さしめたり 20人衆(ひとびと)かれを(むま)(おは)せてもちきたりエルサレムにおいてこれをその先祖(せんぞ)(たち)とともにダビデの(まち)(はうむ)りぬ 21ユダの(たみ)みなアザリヤをとりて(わう)となしてその(ちち)アマジヤに(かはら)しめたり(とき)(とし)十六なりき 22(かれ)エラテの(まち)(たて)てこれを(ふたた)びユダに()せしめたり(これ)はかの(わう)がその先祖(せんぞ)(たち)とともに(ねむ)りし(のち)なりき 23ユダの(わう)ヨアシの()アマジヤの十五(ねん)にイスラエルの(わう)ヨアシの()ヤラベアム、サマリヤにおいて(わう)となり四十一(ねん)(くらゐ)にありき 24(かれ)はヱホバの()(まへ)(あく)をなし()のイスラエルに(つみ)(をか)さしめたるネバテの()ヤラベアムの(つみ)(はな)れざりき 25(かれ)ハマテの(いり)(くち)よりアラバの(うみ)までイスラエルの邊境(さかひ)恢復(とりかへ)せりイスラエルの(かみ)ヱホバがガテヘペルのアミツタイの()なるその(しもべ)預言者(よげんしや)ヨナによりて(いひ)たまひし(ことば)のごとし 26ヱホバ、イスラエルの艱難(なやみ)()たまふに(それ)(はなは)(くるし)かり(すなは)(つなが)れたる(もの)もあらず(つなが)れざる(もの)もあらず(また)イスラエルを(たすく)(もの)もあらず 27ヱホバは(われ)イスラエルの()(あめが)(した)(けし)(さら)んとすと(いひ)たまひしこと()(かへつ)てヨアシの()ヤラベアムの()をもてこれを(すく)ひたまへり 28ヤラベアムのその(ほか)行爲(わざ)とその(すべ)てなしたる(こと)およびその戰爭(いくさ)をなせし(ちから)その(さき)にユダに(ぞく)()たることありしダマスコとハマテを(ふたた)びイスラエルに()せしめたる(こと)はイスラエルの(わう)歴代(れきだい)()(しよ)(しる)さるるにあらずや 29ヤラベアムその先祖(せんぞ)たるイスラエルの王等(わうたち)とともに(ねむ)りその()ザカリヤこれに(かは)りて(わう)となれり

第十五章

1イスラエルの(わう)ヤラベアムの二十七(ねん)にユダの(わう)アマジヤの()アザリヤ(わう)となれり 2(かれ)(わう)となれる(とき)に十六(さい)なりしが五十二(ねん)(あひだ)エルサレムにおいて()(をさ)めたりその(はは)はエルサレムの(もの)にして()をヱコリアと()3(かれ)はヱホバの(よし)()たまふ(こと)をなし(すべて)(こと)においてその(ちち)アマジヤがなしたるごとく(おこな)へり 4(ただ)崇邱(たかきところ)(のぞ)かずしてあり(たみ)(なほ)その崇邱(たかきところ)(うへ)犠牲(いけにへ)をささげ(かう)をたけり 5ヱホバ(わう)(うち)たまひしかばその(しぬ)()まで(らい)(びやう)(にん)となり(はなれ)殿(どの)(をり)ぬその()ヨタム(いへ)(こと)管理(つかさどり)(くに)(たみ)審判(さばけ)6アザリヤのその(ほか)行爲(わざ)とその(すべ)てなしたる(こと)はユダの(わう)歴代(れきだい)()(しよ)にしるさるるにあらずや 7アザリヤその先祖(せんぞ)(たち)とともに(ねむ)りたればこれをダビデの(まち)にその先祖(せんぞ)(たち)とともに(はうむ)れりその()ヨタムこれに(かは)りて(わう)となる 8ユダの(わう)アザリヤの三十八(ねん)にヤラベアムの()ザカリア、サマリヤにおいてイスラエルの(わう)となれりその(あひだ)()(つき) 9(かれ)その先祖(せんぞ)(たち)のなせしごとくヱホバの()(まへ)(あく)()()のイスラエルに(つみ)(をか)させたるネバテの()ヤラベアムの(つみ)(はな)れざりき 10(ここ)にヤベシの()シヤルム(たう)をむすびて(これ)(てき)(たみ)(まへ)にてこれを(うち)(しい)しこれに(かは)りて(わう)となれり 11ザカリヤのその(ほか)行爲(わざ)はイスラエルの(わう)歴代(れきだい)()(しよ)(しる)さる 12ヱホバのヱヒウに(つげ)たまひし(ことば)(これ)なり(いは)(なんぢ)子孫(しそん)()(だい)までイスラエルの(くらゐ)()せんと(はた)して(しか)13ヤベシの()シヤルムはユダの(わう)ウジヤの三十九(ねん)(わう)となりサマリヤにおいて一月(ひとつき)(あひだ)(わう)たりき 14(とき)にガデの()メナヘム、テルザより(のぼ)りでサマリヤに(きた)りヤベシの()シヤルムをサマリヤに(うち)てこれを(ころ)(これ)にかはりて(わう)となれり 15シヤルムのその(ほか)行爲(わざ)とその()(たう)をむすびし(こと)はイスラエルの(わう)歴代(れきだい)()(しよ)にしるさる 16その(のち)メナヘム、テルザよりいたりてテフサとその(うち)にあるところの(もの)およびその四周(まはり)()(うて)(すなは)ちかれら(おのれ)がために(ひら)くことをせざりしかばこれを(うち)てその(うち)(はらみ)(をんな)をことごとく刳剔(さき)たり 17ユダの(わう)アザリヤの三十九(ねん)にガデの()メナヘム、イスラエルの(わう)となりサマリヤにおいて十(ねん)(あひだ)()(をさ)めたり 18(かれ)ヱホバの()(まへ)(あく)をなし()のイスラエルに(つみ)(をか)させたるネバテの()ヤラベアムの(つみ)生涯(しやうがい)(はな)れざりき 19(ここ)にアツスリヤの(わう)ブルその()(せめ)きたりければメナヘム(ぎん)(せん)タラントをブルにあたへたり()(かれ)をして(おのれ)(たす)けしめ(これ)によりて(くに)(おのれ)()(かた)(たた)しめんとてなりき 20(すなは)ちメナヘムその(ぎん)をイスラエルの(すべて)大富者(おほがねもち)(くわ)しその人々(ひとびと)各々(おのおの)(ぎん)五十シケルを(いだ)さしめてこれをアツスリヤの(わう)にあたへたり(ここ)をもてアツスリヤの(わう)(かへ)りゆきて(くに)(とどま)ることをせざりき 21メナヘムのその(ほか)行爲(わざ)とその(すべ)てなしたる(こと)はイスラエルの(わう)歴代(れきだい)()(しよ)にしるさるるにあらずや 22メナヘムその先祖(せんぞ)(たち)とともに(ねむ)りその()ペカヒヤこれに(かはり)(わう)となれり 23メナヘムの()ペカヒヤはユダの(わう)アザリヤの五十(ねん)にサマリヤにおいてイスラエルの(わう)となり二(ねん)のあひだ(くらゐ)にありき 24(かれ)ヱホバの()のまへに(あく)をなし()のイスラエルに(つみ)(をか)させたるネバテの()ヤラベアムの(つみ)(はな)れざりき 25(ここ)にその(しやう)(くわん)なるレマリヤの()ペカ(たう)をむすびて(かれ)(てき)しサマリヤにおいて(わう)(いへ)(おく)(しつ)にこれを(うち)ころしアルゴブとアリエをもこれとともに(ころ)せり(とき)にギレアデ(ひと)五十(にん)ペカとともにありきペカすなはち(かれ)をころしかれに(かはり)(わう)となれり 26ベカヒヤのその(ほか)行爲(わざ)とその(すべ)(なし)たる(こと)はイスラエルの(わう)歴代(れきだい)()(しよ)にしるさる 27レマリヤの()ペカはユダの(わう)アザリヤの五十二(ねん)にサマリヤに(おい)てイスラエルの(わう)となり二十(ねん)(くらゐ)にありき 28(かれ)ヱホバの()(まへ)(あく)をなし()のイスラエルに(つみ)ををかさせたるネバテの()ヤラベアムの(つみ)にはなれざりき 29イスラエルの(わう)ペカの()にアツスリヤの(わう)テグラテビレセル(きた)りてイヨン、アベルベテマアカ、ヤノア、ケデシ、ハゾルおよびギレアデならびにナフタリの全地(ぜんち)ガリラヤを()りその人々(ひとびと)をアツスリヤに(とら)へうつせり 30(ここ)にエラの()ホセア(たう)をむすびてレマリヤの()ペカに(てき)しこれを(うち)(ころ)しこれに(かはり)(わう)となれり(これ)はウジヤの()ヨタムの二十(ねん)にあたれり 31ペカのその(ほか)行爲(わざ)とその(すべ)てなしたる(こと)はイスラエルの(わう)歴代(れきだい)()(しよ)にしるさる 32レマリヤの()イスラエルの(わう)ペカの二(ねん)にウジヤの()ユダの(わう)ヨタム(わう)となれり 33(かれ)(わう)となれる(とき)二十五(さい)なりしがヱルサレムにて十六(ねん)()(をさ)めたり(はは)はザドクの(むすめ)にして()をヱルシヤといへり 34(かれ)はヱホバの()にかなふ(こと)をなし(すべ)てその(ちち)ウジヤのなしたるごとくにおこなへり 35(ただ)崇邱(たかきところ)(のぞ)かずしてあり(たみ)なほその崇邱(たかきところ)(うへ)犠牲(いけにへ)をささげ(かう)(たけ)(かれ)ヱホバの(いへ)(うへ)(もん)(たて)たり 36ヨタムのその(ほか)行爲(わざ)とその(すべ)てなしたる(こと)はユダの(わう)歴代(れきだい)()(しよ)にしるさるるにあらずや 37當時(そのころ)ヱホバ、スリアの(わう)レヂンとレマリヤの()ペカをユダにせめきたらせたまへり 38ヨタムその先祖(せんぞ)(たち)とともに(ねむ)りてその(ちち)ダビデの(まち)にその先祖(せんぞ)(たち)とともに(はうむ)られその()アハズこれに(かは)りて(わう)となれり

第十六章

1レマリヤの()ペカの十七(ねん)にユダの(わう)ヨタムの()アハズ(わう)となれり 2アハズは(わう)となれる(とき)二十(さい)にしてエルサレムにおいて十六(ねん)()(をさ)めたりしがその(かみ)ヱホバの(よし)()たまふ(こと)をその(ちち)ダビデのごとくは(おこな)はざりき 3(かれ)はイスラエルの王等(わうたち)(みち)にあゆみまたその()()(うち)(とほ)らしめたり(これ)はヱホバがイスラエルの子孫(ひとびと)(まへ)より(おひ)はらひたまひし異邦人(いはうじん)のおこなふところの(にく)むべき(こと)にしたがへるなり 4(かれ)崇邱(たかきところ)(うへ)(をか)(うへ)一切(すべて)(あを)()(した)犠牲(いけにへ)をささげ(かう)をたけり 5この(ころ)スリアの(わう)レヂンおよびレマリヤの()なるイスラエルの(わう)ペカ、エルサレムにせめのぼりてアハズを(かこ)みけるが(かつ)ことを()ざりき 6この(とき)にあたりてスリアの(わう)レヂン(また)エラテをスリアに()せしめユダヤ(びと)をエラテより(おひ)いだせり(しか)してスリア(びと)エラテにきたりて其處(そこ)()今日(こんにち)にいたる 7(ここ)においてアハズ使者(つかひ)をアツスリヤの(わう)テグラテピレセルにつかはして(いは)しめけるは(われ)(なんぢ)臣僕(しもべ)(なんぢ)()なりスリアの(わう)とイスラエルの(わう)(われ)(せめ)かかりをれば()(のぼ)りきたりてかれらの()より(われ)(すく)ひいだしたまへと 8アハズすなはちヱホバの(いへ)(わう)(いへ)(くら)とにあるところの(ぎん)(きん)をとりこれを禮物(おくりもの)としてアツスリヤの(わう)におくりしかば 9アツスリヤの(わう)かれの(こひ)(いれ)たりアツスリヤの(わう)すなはちダマスコに(せめ)のぼりて(これ)をとりその(たみ)をキルに(とらへ)うつしまたレヂンを(ころ)せり 10かくてアハズはアツスリヤの(わう)テグラテピレセルに(あは)んとてダマスコにゆきけるがダマスコにおいて一箇(ひとつ)祭壇(さいだん)()たればアスス(わう)その祭壇(さいだん)工作(つくり)にしたがひて(くはし)くこれが()式樣(ひながた)(こしら)へて祭司(さいし)ウリヤにこれをおくれり 11(ここ)において祭司(さいし)ウリヤはアハズ(わう)がダマスコよりおくりたる(ところ)にてらして一箇(ひとつ)祭壇(さいだん)をつくりアハズ(わう)がダマスコより(きた)るまでにこれを(つく)りおけり 12(ここ)(わう)ダマスコより(かへ)りてその祭壇(さいだん)()(だん)にちかよりてこれに(のぼ)13(だん)(うへ)燔祭(はんさい)素祭(そさい)()(くわん)(さい)をそそぎ酬恩祭(しうおんさい)()(そそ)げり 14(かれ)またヱホバの(まへ)なる(あかがね)(だん)(みや)(まへ)より(うつ)せり(すなは)ちこれをかの(あたら)しき(だん)とヱホバの(いへ)(あひだ)より(うつ)してかの(だん)(きた)(かた)(すゑ)たり 15(しか)してアハズ(わう)祭司(さいし)ウリヤに(めい)じて()(あさ)燔祭(はんさい)(ゆふ)素祭(そさい)および(わう)燔祭(はんさい)とその素祭(そさい)ならびに(くに)(ぢう)(たみ)燔祭(はんさい)とその素祭(そさい)および灌祭(くわんさい)はこの(おほい)なる(だん)(うへ)(やく)べし(また)この(うへ)燔祭(はんさい)(もの)()犠牲(いけにへ)(もの)()をすべて(そそ)ぐべし()(あかがね)(だん)(こと)はなほ(かんが)ふるあらん 16祭司(さいし)ウリヤすなはちアハズ(わう)のすべて(めい)じたるごとくに(しか)なせり 17またアハズ(わう)(だい)(ふち)(けづ)りて洗盤(たらひ)をその(うへ)よりうつしまた(うみ)をその(した)なる(あかがね)(うし)(うへ)よりおろして(いし)()(うへ)()18また(みや)(つく)りたる安息日(あんそくにち)(よう)遊廊(いうらう)および(わう)(そと)(いり)(くち)をアツスリヤの(わう)のためにヱホバの(いへ)(うち)(へん)じたり 19アハズのなしたるその(ほか)行爲(わざ)はユダの(わう)歴代(れきだい)()(しよ)にしるさるるにあらずや 20アハズその先祖(せんぞ)(たち)とともに(ねむ)りてダビデの(まち)にその先祖(せんぞ)(たち)とともに(はうむ)られその()ヒゼキヤこれにかはりて(わう)となれり

第十七章

1ユダの(わう)アハズの十二(ねん)にエラの()ホセア(わう)となりサマリヤにおいて九(ねん)イスラエルを(をさ)めたり 2(かれ)ヱホバの()(まへ)(あく)をなせしがその(さく)にありしイスラエルの王等(わうたち)のごとくはあらざりき 3アッスリヤの(わう)シヤルマネセル(せめ)のぼりたればホセアこれに(しん)(ぷく)して(みつぎ)(いれ)たりしが 4アッスリヤの(わう)つひにホセアの(おのれ)(そむ)けるを()たり()(かれ)使者(つかひ)をエジプトの(わう)ソにおくり(かつ)(まへ)歳々(としどし)なせしごとくに(みつぎ)をアッスリヤ(わう)(いれ)ざりければなり(ここ)においてアツスリヤの(わう)かれを禁錮(おしこめ)(ひとや)におけり 5すなはちアッスリヤの(わう)せめ(のぼ)りて(こく)(ちう)(あまね)くゆきめぐりサマリヤにのぼりゆきて三(ねん)(あひだ)これをせめ(かこ)みたりしが 6ホセアの九(ねん)におよびてアッスリヤの(わう)つひにサマリヤを()りイスラエルをアッスリヤに(とら)へゆきてこれをハラとハボルとゴザン(がは)(ほとり)とメデアの邑々(まちまち)とにおきぬ 7此事(このこと)ありしはイスラエルの子孫(ひとびと)(おのれ)をエジプトの()より(みちび)きのぼりてエジプトの(わう)パロの()(はなれ)しめたるその(かみ)ヱホバに(むかひ)(つみ)(をか)(ほか)神々(かみがみ)(うやま)8ヱホバがイスラエルの子孫(ひとびと)(まへ)より(おひ)はらひたまひし異邦人(いはうじん)法度(のり)にあゆみ(また)イスラエルの王等(わうたち)(まう)けし法度(のり)にあゆみたるに(より)てなり 9イスラエルの子孫(ひとびと)(ただし)からぬ(こと)をもてその(かみ)ヱホバを(おほ)ひかくしその邑々(まちまち)崇邱(たかきところ)をたてたり看守(みはり)(だい)より(しろ)にいたるまで(しか)10彼等(かれら)一切(すべて)高丘(たかをか)(うへ)一切(すべて)(あを)()(した)偶像(ぐうざう)とアシラ(ざう)()11ヱホバがかれらの(まへ)より(うつ)したまひし異邦人(いはうじん)のなせしごとくにその崇邱(たかきところ)(かう)()(また)(あく)(おこな)ひてヱホバを(いか)らせたり 12ヱホバかれらに汝等(なんぢら)これらの(こと)(なす)べからずと(いひ)おきたまひしに彼等(かれら)偶像(ぐうざう)(つか)ふることを(なせ)しなり 13ヱホバ(もろもろ)預言者(よげんしや)(もろもろ)先見者(せんけんしや)によりてイスラエルとユダに見證(あかし)をたて汝等(なんぢら)(ひるが)へりて(なんぢ)らの(あし)(みち)(はな)れわが誡命(いましめ)わが法度(のり)をまもり()汝等(なんぢら)先祖(せんぞ)()(めい)じまたわが(しもべ)なる預言者(よげんしや)()によりて汝等(なんぢら)(つた)へし(おきて)率由(かな)ふやうにせよと(いひ)たまへり 14(しか)るに(かれ)(きく)ことをせずしてその(うなじ)(こは)くせり(かれ)らの先祖(せんぞ)()がその(かみ)ヱホバを(しん)ぜずしてその(うなじ)(こは)くしたるが(ごと)15彼等(かれら)はヱホバの法度(のり)()てヱホバがその先祖(せんぞ)()(むす)びたまひし契約(けいやく)()てまたその彼等(かれら)見證(あかし)したまひし證言(あかし)()(かつ)虚妄(むなしき)(もの)にしたがひて虚浮(むなしく)なりまたその周圍(まはり)なる異邦人(いはうじん)(あと)をふめり(これ)はヱホバが(かく)のごとくに(こと)をなすべからずと(かれ)らに(めい)(たま)ひし(もの)なり 16彼等(かれら)その(かみ)ヱホバの(もろもろ)誡命(いましめ)()(おのれ)のために(ふたつ)(うし)(ざう)()なし(また)アシラ(ざう)(つく)(てん)衆群(しうぐん)(をが)(かつ)バアルに(つか)17またその子息(むすこ)息女(むすめ)()(なか)(とほ)らしめ卜筮(うらなひ)および禁厭(まじなひ)をなしヱホバの()(まへ)(あく)(なす)ことに()(ゆだ)ねてその(いかり)惹起(ひきおこ)せり 18(ここ)をもてヱホバ(おほい)にイスラエルを(いか)りこれをその(まへ)より(のぞ)きたまひたればユダの支派(わかれ)のほかは(のこ)れる(もの)なし 19(しか)るにユダもまたその(かみ)ヱホバの誡命(いましめ)を守ずしてイスラエルの(たて)たる法度(のり)にあゆみたれば 20ヱホバ、イスラエルの苗裔(すゑ)ぞことごとく(すて)これを(くる)しめこれをその(かす)むる(もの)()(わた)して(つひ)にこれをその(まへ)より(うち)すてたまへり 21すなはちイスラエルをダビデの(いへ)より(さき)はなしたまひしかばイスラエル、ネバテの()ヤラベアムを(わう)となせしにヤラベアム、イスラエルをしてヱホバにしたがふことを(やめ)しめてこれに(おほい)なる(つみ)(をか)さしめたりしが 22イスラエルの子孫(ひとびと)はヤラベアムのなせし(もろもろ)(つみ)をおこなひつづけてこれに(はな)るることなかりければ 23(つひ)にヱホバその(しもべ)なる(もろもろ)預言者(よげんしや)をもて(いひ)たまひしごとくにイスラエルをその(まへ)より(のぞ)きたまへりイスラエルはすなはちその(くに)よりアッスリヤにうつされて今日(こんにち)にいたる 24(かく)てアッスリヤの(わう)バビロン、クタ、アワ、ハマテおよびセパルワイムより(ひと)をおくりてこれをイスラエルの子孫(ひとびと)(かはり)にサマリヤの邑々(まちまち)(おき)ければその人々(ひとびと)サマリヤを(たも)ちてその邑々(まちまち)(すみ)しが 25その彼處(かしこ)(はじめ)(すめ)(とき)には彼等(かれら)ヱホバを(うやま)ふことをせざりしかばヱホバ獅子(しし)をかれらの(うち)(おく)りたまひてその獅子(しし)かれら若干(そこばく)(ころ)せり 26(これ)によりてアッスリヤの(わう)(つげ)()(なんぢ)(うつし)てサマリヤの邑々(まちまち)におきたまひしかの國々(くにぐに)(たみ)はこの()(かみ)(みち)(しら)ざるが(ゆゑ)にその(かみ)獅子(しし)をかれらの(うち)におくりて獅子(しし)かれらを(ころ)せり()彼等(かれら)その(くに)(かみ)(みち)(しら)ざるに(より)てなり 27アッスリヤの(わう)すなはち(めい)(くだ)して()汝等(なんぢら)彼處(かしこ)より(ひき)きたりし祭司(さいし)一人(ひとり)彼處(かしこ)(つれ)ゆけ(すなは)(かれ)をして彼處(かしこ)にいたりて(すま)しめその(くに)(かみ)(みち)をその人々(ひとびと)(をし)へしめよと 28(ここ)(おい)てサマリヤより(うつさ)れし祭司(さいし)一人(ひとり)きたりてベテルに()みヱホバの(うやま)ふべき(こと)をかれらに(をし)へたり 29その(たみ)はまた各々(おのおの)自分(おのれ)自分(おのれ)神々(かみがみ)(つく)りてこれをかのサマリア(びと)(つく)りたる(もろもろ)崇邱(たかきところ)安置(あんち)せり(たみ)みなその(すめ)邑々(まちまち)において(しか)なしぬ 30(すなは)ちバビロンの人々(ひとびと)はスコテペノテを(つく)りクタの人々(ひとびと)はネルガルを(つく)りハマテの人々(ひとびと)はアシマを(つく)31アビ(びと)はニブハズとタルタクを(つく)りセパルワイ(びと)(その)子女(こども)()(やき)てセパルワイムの(かみ)アデランメルクおよびアナンメルクに(ささ)げたり 32(かれ)(また)ヱホバを(うやま)凡俗(よのつね)(たみ)をもて崇邱(たかきところ)祭司(さいし)となしたれば其人(そのひと)これがために崇邱(たかきところ)家々(いへいへ)にて職務(つとめ)をなせり 33(かく)その人々(ひとびと)ヱホバを(うやま)ひたりしが(また)その(たづさ)(いだ)されし國々(くにぐに)風俗(ならはし)にしたがひて自己(おのれ)自己(おのれ)神々(かみがみ)(つか)へたり 34今日(こんにち)にいたるまで彼等(かれら)(さき)習俗(ならはし)にしたがひて(こと)をなしヱホバを(うやま)はず彼等(かれら)法度(のり)をも例典(さだめ)をも(おこな)はず(また)ヱホバがイスラエルを(なづ)けたまひしヤコブの子孫(しそん)(めい)じたまひし律法(おきて)をも誡命(いましめ)をも(おこな)はざるなり 35(むかし)ヱホバこれと契約(けいやく)をたてこれに(めい)じて(いひ)たまひけらく汝等(なんぢら)(ほか)(かみ)(うやま)ふべからずまたこれを(をが)みこれに(つか)へこれに犠牲(いけにへ)をささぐべからず 36(ただ)(おほい)なる(ちから)をもて(うで)(のべ)汝等(なんぢら)をエジプトの()より(みちび)(のぼ)りしヱホバをのみ汝等(なんぢら)(うやま)ひこれを(をが)みこれにこれに犠牲(いけにへ)をささぐべし 37またその汝等(なんぢら)のために(しる)したまへる法度(のり)例典(さだめ)律法(おきて)誡命(いましめ)汝等(なんぢら)(つつし)みて(つね)(まも)るべし(ほか)神々(かみがみ)(うやま)ふべからず 38()汝等(なんぢら)とむすびし契約(けいやく)汝等(なんぢら)(わす)るべからず(また)(ほか)神々(かみがみ)(うやま)ふべからず 39(ただ)(なんぢ)らの(かみ)ヱホバを(うやま)ふべし(かれ)なんじらをその(もろもろ)(てき)()より(すく)ひいださん 40(しか)るに彼等(かれら)(きく)ことをせずしてなほ(さき)習俗(ならはし)にしたがひて(こと)(おこな)へり 41(さて)この國々(くにぐに)(たみ)(かく)ヱホバを(うやま)ひまたその(きざ)める(ざう)(つかへ)たりしがその()(まご)(とも)(しか)りその先祖(せんぞ)のなせしごとくに今日(こんにち)までも(しか)なすなり

第十八章

1イスラエルの(わう)エラの()ホセアの三(ねん)にユダの(わう)アハズの()ヒゼキア(わう)となれり 2(かれ)(わう)となれる(とき)二十五(さい)にしてエルサレムにて二十九(ねん)()ををさめたりその(はは)はザカリヤの(むすめ)にして()をアビといへり 3ヒゼキヤはその(ちち)ダビデの(すべ)てなせしごとくヱホバの(よし)()たまふ(こと)をなし 4崇邱(たかきところ)(のぞ)偶像(ぐうざう)(こぼ)ちアシラ(ざう)(きり)たふしモーセの(つく)りし(あかがね)(へび)(うち)(くだ)けりこの(とき)までイスラエルの子孫(ひとびと)その(へび)にむかひて(かう)(たき)たればなり人々(ひとびと)これをネホシタン((どう)(ぶつ))と(よび)なせり 5ヒゼキヤはイスラエルの(かみ)ヱホバを(たのめ)(ここ)をもて(かれ)(あと)にも(かれ)(さき)にもユダの(もろもろ)王等(わうたち)(うち)(かれ)(しく)ものなかりき 6(すなは)(かれ)(かた)くヱホバに()をよせてこれに(したが)ふことをやめずヱホバがモーセに(めい)じたまひしその誡命(いましめ)(まも)れり 7ヱホバ(かれ)とともに(いま)したれば(かれ)はその(ゆく)ところにて(すべ)利達(さいはひ)()たり(かれ)はアッスリヤの(わう)(そむ)きてこれに(つか)へざりき 8(かれ)ペリシテ(びと)(うち)(やぶ)りてガザにいたりその(さかひ)(たつ)看守(みはり)(だい)より(しろ)にまで(およ)べり 9ヒゼキヤ(わう)の四(ねん)すなはちイスラエルの(わう)エラの()ホセアの七(ねん)にアッスリヤの(わう)シヤルマネセル、サマリヤに(せめ)のぼりてこれを(かこ)みけるが 10(ねん)(のち)つひに(これ)(とれ)りサマリヤの(とら)れしはヒゼキヤの六(ねん)にしてイスラエルの(わう)ホセアの九(ねん)にあたる 11アッスリヤの(わう)イスラエルをアッスリヤに(とら)へゆきてこれをハラとゴザン(がは)(ほとり)とメデアの邑々(まちまち)におきぬ 12()彼等(かれら)その(かみ)ヱホバの(ことば)(したが)はずその契約(けいやく)(やぶ)りヱホバの(しもべ)モーセが(すべ)(めい)じたる(こと)をやぶりこれを(きく)ことも(おこな)ふこともせざるによりてなり 13ヒゼキヤ(わう)の十四(ねん)にアッスリヤの(わう)セナケリブ(せめ)のぼりてユダの(もろもろ)(かた)(まち)(とり)ければ 14ユダの(わう)ヒゼキヤ(ひと)をラキシにつかはしてアッスリヤの(わう)にいたらしめて()(われ)(あやま)てり(われ)(はな)れて(かへ)りたまへ(なんぢ)(われ)(かうむ)らしむる(もの)(われ)これを(なす)べしとアッスリヤの(わう)すなはち(ぎん)(びやく)タラント(きん)三十タラントをユダの(わう)ヒゼキヤに(くわ)したり 15(ここ)においてヒゼキヤ、ヱホバの(いへ)(わう)(いへ)(くら)とにあるところの(ぎん)をことごとく(かれ)(あた)へたり 16此時(このとき)ユダの(わう)ヒゼキヤまた(おのれ)(きん)(きせ)たりしヱホバの(みや)()および(はしら)(はぎ)てこれをアッスリヤの(わう)(あた)へたり 17アッスリヤの(わう)またタルタン、ラブサリスおよびラブシヤケをしてラキシより大軍(たいぐん)をひきゐてエルサレムにむかひてヒゼキヤ(わう)(ところ)にいたらしめたればすなはち(のぼ)りてエルサレムにきたれり彼等(かれら)(すなは)(のぼ)(きた)漂布(さらし)()大路(おほぢ)沿(そへ)るよの池塘(ためいけ)(すゐ)(だう)(ほとり)にいたりて(たて)18(しか)して彼等(かれら)(わう)(よび)たればヒルキヤの()なる宮内(くない)(きやう)エリアキム書記(しよき)(くわん)セブナおよびアサフの()なる史官(しくわん)ヨア(いで)きたりて彼等(かれら)(いた)りけるに 19ラブシヤケこれに(いひ)けるは汝等(なんぢら)ヒゼキヤに(いふ)べし(だい)(わう)アッスリヤの(わう)かく(いひ)たまふ(この)(なんぢ)(たの)むところの(もの)(なに)ぞや 20(なんぢ)戰爭(いくさ)をなすの謀計(はかりごと)勇力(ちから)とを(いふ)(ただ)これ(くち)(さき)言語(ことば)たるのみ(たれ)(たの)みて(われ)(そむ)くことをせしや 21()(なんぢ)(をれ)かかれる(あし)(つゑ)なるエジプトを(たの)(それ)(ひと)(それ)()るあればすなはちその()(さし)とほすなりエジプトの(わう)パロは(すべ)てこれを(たの)(もの)(かく)あるなり 22汝等(なんぢら)あるひは(われ)はわれらの(かみ)ヱホバを(たの)むと(われ)(いは)(かれ)はヒゼキヤがその崇邱(たかきところ)祭壇(さいだん)とを(のぞ)きたる(もの)にあらずやまた(かれ)はユダとエルサレムに(つげ)汝等(なんぢら)はエルサレムに(おい)てこの(だん)(まへ)祷拝(をがみ)をなすべしと(いひ)しにあらずや 23(され)()ふわが主君(きみ)アッスリヤの(わう)(やく)をなせ(なんぢ)もし(ひと)(のら)しむることを()(われ)(むま)(せん)(びき)(なんぢ)にあたへん 24(なんぢ)いかにしてか(わが)主君(きみ)(しよ)(しん)(うち)(もつと)(ちひさ)(いつ)(しやう)だにも退(しりぞ)くることを()(なんぢ)なんぞエジプトを(たの)みて(へい)(しや)騎兵(きへい)をこれに(あふ)がんとするや 25また(われ)とても(いま)ヱホバの(むね)によらずして(この)(ところ)(ほろぼ)しに(のぼ)れるならんやヱホバ(われ)(この)(ところ)(せめ)のぼりてこれを(ほろぼ)せと(いひ)たり 26(とき)にヒルキヤの()エリアキムおよびセブナとヨア、ラダシヤケにいひけるは()ふスリアの(ことば)をもて(しもべ)()(かた)りたまへ我儕(われら)これを(しる)なり石垣(いしがき)(うへ)にをる(たみ)(きけ)るところにてユダヤ(ことば)をもて我儕(われら)言談(ものいひ)たまふなかれ 27ラブシヤケかれらに()ふわが(きみ)(ただ)(われ)(なんぢ)(きみ)(なんぢ)とにつかはして(この)(ことば)をのべしめたまふならんや(また)石垣(いしがき)(うへ)()する人々(ひとびと)にも(われ)(つかは)して彼等(かれら)をして汝等(なんぢら)とともに自己(おのれ)便(べん)(でき)(くら)(かつ)(のむ)にいたらしめんとしたまふにあらずやと 28(しか)してラブシヤケ(たち)あがりユダヤ(ことば)をもて(おほ)(ごゑ)(よば)はり(こと)をいだして(いひ)けるは汝等(なんぢら)(だい)(わう)アッスリヤの(わう)(ことば)()29(わう)かく(いひ)たまふ汝等(なんぢら)ヒゼキヤに(あざむ)かるるなかれ(かれ)汝等(なんぢら)をわが()より(すく)ひいだすことをえざるなり 30ヒゼキヤがヱホバかならず(われ)らを(すく)ひたまはん(この)(まち)はアッスリヤの(わう)()(おちい)らじと(いひ)(なんぢ)らにヱホバを(たの)ましめんとするとも 31汝等(なんぢら)ヒゼキヤの(ことば)(きく)なかれアッスリヤの(わう)かく(いひ)たまふ汝等(なんぢら)(やく)をなして(われ)(くだ)(しか)して各人(おのおの)おのれの葡萄(ぶだう)()()(くら)各人(おのおの)おのれの無花果(いちじくの)()()をくらひ各人(おのおの)おのれの井水(ゐどみず)()めよ 32(われ)(きた)りて汝等(なんぢら)(ひとつ)(くに)(つれ)ゆかん()汝儕(なんぢら)(くに)のごとき(くに)(こく)(さけ)のある()パンと葡萄園(ぶだうばたけ)のある()(あぶら)(いづ)橄欖(かんらん)(みつ)とのある()なり汝等(なんぢら)(いく)ることを()(しぬ)ることあらじヒゼキヤ、ヱホバ我儕(われら)(すく)ひたまはんと(いひ)(なんぢ)らを(すすむ)るともこれを(きく)なかれ 33國々(くにぐに)(かみ)(うち)(いづれ)かその(くに)をアッスリヤの(わう)()より(すく)ひたりしや 34ハマテおよびアルパデの神々(かみがみ)何處(いづく)にあるセパルワイム、ヘナおよびアワの神々(かみがみ)何處(いづく)にあるやサマリヤをわが()より(すく)(いだ)せし神々(かみがみ)あるや 35國々(くにぐに)(かみ)(うち)にその(くに)をわが()より(すく)ひいだせし(もの)ありしや(され)ばヱホバいかでかエルサレムをわが()より(すく)ひいだすことを()んと 36(され)ども(たみ)(もく)して(ひと)(こと)もこれに(こた)へざりき()(わう)(めい)じてこれに(こた)ふるなかれと(いひ)おきたればなり 37かくてヒルキヤの()なる宮内(くない)(きやう)エリアキム書記(しよき)(くわん)セブナおよびアサの()なる史官(しくわん)ヨアその(ころも)をさきてヒゼキヤの(もと)にいたりラブシヤケの(ことば)をこれに(つげ)たり

第十九章

1ヒゼキヤ(わう)これを(きき)てその(ころも)()麻布(あさぬの)()にまとひてヱホバの(いへ)()2宮内(くない)(きやう)エリアキムと書記(しよき)(くわん)セブナと祭司(さいし)(うち)長老等(としよりたち)とに麻布(あさぬの)()せてこれをアモツの()預言者(よげんしや)イザヤに(つかは)せり 3彼等(かれら)イザヤに(いひ)けるはヒゼキヤかく()今日(けふ)艱難(なやみ)()懲罰(こらしめ)()(うち)(すて)らるる()なり嬰孩(こども)すでに(さん)(もん)にいたりて(これ)(うみ)いだす(ちから)なき(なり) 4ラブシヤケその主君(きみ)なるアッスリヤの(わう)差遣(つかはさ)れて(きた)(いけ)(かみ)(そし)(なんぢ)(かみ)ヱホバあるひは(かれ)(ことば)(きき)たまはん(しか)して(なんぢ)(かみ)ヱホバその(きけ)言語(ことば)責罰(とがめ)たまふこともあらん(され)(なんぢ)この(のこれ)(もの)(ため)祈祷(いのり)をたてまつれと 5ヒゼキヤ(わう)(しもべ)()すなはちイザヤの(もと)にいたりければ 6イザヤかれらに(いひ)けるは汝等(なんぢら)主君(きみ)にかく(いふ)べしヱホバかく(いひ)たまふアッスリヤの(わう)臣僕(しもべ)()(われ)(そし)るところの(ことば)(なんぢ)(きき)(おそ)るるなかれ 7(われ)かれの()をうつして風聲(うはさ)(きき)(おのれ)(くに)にかへるにいたらしめん(われ)また(かれ)をして自己(おのれ)(くに)(おい)(つるぎ)(たふ)れしむべしと 8(さて)またラブシヤケは(かへ)りゆきてアッスリヤの(わう)がリブナに戰爭(たたかひ)をなしをるとこるに(いた)れり()(かれ)そのラキシを(はな)れしを(きき)たればなり 9(ここ)にアッスリヤの(わう)はエテオピアの(わう)テルハカ(なんぢ)(せめ)きたると()ふを(きき)てまた使者(つかひ)をヒゼキヤにつかはして(いは)しむ 10汝等(なんぢら)ユダの(わう)ヒゼキヤに(つげ)(いふ)べし(なんぢ)エルサレムはアッスリヤの(わう)()(おちい)らじと(いひ)(なんぢ)(たの)むところの(かみ)(あざむ)かるるなかれ 11(なんぢ)はアッスリヤの王等(わうたち)(よろづ)國々(くにぐに)になしたるところの(こと)()(すなは)ちこれを(ほろぼ)しつくせしなり(され)(なんぢ)いかで(たすか)らんや 12(わが)父等(ちちたち)はゴザン、ハラン、レゼフおよびテラサルのエデンの人々(ひとびと)(など)(ほろ)ぼせしがその國々(くにぐに)(かみ)これを(すく)ひたりしや 13ハマテの(わう)アルバデの(わう)セバルワイムの(まち)およびヘナとアワの王等(わうたち)何處(いづく)にあるや 14ヒゼキヤ使者(つかひ)()より(ふみ)(うけ)てこれを()みヱホバの(いへ)にのぼりゆきてヱホバの(まへ)にこれを展開(ひろ)15(しか)してヒゼキヤ、ヱホバの(まへ)(いの)りて(いひ)けるはケルビムの(あひだ)にいますイスラエルの(かみ)ヱホバよ()國々(くにぐに)(うち)において(ただ)(なんぢ)のみ(かみ)にいます(なり)(なんぢ)天地(てんち)(つく)りたまひし(もの)にいます 16ヱホバよ(みみ)(かたむ)けて(きき)たまへヱホバよ()(ひら)きて()たまへセナケリブが(いけ)(かみ)(そし)りにおくれる言語(ことば)(きき)たまへ 17ヱホバよ(まこと)にアッスリヤの王等(わうたち)(もろもろ)(たみ)とその國々(くにぐに)(ほろぼ)18(また)その神々(かみがみ)()になげいれたり(それ)()(かみ)にあらず(ひと)()(つく)れる(もの)にして(ぼく)(せき)たればこれを(ほろぼ)せしなり 19(いま)われらの(かみ)ヱホバよ(ねがは)くは(われ)らをかれの()より(すく)ひいだしたまへ(しから)()國々(くにぐに)(みな)(なんぢ)ヱホバのみ(かみ)にいますことを(しる)にいたらん 20(ここ)にアモツの()イザヤ、ヒゼキヤに(いひ)つかはしけるはイスラエルの(かみ)ヱホバかく(いひ)たまふ(なんぢ)がセナケリブの(こと)につきて(われ)(いの)るところの(こと)(われ)これを(きけ)21ヱホバが(かれ)(こと)につきて()ふところの言語(ことば)(かく)のごとし(いは)處女(をとめ)なる女子(むすめ)シオンは(なんぢ)藐視(かろん)(なんぢ)(あざけ)女子(むすめ)エルサレムは(なんぢ)にむかひて(かしら)()22(なんぢ)(たれ)(そし)りかつ罵詈(ののしり)しや(なんぢ)(たれ)にむかひて(こゑ)をあげしや(なんぢ)はイスラエルの聖者(きよきもの)にむかひて(なんぢ)()(たか)(あげ)たるなり 23(なんぢ)使者(つかひ)をもて(しゆ)(そしり)()(われ)夥多(おびただ)(いくさ)(ぐるま)をひきゐて山々(やまやま)(いただき)にのぼりレバノンの(おく)にいたり(たけ)(たか)香柏(かうはく)(うるは)しき(まつの)()(きり)たふす(われ)その(さかひ)休息(やすみ)(どころ)にいたりその(その)(はやし)にいたる 24(われ)(よそ)(ぐに)()をほりて(みづ)()(われ)(あし)(うら)をもてエジプトの河々(かはがは)をことごとくふみ(から)すなり 25(なんぢ)(きか)ずや(むかし)われ(これ)()古時(いにしへ)よりわれ(これ)(さだ)めたり(いま)われ(これ)をおこなふ(すなは)(かた)邑々(まちまち)(なんぢ)のために坵墟(あれあと)となるなり 26(ここ)をもてそれらの(うち)にすむ(たみ)(ちから)(よわ)かり(おそ)れかつ(おどろ)くなり彼等(かれら)()(くさ)のごとく靑菜(あをな)のごとく屋蓋(やね)(くさ)のごとく(かる)(なへ)のごとし 27(なんぢ)(とどま)ると(なんぢ)(いづ)ると(なんぢ)(いる)(なんぢ)(われ)にむかひて(いかり)くるふとは(われ)(しる)ところなり 28(なんぢ)(いかり)くるふ(こと)(なんぢ)傲慢(ほこる)ところの(こと)(のぼ)りてわが(みみ)にいりたれば(われ)()(なんぢ)(はな)につけ(くつわ)(なんぢ)(くちびる)にほどこして(なんぢ)(もと)()(みち)へひきかへすべし 29(これ)(なんぢ)にあたふる(しるし)なり(すなは)ち一(ねん)(ひつぢぼ)(くら)第二年(にねんめ)には(また)その(ひつぢぼ)(くら)ふあらん第三年(さんねんめ)には(なんぢ)(まく)ことをし(かる)ことをし(また)葡萄園(ぶだうばたけ)をつくりてその()(くら)ふべし 30ユダの(いへ)(のが)れて(のこ)れる(もの)(また)()(した)()()(うへ)(むす)ばん 31(すなは)殘餘(のこれる)(もの)エルサレムより()逃避(のがれ)たる(もの)シオン(やま)より(いで)きたらんヱホバの熱心(ねつしん)これを(なす)べし 32(ゆゑ)にヱホバ、アッスリヤの(わう)(こと)をかく(いひ)たまふ(かれ)(この)(まち)(いら)(また)これに()(はな)つことあらず(たて)(これ)にむかひて(たつ)ることあらず(また)(るゐ)をきづきてこれを(せめ)ることあらじ 33(かれ)はその()(みち)より(かへ)らん(この)(まち)にいることあらじヱホバこれを()34(われ)わが()のため(また)わが(しもべ)ダビデのためにこの(まち)(まも)りてこれを(すく)ふべし 35その(よる)ヱホバの使者(つかひ)いでてアッスリヤ(びと)(ぢん)(えい)(もの)十八(まん)(せん)(にん)(うち)ころせり(あさ)(はや)(おき)いでて()るに(みな)(しに)(しかばね)となりをる 36アッスリヤの(わう)セナケリブすなはち(たち)いで(かへ)りゆきてニネベに(をり)しが 37その(かみ)ニスロクの(いへ)にありて禮拝(をがみ)をなしをる(とき)にその()アデランメレクとシヤレゼル(つるぎ)をもてこれを(ころ)せり(しか)して彼等(かれら)はアララテの(いけ)(にげ)ゆけり(ここ)においてその()エサルハドンこれに(かは)りて(わう)となれり

第二十章

1當時(そのころ)ヒゼキヤ(やみ)()なんとせしことありアモツの()預言者(よげんしや)イザヤ(かれ)(もと)にいたりて(これ)にいひけるはヱホバかく(いひ)たまふ(なんぢ)(いへ)(ひと)()(めい)をなせ(なんぢ)(しな)(いく)ることを()じと 2(ここ)においてヒゼキヤその(おもて)(かべ)にむけてヱホバに(いの)3嗚呼(ああ)ヱホバよ(ねがは)くは()眞實(しんじつ)一心(いつしん)をもて(なんぢ)(まへ)にあゆみ(なんぢ)()(かな)ふことを(おこな)ひしを記憶(おもひ)たまへと(いひ)(いた)(なけ)4かくてイザヤ(いま)(なか)(まち)(いで)はなれざる(うち)にヱホバの(ことば)これに(のぞ)みて()5(なんぢ)(かへ)りてわが(たみ)(きみ)ヒゼキヤに(つげ)(なんぢ)(ちち)ダビデの(かみ)ヱホバかく()(われ)(なんぢ)祈祷(いのり)(きけ)(なんぢ)(なみだ)()たり(され)(なんぢ)(いや)すべし第三日(みつかめ)には(なんぢ)ヱホバの(いへ)(いら)6(われ)(なんぢ)(よはひ)を十五(ねん)(ます)べし(われ)(なんぢ)とこの(まち)とをアッスリヤの(わう)()より(すく)(わが)()のため(また)わが(しもべ)ダビデのためにこの(まち)(まも)らんと 7(ここ)(おい)てイザヤ(ほし)無花果(いちじく)団塊(かたまり)一箇(ひとつ)(もち)きたれと(いひ)ければすなはち(これ)(もち)きたりてその腫物(はれもの)(つけ)たればヒゼキヤ(いえ)8ヒゼキヤ、イザヤに(いひ)けるはヱホバが(われ)(いや)したまふ(こと)第三日(みつかめ)()がヱホバの(いへ)にのぼりゆく(こと)とにつきては(なに)(しるし)あるや 9イザヤ(いひ)けるはヱホバがその(いひ)しところを(なし)たまはん(こと)につきては(なんぢ)ヱホバよりこの(しるし)()()(かげ)(すす)めること十()なり(もし)()(かげ)()退(しりぞ)かば如何(いかん) 10ヒゼキヤ(こた)へけるは()(かげ)の十()(すす)むは(やす)(こと)なり(しか)せざれ()(かげ)を十()しりぞかしめよ 11(ここ)において預言者(よげんしや)イザヤ、ヱホバに(よば)はりければアハスの日晷(ひどけい)(うへ)(すす)みし()(かげ)を十()しりぞかしめたまへり 12その(ころ)バラダンの()なるバビロンの(わう)メロダクバラダン(ふみ)および禮物(おくりもの)をヒゼキヤにおくれり()はヒゼキヤの(やみ)をるを(きき)たればなり 13ヒゼキヤこれがために(よろこ)びその寶物(たからもの)(くら)金銀(きんぎん)香物(かうもつ)(たふと)(あぶら)および武器庫(ぶきぐら)ならびにその府庫(くら)にあるところの一切(すべて)(もの)(これ)()せたりその(いへ)にある(もの)もその(くに)(うち)にある(もの)(なに)一箇(ひとつ)としてヒゼキヤが彼等(かれら)()せざる(もの)はなかりき 14(ここ)預言者(よげんしや)イザヤ、ヒゼキヤ(わう)のもとに(きた)りてこれに(いひ)けるは()人々(ひとびと)(なに)(いひ)しや何處(いづく)より(きた)りしやヒゼキヤ(いひ)けるは彼等(かれら)(とほ)(くに)より(すなは)ちバビロンより(きた)れり 15イザヤ()彼等(かれら)(なんぢ)(いへ)にて(なに)()しやヒゼキヤ(こた)へて()(わが)(いへ)にある(もの)(みな)かれら(これ)()たり(われ)(くら)(うち)には()がかれに()せざる(もの)なきなり 16イザヤすなはちヒゼキヤに(いひ)けるは(なんぢ)ヱホバの(ことば)()17ヱホバ(いひ)たまふ()()いたる(すべ)(なんぢ)(いへ)にある(もの)および(なんぢ)先祖(せんぞ)()今日(こんにち)までに積蓄(つみたくは)へたる(もの)はバビロンに(もち)ゆかれん(のこ)(もの)なかるべし 18(なんぢ)()より(いづ)(なんぢ)(うま)んところの子等(こら)(うち)彼等(かれら)(たづさ)(さら)(それ)()はバビロンの(わう)殿(みや)において官吏(くわんり)となるべし 19ヒゼキヤ、イザヤに()(なんぢ)(かた)れるヱホバの(ことば)()(また)いふ(もし)わが()にある(あひだ)大平(おだやか)眞實(まこと)とあらば(よき)にあらずや 20ヒゼキヤのその(ほか)行爲(わざ)その(ちから)およびその池塘(ためいけ)(すゐ)(だう)(つく)りて(みづ)(まち)にひきし(こと)はユダの(わう)歴代(れきだい)()(しよ)にしるさるるにあらずや 21ヒゼキヤその先祖(せんぞ)(たち)とともに(ねむ)りてその()マナセこれに(かは)りて(わう)となれり

第二十一章

1マナセ十二(さい)にして(わう)となり五十五(ねん)(あひだ)ヱルサレムにて()(をさ)めたりその(はは)()はヘフジバといふ 2マナセはヱホバの()(まへ)(あく)をなしヱホバがイスラエルの子孫(ひとびと)(まへ)より(おひ)はらひたまひし國々(くにぐに)(ひと)がなすところの(にく)むべき(こと)(なら)へり 3(かれ)はその(ちち)ヒゼキヤが(こぼち)たる崇邱(たかきところ)(あらた)(きづ)(また)イスラエルの(わう)アハブのなせしごとくバアルのために祭壇(さいだん)(きづ)きアシラ(ざう)(つく)(てん)衆群(しうぐん)(をが)みてこれに(つか)4またヱホバの(いへ)(うち)(すう)()祭壇(さいだん)(きづ)けり(これ)はヱホバがこれをさして(われ)わが()をヱルサレムにおかんと(いひ)たまひし(いへ)なり 5(かれ)ヱホバの(いへ)(ふたつ)(には)祭壇(さいだん)(きづ)6またその()()(なか)(とほ)らしめ卜占(うらなひ)をなし魔術(まじゆつ)をおこなひ口寄者(くちよせ)卜筮師(うらなひし)(とり)もちひヱホバの()(まへ)衆多(おほく)(あく)(なし)てその震怒(いかり)(ひき)おこせり 7(かれ)はその(つく)りしアシラの(どう)(ざう)殿(みや)にたてたりヱホバこの殿(みや)につきてダビデとその()ソロモンに(いひ)たまひしことあり(いは)(われ)この(いへ)()がイスラエルの(すべて)支派(わかれ)(うち)より(えら)みたるヱルサレムとに(わが)()永久(とこしなへ)におかん 8彼等(かれら)もし()(すべ)てこれに(めい)ぜし(こと)わが(しもべ)モーセがこれに(めい)ぜし一切(すべて)律法(おきて)(つつし)みて(おこな)はば(われ)これが(あし)をしてわがその先祖(せんぞ)()(あた)へし()より(かさね)てさまよひ(いづ)ることなからしむべしと 9(しか)るに彼等(かれら)(きく)ことをせざりきマナセが人々(ひとびと)(いざな)ひて(あく)をなせしことはヱホバがイスラエルの子孫(ひとびと)(まへ)(ほろぼ)したまひし國々(くにぐに)(ひと)よりも(はなは)だしかりき 10(ここ)においてヱホバその(しもべ)なる預言者(よげんしや)(たち)をもて(かたり)(いひ)(たま)はく 11ユダの(わう)マナセこれらの(にく)むべき(こと)(おこな)ひその(さき)にありしアモリ(びと)(すべ)(なせ)しところにも(こえ)たる(あく)をなし(また)ユダをしてその偶像(ぐうざう)をもて(つみ)(をか)させたれば 12イスラエルの(かみ)ヱホバかく()()(われ)ヱルサレムとユダに災害(わざはひ)をくだす(これ)()(もの)はその(みみ)ふたつながら(なら)13(われ)サマリヤを(はか)りし(なは)とアハブの(いへ)にもちひし準縄(さげふり)をヱルサレムにほどこし(ひと)(さら)(ぬぐ)ひこれを(ぬぐ)ひて反覆(ふせる)がごとくにヱルサレムを(ぬぐ)ひさらん 14(われ)わが產業(さんげふ)(たみ)殘餘(のこり)()てこれをその(てき)()(わた)さん彼等(かれら)はその(もろもろ)(てき)擄掠(かすめ)にあひ掠奪(ぶんどり)にあふべし 15()彼等(かれら)その先祖(せんぞ)()がエジプトより(いで)()より今日(こんにち)にいたるまで(わが)()(まへ)(あく)をおこなひて(われ)(いか)らするが(ゆゑ)なり 16マナセはヱホバの()(まへ)(あく)をおこなひてユダに(つみ)(をか)させたる(うへ)にまた無辜者(つみなきもの)()(おほ)(なが)してヱルサレムのこの(はて)よりかの(はて)にまで(みた)せり 17マナセのその(ほか)行爲(わざ)とその(すべ)(なし)たる(こと)およびその(をか)したる(つみ)はユダの(わう)歴代(れきだい)()(しよ)にしるさるるにあらすや 18マナセその先祖(せんぞ)(たち)とともに(ねむ)りてその(いへ)(その)すなはちウザの(その)(はうむ)られその()アモンこれに(かは)りて(わう)となれり 19アモンは(わう)となれる(とき)二十二(さい)にしてヱルサレムにおいて二(ねん)()(をさ)めたりその(はは)はヨテバのハルツの(むすめ)にしてその()をメシユレメテと()20アモンはその(ちち)マナセのなせしごとくヱホバの()(まへ)(あく)をなせり 21すなはち(かれ)(すべ)てその(ちち)のあゆみし(みち)にあゆみその(ちち)(つか)へし偶像(ぐうざう)(つか)へてこれを(をが)22その先祖(せんぞ)(たち)(かみ)ヱホバを()てヱホバの(みち)にあゆまざりき 23(ここ)にアモンの臣僕(しもべ)()(たう)をむすびて(わう)をその(いへ)(しい)したりしが 24(くに)(たみ)そのアモン(わう)(てき)して(たう)をむすびし(もの)をことごとく(うち)ころせり(しか)して(くに)(たみ)アモンの()ヨシアを(わう)となしてそれに(かは)らしむ 25アモンのなしたるその(ほか)行爲(わざ)はユダの(わう)歴代(れきだい)()(しよ)にしるさるるにあらずや 26アモンはウザの(その)にてその(はか)(はうむ)られその()ヨシアこれに(かは)りて(わう)となれり

第二十二章

1ヨシアは八(さい)にして(わう)となりヱルサレムにおいて三十一(ねん)()(をさ)めたり(その)(はは)はボヅカテのアダヤの(むすめ)にして()をヱデダと()2ヨシアはヱホバの()(かな)(こと)をなしその(ちち)ダビデの(みち)にあゆみて(みぎ)にも()にも(まが)らざりき 3ヨシア(わう)の十八(ねん)(わう)メシユラムの()アザリヤの()なる書記(しよき)(くわん)シヤパンをヱホバの(いへ)(つかは)せり(すなは)ちこれに(いひ)けらく 4(なんぢ)祭司(さいし)(をさ)ヒルキヤの(もと)にのぼり(ゆき)てヱホバの(いへ)にいりし(ぎん)すなはち門守(かどもり)(たみ)よりあつめし(もの)(かれ)計算(かぞへ)しめ 5工事(こうじ)(つかさ)どるヱホバの(いへ)監督(かんとく)(しや)()にこれを(わた)さしめ(しか)してまた(かれ)らをしてヱホの(いへ)にありて工事(こうじ)をなすところの(もの)にこれを(わた)さしめ殿(みや)破壞(やぶれ)修理(つくろ)はしめよ 6(すなは)工匠(たくみ)建築者(いへづくり)石工(せきこう)にこれを(わた)さしめ(また)これをもて殿(みや)修理(つくろ)材木(ざいもく)(きり)(いし)(かは)しむべし 7(ただ)(かれ)らは誠實(まめやか)(こと)をなせば(かれ)らの()にわたすところの(ぎん)計算(けいさん)をかれらとするには(およ)ばざるなり 8(とき)祭司(さいし)(をさ)ヒルキヤ書記(しよき)(くわん)シヤパンに(いひ)けるは(われ)ヱホバの(いへ)において律法(おきて)(ふみ)()いだせりとヒルキヤすなはちその(ふみ)をシヤパンにわたしたれば(かれ)これを(よめ)9かくて書記(しよき)(くわん)シヤパン(わう)(もと)にいたり(わう)(かへり)(ごと)まうして()(しもべ)()殿(みや)にありし(かね)(うち)あけてこれを工事(こうじ)(つかさ)どるヱホバの(いへ)監督(かんとく)(しや)()(わた)せりと 10書記(しよき)(くわん)シヤパンまた(わう)につげて祭司(さいし)ヒルキヤ(われ)一書(いつしよ)をわたせりと()ひシヤパン(それ)(わう)(まへ)(よみ)けるに 11(わう)その律法(おきて)(ふみ)(ことば)(きく)やその(ころも)(さけ)12(しか)して(わう)祭司(さいし)ヒルキヤとシヤパンの()アヒカムとミカヤの()アクボルと書記(しよき)(くわん)シヤパンと(わう)(ない)(しん)アサヤとに(めい)じて()13汝等(なんぢら)(ゆき)てこの()(あたり)(ふみ)(ことば)につきて(われ)のため(たみ)のためユダ全國(ぜんこく)のためにヱホバに()()我儕(われら)先祖(せんぞ)(たち)はこの(ふみ)(ことば)(きき)したがひてその(すべ)我儕(われら)のために(しる)されたるところを(おこな)ふことをせざりしに(より)てヱホバの我儕(われら)にむかひて(いかり)(いだ)したまふこと(はなは)だしかるべければなり 14(ここ)において祭司(さいし)ヒルキヤ、アヒカム、アクボル、シヤパンおよびアサヤ()シヤルムの(つま)なる(をんな)預言者(よげんしや)ホルダの(もと)にいたれりシヤルムはハルハスの()なるテクワの()にして衣裳(いすやう)(しつ)(まも)(もの)なり(とき)にホルダはヱルサレムの下邑(しもまち)(すみ)をる彼等(かれら)すなはちホルダに(もの)(がたり)せしかば 15ホルダかれらに(いひ)けるはイスラエルの(かみ)ヱホバかく(いひ)たまふ汝等(なんぢら)(われ)につかはせる(ひと)(つげ)16ヱホバかく()(われ)ユダの(わう)(よみ)たるかの(ふみ)一切(すべて)(ことば)にしたがひて災害(わざはひ)をこの(ところ)(ここ)にすめる(たみ)(くだ)さんとす 17彼等(かれら)はわれを(すて)(ほか)(かみ)(かう)()きその()(つく)れる(もろもろ)(もの)をもて(われ)(いか)らするなり是故(このゆえ)(われ)この(ところ)にむかひて(いかり)()(はつ)(これ)(きえ)ざるべし 18(ただ)汝等(なんぢら)をつかはして(われ)(とは)しむるユダの(わう)には汝等(なんぢら)かく(いふ)べし(なんぢ)(きけ)(ことば)につきてイスラエルの(かみ)ヱホバかく(いひ)たまふ 19(なんぢ)はわが此處(このところ)(ここ)にすめる(たみ)にむかひて(これ)(あれ)()となり呪詛(のろひ)とならんと(いひ)しを(きき)たる(とき)(こころ)(やはらか)にしてヱホバの(まへ)()(ひくく)(ころも)(さき)(わが)(まへ)(なき)たれば(われ)もまた(きく)ことをなすなりヱホバこれを()20(され)()(われ)なんぢを(なんぢ)先祖(せんぞ)(たち)()せしめん(なんぢ)安全(やすらか)(はか)()することをうべし(なんぢ)はわが此處(このところ)にくだす(もろもろ)災害(わざはひ)()()ることあらじと彼等(かれら)すなはち(わう)(かへり)(ごと)まうしぬ

第二十三章

1(ここ)において(わう)(ひと)をつかはしてユダとヱルサレムの長老(としより)をことごとく(あつ)2(しか)して(わう)ヱホバの(いへ)にのぼれりユダの(もろもろ)人々(ひとびと)ヱルサレムの一切(すべて)(たみ)および祭司(さいし)預言者(よげんしや)ならびに大小(だいせう)(たみ)みな(これ)にしたがふ(わう)すなはちヱホバの(いへ)()あたりし契約(けいやく)(ふみ)(ことば)をことごとくかれらの(みみ)(よみ)きかせ 3(しか)して(わう)高座(かうざ)(うへ)(たち)てヱホバの(まへ)契約(けいやく)をなしヱホバにしたがひて(あゆ)(こころ)をつくし精神(せいしん)をつくしてその誡命(いましめ)律法(おきて)法度(のり)(まも)(この)(ふみ)にしるされたる(この)契約(けいやく)(ことば)をおこなはんと(いへ)(たみ)みなその契約(けいやく)(くは)はりぬ 4かくして(わう)祭司(さいし)(をさ)ヒルキヤとその(した)にたつところの祭司(さいし)(たち)および門守(かどもり)()(めい)じてヱホバの(いへ)よりしてバアルとアシラと(てん)衆群(しうぐん)との(ため)(つく)りたる(もろもろ)(うつは)(とり)いださしめヱルサレムの(そと)にてキデロンの()にこれを()きその(はひ)をベテルに(もち)ゆかしめ 5(また)ユダの王等(わうたち)(たて)てダの邑々(まちまち)とヱルサレムの四圍(まはり)なる崇邱(たかきところ)(かう)をたかしめたる祭司(さいし)()(はい)しまたバアルと日月(じつげつ)(せい)宿(しゆく)(てん)衆群(しうぐん)とに(かう)()者等(ものども)をも(はい)せり 6(かれ)またヱホバの(いへ)よりアシラ(ざう)をとりいだしヱルサレムの(そと)(もち)ゆきてキデロン(がは)にいたりキデロン(がは)においてこれを()きこれを(うち)(くだ)きて()となしその()(たみ)(はか)(ちら)7またヱホバの(いへ)(かたはら)にある男娼(なんしやう)(いへ)(こぼ)てり其處(そこ)はまた婦人(をんな)がアシラのために(てん)(まく)(おる)ところなりき 8(かれ)またユダの邑々(まちまち)より祭司(さいし)をことごとく(めし)よせまた祭司(さいし)(かう)をたきたる崇邱(たかきところ)をばゲバよりベエルシバまでこれを(けが)しまた(もん)にある崇邱(たかきところ)(こぼ)てり是等(これら)崇邱(たかきところ)(ひとつ)(まち)(つかさ)ヨシユアの(もん)(いり)(くち)にあり(ひとつ)(まち)(もん)にありて(これ)()(ひと)(ひだり)にあたる 9崇邱(たかきところ)祭司(さいし)(たち)はエルサレムにおいてヱホバの(だん)にのぼることをせざりき(ただ)彼等(かれら)はその兄弟(きやうだい)(うち)にありて無酵(たねいれぬ)パンを(くら)へり 10(わう)また(ひと)がその子息(むすこ)息女(むすめ)()(なか)(とほ)らしめて(これ)をモロクにささぐることなからんためにベンヒンノムの(たに)にあるトペテを(けが)11またユダの王等(わうたち)()のためにささげてヱホバの(いへ)(もん)における(むま)をうつせりこの(むま)はパルリムにある侍從(じじう)ナタンメレクの(しつ)にをりしなり(かれ)また()(くるま)(みな)()(やけ)12またユダの王等(わうたち)がアハズの(らう)屋背(やね)につくりたる祭壇(さいだん)とマナセがヱホバの(いへ)(ふたつ)(には)につくりたる祭壇(さいだん)とは(わう)これを(こぼ)ちこれを其處(そこ)より(とり)くづしてその碎片(くだけ)をキデロン(がは)になげ(すて)たり 13またイスラエルの(わう)ソロモンが(むかし)シドン(びと)(にく)むべき(もの)なるアシタロテとモアブ(びと)(にく)むべき(もの)なるケモシとアンモンの子孫(ひとびと)(にく)むべき(もの)なるモロクのためにヱルサレムの(まへ)において殲滅(ほろぼし)(やま)(みぎ)(きづ)きたる崇邱(たかきところ)(わう)これを(けが)14また(もろもろ)(ざう)をうち(くだ)きアシラ(ざう)をきりたふし(ひと)(ほね)をもてその處々(ところどころ)(みた)せり 15またベテルにある(だん)かのイスラエルに(つみ)(をか)させたるネバテの()ヤラベアムが(つく)りし崇邱(たかきところ)すなはちその(だん)もその崇邱(たかきところ)(かれ)これを(こぼ)ちその崇邱(たかきところ)(やき)てこれを()にうち(くだ)きかつアシラ(ざう)(やけ)16(ここ)にヨシア()をめぐらして(やま)(はか)のあるを()(ひと)をやりてその(はか)より(ほね)をとりきたらしめ(これ)をその(だん)(うへ)(やき)てそれを(けが)せり(すなは)(かみ)(ひと)(のべ)たるヱホバの(ことば)のごとし(むかし)(かみ)(ひと)この言語(ことば)(のべ)しことありしなり 17ヨシアまた其處(そこ)()ゆる()(なに)なるやと(いひ)しに(まち)人々(ひとびと)これに(つげ)(それ)(なんぢ)がベテルの(だん)にむかひて(なせ)るこの事等(ことども)をユダより(きた)りて(のべ)たる(かみ)(ひと)(はか)なりと(いひ)ければ 18すなはち(それ)には()をつくるなかれ(たれ)もその(ほね)(うつ)すなかれと(いへ)(ここ)をもてその(ほね)とサマリヤより(きた)りし預言者(よげんしや)(ほね)には()をつけざりき 19またイスラエルの王等(わうたち)がサマリヤの邑々(まちまち)(つく)りてヱホバを(いから)せし崇邱(たかきところ)(いへ)(みな)ヨシアこれを(とり)のぞき(すべ)てそのベテルになせしごとくに(これ)(こと)をなせり 20(かれ)また其處(そこ)にある崇邱(たかきところ)祭司(さいし)()(だん)(うへ)にころし(ひと)(ほね)(だん)(うへ)(やき)てヱルサレムに(かへ)りぬ 21(しか)して(わう)一切(すべて)(たみ)(めい)じて()(なんぢ)らこの契約(けいやく)(ふみ)(しる)されたるごとくに(なんぢ)らの(かみ)ヱホバに逾越(すぎこし)(いはひ)(とり)(おこな)ふべしと 22士師(さばきつかさ)のイスラエルを(をさ)めし()より已來(このかた)もまたユダの王等(わうたち)とイスラエルの王等(わうたち)()にも(かく)のごとき逾越(すぎこし)(いはひ)(まも)りしことはなかりしが 23ヨシア(わう)の十八(ねん)にいたりてヱルサレムにて(この)逾越節(すぎこしのいはひ)をヱホバに(まも)りしなり 24ヨシアまた祭司(さいし)ヒルキヤがヱホバの(いへ)にて()いだせし(ふみ)(しる)されたる律法(おきて)(ことば)()におこなはんために口寄者(くちよせ)卜筮師(うらなひし)とテラピムと偶像(ぐうざう)およびユダの()とヱルサレムに()ゆる(もろもろ)(にく)むべき(もの)(とり)のぞけり 25ヨシアの(ごと)くに(こころ)(つく)精神(せいしん)(つく)(ちから)(つく)してモーセの(おきて)(まつた)くしたがひてヱホに歸向(ききやう)せし(わう)はヨシアの(さき)にはあらざりきまた(かれ)(のち)にも(かれ)のごとき(もの)はなし 26斯有(かかり)しかどもヱホバはユダにむかひて(いかり)(はつ)したるその(おほい)いなる(もえ)たつ震怒(いかり)(やむ)ることをしたまはざりき()はマナセ(もろもろ)(いきどほ)らしき(こと)をもてヱホバを(いか)らせしによるなり 27ヱホバすなはち(いひ)たまはく(われ)イスラエルを(うつ)せし(ごと)くにユダをもわが()(まへ)より(はら)(うつ)()(えら)みし(この)ヱルサレムの(まち)(わが)()をそこに(おか)んといひしこの殿(みや)とを(すつ)べしと 28ヨシアのその(ほか)行爲(わざ)とその(すべ)(なし)たる(こと)はユダの(わう)歴代(れきだい)()(しよ)にしるさるるにあらずや 29ヨシアの()にエジプトの(わう)パロネコ、アッスリヤの(わう)(たたか)はんとてユフラテ(がは)をさして(のぼ)()しがヨシア(わう)これを(ふせ)がんとて(すす)みゆきければ(かれ)これに()あひてメギドンにこれを(ころ)せり 30その(しもべ)()すなはちこれが死骸(なきがら)(くるま)にのせてメギドンよりヱルサレムに(もち)ゆきこれをその(はか)(はうむ)れり(くに)(たみ)ここに(おい)てヨシアの()ヱホアハズを()りこれに(あぶら)をそそぎて(わう)となしてその(ちち)にかはらしめたり 31ヱホアハズは(わう)となれる(とき)二十三(さい)にしてヱルサレムにて三月(みつき)()(をさ)めたりその(はは)はリブナのエレミヤの(むすめ)にして()をハムタルと()32ヱホアハズはその先祖(せんぞ)(たち)(すべ)てなしたるごとくにヱホバの()(まへ)(あく)をなせしが 33パロネコ(かれ)をハマテの()のリブラに(つな)ぎおきてヱルサレムにおいて(わう)となりをることを()ざらしめ(かつ)(ぎん)(ひやく)タラント(きん)一タラントの(ばつ)(きん)(くに)(くわ)したり 34(しか)してパロネコはヨシアの()エリアキムをしてその(ちち)ヨシアにかはりて(わう)とならしめ(かれ)()をヱホヤキムと(あらた)めヱホアハズを(ひき)(さり)ぬヱホアハズはエジプトにいたりて其處(そこ)(しね)35ヱホヤキムは金銀(きんぎん)をパロにおくれり(すなは)(かれ)(くに)(くわ)してパロの(めい)のままに(かね)(いだ)さしめ(くに)(たみ)各人(おのおの)(わり)つけて金銀(きんぎん)(しぼり)()りてこれをパロネコにおくれり 36ヱホヤキムは二十五(さい)にして(わう)となりヱルサレムにおいて十一(ねん)()(をさ)めたりその(はは)はルマのペダヤの(むすめ)にして()をゼブタと()37ヱホヤキムはその先祖(せんぞ)(たち)(すべ)てなしたるごとくにヱホバの()(まへ)(あく)をなせり

第二十四章

1ヱホヤキムの()にバビロンの(わう)ネブカデネザル(のぼ)(きた)りければヱホヤキムこれに(しん)(ぷく)して三(ねん)をへたりしが(つひ)にひるがへりて(これ)(そむ)けり 2ヱホバ、カルデヤの軍兵(ぐんぴやう)スリアの軍兵(ぐんぴやう)モアブの軍兵(ぐんぴやう)アンモンの軍兵(ぐんぴやう)をしてヱホヤキムの(ところ)(せめ)きたらしめたまへり(すなは)ちユダを(ほろぼ)さんがためにこれをユダに(つか)はしたまふヱホバがその(しもべ)なる預言者(よげんしや)()によりて(いひ)たまひし言語(ことば)のごとし 3この(こと)(まつた)くヱホバの(めい)によりてユダにのぞみし(もの)にてユダをヱホバの()(まへ)より(はら)(のぞ)かんがためなりき(これ)はマナセがその(すべ)てなす(ところ)において(つみ)(をか)したるにより 4また無辜(つみなき)(ひと)()をながし無辜(つみなき)(ひと)()をヱルサレムに(みた)したるによりてなりヱホバはその(つみ)(ゆる)すことをなしたまはざりき 5ヱホヤキムのその(ほか)行爲(わざ)とその(すべ)(なし)たる(こと)はユダの(わう)歴代(れきだい)()(しよ)にしるさるるにあらずや 6ヱホヤキムその先祖(せんぞ)(たち)とともに(ねむ)りその()ヱコニアこれに(かは)りて(わう)となれり 7却説(さて)またエジプトの(わう)(かさね)てその(くに)より(いで)きたらざりき()はバビロンの(わう)エジプトの(かは)よりユフラテ(がは)まで(すべ)てエジプトの(わう)(ぞく)する(もの)(ことごと)(とり)たればなり 8ヱコニアは(わう)となれる(とき)十八(さい)にしてヱルサレムにて三月(みつき)()(をさ)めたりその(はは)はヱルサレムのエルナタンの(むすめ)にして()をネホシタと()9ヱコニアはその(ちち)(すべ)てなしたるごとくにヱホバの()(まへ)(あく)をなせり 10その(ころ)バビロンの(わう)ネブカデネザルの(しん)ヱルサレムに(せめ)のぼりて(まち)(かこ)めり 11(すなは)ちバビロンの(わう)ネブカデネザル(まち)(せめ)(きた)りてその(しん)にこれを(せめ)(なやま)さしめたれば 12ユダの(わう)ヱコニアその(はは)その(しん)その牧伯等(つかさたち)およびその侍從(じじう)()とともに(いで)てバビロンの(わう)(くだ)れりバビロンの(わう)すなはち(かれ)(とら)(これ)はその()の八(ねん)にあたれり 13(しか)して(かれ)ヱホバの(いへ)(もろもろ)寶物(たからもの)および(わう)(いへ)寶物(たからもの)其處(そこ)より(たづさ)()りイスラルの(わう)ソロモンがヱホバの(みや)(つく)りたる(もろもろ)(きん)(うつは)(きり)はがせりヱホバの(いひ)たまひしごとし 14(かれ)またヱルサレムの一切(すべて)(たみ)および一切(すべて)牧伯等(つかさたち)一切(すべて)(おほい)なる能力(ちから)ある(もの)ならびに工匠(たくみ)鍛冶(かぢ)とを一萬人(まんにん)(とら)へゆけり(のこ)れる(もの)(くに)(たみ)(いやし)(もの)のみなりき 15(かれ)すなはちヱコニアをバビロンに(とら)へゆきまた(わう)(はは)(わう)(つま)(たち)および侍從(じじう)(くに)(うち)能力(ちから)ある(もの)をもエルサレムよりバビロンに(とら)へうつせり 16(すべ)能力(ちから)ある(もの)(せん)(にん)工匠(たくみ)鍛冶(かぢ)(せん)(にん)ならびに強壯(つよく)して(よく)(たたか)(もの)是等(これら)をバビロンの(わう)(とら)へてバビロンにうつせり 17(しか)してバビロンの(わう)またヱコニアの(ちち)兄弟(きやうだい)マツタニヤを(わう)となしてヱコニアに()(それ)()をゼデキヤと(あらた)めたり 18ゼデキヤは二十一(さい)にして(わう)となりヱルサレムにて十一(ねん)()(をさ)めたりその(はは)はリブナのヱレミヤの(むすめ)にして()をハムタルと()19ゼデキヤはエホヤキムが(すべ)てなしたるごとくにヱホバの()(まへ)(あく)をなせり 20ヱルサレムとユダに(かか)(こと)ありしはヱホバの震怒(いかり)による(もの)にしてヱホバつひにその人々(ひとびと)自己(おのれ)(まへ)よりはらひ(すて)たまへり(さて)またゼデキヤはバビロンの(わう)(そむ)けり

第二十五章

1(ここ)にゼデキヤの()の九(ねん)の十(ぐわつ)十日(とをか)にバビロンの(わう)ネブカデネザルその(しよ)軍勢(ぐんぜい)(ひきゐ)てヱルサレムに(せめ)きたりこれにむかひて(ぢん)()周圍(まはり)雲梯(うんてい)(たて)てこれを(せめ)たり 2かくこの(まち)(せめ)かこまれてゼデキヤ(わう)の十一(ねん)にまでおよびしが 3その四(ぐわつ)九日(ここのか)にいたりて城邑(まち)(うち)(うゆ)ること(はなは)だしくなりその()(たみ)食物(くひもの)()ざりき 4(ここ)をもて城邑(まち)つひに(うち)(やぶ)られければ(へい)(そつ)はみな(わう)(その)(ほとり)なる二箇(ふたつ)石垣(いしがき)(あひだ)(みち)より()(うち)(にげ)いで(みな)平地(ひらち)(みち)にしたがひておちゆけり(とき)にカルデア(びと)城邑(まち)(かこ)みをる 5(ここ)にカルデア(びと)軍勢(ぐんぜい)(わう)(おひ)ゆきヱリコの平地(ひらち)にてこれに(おひ)つきけるにその軍勢(ぐんぜい)みな(かれ)(はな)れて(ちり)しかば 6カルデア(びと)(わう)(とら)へてこれをリブラにをるバビロンの(わう)(もと)(ひき)ゆきてその(つみ)をさだめ 7ゼデキヤの子等(こたち)をゼデキヤの()(まへ)(ころ)しゼデキヤの()(つぶ)しこれを鋼索(くさり)につなぎてバビロンにたづさへゆけり 8バビロンの(わう)ネブカデネザルの()の十九(ねん)の五(ぐわつ)七日(なぬか)にバビロンの(わう)(しん)侍衛(じゑい)(かしら)ネブザラダン、ヱルサレムにきたり 9ヱホバの(いへ)(わう)(いへ)()()をもてヱルサレムのすべての(いへ)一切(すべて)(おほい)なる(いへ)(やけ)10また侍衛(じゑい)(かしら)とともにありしカルデア(びと)軍勢(ぐんぜい)ヱルサレムの四周(まはり)石垣(いしがき)(こぼ)てり 11侍衛(じゑい)(かしら)ネブザラダンすなはち(まち)(のこ)されし殘餘(のこり)(たみ)およびバビロンの(わう)(くだ)りし(かう)(にん)群衆(ぐんしう)殘餘(のこれる)(もの)(とら)へうつせり 12(ただ)侍衛(じゑい)(かしら)その()(ある)貧者(まづしきもの)をのこして葡萄(ぶだう)をつくる(もの)となし農夫(のうふ)となせり 13カルデア(びと)またヱホバの(いへ)(あかがね)(はしら)洗盤(たらひ)(だい)(あかがね)(うみ)をくだきてその(あかがね)をバビロンに(はこ)14また(なべ)火鏟(じふのう)燈剪(しんとり)(さじ)および(すべ)役事(つとめ)(もち)ふる(あかがね)(うつは)(とれ)15侍衛(じゑい)(かしら)また火盤(ひざら)(はち)など金銀(きんぎん)にて(つく)れる(もの)()16またソロモンがヱホバの(いへ)(つく)しところの(ふたつ)(はしら)(ひとつ)(うみ)(だい)とを(とれ)(この)もろもろの(あかがね)(おもさ)(はか)るべからず 17この(はしら)(たか)さ十八キユビトにしてその(うへ)(あかがね)(かしら)ありその(かしら)(たかさ)は三キユビトその(かしら)四周(まはり)網子(あみ)石榴(ざくろ)とありて(みな)(あかがね)なり(ほか)(はしら)とその網子(あみ)もこれに(おな)18侍衛(じゑい)(かしら)祭司(さいし)(をさ)セラヤと(だい)二の祭司(さいし)ゼパニヤと三(にん)門守(かどもり)(とら)19また(へい)(そつ)(つかさ)どる一人(ひとり)寺人(じじん)(わう)(まへ)にはべる(もの)(うち)(まち)にて(あひ)しところの(もの)(にん)とその()(たみ)(つの)軍勢(ぐんぜい)(かしら)なる書記(しよき)(くわん)城邑(まち)(うち)にて(あひ)しところの六十(にん)(もの)(まち)より(とら)へされり 20侍衛(じゑい)(かしら)ネブザラダンこれらを(とら)へてリブラにをるバビロンの(わう)(もと)にいたりければ 21バビロンの(わう)ハマテの()のリブラにてこれらを(うち)(ころ)せりかくユダはおのれの()よりとらへ(うつ)されたり 22かくてバビロンの(わう)ネブカデネザルは自己(おのれ)(のこ)してユダの()(とどま)らしめし(たみ)(うへ)にシヤパンの()なるアヒカムの()ゲダリヤをたててこれをその督者(つかさ)となせり 23(ここ)軍勢(ぐんぜい)(かしら)(たち)およびこれに(ぞく)する人々(ひとびと)みなバビロンの(わう)がゲダリヤを督者(つかさ)となせしことを(きき)しかばすなはちネタニヤの()イシマエル、カレヤの()ヨナハン、ネトバ(びと)タンホメテの()セラヤおよび(ある)マアカ(びと)()ヤザニヤならびに(かれ)らに(ぞく)する人々(ひとびと)ミヅパにきたりてゲダリヤの(もと)にいたれり 24ゲダリヤすなはち彼等(かれら)とかれらに(ぞく)する人々(ひとびと)(ちか)ひてこれに(いひ)けるは汝等(なんぢら)カルデア(びと)(しもべ)となることを(おそ)るるなかれこの()(すみ)てバビロンの(わう)につかへなば汝等(なんぢら)幸福(さいはひ)ならんと 25(しか)るに七(ぐわつ)(わう)血統(ちすぢ)なるエリシヤマの()ネタニヤの()なるイシマエル十(にん)(もの)とともに(きた)りてゲダリヤを(うち)ころし(また)(かれ)とともにミヅパにをりしユダヤ(びと)とカルデア(びと)(ころ)せり 26(ここ)において大小(だいせう)(たみ)および軍勢(ぐんぜい)(かしら)(たち)みな(たち)てエジプトにおもむけり()はカルデヤ(びと)をおそれたればなり 27ユダの(わう)ヱホヤキムがとらへ(うつ)れたる(のち)三十七(ねん)の十二(ぐわつ)二十七(にち)バビロンの(わう)エビルメロダクその()の一(ねん)にユダの(わう)ヱホヤキムを(ひとや)より(いだ)してその(かうべ)をあげしめ 28善言(よきことば)をもて(かれ)をなぐさめその(くらゐ)をバビロンにともに()るところの王等(わうたち)(くらゐ)よりも(たか)くし 29その(ひとや)衣服(ころも)(かへ)しめたりヱホヤキムは一(しやう)のあひだつねに(わう)(まへ)(しよく)をなせり 30かれ一(しやう)のあひだたえず日々(ひび)(ぶん)(わう)よりたまはりてその食物(くひもの)となせり